2006年02月

2006年02月27日

「北風と太陽」。

f00d5a5c.jpg

私は北風か、それとも太陽か。

或いはそのどちらでもないのか。。

 

昨日の学習会で得た、最も大きな気付きの1つです。

 

あなたもご存知ですよね、「北風と太陽」のお話。

 

私は北風ではなく太陽になりたかった。

太陽的な私でいたい。と思っていました。

 

でも。。。

そうなりたいのではないみたい。

本当になりたいのは太陽ではなかったみたいです。

 

KENさんが紹介してくださったのは、

心理学的「北風と太陽」のお話でした。

 

旅人は北風によっても、太陽によっても、

    そのコートを脱がなかった。というお話です。

 

何故だと思います?

 

どうやってもコートを脱がない旅人は、

北風と太陽にこう言ったそうですよ。

 

「あなた方が私のコートを脱がせようとしている限り、

                         私はコートを脱がないでしょう」

 

この言葉を聞いたとき、私は胸を鷲掴みにされたようでした。

 

コーチングやNLPを学び、何かしらの手ごたえを感じていた自分が、

とてもふてぶてしく偉そうになっていることに気付いたからです。

 

大切な相手を、コーチングを使って操作しそうになっている。

そんな自分がどこかにいたのだと、気付かせてもらったのでした。

 

前々回に載せた、ある患者様への対応もそう。。。

 

私は北風的対応か太陽的対応のどちらかで、

より私らしく伝えたいとおもっていたのですが、

どちらであっても、相手を操作しようとしていたことにはかわりない。

 

そう感じたときにあらためて、

       本当はどう在りたいのかを知った気がしました。

 

本当はこうなりたいのです。

 

相手が本当に欲しているものは何か?

相手はどんなことに喜び、悲しみ、怒り、憂うる人なのか?

どんな人生を、どのように生きて行きたいと思っているのか?

 

私の思惑なんて関係なく、

ただ目の前に居るその人にだけ好奇心を向け、

その人が自分を探す旅を、ひたすら支援し続ける人で居たいのです。

 

あらためてそう思わせてもらった学習会でした

 

北風でも太陽でもなければ、同時に北風でも太陽でもある私。

そんな私をみつけることが、

コーチングを学び続ける理由かもしれません。。。



manotti1127 at 21:45|PermalinkComments(10)TrackBack(0) 自分について 

2006年02月25日

夢が1つ叶う。。

fd93a00f.jpg

うふふ。

とっても嬉しいことを

お知らせさせてくださいね

 

実は来年度、看護界では名のある

ちゃぁんとした出版社から、コーチング特集号が発刊されます。

 

そこに出るの♪

私の原稿が載るかもしれないのです

 

主執筆者は、とても尊敬するコーチのあいさんです。

深い深〜い癒しの空間を創る、そんなセッションを提供するコーチです。

 

まだこのブログを始めて間もない頃、あいさんとはここで出会いました。

たしか認知症の方について書いた記事のときです。

 

「今、ここでしか生きられない人たち」を綴ったときに

コメントをくださったのが、私達の縁の始まりでした。

 

それから互いのコーチングに対する思いや、

どこでどんな人々に伝えて生きたいのかや、

互いがどんな場所で、何を感じながらいきてきたのかや、

色々なものに触れ合いながらお付き合いさせていただきました。

 

そのあいさんから声をかけていただき、

看護に活かすコーチングについて私信を原稿にさせていただいただけでなく、

特集号の内容と現場が一貫性を持つための作業に加わらせてもいただきました。

 

またとない、貴重な機会です

私がコーチングを学び始めて今の時点で、

1番伝えたいこと、大切に思っていることを言葉にする機会になりました。

 

一生手にできなかったかもしれない、尊い機会です

 

来年度、皆さんの目にも触れることがあるかもしれませんね。

その時は「まのっち」では・・・勿論、ないですよ。実名報道です。

ちょっと不思議な気もします。

 

不思議はあのときから始まっていたんですよね

このブログを始めるきっかけになった中華料理店から。。。

 

私がコーチ仲間のMLに看護でのコーチング体験を投稿するうち、

ふーちゃんコーチが

「この体験談を出版して欲しいわ♪」と言ってくれたのでしたっけ。

 

