レディースクリニックマリアヴィラ ダイアリー

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2014年01月

妊娠中の温泉OKということに

 昨日のニュースで、どこの温泉にも書いてあった「妊娠中の方は入れません」「妊娠中の方は入浴を避けてください」という表示がなくなることが報道されていました。
 これは大変よかったことです。母親学級などでもいつも訊かれることのベスト5にも入っていました。これに答えるためにいろいろ調べたりもしたものですが、実際のところ根拠はなかったのです。
 ただ、細菌感染の危険性がありそうな汚いぬるいお湯には長く入らない方が、というのは変わっていませんし、長時間の入浴でのぼせたりするとあぶないというのもありますから、やはり昔から指導していた通り15分程度の入浴時間を目安に、というのは変わらないと思います。
 妊娠中の方も、安心して温泉でストレスを解消してください。

血栓症の話の補足

 昼間、ひさしぶりに更新したブログが、話題がホットだということもあり結構見て頂いているようなので、補足をしておきます。

 ヤーズやルナベルをピルとひとくくりにしてしまいましたが、正確には、ヤーズ配合錠とルナベルLD錠及びルナベルULD錠は月経困難症治療薬として保険適応があります。しかし成分的には避妊用に自費で処方されるピルと同じような成分で、ルナベルLD錠は避妊用ピルのオーソM21と全く同じものです。また価格的にも、保険のものも自費のものもほぼ同じくらいの値段に設定されています。
 
 そして前回の記事に出てきたダイアンとヤスミンというのは日本では発売されていないピルで、ダイアンについては男性ホルモン活性が低くニキビにより効果的とのことで当院でも輸入して希望の方に販売しています。ヤスミンはヤーズと同じ成分で配合量がすこしちがうものです。ダイアンについても死亡例の報告がフランスで4例あったとされています。

 そして前回の記事では触れませんでしたが、月経移動や緊急避妊に使われる中用量ピル(プラノバールやソフィアC、ソフィアAなど)での血栓発症リスクは、ホルモン量が多い分当然高く、低用量ピルの約3倍とされています。(妊娠中と同じくらいになるということです)ですから、長期の海外旅行で安易に飲まない方がいいかもしれません。飛行機の長旅がエコノミークラス症候群の引き金になり足の血栓が飛んで空港で急に、なんてことになりかねません。

 結局自分にとってリスク以上の利益があるかどうかということをよく考えて、と前回むすびましたが、代わりの手段があるかどうかということを考えてみましょう。

 まず、子宮内膜症や月経困難症でヤーズやルナベルを内服している方ですが、子宮内膜症の方の場合は薬の値段は高くなります(1か月8000円くらい)が、ディナゲストという血栓症の発症の心配がないとされている黄体ホルモン剤があります。出産経験のある方ならIUSといわれるミレーナという子宮内に入れる器具もあります。
しかし、困るのは子宮内膜症ではない機能性月経困難症の方です。ほかの方法(漢方や鎮痛剤、サプリメントや運動食事療法など)で効かないからヤーズやルナベルにたどりついたという方は、やはり代わりの治療はあまり考えられません。
 次に避妊のためピルを内服している方については、出産経験のある方ならIUD(子宮内避妊具)に変更するという手はあります。そしてやはりパートナーに理解をもとめ、コンドームなども併用するとより安全でしょう。ただ出産経験のない方はやはり、ピル程成功率の高い避妊法はほかにはないというのが現状です。

 
 補足というより話がよけいややこしくなってしまったかもしれませんが、自分にとっての治療薬やピルの必要性を真剣に考える機会と捉えてほしいと思います。血栓症のリスクということに関しては我々産婦人科医も啓蒙不足であった可能性は痛感しています。少しでも患者さんの参考になれば幸いです。
 

ヤーズ錠による血栓症

 月経困難症治療薬のヤーズ配合錠の副作用で死亡した方が3例目となり、話題になっています。心配だという方からの相談の電話も頂きますので、まとめてお答えしておこうと思います。
 
 血栓症という血が固まって血管につまってしまう状態がおきたと思われますが、何もこの副作用が出るのは、ヤーズだけにはかぎりません。すべての低用量ピルでおこりうることです。先日も当院でピル処方していた方が脳静脈洞血栓症で脳外科に入院したためピルが飲めなくなりました、と来られました。その方は命に別状はありませんでしたが、血栓症のリスクは1万人に何人かというレベルでは存在しているのです。
 昨年末に朝日新聞に出た記事でピルによる血栓症で5年間で11人死亡というのがありましたが、マーベロンやアンジュ、ルナベルといったヤーズ以外の薬によるものも含まれるデータです。細かく見たい方は、PMDAという薬剤副作用に関する専門機関のホームページ内で血栓症で検索していただけばいいと思います。
 
