戦争を語るブログ

平和を愛し、いさかい好む

南京大虐殺

愚問のきわみ! 「南京大虐殺の際、中国軍は何処で何をしていた」だって?


【以前の記事を改訂し、再投稿】

アメリカの友人に問い詰められ、困りました。
「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている。だがそのとき、中国軍は何をしていた? 自国民を救わなかったのか?」



数年来、中国のネットユーザーの言葉として流布するコピペだが。間違いなく、「大虐殺否定派」による与太話と思われる。
敵の手に落ちた自国の首都で残虐行為がおこなわれるのを国民党の軍隊が傍観、中国側は今になって日本軍の非道を言い立てているよう印象付けるというわけだ。

ほんとうにアメリカ人がそう訊いたかは、きわめて疑わしい。



「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている。」(元ネタより)

本物のアメリカ人なら、こんな言い方はするまい。
「南京の暴虐」はファシズム時代の侵略に連なる事件として、アメリカではどの教科書や歴史の本にも記述されている。十字軍遠征でエルサレムやコンスタンチンノープルでの略奪が、モンゴル跳梁でのサマルカンドやバグダッドの虐殺が、それぞれ言及されるのとおなじように。
「中国人がずっと言い続ける」必要などない、ごく一般的な知識である。

むしろ、「日本の右派はずっと、皇軍は南京で虐殺なんかしないと言ってる」と変えたほうが実情には即しよう。
もっとも、大抵のアメリカ人は日本の歴史修正派の主張に興味なしだが。おそらく「南京大虐殺は捏造だ」とさわぐ馬鹿が日本に相当数いることも知るまい。知らされても関心の度合いは、「アルメニア人虐殺なんて大嘘」と反発するトルコを眺めるようなものか。

残念というか当然というか。
欧米人が旧日本の戦争責任を論じる場合、「あの暴虐な軍隊なら、どんな真似だってやるだろう」との前提で話を進めるのが相場だ。
彼らには、「真珠湾のだまし討ち」や「バターン死の行進」など連合軍将士になされた非道ぶりがまず頭にあるわけで、中国戦線での日本軍についても到底、「公正で規律ある軍隊」などという親切な見方はしてくれない。

まして「南京の暴虐」はすでに、ゲルニカやソンミの虐殺とおなじに(規模ははるかに凌ぐけど)、まともな人は異をはさまない歴史の一部なのであり、 偕行社や日本政府まで公式に認めざるを得ぬところだ。
(バカウヨは悔しいだろうが)
伝聞のかたちにせよ米国人の口から「中国人だけが言ってる」よう言わせること自体、尻尾まるだしのバカウヨらしさにほかならない。

むろん。否定派からすればアメリカ人には、「日本軍は立派な軍隊だった。南京大虐殺を言い立てるのは中国人だけさ」とか言ってほしいかもしれない。
それはわかる。
だったらせめて、「学校では日本軍は南京で大勢の中国人を殺したと教えてるけど、俺の考えでは……」「南京事件といえばみんなが日本軍の暴虐ばかり話題にするけど、俺が思うに……」とかで切りだせば簡単にはバレなかったかもしれない。アメリカは多様性と独自の認識を重んじる国だから、そうしたほうがアメリカ人らしい言い方になる。
ところが、「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている」では、日本のネトウヨの認識がそっくり反映されただけでリアリティの欠片もない。
まったく、アメリカ人を見くびるにもほどがあろう。

そういう次第で、南京事件のことを「中国人がずっと言ってる」と感じるのは、まぎれもない日本の右派勢力だけなのだ。
しかも日本の右派がそう感じざるを得ないのは、まさに右派のほうこそ「南京大虐殺なんかなかった」とずっと言い続け、とりわけ要人がその手の発言を連発するせいで中国側の反発を招いてきたからである。
南京の件で中国から叩かれ続ける理由が自分たちにあることすら右派にはわかっていないのだ。


さて。
「南京大虐殺のとき、中国軍は何をしていた? 自国民を救わなかったのか?」
まったくもって、新味も、鋭さも、戦略上の洞察もまるで感じられない愚問のきわみであろう。

バカウヨの頭では急所をうまく突いた気なのだろうが、実際はこうしたことを大真面目で訊くのとおなじほどの愚昧ぶりをさらしたにすぎない。


「ナポレオン軍にモスクワが占領され大火となったとき、ロシア軍は何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて消火しなかったの?」

「1814年、英軍に首都ワシントンが焼き打ちされたとき、アメリカ軍は何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて消火しなかったの?」

「元寇で対馬の住民が殺戮されたとき、日本の武士たちは何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて救助しなかったの?」

そして、
「広島や長崎に原爆が落とされる間際、日本の防空隊はそれを防がなかったのか?」


ようするに。
どんな歴史的事況についても実情をわきまえない愚問はいくらでも出てくる。
そうやって、「中国軍が南京を奪われたとき何もできなかった」事実を強調するのが南京に災厄をもたらした当の日本軍の蛮虐の度を薄める効果をもたらすと本気で思うとしたら、皇軍の戦争犯罪を否定する手合いがいかに頭の弱い集団かの証左にだけはなるということだ。




えへへ
ぼく、米国人

ほんとはバカウヨ
「中国人はずっと、日本人が南京で中国人を大量に殺害したと言っている。
この大虐殺は二、三カ月もの間続いたとのことだが、その間中国の兵隊はどこにいた?
二ヶ月も続いたならば、どこにいても駆けつけることができたはず。
中国軍はなぜ南京の市民を守らなかった?」



   ↑ いうことそっくり ↓


「ユダヤ人はずっと、ドイツ人は欧州でユダヤ人を六百万も殺害したと言っている。
この大虐殺は三、四年もの間続いたとのことだが、その間世界中のユダヤ人は何をした?
何年間も続いたならば、どこにいても駆けつけることができたはずだ。
米国のユダヤ人はなぜ欧州のユダヤ人を守らなかった?」





「おまいら日本の歴史修正派は、1937年の南京占領時に日本軍は暴虐な振る舞いなどやってないと日本語だけで主張する、世界から完全に孤立した集団だってことをまず自覚しろ。

もっとも仮にだ、南京で日本軍が礼儀正しく振舞ったからって、どうだというんだ?
同時期に日本帝国が百万におよぶ大軍で中国を制圧しようとした世界史上の大事実をなかったことにできると思うか?

日本が口火を切ったこの戦争は、当時ですらパリ不戦協定で是認されるような自衛行為じゃない。
満州占領このかた国際社会に背を向けてきた日本が国連の非難にも耳を貸さずに続けた、一方的な侵略行動だったはずだ。
(そうやって蹂躙される中国に同情した英国と合衆国の対中援助や日本への締め付けが、行き詰った日本の軍国主義者をして英米との開戦に踏み切らせる動因となった)

南京での暴虐を云々する以前に、あのとき南京に日本兵のいたこと自体、言い逃れのできない犯罪として歴史に刻み付けられるのを忘れるな。」


>日本が口火を切ったこの戦争は、当時ですらパリ不戦協定で是認されるような自衛行為じゃない。


けけけけ・・
そんなの関係ね〜
  



関連リンク

ネット右翼の妄言録
http://www.geocities.jp/ondorion/now/mougen.html#18


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「南京の人口」を説明する画像テストです


南京事件当時の南京の人口についてフォーゲル教授が説明する画像テストです。
南京事件についての知識の基本中の基本であり、ご存知の方は「なんで今更?」と思うでしょうが、本投稿の目的は解説自体よりも画像の表示を確めることにあるので、そこはご了承ください。












