アンジェリーナ・ジョリーがつくった映画『アンブロークン』が、「日本軍を残虐に描く反日映画」ということで、思想的にそっち系の連中が猛反発している。





とにかく日本軍に悪印象を抱かせる描き方するのがいけないらしい。

自称愛国者たちは日本兵を、愛敬があってサマになって、もっと好感をもてる姿で描いてほしいのだろう。
しかしあいにく、日本軍が連合軍捕虜を厚遇せずに多くを死なせたのがまぎれもない事実だとすれば、捏造でもしないかぎり彼らの望んだ通りには描かれるわけがない。
まして『アンブロークン』の主人公は、アメリカ兵の捕虜なのである。





第二次大戦中、ドイツ軍の捕虜となった英米軍将兵の死亡率は4%(25人中1人の割合)だった。これが日本軍の捕虜となった英米軍将兵の場合、死亡率は27%、つまり4人に1人が死んでいる。
(連合軍の捕虜になった日本兵の死亡率? そもそも日本軍は兵たちに捕虜となるのを禁じていた)
『アンブロークン』を反日映画と罵る人々は一体、日本の捕虜収容所をどんな具合に描いてもらいたいのだろう?

だいたいの話。ジュネーブ条約にもとづく降伏を許さず、自国の兵士にすら玉砕や自爆攻撃を強要した軍隊のことをどう手を加えても、人道的になど描けるものではなかろう。
自称愛国者たちに道理と向上心があるなら、日本軍が外国映画でそういう描かれ方をする軍隊であったことをまず批判すべきなのである。

そんなわけで。日本軍が米軍捕虜を虐待する内容の映画を、ネット右翼らが「反日だ」といくら騒いだところで、ハリウッドは意に介さない(なにせサイバー・テロにも負けず、金正恩暗殺の映画を公開する国だ)。「日本で見せなければいい」との判断で、今後も日本兵の描き方に変化はないだろう。
アベノミクスで強引に引き起こされた円安のせいで日本市場の収益は三分の二にまで落ち込み、ハリウッドにとってそれだけ魅力もなくなっている。





にほんブログ村 歴史ブログ 近代・現代史(日本史)へ この記事を気に入ってくれた人、よろしくね