 統計的に、一般的に言われているデータをお示ししますと、30歳未満のピルを飲んでいない人での静脈血栓症の発症は1年間で1万人に1.2人くらいですが、ピル内服でそれが3.1倍の3.7人に増えます。30代40代と年齢とともにピルを飲んでいない人でも血栓発症者は2.0、2.3と増えてゆきますが、ピル内服者では血栓リスクはそれぞれ5倍5.8倍とどんどん高くなります。
 ピルの種類別にみると、内服していない人と比較して7.3倍の発症率になるのが一番高く、それはヤーズではなくマーベロン、ファボワールです。つぎに、ダイアンで6.8倍、その次がヤーズ、ヤスミンの6.3倍です。シンフェーズ、オーソM、ルナベルは3.9倍、そして一番低率で血栓リスクが一番低いとされているのは、トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユの3.6倍です。
 ですので、今まで言われている医学的データから対策を考えると40代くらいになったら中止を考える、そして、血栓リスクだけを心配するならトリキュラーやアンジュに変更する、あるいは、40代の方ならプレマリンプロベラといった更年期の方が使用するような薬に変更する(ホルモン活性が6分の1くらいなので血栓ができづらい)、などが考えられます。

 それでは実際の症例をみていきましょう。
今回のヤーズで亡くなったとされる方は、20代で内服7日目で脳静脈洞血栓発症の方、10代で内服約1年半で肺塞栓症になった方、40代で内服約半年で下肢深部静脈血栓から肺塞栓になった方の3名です。一般には内服3か月以内に症状が出やすいと言われていましたが、2番目3番目の方は内服期間は3か月を超えていました。30代以降に多いといわれていたのですが、1,2例目までは10代20代です。明らかな傾向というのがわかる程の数ではありませんが、逆に言うと誰でもなりうる、何年飲んでもなりうる、ということは言えると思います。
 1番目の方は頭痛が初発症状で、3番目の方は足がつるというのが初発症状でした。やはり、疑わしい症状が最初に出た時点ですぐに内服を中止するのがまずは大切だと思われます。その症状とは、足の痛みむくみ、ひきつれ、脱力感、胸の痛み、頭痛、視力の障害、などです。

 総合的に考えると、まずは心配な症状があったらすぐ中止して様子をみる。それから、一般的な日常生活の注意として血液が濃縮しすぎないように脱水に注意して水分を十分に摂ることなどが重要です。もちろん心配な方はピルを変更してみても良いと思います。もちろん喫煙者の方は禁煙しましょう、是非。

 いろいろ書いてきましたが、結局心配だ、という方は中止されてよいと思います。しかし、すこし希望のある話を書かせていただくと、妊娠中の血栓症発症リスクは低用量ピル内服者の約3倍といわれています。血栓がこわいから妊娠をやめようとかいう話は聞かないですよね。あなた方のおかあさんはみなそのリスクを乗り越えて出産してこられたし、不妊の方は子供をもつために妊娠という体にとってはリスキーな状態になることを目指して治療されているのです。やっぱり女性は強いですね。

 いずれにしても、自分にとってピルを内服することがリスクと比較してどのくらいのメリットがあるのかを良く考えて選択しましょう。質問があれば、メールなどでお送りください。

 最後になりましたが、今回お亡くなりになった方々、ピル内服でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 
 
 

2014年も宜しくお願い申し上げます

 今日から仕事始めで通常診療を開始しました。予想したほど混まず、なまった体を慣らすにはちょうどいい程度でした。
 年末年始の予定はみなさん予定通りにすすみましたか?私はやろうとしていたことの半分くらいできたので、まあ良しとしようと思います(新宿ピカデリーでまだやっていた風立ちぬも見られましたよ。号泣はしませんでしたが、宮崎駿監督のメッセージは心にひびいたと思います。ラストの曲が鳴りやんでもなかなか席を立つ人がいない映画でした)。
 限りある時間を大切にするためには、目標や計画も、とらわれすぎてはいけませんが必要ですね。今年の目標立てましたか?
 それでは、改めまして、2014年も宜しくお願い申し上げます。
 
 
 

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。

紅白歌合戦での大島優子さんのAKB卒業宣言にはびっくりしましたが、今年をよりよいものにするためには、昨年を振り返る必要もあるかと、年末年始で昨年1年間だけですが不妊治療データをすこし解析しておりました。

ざっとですが、1年間で約200名の方に卵管造影を行いました(まあ、私もそれだけ微量とはいいながらレントゲンを浴びた、ということですね)。

妊娠して卒業された方は去年1年間で約70名でした。48(フォーティーエイト)より多かったです。

先日数年ぶりに来院された方にかつて治療しておられた方の名前を言われてわかりませんでしたが、1年でこれだと、名前だけでは確かに忘れます。(でも、お顔を見せていただけば絶対思い出しますのでご安心ください。最近は忙しさですこし患者さんに冷たいかな、と反省してますが、顔見て思い出さないことはありません)

今年も多くの卒業生が出せるようにがんばります。

おおまかなデータですが、お正月休みが明けたらホームページにアップしたいと思います。(去年は過去5年分をすべてやろうとして挫折したので、それは最初から諦めました。それよりは開業前の以前の勤務先での成績を早く削除することですよね。もうすこしお待ちください)

それでは本年も宜しくお願い申し上げます。

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