南京大虐殺(Nanjing Atrocities)とは?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1937〜38年、日本軍にとって支那事変(日中戦争)の最終局面となるはずだった中華民国首都南京への進撃、攻略、そして占領後数ヶ月という期間に、略奪、強姦、捕虜や民間人の殺害等、日本兵によって犯された大々的な逸脱行動全般をさす。
東京裁判で裁かれはしたが、第二次大戦中の出来事ではない。むしろ日中戦争がここで終わらず長期化したのが遠因となり、日本は第二次大戦へと踏み込んでいったのである。

南京戦のはじまる前の時点で、国際連盟は中国への都市爆撃で日本を非難、ルーズベルト米大統領は有名な「隔離演説」をおこない、さらに九カ国条約会議は日本の中国侵略を国際法違反として警告を発した。
日本軍の行動については、国際社会の批判に聞く耳なしで中国の奥深く攻め入り相手の首都を陥落させたという全体像だけですでにドイツのポーランド侵攻と同様に、弁明の余地はない。

それは世界注視の中でおこなわれた侵犯行為であった。
「南京の暴虐」がまったくなかったとしても、責を免れるものでなく、日本の対支作戦は南京事件以前の問題として言語道断であり銘記されねばならぬことだ。

しかしながら国内では、虐殺の規模や法的解釈をめぐる諸々の、だが瑣末な議論が果てもなく続き、右派勢力の側では、まるでこの出来事さえ捏造だということにすれば第二次大戦での日本のすべての戦争犯罪を赦免できると言わんばかりの気迫で否定論を唱えるのが常態となっている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




アパホテル


例のアパホテルの客室に南京事件の否定本が置かれてた件。
中国での騒ぎを報じる『ミヤネ屋』を職場のテレビで見ながら、「なんだ、こりゃ」と思った。

番組では南京大虐殺について、日本政府も殺戮や暴行があったのは否定できないと認めていると説明しつつも、中国側と日本側とで主張する犠牲者数が食い違うのを末端肥大的に強調、ようするに日中間の南京事件をめぐる対立を「殺した数の問題」に持っていこうとする。

この件にかぎらず歴史認識での諸外国との軋轢は安倍政権と支持層の歴史修正主義こそ諸悪の根源だが、『ミヤネ屋』の連中は問題の骨子をはずれた向きにそらして平気。あげくには、「民間のことに中国政府が口出しなんて大人気ない」で片付けてしまう。
視聴者の知性を六歳児なみに見下さないと出来ない番組構成だ。





では、犠牲者数が30万に達してないから日本軍のしたことは問題ないというのだろうか?
とんでもない。

たとえば、ピカソの絵にもなったゲルニカ空襲。
スペイン内戦時、バスク地方の町へのドイツ空軍の無差別爆撃で多数の民間人が犠牲となった出来事だが、ながらくフランコ派(スペインの右翼)と反フランコ派(ほとんど全世界)の間で死者数をめぐり争われてきた。内戦でドイツに支援された立場のフランコ派は少なめに見積もり、反フランコ派は数千名を主張というのが大体の構図だ。
しかしこの件、近年の研究によれば死者は数百名で決着がついたとする記述が日本のWikipediaでなされている。本当としたら、何千人も死んだと思われたのが実際は一桁下回る被害規模だったことになろう。

それでも、ゲルニカはゲルニカなのである。




実際の話、ホテルチェーン支配人が営業目的の施設を私物化、配布した自著で「南京大虐殺などなかった」と吹聴するのがどれだけ常軌を逸した振る舞いか。
ワルシャワ蜂起のときドイツ占領軍は抵抗軍や市民の虐殺などしなかったと言いふらすようなもので、確定された歴史とは異なったことを真実と決め付けるに等しい。
仮に。
ドイツのホテルで各部屋にそんな思想宣伝の本が備え付けだったら、諸外国の客人はどう思うだろう? そもそもドイツの国民がどう感じるだろう? ドイツ政府はいかに対処するだろう? ドイツのメディアはなんと報じるだろう?
喝采する者がいるとすれば、鍵十字の旗を押し立てたいと願うネオナチだけではないだろうか。

ところが。
同様のことがあった場合ドイツで当然おこると予想される反応が日本ではまったく見られない。逆に、ホテル側の肩をもち、非難するほうに対抗している有様だ。
まさに驚くべき状況なのに、誰も驚いていない。

かたやの中国は、外務省みずから非難声明を出し(なぜなら日本政府がアパを野放しなのだから)、ネット民はアパホテルに抗議の嵐。
今回に関しては、中国側の態度が普通なのである。
なんといっても日本軍の南京占領で被害を受けた当事者だ。


おわりに。
ネット右翼から出そうな疑問に先んじて答えたい。
少女像問題とアパホテルの件ではどこが違う? なぜブログ主は少女像の肩をもち、「南京本」のほうは批判する? どちらも撤去しろと圧力をかけられた側が反発する構図は同じだろ?

いや、ぜんぜん違う。真逆である。
「被害者側が史実を訴える」行為と「加害者側が史実を否定する」行為の差だ。

少女像はアジアを武力で占領した軍隊のため用立てられた女性たちの受難を象徴し、細部はどうあれまるっきりの虚構にもとづいてはいない。
それは被害者側の訴えにほかならないが、いずれ原爆記念碑のような汎人類的なものへと昇華される可能性がある。
(安倍政権には不快なことかもしれないが)

アパホテルの行為はといえば、現に日本をむしばむ歴史修正主義の流れに身をゆだねた、加害者側の恥を知らない自己正当化に類するものだ。
まともな歴史研究を無視、侵略軍を免責する意図から身びいきな虚構ばかり書き並べた「南京本」はまるで価値がないばかりか思想的に危険な代物である。
(安倍政権には助けになるかもしれないが)

こういったことが異なっている。






関連リンク

「アパホテルが南京大虐殺が虚構である証拠の数々と称して
公表している内容について反論しておく」
(誰かの妄想・はてな版)
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20170120/1484926865


今さら聞けない!?「南京大虐殺って?」
(NAVERまとめ)
https://matome.naver.jp/odai/2142398482766978901


「南京事件 初歩の初歩」
(南京事件−日中戦争 小さな資料集)
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/shoho.html





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南京事件をめぐる溝/中国人の被害者感情とネット右翼の被害者意識


南京事件扱った映画シーンを服の柄に、販売した米百貨店「炎上」
http://www.afpbb.com/articles/-/3107837

上のはAFP日本語サイトでの報道だが。
南京事件の説明の仕方に妙なバイアスがかかっており日本語版限定の記述ではと直感、原文はどんな具合かAFPの本家サイトで元記事を探してみたけど今のところ見つからない。
それで。
より詳しい、こちらのニュースサイトによればだ。

Nordstrom hoodie showing Japanese killing Chinese in WWII spurs outrage
https://t.co/2PmWILUsyo

ようするに。
米国の百貨店が中国映画『南京!南京!』から抜粋した民間人が日本兵に処刑される場面を素材にしたパーカを売り出したところ、中国系の人々から抗議が殺到、販売中止に追い込まれたのが真相。



こんな感じの柄だった



元デザインはこう





抗議の出所はおもに中国系米国市民だったというが。
この出来事での被害者感情を共有する側から、いかに無神経な暴挙とされたかは余りある。
たとえばユダヤ人の虐殺場面を防寒着の図案にされた場合、サイモン・ウィーゼンタールはどんな反応を示すだろう。とうてい好意的な見方はしてもらえない。
日本人には、欧州の国で広島や長崎の被災場面をあしらったデザインの衣服を店頭に出された状況を想像してもらえばいいかもしれない。
そういったことと同じなのだ。

ただしデザイナー氏によれば、変な意図からではないという。
中国系の人々を傷つけるつもりはなく、「無関心でいることへの抗議」をテーマにしたとの主張である。
https://t.co/eEiRWroAks

