黙ったら中国の勝ち ~香港当局の山梨学院大教授の指名手配は対岸の火事ではない

1/8() 11:50配信 ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1231日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。香港の民主派ネットメディア「立場新聞」親会社の元役員・練乙錚氏の香港当局による指名手配について解説した。

対岸の火事ではなく日本の民主主義の問題に

2022.1.15.1

























政協全国委、新年茶話会を開催(北京=新華社記者/鞠鵬)= 2020(令和2)年1231日 新華社/共同通信イメージズ

香港のメディアなどは山梨学院大学の練乙錚特任教授が香港当局に指名手配されたと報じた。練氏は、香港国家安全維持法、国安法に基づく資金凍結で1229日に事業停止に追い込まれた民主派ネットメディア「立場新聞」元役員である。指名手配の容疑など詳細不明だが、立場新聞の摘発と関連している可能性が高いと見られている。

飯田)国安法での手配となると域外適用。

宮家)国外でも適用されると、彼らはそう言っているわけですよね。でもこの人は山梨学院大学の特任教授ですから、日本のしっかりとした大学、国の補助金が入った大学で、ちゃんと教鞭をとっておられるわけですから、当然彼の言論の自由を守らなければならないですよね。

飯田)はい。

宮家)もちろん日本は中国とは犯罪人引渡し協定がありません。中国は何を言ってくるかわかりませんけれど、仮にそういうことを言ってきたとしても、もちろんそんな要求に応じる必要はないし、それだけではなくて、やはり香港の問題は単なる対岸の火事じゃないわけですよね。実際に関係者が日本で教えているわけですから、その意味では我々はもっと関心を持って……もちろん、けんか腰でやれと言っているわけじゃないですが……基本的人権、特に言論の自由、表現の自由というのは、これを守らなかったら民主主義じゃありませんからね。もし我々が民主主義を本当に大事にしているのであれば、当然この人を守らなければいけないと思います。

飯田)そもそもそうですよね、もし拘束を許すなんてことになったら、国家として主権侵害するという……

宮家)昔日本でもそんな事件がありましたけれどね。まさかそんなことするとは私も思わないけれども。

飯田)それこそ、あの金大中事件……

宮家)金大中事件ですね、あまり言いたくないけれど、あれは主権侵害ですよね。あんなことをするとなったら、これは大変なことになりますよ。さすがにそれはないとしても、いろいろな形で彼らの発言の場がなくなるとなれば、それは日本自体に発言の場がなくなるのと同じになりますからね。絶対に避けなければならないと思います。

飯田)これはさすがに言論界の方々なども、ツイッターで「なんとかして守るべきだ」と。警備の強化とか、そういうところが必要になってきますか。

宮家)そういうことも必要かもしれませんけれど、それよりも、日本にいる以上は彼の人権というものは守らなければならないし、当然発表の時間は……最もその何を発表するかでまたその問題が跳ね返ってくるかもしれないけれど……それで我々は恐れてはいけないと思いますね。

飯田)香港というと、「アップルデイリー」「蘋果日報」が潰され、そしてジミー・ライという創業者の方も拘束をされて久しいと。そして今回の「立場新聞(スタンド・ニュース)」も、ということで、民主派メディアがほぼなくなってきている状況。

宮家)この法律ができたのは……

飯田)国案法は2020年の6月に施行されています。

宮家)どさくさに紛れて即、その日のうちにといいますか、真夜中に施行したわけですよね。

飯田)そうでした。

宮家)あのときに大きな曲がり角というか、ゲームが変わってしまったのでしょうね。いまでもよく覚えていますけど、「これは大変なことになった」と思いましたが、その延長戦がまだ続いているのだとつくづく思いますね。なんとしても我々は声を上げ続けないといけないと思いますよ。これは、黙ったら彼らの勝ちですからね。そうはいかないようにしなければいけないと思います。

