2013年03月23日

最近の週刊少年チャンピオンの女性主人公作品とヒロイン事情について考えました。

今週発売になった週刊少年チャンピオン16号にて、『泳げ!ひなのちゃん』『あの頃のお姉ちゃんはもういない?』という2本の新連載(『あの頃の~』は短期集中)がスタートしました。
藤川努先生の『泳げ!ひなのちゃん』は元気な女子高生ひなのちゃんが主人公の水泳競技漫画。
原作・矢口とらや先生、作画・山口さぷり先生の『あの頃のお姉ちゃんはもういない?』はダメ姉と純朴妹のちょいエロギャグ漫画。
2作同時の新連載で、2作とも女性主人公作品です。


もともと最近の週チャンには女性主人公作品が増えていて、以前「情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明」さんもこのような記事を書かれていました。
最近のチャンピオンは女性主人公が多いよなー、と思ったので創刊からの変動をグラフにしてみた
こうしてデータを見ると女性主人公の作品は『侵略!イカ娘』(安部真弘先生)や『みつどもえ』(桜井のりお先生/現在は別冊少年チャンピオンに移籍済)といったヒット作品や『サナギさん』(施川ユウキ先生)、『木曜日のフルット』(石黒正数先生)、『はみどる!』(まりお金田先生)などなど…ショートコメディ・ギャグ漫画に多いようです。


一方、今回スタートした『泳げ!ひなのちゃん』はどちらかというと明るい雰囲気ながらスポ魂系のストーリー漫画になりそうな雰囲気です。
ここ数年週チャンが力を入れているスポーツ系漫画。この枠に女の子主人公の熱血・青春ストーリータイプの作品が収まる先駆けとなったのは、2011年スタートの女子高生大食い競技漫画『てんむす』(稲山覚也先生)ではないかと思います。先日連載終了した女子高生スポーツチャンバラ部活漫画『スポ×ちゃん!』(竹下けんじろう先生)や短期集中連載のバドミントン漫画『ばどばどミント!!』(石坂リューダイ先生)などもそれにあてはまるかと思われます。
ちなみに、『弱虫ペダル』(渡辺航先生)はもとは女の子主人公の作品として企画されていたところを沢編集長の「少年誌だし男の子主人公でやろう」という旨の発言によって小野田坂道という少年主人公に変更された、というエピソードもあり(単行本16巻の巻末おまけまんがでも描かれています)ここ数年の間で週チャンの方向性が多少変わっているようにも思えるのですが、どうなんでしょうか。女の子主人公版も読んでみたかった自分としては複雑なところでもあります(笑)。


女性主人公の作品が増えているとはいっても、やはり少年誌ですので男性…少年が主人公の作品も少ないわけではないです。
しかし、女性主人公作品が増えている反面で男性主人公作品の場合「ヒロイン不在」というケースが多いことに気が付きました。
「ヒロイン」…というものをどう定義するかはあいまいなところでもありますが、一般的な説明としては「活躍する女性のこと。/女主人公のこと/「主人公」に対応する性質を持つ相手役のこと」となっています。(参照:ヒロインとは (ヒロインとは) [単語記事] - ニコニコ大百科)
男性主人公に対応する性質…というと主人公と恋仲にある、もしくは主人公が恋愛感情や憧れを抱いている女性と考えるのが自然と思いますが、恋愛感情絡みではなくとも主人公と行動を共にするなど、メインキャラクターに匹敵する活躍を作中で見せる女性キャラクターや主人公に大きな影響を与える性質の女性キャラクターは「ヒロイン」と呼べると考えられます。


それでは現在チャンピオンで連載されている男性主人公作品に上記を踏まえた上で「ヒロイン」が存在しているかと考えてみると。
まず新世代ヤンキー漫画『シュガーレス』(細川雅巳先生)は作中にヒロインどころかまったく女性キャラクターが登場しないため、ドラマ化の際にオリジナルヒロインが追加された程です。
少年脱獄記漫画『囚人リク』(瀬口忍先生)ではヒロイン候補と思われた医師の愛ちゃん先生はさほどの登場機会はなく、恋愛的な要素で言えばリクの仲間「天野」と少し良い雰囲気になっているくらい。
もはや看板漫画の貫禄すら漂う相撲漫画『バチバチBURST』(佐藤タカヒロ先生)では主人公・鯉太郎の姉的存在であるマコ姉や空流部屋の一人娘・椿ちゃんがヒロイン的立ち位置でもありますが、その解釈は読み手それぞれ分かれるであろうレベルです。物語に必要な(女性キャラクターとしての)ポジションにいることは間違いないのですが。『弱虫ペダル』の寒咲さんも似たような感じ。少なくとも、現在の時点では恋愛的な空気には発展しそうでしていない状態です。


こうして考えていると、いまの週チャンは「主人公」と「ヒロイン」の恋愛要素が薄い雑誌なのかなーと思います。
ちなみに、ここ数年の「女性主人公」作品では主人公が恋に落ちることがほぼ皆無、です。
現在連載中の作品では女子高生パンダ子育て漫画『パンダのこ』(角光先生)で主人公の乃仔ちゃんが幼なじみのゆうくんに惚れられていますが本人はパンダに夢中で意に介さず。『てんむす』の天子もこのパターンに近いです。女性主人公が惚れられることがあっても惚れることは殆どありません。いちおう男子に恋していた女性主人公というと最近ではエロバカギャグ『ましのの』(八谷美幸先生)の増埜くらいでしょうか。現在短期集中連載中で同じく八谷美幸先生の作品『魔法少女ミルキー☆モウ』も主人公のみるくが同級生の光君に恋していますが、両作ともエロバカの側面が強すぎて恋心分はおまけのようなものです。そこはやはり、ギャグやコメディやスポ魂が女性視点で描かれることはあっても「恋心」を女性視点で描いてしまうと少年漫画という枠から逸脱してしまうということかもしれません。


現在連載中の作品で「男性主人公」「ヒロイン」が存在している作品とその関係性をいくつか挙げますと、
放浪ダークファンタジー『ハーベストマーチ』(フクイタクミ先生)…クゥバンテ(主人公)⇔ノイエ(主人公の実姉)
青春秘匿コメディ『実は私は』(増田英二先生)…黒峰朝陽(主人公)⇔白神葉子(主人公に秘密を知られた吸血鬼)
地球相手の壮絶バトル漫画『バーサスアース』(原作・一智和智先生、作画・渡辺義彦先生)…寺鐘ハルト(主人公)⇔西崎カナ(主人公の同級生、幼なじみ)
こんな感じ。
おそらく現在のチャンピオンでもっともラブラブしてる主人公カップルが実姉弟というところに業を感じます。
この中だとカナちゃんが普通すぎて逆に気の毒になってきますね。
去年あたりでは最終回までにむすばれた主人公カップルが『ちぐはぐラバーズ』(鈴木央先生)の義姉弟カップルとか、『りびんぐでっど!』のゾンビヒロインカップルだったりするので、恋愛模様を描くにしてもひとひねりふたひねりあるのがチャンピオンらしいですね。


そんな感じでチャンピオン全体を見渡していると、いまの週チャンでもっともヒロインらしいヒロインは堅実な面白さを誇る高校サッカー漫画『ANGEL VOICE』のマイちゃんなのじゃないかなーとも思ったのでした。主人公の成田も恋心を寄せているとみられますし、作中の人物に本当に大きな影響を与えている女性キャラクターだし。マイちゃんには元気になってもらいたいな…。




manganou at 01:45コメント(0)トラックバック(0)ネタ/プチ考察  
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