そう言われてみればわからんでもだが。
「無関心への抗議」だったら、背景となる惨害はルワンダでもシリアでもミャンマーでもよかった。あえて南京事件を選んだのははるか大昔の出来事であり――これが「なかった」とか「死者数わからんから問題ない」とか言ってるのは、日本のバカウヨくらいのものなので――、つまり確定済みの歴史となっている分リスクが少ないと判じてのことだろう。
(もっとも南京事件は、安倍政権の不誠実な対応から日中間ではデリケートな問題と化しているのだが。しかし中国にすれば尖閣をめぐるイザコザよりは優先度が低い)

重ねて言うけれど。
このパーカ販売を不快がり抗議したのはまず中国系の人々であり、売り手側はそんな反響を考慮し販売中止の決定を下した。
日本のネット右翼には「中国人は、戦争のことは何でも日本を責めるダシに使う」といった、変な被害者意識が存在するのだが、そこから想像をふくらませたのとはおよそ状況がかけ離れている。
(実際Twitterでは、こういう柄の服を売ったほうを中国人と混同したりロビーによる反日宣伝と決め付けるツイートまであって呆れるしかない)

歴史的題材の取り扱いはなかなかに難しい。どちらかといえば善意の動機から発したのに冒涜と受け取られる場合もあり、この「パーカ事件」はまさにそれ、本来なら欧米ではあまり関心を払われない南京事件に脚光を浴びせることだったかもしれないのに、中国系の人には神経を逆なでされる事案というわけだ。
本物の被害者感情とはこういったものだろう。






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通州事件の記憶遺産登録は日本にとってヤブ蛇ですが




中国で南京事件の追悼式典。
今年は、南京事件資料のユネスコ記憶遺産登録があったにもかかわらず前年より地味におこなわれ、さらに日本に気を使ったのか、習近平以下最高指導部は出席を見合わせたという。

一方。
「南京」で検索すると、「否定派」の冒涜発言ばかり出てくるのがインターネットの日本語圏だ。
なんにせよ、まず死者に敬意を表すのが人の道だと思うが、日本のネット右翼にそういう心ある反応をまったく期待できないところが凄い。
ある者は「30万も殺されなかった」と憤り、別の者は「虐殺はまったくなかった」とまでうそぶく。
加害側の子孫が被害国に対して、本気で怒っているのだ。
(人間として、どこかずれてる)
しかし真相はどうあれ、戦闘はおこなわれたし、甚大な数の犠牲者が出た。
すべて、日本軍が南京まで攻め込まなければ失われずに済んだはずの命ではないか。

1937年の日本の対中戦争は、普通の国が国際法に定まった手順をもって始めたものではない。
盧溝橋事件以来、日本政府は宣戦布告すらせずに大陸への大がかりな増派を続けていた。
そうするうち日本軍の大部隊が、守備すべき上海租界の領界を超えて中国領土へとなだれ込む。彼らは退却する中国軍を追って、敵方の首都南京にまで攻めのぼった。
11月、つまり南京攻防戦が始まる前の時点で、九ヵ国条約会議はこれを国際法違反として非難していた。
(まあ九か国会議の判断を待つまでもなく、普通の目で見たって、これは侵略だが。そもそも松井大将麾下の部隊がしたことはまったくの独断専行で、軍中央の許可さえ得ていないのだ)

現地軍に侵略の意図があったかはどうでもいい。
行為自体が侵略なのである。
南京で虐殺が起ころうが起こるまいが、すでに日本軍が南京にいたこと自体が重篤な国際法侵犯以外のなにものでもないという状況だ。

そのうえに、日本軍は虐殺までおこなった。城内でも城外でも、略奪や強姦が横行した。
これらは、日本側の記録や証言だけで明らかとなっており、今更このブログで記す必要もない。
すべて中国側の捏造だと躍起になって旧軍の無実を言い張るのは、腐った差別根性を隠しもせぬ日本の国粋ネッター達と見返りが目当ての不良外人という、判で押したような面々ばかり。今後とも、世界から隔絶した彼らの特異な史観が受け入れられる見込みはまるでない。


ところで。
大虐殺否認派の唱和する「なかった、なかった」大音頭を聞いてると、ついには疑いの気持ちが生じてきてしまう。
彼らの、まるで日本と中国の間に南京事件しか存在せず、それさえ否定できれば日本の罪はすべて帳消しになるかのような言いっぷり。もしかして、ほかに歴史を知らんのじゃないだろうかという疑惑だ。
これは怖い。
しかしそう考えれば、ネット右翼のあの救いがたい無茶苦茶ぶりも納得がいく。
本当にそうなのかもしれない。

ふざけんな、南京事件以外にも知ってるぞ。通州事件があるだろ!」とか言われそうだ。
そう、それを待ってた。
通州事件。

関東大震災での朝鮮人殺戮やシベリア出兵でのニコライエフスク事件と比べれば犠牲者数は小さいが、日本の極右勢力が狂おしい執念で宣伝に精出したせいで、ほとんど「分不相応」という言葉を当てはめたくなるほど、実態以上の大惨事として鳴り響いてしまった。
1937年におきた中国大陸の一地方都市での暴動だ。
ネット右翼はこれを、「封印された歴史の闇を、俺らは知ってる」とばかり得々と語るが。実際のところ1960年代には左派系の作家の筆で雑誌の連載小説中に描かれており、大多数のネット右翼が生まれる前の平和な日本で、多くの人から普通に知られていた。
http://www.geocities.jp/ondorion/now/mougen.html#35

問題の肝は、この通州が中国のどこにあったかということ。
いかなる経緯で、通州を首都とする冀東防共自治政府は成立したか?
そこで日本の関東軍が何をしたか?
そしてなぜ大勢の日本人が通州のような小さな町に集まったか?





これら芥子の実からとれる化合物が阿片となり通州から中国全土に売りさばかれ
(関東軍にとって大きな収入源だった)、どれだけの中国人の人生が破綻したことだろう。
だが阿片の商いはおそろしく実入りが良く、一攫千金を狙う者が通州の地に群がった。




さて、本題。
この通州事件を、ユネスコ世界遺産に登録しようと本気で言い張る人々がいる。


「通州事件」ユネスコ記憶遺産に申請へ
 つくる会「世界に知ってほしい」 中国軍の邦人200人殺害

(産経新聞)
http://www.sankei.com/life/news/151211/lif1512110039-n1.html


さすがに絶句である。
つくる会、産経新聞ともども、正気でないとは前々から知っていたが。
一から十まで勘違いで成り立った集団妄想を臆面もなく押し通し、世界の人を改心させる衝撃の真相と思い込んで動じないところ、実に痛い。

通州は当時、日本帝国の傀儡たる冀東防共自治政府の首都だった町で、したがって国民党や共産党の施政は及ばなかった。通州事件を持ちだして中国を非難するというのは、西部劇でいえば、ある居留地で先住民が蜂起し開拓者が殺されたのを理由に、報復を全米の先住民におこなうようなものだろう。
しかも事後、冀東防共自治政府は日本政府に対し、ネット右翼の大好きな謝罪と賠償をおこなっており、この一件については完全に決着がついている。

それと。通州事件を登録申請するにはまず、なぜ保安隊の暴動が起きたか説明しなければならないが。やはり、「国民革命軍によって仕組まれた」とかの宣伝文句を述べ立てるのだろうか?
それはさすがに、「コミンテルンの陰謀で日本は戦争に追い込まれた」と真顔で言い立てるあの田守神論文を登録申請するのとおなじほど イカれてる 無謀というものだ。

ぶっちゃけ。冀東防共自治政府の顛末、通州が阿片の流通基地だった事実、事件の日に保安隊が暴動をおこした経緯を知っていれば、恥ずかしくて日本側から記憶遺産に名乗りなんて上げられたもんじゃなかろうに。
(登録はどうせ、予選落ちだが)