香港民主派メディアが壊滅状態に日本のメディアに忍び寄る危機

1/13() 22:01配信 TOKYO MX

2022.1.15.2


















香港民主派メディアが壊滅状態に…日本のメディアに忍び寄る危機

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。15日(水)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、壊滅状態にある“香港民主派メディア”について取り上げました。 ◆言論の自由が失われた香港の今… 香港で国家安全維持法による報道規制の圧力が強まるなか、民主派寄りのインターネットメディア「衆新聞」がWebサイトの更新をやめ、4日に運営を停止。香港では新聞「リンゴ日報」に続き、ネットメディア「立場新聞」が昨年消滅したばかりで、主要な民主派メディアがほぼ壊滅状態となりました。 3日の記者会見で衆新聞の編集長らは、立場新聞が煽動的な報道をしたとして摘発されたことに対し「何が違法に問われるのかわからなくなり、報道を続けられなくなった」と説明。2017年に創業した衆新聞は、報道の自由を守るため、主要メディアを離れたベテラン記者が集まり、独自の調査報道や評論などを発信していました。 キャスターの堀潤は、自身のTwitterに香港で活動しているジャーナリストのアレックスさんから届いた「衆新聞」の記者会見の模様を撮影した写真をアップしていますが、「これはアレックスさんにとって非常にリスクが高い」と言います。というのも、外国勢力に香港の情報を渡したとして、国家反逆の罪に問われる可能性があるから。そして、現在の香港を「完全に一国二制度は崩壊し、言論の自由も厳しい弾圧によって失われた状況」と解説します。 こうした状況に、キャスターの田中陽南は「私たちが伝えるニュースも香港から発信してくれることで伝えられるが、その発信ができないとなると(私たちが)伝えることも難しくなってしまう」と案じます。 ◆かたや日本のメディアに目を向けると… また、堀は「なぜ私たちが沈黙するのか」と疑問を呈します。香港だけでなくミャンマーなどさまざまな地域で民主主義のSOSを世界に発信しているにも関わらず静観している現状に「我々には言論の自由があるのに、(日本国内では)なぜもっと意見を言わないのかというもどかしさが募っている」と不満を露わに。 インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、堀が憤悶とする状況を打開するにあたっては「国内の関心を高め、日本の外交をしっかりとやってもらうことが必要」と意見すると同時に、「このメディアの動きは香港だけの問題でなく、日本にも言えること」と危惧。 「メディアになかなかお金が集まらないなか、市場原理のなかでメディアが重要視されなくなってしまう。日本も他人事と思わず、メディアも自分たちの問題として考えていかなければいけない」と警鐘を鳴らします。 堀は、今月より順次公開される、鹿児島テレビ放送が製作した「テレビで会えない芸人」というドキュメンタリー映画について触れます。これはテレビで放送するには難しい、批判の的になりかねない風刺ネタをやり続ける芸人・松元ヒロさんをテーマにした映画。それをテレビ局が手がけるというのはとても珍しいことですが、これに作家で起業家の小幡和輝さんは興味を示します。 そして、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが毎年年末に風刺の効いたネタをテレビでやっていることを例に挙げ、「あれを観ていると、ネットでは毎回盛り上がるが、放送中は司会の人なども誰も触れない」と違和感を覚えるそう。「みんなでそうしたものをタブー視せずに正しく扱えばいいと思う」と意見を述べます。 では、そうした状況を打破するにはどうすればいいのか。能條さんは「テレビなども含め、メディアはスポンサーがいないと成り立たないからこそ、1つは観ている側が直接課金できるモデルを作ることだと思う」と言いつつも、「現状それはなかなか難しい」と苦悶。 一方、堀は「僕はすごくシンプルに、みんなが意見をガンガン言っていったほうがいい。この沈黙を破るには『私はこう思う』とみんなが意見を言うことだと思っている」と明言。田中も同意し「教育面でも自分の意見を言うことをもっと取り入れていくべき」と話していました。