小説 AnotherStory

April 14, 2009

AnotherStory 序章4 旅立ち

 
・・・朝の強い日差しがやけに眩しく感じる。


昨夜の襲撃から酷く頭が痛む。


『使徒』と名乗るあの女が現れてからだ・・・。




自分の名前を思い出したのも・・・そしてあの女の事を『知っていた』事も。


だが、わからない。


それらの記憶がノイズのごとく頭をかすめていくのだ。


まるで『以前にも同じ事』を体験したようにも感じる。





ウインスレット:どうした?まだ頭が痛むのか?


昨夜の襲撃で全壊した仮設宿舎について事情を説明をしに行っていたウインスレットがいつの間にか戻ってきていた。


ウインスレット:いやはや、仮設宿舎の件はまあ許して貰えたんだがね。


ウインスレットはそう言った後、納得いかないといった顔で


ウインスレット:あわせて暇をいただいちまった。厄介者に用はないってさ!トホホ・・・ついてねぇや。


どうやらついてないという言葉はこの男の口癖だろうか。


しかしながら巻き添えで迷惑をかけてしまったこの男に申し訳ないと思い


『済まない』と詫びた。


ウインスレットはお前さんは悪くないさ、むしろ襲撃を受けた被害者なんだからなと言ってくれたので少し救われた。


ウインスレット:さぁて、これからどうしょうかね。


使徒と名乗るあの女はまた襲ってくるだろう。

ウインスレット:そういやお前さんはこれからどうすんだ?


ああ・・・頭にノイズが走る。


・・・探さなければ・・・12の欠片・・・俺が俺であるために・・・


まるでうわ言のように頭の中の記憶が語りかける。


そして


鴉:・・・俺は


記憶の断片から見えた事をウインスレットに話すと


ウインスレット:成る程ねぇ〜、よし!決めた!


何やら彼の中である決意が固まったようである。


ウインスレット:鴉、おまえ俺を雇え。旅路の道中おれが守ってやるよ!



突発的なウインスレットの申し出に少々戸惑ったが敢えて断る理由もなかった。



こうして俺とウインスレットの魂の欠片を探す長い旅が始まったのだ。
 


manson1985ss at 08:49|Permalink