まったく、ユネスコを冒涜するにもほどがある。世界記憶遺産の登録とは、ネトウヨが2ちゃんねるでスレッド立てるのとわけが違うのに。
南京事件資料の件がよほど腹立たしかったのだろうか。





冀東防共自治政府

かなり広い範囲にわたっているのがわかる。
要は、満州国やのちの南京国民政府のような、日本帝国の傀儡国家である



まあ自分としては、あの時代の大陸への野心がむき出しの華北分離工作、関東軍と阿片との関係などを偲ばせるという意味で、通州資料の登録申請にはむしろ賛成したいくらいなのだが。
とはいえ、右翼さんのほうからよりによって「通州事件」をユネスコ記憶遺産に登録申請とは、本気で日本軍国主義を愛する者とも思えない。

なんというか、あまりにも アホ アレだ。ものを知らなすぎる。
おおかた「虐殺」という単語への脊髄反射で、「むこうが南京で来るなら、こっちは通州じゃい」となったのだろうが、それにしても「通州」という大日本の黒歴史を「虐殺」のキーワードでしかわかってないとはあきれ果てるしかない。

極右な人々は今後も、通州事件にかぎらずあらゆる材料で反中宣伝の発信を続けるだろうが、断言しておこう。
中国人の残虐性を言い立てるのが南京事件の犯罪性を相殺させたい一念からであれば(他に理由などありそうもないが)、世界への効き目はまるでない。

大戦末期、ソ連に攻め込まれたドイツでも、赤軍兵の陵辱にドイツの婦女子は言語に絶する悲惨を味わった。通州事件など比較にならない、広範にわたる規模でだ。それでも、ソ連がドイツにこんな酷いことをしたからドイツが東欧でおこなった残虐行為を反古にしようなどと言う人はいないのだ。


追伸
通州事件を登録申請するなら、ついでに、平頂山事件陽高事件の登録もよろしく。





関連リンク

通州事件は、日本の傀儡冀東政府の保安隊が日本軍に誤爆されたためおきた反乱で、事件後、冀東政府は日本に正式に謝罪・賠償しているのに、やたら「通州事件をなぜ隠すのか」と質問する人がいるのはなぜですか?
(Yahoo!知恵袋)
https://t.co/CYPDLYydrz


冀東防共自治政府
(世界史の窓)
http://www.y-history.net/appendix/wh1504-046_1.html


冀東防共自治政府とは何ですか?Wikipediaを読んでもよくわかりません。誰が何の目的で樹立したのか、また成立の背景など、わかりやすく教えていただけませんか?
(Yahoo!知恵袋)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1428316094




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続・東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫


あのあと、面白い動きが二つあった。
ロシアがシベリア抑留の登録で文句をつけてきた。
それとアメリカがユネスコに復帰する。





そら来たという感じのロシアからの抗議だが、米国のユネスコ復帰は寝耳に違いない。
パレスチナの加入に反発、ユネスコへの拠出金を停止していたアメリカが戻ってくるという。日本の拠出金の停止をめぐり、こーゆーこと言ってた人たちはみごとに梯子をはずされた。
(ていうか、はじめっから梯子なんて届いてなかった)

     ↓



いや、メデタイ♪♪♪


(ロシアの絵本の挿絵です)



まあ、ユネスコ復帰といっても。
ケリーさんは「議会にはたらきかける」と言ってるわけだから、すぐにというわけじゃないし、議会で承認されないかもしれないが。
とりあえず、安倍政権のユネスコ恫喝にみごとな当て付けとなる立ち上がりを示してくれた。

さすがアメリカ合衆国。
かの国と日本とはたがいにデモクラシー国家同士としての価値を認め合った場合においてのみ、「義兄弟」でいられるのだ。
もう何度も言ってることだけど。






関連リンク

東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫
(当ブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52014697.html



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東京を占領した南京事件否定派、ユネスコを脅迫

記事題の通りに形容するしかない状況だ。
(他にどう表現できる?)

安倍政権が、中国の南京事件資料がユネスコの世界記憶遺産に登録されたのに憤り、いまや日本が最大の拠出国である組織運営の分担金を凍結するぞと揺さぶりをかけている。

いや、「凍結する」うんぬんは、国内支持層にアピールするための発言にすぎず、実際にユネスコに通達したわけではないようだ。
しかし世界はそう受け取った。



「日本がユネスコを脅迫」拠出金停止の検討、海外メディアはどう報じたか
(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/13/japan-threatens-unesco_n_8289618.html

米国CNN「「東京は南京大虐殺文書に怒り、ユネスコとのドアをピシャっと閉じた」
英国ガーディアン紙「日本の新聞は、団結してユネスコを非難した」
中国新華網「世界は日本がお金で国際社会を脅す醜い行為の目撃者となる」



安倍政権と支持層の頭の中ではユネスコが、国連が、中国に操られたように見えるのかもしれない。それでユネスコを揺さぶり「中国人狩り」をしているつもりかもしれない。ちょうど占領下の南京で日本軍がやった、「便衣兵狩り」のように。

あいにく世界の目には、日本政府がユネスコを脅してるとしか映らない。新華網が「金で国際社会を脅す醜い行為」と伝えるとおりの光景だ。
現状、日本のやり方に賛同する国はない。
まして。ほんとうに分担金の払いを停止したらどうなるかはあきらかだ。
日本にとって、対米開戦以来最大の愚挙となるだろう。よりによって「ユネスコを脅迫」して不都合な登録を抹消させようとは、ディズニーランドを軍事占領する暴挙にも等しい。

だいたい日本政府は一体、どんな抗議をしようというのか?

日本軍の南京入城後の状況が、外務省による認識「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」の通りだったのは、日本側の資料だけでも十二分に証明できてしまう。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/

だから菅官房長官といえども、ネット右翼やリアル右翼のように「虐殺などなかった。みんな中国の捏造だ」で押し通すわけにいかないのだ。
そこで、過去を蒸し返すことが今の日中関係に及ぼす影響を懸念するような口ぶりをする。
「流血の過去を俎上に乗せるのは日中友好上よろしくない」というわけだ。
自国側があたえた被害を相手国が銘記する行為を、「友好上よろしくない」と諌めるという神経はそうとうなものだと思うが、国際的な常識は今の我が政府には通用しない。
本音は、「美しい日本」の歴史を汚されたくないだけだから。

さらに中国側の提示する「犠牲者数30万」の誇大さについて固執。南京事件を論争化させる他の歴史修正主義者と同様に、安倍政権の幕僚も「30万人も殺された証拠はない」と、数の問題に持ち込もうとする。
「日本は思われてるほど大罪を犯したわけじゃない。30万人も死んでないから、中国の言うことは嘘だ」という印象を抱かせたいのだ。

ここで、意図的に話をずらそう。
1812年。ナポレオンのロシア遠征に動員された欧州諸国の兵数は70万近く。うち60万がロシア国境を越えたとされるが、軍がモスクワに迫る頃には総力20万程度にまで減っていた。あとの40万はどうなったか? のたれ死んだか脱走したと考えるしかないが、資料的な裏付けがまるでできない状況らしい。
(キング・ヴィダー監督の映画『戦争と平和』では初めからこの問題をかっ飛ばし、「二十万の大軍が攻め込んだ」ことになっているほどだ。)

とはいえ。ここに拘って、数字が不確かだからとロシア遠征をなかったことにする史家など見たことがない。攻め込んだ兵数が20万だろうが60万だろうが、ロシア戦役がナポレオンの大失策、侵略的遠征により相手方の国土と軍民に甚大な被害をもたらし、自軍の大半を損耗させたという大事実に変わりあるはずがない。

