性善説

2006年07月19日

『消えたおじさん』(前編)はこちら。

「どっちでもいいから早くしろ!!!」
 
 
鼓膜が痛い、と言うより、腹に響く重低音・・・その本格的にドスの利いた声の主は、エレベーターから全員降りてから乗るのを待っていた人達の中でもひときわ目立つ、気合の入った、怖い職業風のおにいさんだった。
 
(あ〜あ、怒られちゃった…。とにかく謝ってさっさと降りなきゃ。でもおじさんには一言断ってから先に降りよう)
 
「じゃあすいませんけどお先に・・・」
 
 
…あれ??、おじさんがいない!!?なんで?
あんなに先を譲ってくれてたのに・・・。
 
 
【おじさんは消えてしまったのか・・・?】
 
唖然としつつ、ふと外を見ると、怒鳴った怖いお兄さんだけでなく、エレベーターを待っていた人達全員が僕を睨んでいる。めちゃめちゃ睨んでいる。
(そりゃそうだ。必要以上に待たされて怒らない人はいない)
 
「す、、すみましぇ〜〜ん!」ガラガラガラ(台車の音)
僕は頭の中が混乱したまま、逃げるようにその場を立ち去ったのだった。
 
 
<あれから8年余…あの日、あの時、あの怖いお兄さんに怒鳴られて怯えながらエレベーターを降りた僕よりも先にあのおじさんがいなくなった理由は【神隠し】だった…と、今でも信じたい>
 
 
元ネタへのリンク
ライブドアナレッジ:『消えたおじさん』(前編)
ライブドアナレッジ:『消えたおじさん』(後編)
 
- SPECIAL THANKS -
試験利用者さん  灯影さん  あつ☆さん


(11:50)
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