「そうそう、『まのっちの看護師コーチング物語』がいいんじゃない?!」と

中華料理の円卓を囲みながら、名前まで決めてくれたのですよねぇ

 

まだ出版ではないけれど、1つ夢が叶った気がします。

これからの、あいさんと私の新たなステージへのプロローグになる気がします。

 

自分が心から欲することをしていたなら、

結果や周囲の世界はとても自然についてくるのかもしれませんね。

 

さぁ、明日は私とコーチングを結びつけてくれた

KENさんのコーチング学習会に参加します。

 

まるっきりの参加者になるか、輪からは離れて俯瞰して学びを掴むかは、

明日行ってみてから直感で決めることになっています。

そういう選択肢を提供してくれるような、度量を持ったKENさんの存在にも感謝。

 

素敵で尊敬する、たまたま「コーチ」と名のつく方々に心から感謝して

今宵は眠りにつきます。。。

 

おやすみなさい



manotti1127 at 23:35|PermalinkComments(13)TrackBack(0) 宇宙の法則 

2006年02月24日

「怒り」は何を教えてくれる?

db1782fa.jpg

唇と左腕が細かく震える。

 

どうしようもないくらいの怒りで。

 

駄目。黙っていられない!!

 

それは今日、大部屋のある患者様に清拭をしていたときのこと。

 

ある患者様がすやすやと、気持ちよさそうにお昼寝中でした。

 

すると、耳を疑うようなおしゃべりが同室者3人の間で始まって。。。

 

「あの人、また眠ってるわ。

 あんなに寝るさかいに呆けてくるんやわ。」

 

「呆けてるさかいに寝るんちゃうか!

また寝るさかい、余計に呆けるんや。どっちが先なんかわからんな。」

 

「それにしても、あれだけ沢山の洗濯物をご主人に持って帰らせて、

 一体どういう神経してるんやろな?」

 

「そうや。娘とか血のつながった者ならいざしらず、

赤の他人に、あんなものを よう頼むわ。普通恥ずかしいで!!」

 

「それにあの人、いつもズボンを汚して黒くなってるやろ?

 そんなんご主人に洗わすか!?」

 

最初は黙って聞いていた私。もうやめるだろう。と思って。。。

なのに、話はいつまでたっても終わらない。

それどころかエスカレートしていく。。

 

患者様の身体を拭く私の、タオルを絞る左腕が震えてる。

黙っていようとする唇も細かく細かく震え始める。

 

その震えを自覚したら、黙っていられなかった

 

“お願い。もうやめてください。

 いくら眠っておられても、そんな話をしてほしくないです。

 皆、好きで病気になったわけじゃないでしょう?!”

 

このあと、部屋はシーンとなった。

誰も、何も口にしなかった。

清拭しているカーテン越しに、冷えた空気を感じた。

 

でも、伝わっているのかどうかはわからない。。。

 

 

なんで? なんであんなことを言えるんだろう!!

 

何に腹が立つのか、悔しいのかわからないけど、涙が出てきて仕方がない。

 

これだけ腹がたって仕方ないのは、

それだけ何かを大事にしているからなのだろうけど。。。

 

それを言葉にすることが出来たらまた1つ、

私は自分らしさを手にするのかもしれないけど。。。

でも、腹が立って悔しくて仕方ない。

 

今度コーチングセッションのテーマにしてみよう。

 

そして同じようなことがあった時には今日よりもっと、

相手にも伝わりやすくて愛ある言葉をかける私でいたい。と思う。

 

この怒り、もう少し大事にしてみよう。

 

大事なことを私に教えてくれそうだから。

 

このどうしようもないほどの怒りは、

「私は何者なのか」を、教えてくれると思うから。。。



manotti1127 at 20:25|PermalinkComments(10)TrackBack(0) 答えは自分の中に在る 

2006年02月21日

イメージが連れてくる本当の気持ち。

c3210732.gif

オシッコを自分で出せなくなっていたAさん

 

「頑張らないと出ない」に

リフレーミングが起きた翌々日、

出勤した私は嬉しい報告を聞きました

 