ロシア遠征の例を持ちだしたのが、何を言うためかわかると思う。
数字がカッキリしてないのはそれほど重要ではない。
大切なのは全体像だ。
一国の軍隊が守るべき範囲を超えて他国の領土になだれ込み、国連の非難も、中央の停止命令さえ無視し相手方の首都に進撃するという、それ自体が大規模な逸脱を松井石根大将麾下の部隊はやった。
(引きずられるかたちで軍令部も南京攻略時点には現地軍の要請に応じるのだが、そもそもハーグ条約違反である。そのうえ中央が現地軍の行動を追認したことにより、日本国家そのものが中国侵略の責を免れなくなった。)



『1937年9月中国政府は日本の中国侵略を連盟に提訴した。連盟総会は9月28日にまず、「都市爆撃に対する国際連盟の対日非難決議」を全会一致で可決し、日本軍による上海、南京、広東爆撃を非難した。さらに10月6日には日本の軍事行動が九カ国条約と不戦条約に違反していると判定し、連盟は中国を道義的に支援することを採択した。そして同年11月3日から24日までブリュッセルで開催された九カ国条約会議では、日本の中国侵略を国際法違反であるとして非難、警告する宣言を採択した。』
(中国は国際連盟に働きかけていた/南京事件FAQ)
http://seesaawiki.jp/w/nankingfaq/d/%c3%e6%b9%f1%a4%cf%b9%f1%ba%dd%cf%a2%cc%c1%a4%cb%c6%af%a4%ad%a4%ab%a4%b1%a4%c6%a4%a4%a4%bf


「日華事変」はすでにその当時から、侵略戦争と認定済みなのだ。
虐殺があったなかった以前に、日本軍が南京にいたことが根本的な罪だった。
それで後代の者が「30万も殺した証拠を出せ」と言い張っても、厚顔無恥な大馬鹿者と思われるのが関の山、どこの国からも相手にされるわけがない。

今回の件では日本でも多くの人が、ブログやTwitter等で、安倍政権のユネスコへの不適切な対応を批判している。
自分はといえば、機会あるごとに語ってきた通りのことを再掲するばかりだ。

南京大虐殺がなかったとして、
日本が中国を侵略した事実は帳消しになるんですか?





付録
ネット右翼が「南京大虐殺が嘘だった証拠だ」と躍起になって拡散している写真の一枚



タネを明かせば、当時の軍部が従軍記者に撮影させた、中国人との「友好」を伝えるプロパガンダ写真にすぎない。
そもそも皇軍の印象を悪くするものが検閲で許可されるはずないのだと理解する必要がある。
しかし不思議でならないのは、今のネット右翼の中国人に対する親しみの気持ちが、写真中の日本兵ほどにも欠けていることだろう。






関連リンク

産経新聞とうとう、「南京大虐殺」を完全否定!
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2142398517467678601


「国際連盟は2万人虐殺すら認めなかった」というトリック
(南京事件−日中戦争 小さな資料集)
http://t.co/IJsWc16WYo


南京は燃え尽きた
(大戦壮語)
http://www.geocities.jp/ondorion/war/war-opinion/nanking_manual.html


民主党の長島昭久さんが南京事件に関して自信満々にツイートするも、
初歩の初歩でつまづきツッコミ殺到
(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2144497314961446701






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南京虐殺映画上映会 一度に四つも!


南京虐殺映画を堂々上映 一度に四つも!
南京・史実を守る映画祭



(シネマトゥデイ)



ごめん、もう終わった。



南京虐殺映画4本一挙上映に警察が会場を厳重警備!
新右翼団体鈴木氏が盾になる?


 [シネマトゥデイ映画ニュース] 日本ではなかなか上映されない南京大虐殺事件をテーマにした「南京・史実を守る映画祭」が13日、東京・世田谷区民会館ホールで行われた。日本初公開となる、ジョナサン・リス=マイヤーズが英国人ジャーナリストにふんし、命懸けで中国の戦争孤児を救った実話の映画化『チルドレン・オブ・ファンシー 遙かなる希望の道』(08年、豪・中・独合作)など4作品が上映された。

 また記念シンポジウムも行われ、同映画祭実行委員会の荒川美智代さん、ドキュメンタリー映画『南京・引き裂かれた記憶』の武田倫和監督、新右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男氏が登壇し、約200人の観客が詰め掛けた。

 今回の映画祭は荒川さんたちが「待てど暮らせど公開されないのなら、自分たちで上映するしかない」と企画したもの。いまだ史実をめぐって論争の絶えない題材だけに、この日は万が一に備えて所轄警察署などが会場を警備。しかし抗議や妨害などのトラブルはなく、むしろ「参加したいという方から『当日は覚悟して行きます』という電話をいただいた」(荒川さん)という。

 そのエピソードを聞いた鈴木氏は「最初にこの企画を聞いたときに『命は惜しくないのか?』と思ったけど、4本もまとめて上映してしまうと大丈夫なのかもと思っちゃいますね。そもそも右翼の人たちは第一次情報がないんです。どういう形で抗議活動に出るかというと、週刊新潮と産経新聞の記事。特に週刊新潮で『反日だ』と記事が出ると(右翼は)天の声だと思い、おれたちが動かざる負えないと思ってしまう。でも今日は護衛隊もいるし、客席の前3列は関係者席にしてある。これで(ステージの)左右の階段も取っちゃえば、なかなか(抗議者は)壇上に上がってこれないですよ。僕もかつてやったことがあるからわかるんです」とユーモアを交えて語った。

武田監督も「映画公開のとき、抗議よりも先に警察官が来て下さった(苦笑)。そして『(スクリーン前に飛び出せないよう)席の一列目に客を座らせるな。それと壇上に本を並べておくように』とも指導を頂きました」と公開秘話を明かした。

 まず南京大虐殺事件を語る際、大きな問題として日中間や右派左派で歴史認識の違いがある。武田監督は中国の被害者と元日本軍兵士という両方を取材した体験の中で、「今回、元日本軍兵士はご高齢なので最期に(真実を)語っておきたいと言う人もいたが、一方で、話に熱が入るとまるで青春の1ページとしてすごく楽しそうに語られる。(インタビューアーの)松岡環さんが中国人に対する現在の心境はどうかと水を向けられると『あの時、自分の心は荒んでいた』とは言うけど、そこには中国人のことをシナ人と表現したり、どこかで蔑視が残っているのではないか」と指摘した。

 その話を受けて鈴木氏は「(武田監督の)映画を見て思ったのは、(元日本軍兵士の)証言者が加害者ではなく、自分も被害者であると思っているんですよね。自分たちはあの戦争で兵にとられ、悪魔的な時代の中で命令されてやったのだと。被害者として安心してしゃべっているから見ていてちょっとムカッとした。息子に母親を強姦させたり、銃弾がもったいないからと一つの建物に人を集めて蒸し焼きにしたとかひどすぎる。さらには、若い兵隊が集まっているんだから(強姦は)当然だろうみたいなことも言っている。それは今の保守派の人たちの理論と同じですよね。その一方で左翼の人たちが、犠牲者は30万〜40万人いたと、一般の人の理解を得るために話を誇大にしますよね。僕はそんなに多くはないと思うけど、例え1万人でも虐殺は虐殺です。でも武田監督の感想を聞いて安心しました。右派も左派もこうしてもっと本音で話し合うべきなんです」と訴えた。

 だが、タブー視されている問題ゆえ、実際に何が起こったのか? こうして公の場で語られる機会もないのが実情だ。すると鈴木氏は「確かに『南京・引き裂かれた記憶』のように、戦争の暗黒面や恥部を見せられるのはキツイですよね。学校の授業でも、(このあたりの)近代史は教えないでしょう。でもそれ以前の歴史はテレビで見ればいい。その分、日清・日露・大東亜戦争をきちんと学んだ方がいいと思う。そして何故、こういうくだらない戦争をやったのか? 二度と起きてはいけない事だと思うので、何度も検証すべきではないかと思うんです」と歴史教育における持論を展開した。



