マンション管理会社テスに業務禁止命令
30日間、3年前にも同様の処分
（マンション管理新聞 2009.7.15より抜粋）
国土交通省関東地方整備局は６月３０日、テス（本社東京、山口昭夫社長）に対し、元社員の修繕積立金不正支出により管理組合財産に損害を与えたとして、マンション管理適正化法第８２条に基づき業務停止を命じた、と発表した。
業務停止期間は７月１４日から８月１２日までの３０日間。 同社は３年前にも元社員の横領等で業務一部停止処分を受けている。複数回、業務停止を命じられたのは、同社が初めて。
関東整備局は適正化法第82条5号「マンション管理業に関し、不正または著しく不当な行為」に該当すると判断。 ３０日の業務期間中は、業務停止開始前に締結した同一条件による更新等を除き、新規の契約行為等が禁止される。
違反行為は具体的に、平成20年に発覚したテス神奈川支店元社員による約2600万円の修繕積立金横領を指す。 元社員は当時、管理業務主任者資格を持っておらず、フロント担当者のサブ的業務を担当していたとされるが、事件発覚前に退職。 現在行方不明で、テスは警視庁原宿署に告発。今年2月に受理され、捜査が続いている。
監督処分基準は平成18年12月19日に国交省が策定しているが、関東整備局によると今回の処分日数の算定基準は次の通り。
�� 違法行為を法82条5号の「不正または著しく不当な行為」と判断＝基本は「30日の業務停止」
�� テスが直ちに管理組合の損害を補填しているため「20日の業務停止」に軽減
�� 違反行為前の5年間に業務停止処分受けているため日数を1．5倍に加重（＝30日）
テスにとって業務停止処分は2度目。 初回は平成18年5月29日で、関東整備局から30日の業務停止処分を受けている。この時も違反行為に横領があり、仙台支店の元社員は約1654万円をだまし取ったとして昨年10月20日、仙台地裁から懲役2年10月の実刑判決を言い渡されている。
同社はセコムホームライフの100％子会社。今年3月末の管理受託規模は371管理組合・17315戸。
テスのコメント：今回の処分を厳粛に受け止めております。関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。昨年の発覚後からさまざまな対策を講じており、全社一丸となって再発防止に取り組んでまいります。
管理人の一言･･･同社は2009年版の総合管理受託数ランキングで５４位に入る規模の会社であり、今回の事件発覚後も直ちに管理組合の損害を補填しています。
しかし、3年前にも同様の事件を起こしています。 再発防止は本当に真剣にやってもらいたいと思います。
