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大河ドラマ『真田丸』第2回は、武田家滅亡が描かれる回でした。いきなり重要イベントきましたね。

武田勝頼(演:平岳大さん)は、元々真田昌幸(演:草刈正雄さん)の進言を入れて、上野岩櫃城に向かう予定でしたが、重臣たちによる反対を受け、信玄公の娘婿でもある小山田信茂(演:温水洋一さん)の岩殿山城に向かっていました。岩殿山城は岩櫃城に比べれば、新府城からはるかに近く、岩櫃城と同じく、天然の要害を備える城でした。
ところが、岩殿山城への途上で信茂が変心し、勝頼はわずかな供回りと共に甲州田野村に落ち、そこで最期を迎えるのです。ドラマでは跡部勝資と名の紹介のないお供が数人いただけでしたが、実際には嫡子の信勝ほか家臣、妻・侍女ら50〜60余名(記録により差異ある模様)が、勝頼と共に自害したといいます。

真田信幸・信繁兄弟はひたすら岩櫃を目指す家族行脚で、途中野盗やら小山田の策謀やらに会いつつ、無事に岩櫃に到着。武田家滅亡という局面に達して、真田の取る道は…「織田につく!」というところで"つづく"…でした。

ところで、ドラマでは、武田家滅亡に一役買ったと言える人物が二人いましたよね。穴山梅雪(演:榎木孝明さん)と、先述の小山田信茂です。彼らはどういう人達だったのでしょうか。

※ドラマでは織田家に与した人物として、「木曾義昌」も名前だけ出ていましたが、名前だけだったので省略します…。


■穴山梅雪という男

穴山梅雪は、本名は信君と言います。梅雪は号。

ドラマでも1話目に登場した軍議のシーンで、勝頼のすぐそばに控え、発言力も持っているように描かれていました。それはなぜかというと、彼が武田一族の人だからです。
そもそも元をたどれば武田の血族であり、梅雪自身も、母親が信玄公の父・信虎の娘、妻は信玄公の姉でした。

そんな武田家でも重臣格だった梅雪は、川中島の戦いでは信玄本隊の守備につき、駿河侵攻においては必要な交渉などを中心として、数々の外交交渉で活躍していました。まさしく、家柄、実績ともに申し分ない梅雪だったのですが、勝頼の代になると徐々にその政治的権力を失っていきます。

前述のとおり、主に外交交渉に活躍してきた梅雪でしたが、その外交交渉に使われた人脈は、情勢の変化とともに重きをなさなくなっていったのです。そこで、梅雪は、自身の息子と勝頼の娘の婚姻を企図し、婚約までさせたものの、やはり政治的対立があって破談となってしまいました。以降は勝頼との関係に亀裂が入ったとされているようです(『甲陽軍鑑』の記述による)。

ちなみに、この時破談になってしまった相手である勝頼の娘は、信玄公の弟の子である信豊の嫡子・次郎と婚約しましたが、この武田信豊こそはドラマにも登場した勝頼の側近・跡部勝資(演:稲荷卓央さん)と共に、勝頼政権で重要された人物です。
※もう文字だけだと、相関関係が何がなんだかわかんないので、下の系図みてください。

武田家中で高い地位にいたにも関わらず、徳川家の調略に応じて、武田家を滅亡に導いた梅雪は、勝頼体制下での扱いに不満を持っていたみたいですね。この後、梅雪は「武田家は自身が再興する」といったことを語ったこともあったそうです。

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■小山田信茂という男

さて、もう一人。
梅雪とは異なり、最後の最後で変心したのが小山田信茂です。

彼はドラマ中にもあったとおり、最終的に織田家について勝頼を見捨てたものの、甲府善光寺で織田信忠に罵られて殺害されてしまいました。謁見の場からひきずられていってしまった信茂ですが、いったい何者なのでしょうか。

そもそも小山田氏は甲斐の国人領主で、武田氏が信虎の代に、武田との関係を親密なものとし、以降は武田氏に従っていたようです。信茂本人についても関係性は密で、祖母が信玄公の父・信虎の妹なのです。したがって、信茂は、信玄公の従甥にあたることになります。

信茂は、川中島の戦いや、駿河侵攻、北条氏との戦いなど主要な戦いにも参戦しており、その後、信玄公の西上作戦においては、徳川家康と激突した三方ヶ原の戦いにて先陣をつとめるなど、信玄公の信頼厚い武将でした。

信玄死後も勝頼の元で、上杉景勝との同盟締結に尽力するなどしており、梅雪のように関係性におかしなところもありませんでしたが、最終的には勝頼を見捨てました。その理由は諸説ありますが、一説として、「彼はあくまで国人領主だから」というものがあります。

どういうことかと言いますと、武田家滅亡の要因となった人物として悪名が先行する信茂ですが、先述の通り小山田氏は"国人領主"なのです。現代風にいうと、"武田グループの中の一社"ですかね。「武田本社の正社員というわけではない」と考えると、この時の信茂の心情を想像しやすいかもしれません。
つまりは、本社が風前の灯となった武田グループを見限って、伸長著しい織田グループに入ることで、自社の社員を守ろうとした…と言えるかもしれません。
ちなみにそういう見方をすると、木曾義昌、穴山梅雪共にその視点が当てはまる部分はあります。

ともあれ、信茂は織田グループ入りを認められず、そればかりか不忠者と罵られて、母、妻子ともども処刑されてしまいます。
勝頼はドラマ中でも悲壮感にあふれた最期が描かれましたが、上記のように考えるとひきずられていくシーンが最期となった信茂にも戦国の無情を感じますね。



さて、ドラマでは真田家の松(演:木村佳乃さん)と結婚している小山田茂誠(演:高木渉さん)は、信茂が連行される場に一緒にいました。果たして一緒に処刑されてしまうのか、はたまた"安心してください、生きてますよ"と、とにかく明るく再登場するのか。…と、ググればわかっちゃうことを引っ張ってみる。

次回は織田家との交渉が描かれる模様です。次週もお楽しみです。

【参考書籍】
新編 武田信玄のすべて
武田勝頼のすべて
風林火山―信玄の戦いと武田二十四将 (歴史群像シリーズ 6)

 
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