(シネマトゥデイ)

(左から)鈴木邦男氏、武田倫和監督
Photo:Harumi Nakayama



 シンポジウムは、昨年の映画『靖国』を巡る上映中止問題などにも触れ、騒動沈静化に尽力した鈴木氏が「映画を観てから抗議すべき」と改めて呼び掛けるなど、約1時間に渡って熱い討論が続いた。
最後に司会者が「実はシンポジウムを開催するにあたりいろんな方に声をかけたが断られました。なのに、鈴木さんの立場で良く参加して下さいました」と感謝の言葉を述べると、鈴木氏は「僕だって(参加するのは)怖いですよ。右翼にとって僕は裏切り者になりますからね。ヤケになって出てきてます」と苦笑い。
しかし続けて「勇気ある企画を立ち上げてくれた人、そして覚悟をもって参加してくれた観客に皆さんに感謝します。こうやって安全に開催できるノウハウを蓄積し、もし何かあったら僕を呼んでいただき、盾にして下さい。そして、もっともっと健全で自由な議論ができる、自由な日本にしていきたいと思います」と語ると会場から大きな拍手が沸き起こっていた。(取材・文:中山治美) 


(シネマトゥデイ/2009年12月14日)
http://www.cinematoday.jp/page/N0021292




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あの『南京!南京!』が国際映画祭で最高賞




あの『南京!南京!』が最高賞を受賞
スペインのサンセバスチャン映画祭



(チャイナネット)

陸川監督と女優の秦嵐


はい。
あの日本軍の南京占領に取材した「南京!南京!」が、スペインのサンセバスチャン映画祭で最高賞を授かりました。

カンヌとかヴェネチアにくらべると格の落ちる映画祭なんですが、それでも欧州の国際的な祭典で注目を浴び、この作品を一人でも多くの人に観てもらう機会があたえられたのは良い知らせ。
これが追い風となり、はやく日本でも配給と上映が実現するといいですね。

もっとも、この「南京!南京!」。
わざわざ日本公開を待たなくてもインターネットで全編を無料で観られるのは常識というか、南京事件に関心ある人なら誰でも知ってることでしょう。
(ブログ主など何度観たかわからない)

以下のリンク先で視聴できますので、未見の方はどうぞ。


『南京!南京!』が観られる映画サイト
http://tv.sohu.com/s2009/nankingnanking/



日本人は複雑?
南京虐殺事件を描いた中国映画
『南京!南京!』が映画祭で最高賞を受賞!


 スペインで開催中の第57回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門の受賞結果が現地時間26日、審査委員長のローラン・カンテ監督から発表された。
最優秀作品に贈られるゴールデン・シェル賞を南京虐殺事件を描いた中国映画『南京!南京!』が受賞した。
『南京!南京!』はほかに、審査員賞(最優秀監督賞)と、カトリック映画賞(シグニス賞)と、全3冠を獲得した。


(シネマトゥデイ/2009年9月27日)
http://www.cinematoday.jp/page/N0019866



(チャイナネット)



『南京!南京!』の陸川監督、受賞コメント

「協力してくれた日本のスタッフに感謝したい。特に日本人キャストは勇気を持ってこの映画に参加してくれ、とてもプロフェッショナルな仕事をしてくれました。

日本にもこの映画を好きではない人がいるでしょう。日中両方から描いた作品なのに、両サイドから批判を受けることになるなんて、むしろ興味深い」


中国では不評!
南京虐殺描く『南京!南京!』の陸監督受賞コメント

(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0019867




(人民網)



映画祭主催者ミケル・オラシレギ氏による評価

「同じ出来事を日本の監督が描いたら違ったものになるだろう。しかしわれわれは、どちらの立場を取るかということよりも、戦争の恐ろしさや犠牲になる市民の姿を映しだしている点に関心があるのだ。

日本であれ中国であれイラクであれ、どのような戦争においても、人間の愚かさ、暴力、そしてその代償を支払わされる人々が存在するという事実をこの作品は描いている」


『南京!南京』を映画祭コンペ作品に選んだ理由を
サンセバスチャン映画祭プレジデントが明かす

(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0019864





出演女優のひとり、高円円。
下は、「可愛すぎる」と話題になってる、
高円円の少女時代の写真。



(チャイナネット)




関連リンク

話題の「南京!南京!」をネットで観られるサイト
(tv.sohu.com)
http://tv.sohu.com/s2009/nankingnanking/

映画・「南京!南京!」
(人民網日本語版)
http://j.people.com.cn/94478/96695/6642806.html

南京戦映画、日本を包囲
(おんどり音頭)
http://fine.ap.teacup.com/warandpeace/156.html




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愚問のきわみ! 「南京大虐殺の際、中国軍は何処で何をしていた」だって?


アメリカの友人に問い詰められ、困りました。
「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている。だがそのとき、中国軍は何をしていた? 自国民を救わなかったのか?」


数年来、ネットで流布するコピペだが。間違いなく、「否認派」による与太話と思われる。
敵の手に落ちた自国の首都で残虐行為がおこなわれるのを国民党の軍隊が傍観、中国側は今になって非道を言い立てているよう印象付けるというわけだ。

ほんとうにアメリカ人がそう訊いたかは、きわめて疑わしい。



「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている。」(元ネタより)
本物のアメリカ人なら、こんな言い方はするまい。

「南京の暴虐」は世界史上の事件として、アメリカではどの教科書や歴史の本にも記述されている。だから、「中国人がずっと言い続ける」必要はないのだ。
むしろ「日本の極右連中はずっと、皇軍は南京で虐殺なんかしないと言ってるが…」と変えたほうが実情には即する。もっとも、大抵のアメリカ人は日本の歴史修正主義者の主張には興味を示さず、話題にもしないが。

日本の右翼が「中国人がずっと言ってる」よう感じるとしたら、それは右派のほうこそ「南京大虐殺なんかなかった」とずっと言い続けたせいで、とりわけ要人がその手の発言をするたびに中国側の反発を招いてきたからである。

残念ながら、欧米人が旧日本の戦争責任を論じる場合、「あの暴虐な軍隊なら、どんな真似だってやるだろう」との前提で話を進めるのが普通だ。
彼らには、「真珠湾のだまし討ち」や「バターン死の行進」など連合軍将士になされた非道ぶりがまず頭にあるわけで、中国戦線での日本軍についても到底、「公正で規律ある軍隊」などという親切な見方はしてくれない。

まして「南京の暴虐」はすでに、まともな人は異をはさまない歴史の一部なのであり、 偕行社や日本政府も公式に認めざるを得ぬところだ。
(バカウヨは悔しいだろうが)
まるで「中国人だけが言ってる」ように言うこと自体、尻尾まるだしのバカウヨらしさにほかならない。


さて。
「南京大虐殺のとき、中国軍は何をしていた? 自国民を救わなかったのか?」
まったくもって、新味も、鋭さも、戦略上の洞察もまるで感じられない愚問のきわみであろう。

バカウヨの頭では急所をうまく突いた気なのだろうが、実際はこうしたことを大真面目で訊くのとおなじほどの愚昧ぶりをさらしたにすぎない。


「ナポレオン軍にモスクワが占領され大火となったとき、ロシア軍は何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて消火しなかったのか?」

「1814年、英軍に首都ワシントンが焼き打ちされたとき、アメリカ軍は何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて消火しなかったのか?」