申し送りで「Aさん、自尿(自分で尿を出す)があります。

残尿(出っきらないで、膀胱に残っている尿)も殆どありません」

 

 

 

身体機能と心が一致したとき、

ちゃぁんと上手くいくようになっているんだね。

心の中でスキップしました。

 

で、Aさんのところに行くと嬉しそうな笑顔

 

A:出るようになったでぇ〜。もう大丈夫やわ

 

私:よかったねぇ。1つ1つ、着実に進んでいってるね。

 

A:ほんまやで。歩くのもだいぶしっかりしてきたからなぁ。

 

私:ほんまぁ。よかったね。  ね、1つ聴いてもいい?

 

A:えぇで。何?

 

私:今回のオシッコのことから、Aさんは何を学んだの?

 

A:そうやなぁ〜。

  あんまり深刻に、そのことばーっかり気にしん方がえぇ。

っちゅうことやな。

  気にしすぎたら、悪い方にばっかり考えてしまうからな。

 

私:ほんまやねぇ。

Aさんはこれからの回復に向けて大事なことを学んだんやねえ。

ね、その学びを、これからにどう活かしてみたい?

 

A:それなんや。これからのこと思ったら、うまいこと考えられへん。

  元通りになりたいとは思うんやけどなぁ。なんか上手い手はないか?

 

私:うん。じゃぁさぁ、

  全く元通りになっているAさんは来年の今日、何をしていると思う?

 

A:えぇ〜。普通に主婦してると思うわ。

 

私:普通に主婦してたら、何してる?

 

A:そうやなぁ。夕飯を食卓に並べてるなぁ。

 

私:へぇ〜。何人分?

 

A:全員やからなぁ。結構皿やら料理やらでテーブルが一杯やわ。

 

私:テーブルがいっぱいなんやね? どんなおかずが並んでいるの?

 

A:そうやなぁ。。。

  魚とな、あぁ、ごぼうのサラダもあるなぁ。お浸しもや。

 

私:いっぱいあるねぇ。じゃぁその前に、買い物にも行ってるね。

 

A:そうや。近所のスーパーでえぇねん。

  買い物かごを押してなぁ。選んでおるわ。

 

私:誰か一緒なの?

 

A:そうや。下の娘が一緒やな。「お菓子買って〜」言うのを、

「あかん」言いながら買い物してんねん。

 

私:ほんまに、普通の生活をしているんやね。

  ね、今1つ浮かんだアイディアがあるんだけど、やってみない?

 

A:え〜。どんなん?

 

私:あのね、来年の今日の、夕飯メニューを考えるの。

  考えて、ノートに書いておくの。どう?

 

A:面白そうやなぁ。

 

私:そう?んでから、広告なんてお子さんに持ってきてもらって、

  ちゃんと食費とか考えながらメニューを決めるのよ。 どう?

 

A:えぇなぁ。でもな、書くなら他のことで書きたいことがあんねん。

 

私:へぇ〜。何?聞いてもいい?

 

A:両親にな、手紙を書きたいねん。心配させてるやろ?

 電話で話してもいいけど、まだ声が震えるし小さいからな。

 電話がかかってくるけど、子供に嘘つかせるのも嫌なんや。

 

私:そう。。。何て伝えたいの?

 

A:元気やで。って。。。(涙がこぼれる)

 

私:元気やで。って伝えたいんやねぇ。。。

その一言に、どんな気持ちを込めて伝えたい? 

 

A:ありがとう。って。これから大事に生きるからって。

 

私:そう。。。その気持ち、きっと伝わると思うなぁ〜。

 

A:今から書くわ。テーブル出してくれる?

 

私:うん。・・・これでいい?

