遠州森の石松ではないが、生まれつき愚かな人はいない。
赤ちゃんや1歳か2歳の幼児がものを学ぼうとする強い意欲や能力を
示すのは子を持った親ならだれでも観察している。
ひょっとしたら、うちの子は天才かなと思うときがあるのが
だいたい3歳くらいまでである。
人は生まれてから最初の3年間で大人が大学で学ぶよりも多くのことを
学ぶ。だが、この素晴らしく、おどろくべき幼児の能力は、小学校、中学校
そして高等学校と教育を受ける過程で台なしにされてしまう。
わたし達おとなが台なしにしてしまうのだ。
こどもが誤ちをおかしたり、失敗したり、間違った行動を
とったりすることを恐れるように仕向けてしまうのが大きな理由であろう。
あれはやってはいけない。これは体によくないから、食べてはいけない。
あの子は不良っぽいから、遊んではいけない。
~してはいけないという否定形でこどもに接しているからだ。
通信簿の評価を良くしようという全く価値のない見返りのために
もっと勉強するようにと塾へ行かせて、子供を叱咤し、学校で
失敗したらどうなるかと脅したりして、勉強することを子供に強要している。
恐れを知らないで、好奇心旺盛な子供が多くのことを学ぶことを
大人は肝に銘じるべきだ。
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