2012年07月16日

渡辺航先生の名作が新装版で登場!…だけど、この売り方は間違っている! 『はなたん-華咲探偵事務所-』1巻(渡辺航)


『ゴーゴー♪こちら華咲探偵事務所。』復刊んんんんー!!!
という渡辺航先生クラスタにとっては大変おめでたい出来事。旧版は全4巻だったこの作品が、『はなたん-華咲探偵事務所-』の題で全3巻に纏められ表紙描きおろし・@バンチ集中連載の新作も収録して刊行、と聞いたところ文句のつけようがない嬉しいニュースなのですが…



はっきり言いましょう、新装版の表紙といい帯の煽り文といい売り方といいこのやり方では『華探』の魅力を伝えきれるとは言えない!
新装版1巻の帯にはこう書いてあります。
「大ヒット作『弱虫ペダル』の渡辺航が描く
「犬とツンデレ探偵」の物語♪
くすっと笑えてほっこり泣ける素敵な話題作!」
…違う違う違うーーーーーー!!!!!!!!!
そういうことじゃないんですよ。本当に。というわけで、僭越ながら自分が伝えきれる限り『華探』の魅力をお伝えしていきたいと思います。



主人公は小金田一耕太郎という新米探偵。
入社が決まった街の小さな探偵事務所に勢い良く飛び込むものの、どうも自分が抱いていた理想の探偵事務所とは程遠い。
特に事件を追う様子もなくのんびりとした事務所内、そして一見美人で凛々しいもののかなりワガママで自分勝手、仕事らしい仕事をする様子もない局長の「華咲サヤ」…。自分が描いていた探偵という職業とのギャップに悩みながらも、小金田一は事務所の面々や相談者の想いに触れながら少しずつ成長していく…。
基本の物語はこういった感じです。



女性局長のサヤさんは一言で言うならば傍若無人。ワガママ。しかし一見破天荒な言動が実はその二歩先、三歩先を見抜いての行動であることが多いクレバーな人物でもあります。
自分に自信が持てず、サングラスがないと街も歩けないという女の子の相談を聞くふりをして、彼女の可憐さを利用し街のお店で一緒にお得なサービスを受けていると思ったら、そうしているうちに彼女はいつの間にか普通に街を歩けるようになっていた。なんて、どちらが本心かすら判別できないような無茶苦茶さでサヤさんは色々な事をいつの間にか解決してしまう。
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真面目で熱血、一本槍な性格の小金田一は、そんなサヤさんへのツッコミを担当しながらも物事の真実を見抜く術を教えられていったりして。
周囲を巻き込む嵐のような人柄の局長を中心としたハイテンションコメディというのが本作のメインですが、その嵐の後には必ず微笑む人たちがいる、そんな温かみを持った作品でもあります。



華咲探偵事務所は、そんな局長以外にも謎の精鋭が勢ぞろい。
渡辺先生の作品は女性キャラ、もしくは男性キャラどちらかの比率が圧倒的に高いことが多い印象ですがこの『華探』はほぼ半々くらいで男女共にいい味を出したキャラがそろっております。
事務所のメンバーでは、機械修理のエキスパートで娘(通称「姫」)を溺愛する山田さん・天才的に人の心理を読んで行動する高杉さんといったベテラン男性探偵陣、サヤさんと正反対でおっとりした性格ながらも親友で、メガネっ子メイド姿に「~っス」口調の謎多き女性のまひろさんといった個性的なメンツがそろっています。
表紙にも描かれている犬のジャスティスは紆余曲折あって事務所にやってきた愛すべき駄犬(サヤさん曰く)。
帯に書かれて、新作エピソードでも中心に描かれていますが実は本編ではさほどジャスティスの出番は多くなく…。確かに可愛いですし、私も大好きなのですが「犬とツンデレ」の物語と紹介されてしまう事には大きな違和感を抱かずにはいられません。
サヤさんは先述の通りの破天荒な人物で「ツンデレ」というのとは少し違いますし、ジャスティスはあくまでマスコット犬。メインキャラではないんですよ…。個性的な事務所のメンバーの「一員」です。
旧版は大人数キャラが描かれた表紙が殆どで、それこそが内容に合った表紙だったというのに新版で完全に「ジャスティス&サヤ」という絵にされてしまったのも疑問です。4文字タイトル化も含めて新潮社側の方針なのか、渡辺先生ご自身の方針変更なのかはわかりませんが…「犬とツンデレ探偵」の物語、という言葉で興味が沸かずスルーしてしまう方がいらっしゃるかもしれないと思うと残念でなりません。秀作コメディだというのに。



そして何よりも個人的に声を大にして言いたいのはスーパー可愛いヒロイン「しおりちゃん」の存在です!!!!!!
どうして内容を読めばここまでの存在感だというのに新装に伴って完全スルーされてしまったのか…?
先程書きました、サヤさんの元に相談に来た自分に自信が持てなかった女の子。彼女こそがしおりちゃんです。華咲探偵事務所にアルバイトで勤めることになりまして、小金田一も彼女の事を気にしています。
恥ずかしがり屋なだけでなくおっとりのんびりでどこか抜けているけれどとても良い子なしおりちゃん。なかでもわたくしが一押しの場面はここです。
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お茶を入れたつもりがお湯だったしおりちゃん。
あああああああああああああああ可愛い。
このテンポ、この空気。渡辺先生の描くコメディ、女の子キャラの可愛さが詰まっている…。



折角の新装版発行なのに宣伝も十分とは思えず、表紙等に疑問が残る展開となったことが正直なところ寂しく思えます。
しかし長らく絶版であった『華探』がこうして入手しやしすくなった事実は大変ありがたいとも思っています。ぜひぜひ最近渡辺先生を知った方にもお手に取っていただきたいです!





manganou at 15:56コメント(0)トラックバック(0)はなたん | 渡辺航  このエントリーをはてなブックマークに追加
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