こんにちは、ステマンセンゴです。
今日はDVDの紹介です。昨年もご紹介させて頂いた最高位決定戦の模様が収録されたDVDです。第36期最高位決定戦DVDが、6月2日に麻雀王国さんより先行リリースされております。いち早くGETしたステマンセンゴが、このDVDについての感想を述べるエントリです。
前回の35期が最高位戦としては初のDVDで、自分たちの最高峰の対局を一般の麻雀ファンに見ていただこうという試みを、初めて企画したものだと思われる。勿論最初の試みだから、いろいろ試行錯誤だったと思う。今回の36期のVをリリースする1年の間に、いろいろと様相が変わってきた。
まず、どこのプロ団体もニコニコ生放送などを使って、LIVEで、自分たちのタイトル決定戦の模様を一般の麻雀ファンに届けようという試みを開始した。今回の最高位決定戦DVDも、ニコニコ生放送で放送されたものを基本、録画収録したものだ。無論、PCの窮屈な画面で見るより、大画面TVでも見れるDVDで見た方が快適に決まっているが、一度見たものを再度見る価値があるのか?これについても今回は言及したい。
そんな前フリをしつつ、実は筆者、ニコニコ生放送を見てないんです…つまり、今回の対局は純粋に何が起こるのか判らない状態で、このDVDを見ました。いや、この状態で見たら、
「何だ、この対局は!」
と手に汗握る展開の連続で、実際毎局のように「次の局はどうなるんだ…」と想像も出来ないような出来事の連続でした。麻雀が本来持つ勝負の面白さを、単純に、純粋に、堪能出来る対局映像でした。
対局者の4人は35期最高位の村上淳と、チャレンジャーの3人、佐藤聖誠、石橋伸洋、曽木達志。このDVDは最高位を決める全20戦のうち、最終日の4戦の勝負が全て収められている。DISC1、DISC2に分かれていて、DISK1に17・18回戦、DISK2に19・20回戦といった塩梅。
最終日の対局前に各選手に意気込みを聞くインタビューが入っているのだが、これとは別に最終20回戦の前にも、どのように戦うのかを再度インタビューしていた。冒頭のはオッケーだが、最終戦の前にインタビューをするのはどうなんだろう?各選手も勝負に入っているので、ここでいらないコメントを求めるのは酷だと思った。もっとも一般視聴者に「自分がどう打つのか?」を宣言させる必要はあるのかもしれないが…これは麻雀の対局が持つ永遠の課題「目無し問題」を少しでもクリアにするための配慮であることは判る。各プレイヤー(特に優勝の目がほとんどない選手)がどのように打つかを先に宣言しておけば、後腐れはないと言えることは言える。だが、これほど苛烈な決定戦のオーラスになっても、麻雀が麻雀である以上、万人が腑に落ちる決着を望むのは難しいことなのかな?と感じさせられた。
後半は曽木と石橋のマッチレース。どちらが勝つかぐらいかは知っていたが、この勝負を見ると敗者のファンが増えてもおかしくないというぐらい、曽木の麻雀は自分のキャラクターを存分に見せつけるものになっていた。解説のツッチーも「ナイススイング。いい振りをしている。」と野球のスイング(振り)と振り込み(放銃)が同義語のような微妙な表現で、曽木の麻雀を評価していた。
今回のゴンドラは昨年各方面で好評を得たような小林美紗が引き続き実況を担当し、ツッチーこと土田浩翔と、昨年は決定戦に選手として出場していた佐藤崇が解説を担当している。この佐藤崇の解説が、かなり「いい」。「最高位戦のルール的に」どう打つのかは、かなり一般の麻雀のルールに近づいたとはいえ、やはり特殊な部分がある。「一発裏あり・赤なし」と、30,000点持ち、30,000点返しオカなしという観点から、瞬時にこの局面をどう捉えるのかを伝えることが出来ていて、この人のおかげでこの勝負を楽しく視聴することが出来たといっても過言ではないぐらい、見事なものだった。昨年は小林美紗を絶賛したが、今回は佐藤崇を絶賛しておこう(笑)
小林美紗は今回は生放送だったこともあってか、淡々と実況に徹しているような感じで、それでも佐藤や土田の認識違いをいち早くチェックを入れているところなんかは、やはり状況をかなり把握した上で実況できていることが伺える。安定の小林美紗クオリティといったところか。目立たなかったことが逆に凄いことなのかもしれない。もう、これが当たり前と思って見ているからね。そりゃMONDOのヒドい実況の麻雀映像とか見る気がしなくなってくるは、これでは…
我らがツッチーは控えめだった。サイの目トークはご法度のようで、その話が振られると自重モードになっていて可愛かった(笑)。ところどころ、さすがプロと思わせる解説もあるのだが、基本はキャラ変わってませんので、「ここまでの結果で次局以降どんなことが起こる」という預言解説の部分は変わっておりません。ココら辺は好き嫌いわかれるだろうね…「これが勝負のアヤに…」みたいなことを結構言うが、最終的には石橋の「手数の多さ」が勝負を制したと個人的には感じている。
土田がプロ的な解説だと思った部分で顕著だったのは「石橋の仕掛け」と「それに対応する他家の動き」に言及する部分。もし、ニコニコ生放送を見て、これを買おうかどうか迷っている方がいたら、この部分をアピールしておこう、ステマセンゴとしては(笑)
新最高位になった石橋は映像だけ見ると曽木の魅力的な麻雀に押されているような感じにも映るが、現代麻雀で勝つ上では最高のテクストになりうる存在としての映像にもなっていると思うぞ。結構4センチになっていたが、その4センチになる過程でも見所があり、既に投了気味の上家から「どうやって鳴ける牌を引き出すのか?」という細かい部分にも気を配っていることが伺える。イマイチ現代麻雀に対応出来てないと感じる愛好家の方は、これ見て研究してみてはいかが?
最後に特典映像がついていて、かつてない激戦となった最終20戦の「この場面」を、どういうことを考えながら打っていたかを、曽木・石橋に振り返ってもらうといった企画が用意されている。これはナイス企画である。ニコ生でのLIVEを見た人も、これ見るだけでも買う価値あるかもよ。
曽木は「打撃系」としての矜持を持ち、石橋を現代麻雀の旗手と捉えて、「それを(自分のスタイルで)打ち破らなければ意味が無い」といった感じで話してくれるところが、興味深いし感動させられるものがある。ロマンを感じさせる選手だ。個人的には、最終戦の前の19戦のオーラスの曽木の和了に胸を締め付けられた。この後どんなことが起こるか判らない。あれを見逃すのは容易なことだ。後から振り返って、「あれが…」と言うのは誰でも出来る。しかし判らない未来に向けて、「どうせ楽に勝つことは出来ない」と決然と20回戦ガチンコ勝負を決意した瞬間でもある。
前回の35期に初めて一般愛好家にDVDを届けた最高位戦。その反省点を活かし、前回より格段に進歩した「麻雀映像」になっていると思うぞ。解説を固定した点が一番いい。前回はLIVEじゃなかったこともあって、実際に対局したプレイヤーも解説に加わっていたが、やはりこの形がいい。後から振り返ると、どうしても麻雀の映像に集中できないような「ヨタ話」に陥りがちだが、この対局ではきちんと目前の麻雀に集中できるゴンドラになっている。それもこれも、眼前で行われている麻雀が白熱した素晴らしいものだったからだろう。
麻雀が凄く好きな奴、現代麻雀で勝ちきりたいと思っている奴、買って損はないぞ。
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