「元寇で対馬の住民が殺戮されたとき、日本の武士たちは何をしてたのか?」
バカの質問「駆けつけて救助しなかったのか?」

そして、
「広島や長崎に原爆が落とされる間際、日本の防空隊はそれを防がなかったのか?」


ようするに。
どんな歴史的事件についても馬鹿げた疑問はいくらでも出てきてしまう。
もしも、「中国軍が南京を奪われたとき何もできなかった」事実を強調するのが南京を奪った日本軍の蛮虐の度を薄める効果をもたらすと本気で思うとしたら、南京事件の否定派とはいかに頭のおかしな集団であるかの証明にだけはなるということだ。




えへへ
ぼく、米国人

ほんとはバカウヨ
「中国人はずっと、日本人が南京で中国人を大量に殺害したと言っている。
この大虐殺は二、三カ月もの間続いたとのことだが、その間中国の兵隊はどこにいた?
二ヶ月も続いたならば、どこにいても駆けつけることができたはず。
中国軍はなぜ南京の市民を守らなかった?」



   ↑ いうことそっくり ↓


「ユダヤ人はずっと、ドイツ人は欧州でユダヤ人を六百万も殺害したと言っている。
この大虐殺は三、四年もの間続いたとのことだが、その間世界中のユダヤ人は何をした?
何年間も続いたならば、どこにいても駆けつけることができたはずだ。
米国のユダヤ人はなぜ欧州のユダヤ人を守らなかった?」





「おまいら日本の歴史修正主義者は、1937年の南京占領時に日本軍は暴虐な振る舞いなどやってないと日本語だけで主張する、世界から完全に孤立した集団だってことをまず自覚しろ。

もっとも仮にだ、南京で日本軍が礼儀正しく振舞ったとして、どうだというんだ?
同時期に日本帝国が百万におよぶ大軍で中国を制圧しようとした世界史上の大事実をなかったことにできると思うか?

日本が口火を切ったこの戦争は、当時ですらパリ不戦協定で是認されるような自衛行為じゃない。
満州占領このかた国際社会に背を向けてきた日本が国連の非難にも耳を貸さずに続けた、一方的な侵略行動だったはずだ。
(そうして蹂躙される中国に同情した英国と合衆国の対中援助や日本への締め付けが、行き詰った日本の軍国主義者をして英米との開戦に踏み切らせる動因となった)

南京での暴虐を云々する以前に、あのとき南京に日本兵のいたこと自体、言い逃れのできない犯罪として歴史に刻み付けられるのを忘れるな。」


>日本が口火を切ったこの戦争は、当時ですらパリ不戦協定で是認されるような自衛行為じゃない。


けけけけ・・
そんなの関係ね〜
  



関連リンク

ネット右翼の妄言録
http://fine.ap.teacup.com/warandpeace/26.html


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超大作『南京!南京!』がネットで観られる!

速報! でもないけど……
あの『南京!南京!』がネットで観られる
わたしはもう、三回観てしまいました


「演出力のある監督だなあ。その才能を見込んでこれだけの制作費を投資した奴らもえらい」
「死を飾らない映画ですね。大殺戮場面、それも中国人が大勢殺される場面なのに、大写しでとらえ、淡々と処理してる」



こちらのブログ様の記事で知って、驚きです。
日本語の字幕ありません。途中でコマーシャルが入ったりしてウザイですが、とにかく話題の映画『南京!南京!』を、自宅に居ながら完全なかたちで視聴できます。



《南京南京》
(高清在线观看-搜狐视频)
http://tv.sohu.com/s2009/nankingnanking/





関連リンク

映画「南京」上映のお知らせ
(海外メディアはこう見る「南京の真実」)
http://nanjingfilm.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

映画・「南京!南京!」
(人民網日本語版)
http://j.people.com.cn/94478/96695/6642806.html




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映画「南京」、米首都圏で初上映

遅れ馳せすぎる話題となりましたが、7月7日が盧溝橋事件70周年だったので、それに因んで(いずれにせよ、遅れてるか)。
【ワシントン=山本秀也】日中戦争での南京事件(1937年12月)を対日批判の視点で描いた米ドキュメンタリー映画「南京」が、このほどワシントン首都圏で初めて公開上映された。米インターネット接続大手AOLの副会長で、映画制作を指揮したテッド・レオンシス氏は、上演会場で「日本は歴史の謝罪を拒み、責任を矮小化している」と発言。「10億人の人々がこの映画をみることを望む」として、事件70周年を迎えて作品の影響力拡大をめざす考えを示した。

(産経新聞/2007年6月21日)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070621/usa070621000.htm
さすがサンケイの報道です。
この記事、もっと長くて、その省略した部分はリンク先で読めるけど、「すでに架空だったことが明らかになっている「百人斬り競争」も、事実として作品に登場した。」なんて平気で書いてあります。
一体、どの辺で「架空だったと明らかに」なってるんですかwww
百人斬り将校の遺族が名誉毀損で訴えたのが最高裁で敗訴したことなら明らかになってますが。

それから、かのアイリス・チャンとこの映画をなんとか結びつけようと必死な努力をしています。
チャン氏の本に間違いが多いから、それに影響されたこの映画も間違いだらけと思わせたいのか。
作品の最後には「事件犠牲者に、そしてアイリス・チャン氏のために」と献辞が字幕で示されるなど、作品の構成や映像使用など、チャン氏の著作を裏打ちする内容となっている。

(産経新聞/2007年6月21日)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070621/usa070621000.htm
どうでしょうね。
以前、サンケイ新聞が製作者らにおこなったインタヴューでも、製作のレオンシス氏は「この映画は同書に基づいて作られたものではない」って言ってますけど。
サンケイ記者「故アイリス・チャン氏の「レイプ・オブ・南京」にはどれほどの影響を受けているのか」

製作者「チャン氏の死亡記事をみたことが制作のきっかけになったのは事実だが、同書については史実的に不正確な記述が多いと聞いている。この映画は同書に基づいて作られたものではない」

(産経新聞/2007年1月26日)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070126/usa070126000.htm
面白かったのは、映画を観にきた「地元米国人」の感想を取り上げ、この映画に拍手するのが米国在住の中国人だけで、白人層の反日感情を煽る効果はないと印象付けようとしていること。
(でもね〜、サンケイさん。中国系の人やマイク・ホンダ氏などもその「地元米国人」なんですけど)
地元米国人の観客も多かったが、連邦政府職員、ショーエル・デボーガーさん(35)は「外国人が極限的な状況でどう対応したのかに関心があった。(残虐行為などで)悪い印象は、日本にではなく、戦争に対して抱いた」とコメント。青少年福祉専門家、チャールズ・モディアノさん(37)は、「この事件で中国は虐殺の被害者だと思うが、なぜダルフールでの虐殺に今日手を貸すのか疑問に思った」と述べるなど、比較的冷静な感想が聞かれた。

(産経新聞/2007年6月21日)
>比較的冷静な感想が聞かれた。

そりゃ、そうでしょ。
海外で日本の過去を見つめなおす法案や映画が話題になるたびに、「反日だ!」「対日イメージを貶める!」と大騒ぎする、どこかの愛国ネチズンとは国民が違うようですから。

>悪い印象は、日本にではなく、戦争に対して抱いた

まさに、そういう印象をのこすような、「罪を憎んで人を憎まず」という作り方がされた映画だという事です。
あきらかに冷静さが足りないのは、外国人の手で南京事件が描かれると聞いただけで「侮日だ!」「捏造だ!」と狂熱性の愛国感情をむきだすサンケイさんやウヨ厨さんのほうではないでしょうか。

それにしても、かれら歴史修正妄者は、『南京』を日本で公開させないよう大キャンペーンを展開すること確実です。
それも悪くないかもしれません。

「日本は戦時中のことを謝罪したというが、それではなぜ日本軍の暴虐を描いた映画を国内で見せないのか?」
海外の人はみんな、疑問に思うでしょうから。

すでに三十年も前、ナチのユダヤ人殺戮を描くテレビ映画『ホロコースト』の放映に踏みきったドイツのテレビ局とは一個の大人としての品格において雲泥の差があるようで……。