 

A:うん。ありがとう。

 

私:こちらこそ。

 

とても優しい空間

Aさんの母親としての日常をイメージする体験がつれてきた、

自分の両親への感謝と労いの気持ち。

 

私自身が、とても癒された気がしました。

 

このこと、スタッフにも伝えていいと了解を得ていたので、

勤務後にシェアしました。皆シーンとして聴いてくれましたよ。

「私、もっと、

 患者さんの気持ちを受け止められるようになりたいなぁ。」

そう言う、中堅スタッフも居ました。

 

Aさんの一生懸命生きようとする姿勢が、

            私たち看護師を前に進ませてくれる。

 

日々、患者様に行き方を学ぶ私たちです



manotti1127 at 10:37|PermalinkComments(8)TrackBack(0) 患者・家族とのコミュ 

2006年02月17日

リフレーミング。

51fd099a.jpg

「親に『元気だよ』って言いたい」

 

そう言って、患者Aさんは涙を流しました。

 

入浴できないAさんに 

全身清拭をした後のことです。

 

Aさんは一昨日、尿道留置カテーテル(おしっこの管)が抜けました。

でも1ヶ月にわたって留置されていたため、自分の力ではオシッコが出ません。

あまりに膀胱にたまりすぎるため、

膀胱の筋肉が伸びきって、縮まなくなるのです

 

そのことに悩んでいたAさんと会話したとき、「リフレーミング」がおきました。

 

リフレーミングとは、

同じ出来事の中味であっても、人の受け止め方が違ってくることを指します。

 

私たちは全ての出来事やコミュニケーションに、絵と同じようにフレーム(額)をかけて捉えています。

今、自分がかけているフレーム(額)を外し、違うフレーム(額)をかけると、

同じ出来事が全く違った解釈になってしまいます。

 

その「違う額をかける」ことを「リフレーミング」といいます。

そしてリフレーミングは、あるとき突然に起きるのです。

 

今日は、Aさんに起きたリフレーミングを整理しておこうと思います。

ほんの1つのキーワードが、目の前にいる人の気持ちを軽くしうるのですよ

そんな出来事です。

 

A「管抜いてから、ちっとも自分でオシッコ出せへん。

ほんまに出るようになるんやろか?」

 

私「なるよ。心配?」

 

A「うん。頑張ったら出るんかなぁ?

 

私「なんか、『頑張らないと出ないかも。』って言ってるように聞こえるよ」

 

A「うん。そうなんや。。。頑張っても出ぇへんかもしれん。」

 

私「そうかぁ。そう思っても当然だよね。

  でもね、ほんまに大丈夫よ。

 

  ほら、Aさんはリハビリしているでしょう?

  今日、久しぶりに歩けたよね?

 

  膀胱もね、同じなの。

  ずっと管を使って休んでいたから、リハビリがいるのね。

  今は管を抜いたところだから、上手く歩けなかった昨日と同じ状態なの。

  だから膀胱のリハビリをしたら、出るようになるよ。」

 

A「あぁ、そうか!! そう聞いたら、納得できるわ。

  単に『大丈夫』って言われても、

  『ほんまかな』って思うけど、そうかぁ。。。

  膀胱のリハビリやね?

  そしたら、人によって回復の仕方も違うよね?」

 

私「そう、そうよ。 だから、今すぐ出なくても不安にならなくていいの。

 

そしてね、リハビリのメニューとしては、沢山たまりすぎる前に

わざとトイレに行って出してみるの。それが膀胱のリハビリになるのよ。」

 

A「そうか。わかった。ほな、次は何時トイレに行ったらええ?

  出ぇへんかもしれんでも、行くことが大事ナンやな?」

 

私「うん。そうよ。

  次トイレ行く時間ねぇ。。。 

ちょっと点滴の速度を速めるから、2時間後には腎臓から膀胱に250ml程度は

たまると思うわ。その時、夜中だけど起こしていい?」

 

A「えぇよ。寝てると思うけど、起こしてや」

 

私「わかった。じゃぁ、2時間後ね。おやすみ」

 

どうでしょう?

 

ただ「大丈夫だよ」と声をかけるのではなく、

相手が今の出来事にどんなフレームをかけているかを知り、

そのフレームを架け替えることが出来るなら、

こんなに軽い気持ちと行動につながるんですよね。

 

コーチングセッションもそう。

現状を打破したいと思っている自分自身や、

その現状をリフレーミングすることが多くあります。

 

私は、たくさんのリフレーミングができる看護師になりたいな♪

 

あなたがリフレーミングしたい出来事、何?

 



manotti1127 at 23:37|PermalinkComments(11)TrackBack(0) 患者・家族とのコミュ