関連エントリー
映画『南京』/視点が新鮮なドキュメンタリー(2007年01月28日)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/50889623.html


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今の日本の異常さは


今の日本の異常性って、旧ソ連でのような「事実を知らされない」のと違い、「知っていて認めない狡さ」にある気がします。
南京事件にしても従軍慰安婦にしても、ちょっと調べるだけで否定派の根拠は間違いだらけってわかるはずですから。

それなのに、現政権の幕僚といい、巷にあふれるプチ右翼といい、あまりにも無茶苦茶な言い分を通そうとする人が目立つのは、「事実でも非を認めたら日本のためにならない」とでもいうのか、ゆがんだ信念による確信的行為としか思えないのです。

とにかく、起きた現実というものは愛国心や使命感で否定できるものではありません。
不快な真相だからと隠蔽してしまうなんて、体内で癌が発生しているのに「癌ではない」と信じこませるような、殺人的な詐欺行為でしょう。
(病状を正しく告知することから次善の対処法が見えてくるのに)

まして情報化時代です。
国外向けの言葉と国内での本音とに整合性があるか調べられ、裏腹だった場合には、「こいつ、二枚舌だぞ〜」とさらされてしまい、日本の立場をますます苦しくするのがオチでしょう。
実際、歴史修正主義に染まった現政権のことも米議会には筒抜けとなっています。

アメリカ人は、奴隷制度や先住民迫害、日系人の強制隔離など不名誉な過去だろうと、「なかったことにしよう」なんて言ったりしません。
誇るべきは何かをわきまえた人々だからです。
日本でも、本気で国の名誉を思うというなら、いかに外聞の悪い史実であれ男らしくしっかりと見据えてもらいたいものです。


(今回のエントリーは以前、はぴねすさんのブログ「わたしの心のものさしで」の「日本の戦争の歴史をねじ曲げたい人たち」という記事に、ぼくが「遊歩」のハンドル名で投稿したコメントの内容に手を加えたものです。)



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中国侵略という大きな事実を踏みつけ、南京事件を否定する連中


読売様の記事から引用です。
南京事件70年 事実に基づいた議論が必要だ

南京事件を、「慰安婦問題」に続く新たな火種としてはならない。明らかな事実誤認に対しては、政府もはっきりと反論していく必要がある。

(以下、省略。詳しくは、リンク先の記事を読んでください。)


(読売新聞/2007年5月6日)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070505ig91.htm

ところで、「あきらかな事実誤認」とはなんでしょうか?

右翼さんが何十年も前から、「20万人しかいない所で30万人殺せるわけない」と大嘘いいまくってることですか?
「南京大虐殺は東京裁判でのでっち上げ」と言い張ってることでしょうか。
便衣兵は裁判なしに処刑できないのに、疑いがあるだけで片っ端から殺戮したのを「国際法上合法」と済まし込んでることですかね。
まさか、「イーストウッドが南京事件の映画を監督」するという某新聞の大誤報で日本中のウヨ厨さんが慌てふためいた件ではありますまい。

挙げていけば、キリが無いですけど。
いや、笑止噴飯。

ぼくは今更、南京で虐殺がどうだったかということを論議したいとは思いません。
とっくに解決済みの問題なのに、起こった事を無かった事にしたくてたまらない卑怯な輩によって路地裏にひき込まれ、屁理屈と妄言を相手に時間を費やすほど無駄なことはないですからね。

そういう戦史の細かい部分の真贋については、他のずっと適性のある方々におまかせしましょう。
そして、そうした方々の努力によって、南京事件を正当化するいかなる言辞も弄してはならぬとの結論がすでに得られているのです。

前にも述べましたが、南京論争というのは、ポーランドに押し入ったドイツ軍がワルシャワでどう振る舞ったかをめぐり本軸から逸れた議論をするのと同じではないでしょうか?

南京事件否定論、その本質

問題の本質は、虐殺があったか無かったかというより、あの時、あの場に日本軍がいたことに集約されるのではないでしょうか。

結局のところ南京論争というのは、ポーランドに攻めこんだドイツ軍がワルシャワで虐殺をしたか、しなかったかという程度の些事を論じ合うことでしかありません。
それで仮に、ワルシャワで虐殺が起きなかったと証明されればドイツのポーランド侵攻がすべて正当化され、ドイツの罪も免除されるかといえば、無論そんなことはない。

でも、それと同様の実に馬鹿げた「議論」を重ねていき、なんとか南京事件を否定することで中国への侵略の罪そのものをもみ消そうというのが日本の歴史修正主義者なんです。

所詮、徒労なわけですが、彼らは徒労と思わない。
本当に気違いじみています。

(『大戦壮語』より)
http://www3.ocn.ne.jp/~storm/war-opinion/hiteiron.html

実際、無謀なまでの「でっちあげ弁護」を積み重ね、虐殺など捏造だったことにしてしまい、「日本軍は無罪」と言い張るウヨ厨さんらの言行は、狂態を通り越し、人間性の極限を超えて図々しいと言うほかありません。
ぼくのように古風な者には、「よく恥かしくないもんだな、チンピラども」と思えてしまうのです。

言っておきますが、日本の中国侵略という大事実をなかったことにしないかぎり、日本軍は無罪にはなりません。
そんな土台の上で、「南京大虐殺は嘘だ」としつこく言い立てて、何が証明できます?
とびきりのバカモノぶりをさらけだすだけじゃないですか。


日本軍は無実だ
南京大虐殺なんかなかった
便衣兵はいくら殺してもいいんだ
日本、中国を侵略
(1937〜1945)



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通州事件

ネット右翼がよく引き合いに出す通州事件ですが。
なんで、あの程度の出来事を南京事件への免罪符に使いたがるかわからない。
ヨットでの事故を豪華客船が遭難した大惨事みたいに言い張るようだ。

まあ結局、他に中国人による日本人への大々的な残虐行為が見当たらないからでしょうが、それにしても無理がありすぎだ。
中国人が日本国内で暴動を起こし、大量の日本人を惨殺したのならともかく、
(日本人が日本国内で暴動を起こし、当時は同胞だった朝鮮からの移住者を惨殺した実例ならありますが)
日本軍国主義の大陸進出に便乗し、傀儡政府のもとで一旗上げようとした出稼ぎ者が被害に遭ったわけじゃないですか。
彼らは本来、そこに居なくてもよい人達だったわけで。

ウヨク側は殺し方の残酷さをしきりに強調しますが、そんなことになったのも、もともと通州のある冀東防共自治政府そのものが、満州国のような、侵略を隠塗する傀儡政権であったのに加え、友軍であるはずの日本軍から誤爆を受け、守備兵が激怒していたこと、通州が悪名高い麻薬売買の拠点で現地の人から怨まれてたなど、伏線となる事情が重なっていたからでしょう?

とにかくネット右翼といえば、むきになって通州での邦人数百名殺戮の非道ぶりを言い立てるのが相場のようです。
おそらく連中の本音は、「通州事件の虐殺被害者三十万人」とかしたい気分なんじゃないかと思いますよ(笑

ただ通州事件の場合、範囲も期間もはるかに長大だった南京事件と異なり、小さな町での一日だけの惨事であり、資料的事実もはっきりしているため、大本営から受け継いだ伝統である、ウヨクお得意の数字の水増しができない。
それで「数より質」とばかり、殺し方の残酷さをやたら強調して伝え、中国人への嫌悪感を植え付けようと必死になるのではないでしょうか。

いずれにせよ、そうまでして日本の罪を減殺させたがるウヨク側のいやらしさを植え付けるだけの結果に終わっています。
ある意味、ネット右翼が通州事件で騒ぎ立てるのは南京論争以上に気違いじみてます。
いらっしゃ〜い!

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