2017年09月26日

ゼミ発表1週目 4年生

ついに秋学期が始まってしまいました。

4年ゼミのトップバッターは、『あさきゆめみし』。
東屋、浮舟ときて、今回は蜻蛉、手習、夢浮橋。

はじめに

一、『源氏物語』と『あさきゆめみし』の比較
蜻蛉巻
・薫が女一の宮を垣間見る場面は、そのあと妻である女二の宮に女一の宮と同じ装束を着せるという滑稽な場面につながるのです(『すぐわかる源氏物語の絵画』参照)。そこが省略されているのですね。
・匂宮が恋の鞘当てから降りてしまうシーンも入れてください。匂宮は薫の欲望を模倣するという神田龍身さんの本は、『源氏物語=性の迷宮へ』(講談社メチエ)です。

手習巻
・恋愛沙汰から逃れたいと思うシーンでも、川が出てくるのですね。浮舟の心象表現?
・中の君は常に匂宮とセットで語られていましたか?当時は一夫一妻多妾制なのに、匂宮だけ妻帯者であることを強調しているように思うのです(薫の正妻は女二の宮)。姉の夫だから許されないという理屈?
・自己を客観視するようになるところが面白かったです。自我の誕生という近代文学のようですね。
・急に薫のことを思い出して、匂宮との関係は裏切りだったと思うところは、漫画のオリジナル?
・すべてのものから解き放たれて、よりよく生きるというのは、現代的な思想ですね。浮舟を助けた横川の僧都のモデルになったといわれている源信の思想は、厭離穢土、欣求浄土ですから。
・ここで光源氏登場。光源氏の生涯が昇華したってところがいいわぁ。

夢浮橋
・当時は出家したら、女でも男でもなくなるのです。これが仏教的諦念かな。浮舟に対し、俗世に棲む薫との比較もおこなってください。最後もまた川が出てきますね。

二、『あさきゆめみし』における浮舟
・浮舟の心境の変化を追ってください。

おわりに



参考文献

資料

前回もぐだぐだと書いたのに、今回もぐだぐだ?まぁ、膨大な情報からポイントを掴む力はありますので、日本語教員の実習までに、3巻の分析を終わらせて、実習が終わったら、卒論まで一気にまとめてください。

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2017年08月31日

第一回源氏絵データベース研究会

 科研も取れたことで、第一回目の源氏絵データベース研究会を開催しました。

発表者:稲本万里子(恵泉女学園大学)
題 目:源氏絵データベース構築・拡充の進捗状況と、源氏絵データベースを活用した源氏絵研究の構想

発表者:本田光子(愛知県立芸術大学)
題 目:宗達派源氏絵の図様整理

発表者:赤澤真理(岩手県立大学)
題 目:住吉具慶筆「源氏物語絵巻」(MIHO MUSEUM蔵)にみる建築表現の復古とその意味+附論 明治41年盛岡巡啓における源氏絵屏風の使い方

発表者:三宅秀和(群馬県立女子大学)
題 目:狩野派の源氏絵

報告者:加藤拓也(東京工業大学学部生)
題 目:Deep Learning を用いた源氏絵の画像認識

報告者:津野駿幸(東京工業大学大学院生)
題 目:Virtual Reality で体験する、灯りで見る源氏絵屏風

 私の発表は、2月の源氏絵データベース科研準備会とほぼ同じでしたが、今回のために検証したのが、源氏絵データベース構築の経緯。見るのが辛くてずっと封印していた田口先生とのメールを読み直したところ、デジタル化の話が持ちあがったが、2012年7月の源氏絵調査のとき。この調査というのが、週刊朝日百科の夕霧の号が急遽2冊になり、夕霧巻で16枚の源氏絵を選ぶことになってしまい、特に後半は小野の里の場面ばかりだったので、珍しい源氏絵はないかと探していたときに見つけた1枚だったのです。そもそも週刊朝日百科は、先生と一緒に書いた『すぐわかる源氏物語の絵画』を見た編集プロダクションからの依頼で、この本がすべての元になっていたのだなぁと思い至ったという話でした。

 私がしゃべりすぎたのと、発表者が3人、報告者が2人と盛りだくさんだったのとで、討論の時間がなくなって、懇親会になだれ込んでしまいました。質疑応答の時間も充分に取れず、申しわけございませんでした。でも、宗達派、住吉派、狩野派の源氏絵に、顔認証とVRと充実した研究会になりました。発表者と報告者のみなさま、お疲れさまでした。ご出席のみなさま、ありがとうございました。

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2017年08月20日

4年ゼミレポート講評

講評というか感想。

14JL009 「映画『スノーホワイト』と『白雪姫』」
ようやくレポートらしくなりましたね。研究史と問題点は、まぁこれでいいでしょう。猟人なのか狩人なのか、まだ混在していますよ。第2章も第3章も考察のところがもうひと息。文章が断定的で英文和訳のようなんですよね。理由を書いてから自分の考えを述べるとよいでしょう。このシーンでこのような人物として描写されているのは、このような鑑賞者層に共感してもらいたいからだと考えられるとかね。黒木さんのアナ雪の論文を参照してください。

14JL010 「土佐光信筆「源氏物語画帖」について」
第一章はOKです。第二章はあらすじ、場面の記述、特徴ある表現、情景選択なのに、第三章はあらすじ、画面の記述、場面の分析・考察なの?特異な場面を選んでいるのだから、他の作品とはどのように違うのか述べてください。行幸はなぜこの図様で描かれたのでしょうね。第二章と第三章の最後には、それぞれの章のまとめをつけてください。

14JL016 「「平治物語絵巻」について─信西巻の分析考察─」
意味不明なところもありますが(←説明不足なのでしょう)、なんとかかたちになりましたね。貴族ではなく信頼、僧ではなく信西、人名で書きましょう。光保軍と検非違使が合体しているところも記述してもらいたかったですね。信西を反映した貴族の象徴とは?没落した信西一族を描かせたくなくて、権力を掌握した存在として信西を描かせたかったってこと?ここの部分を整理してください。最後のフィクションだというところはよかったです。

14JL021 「視線から読み取る「蛸と海女」」
芋より好物の解釈は?せっかく教えてもらったのだから、註に入れましょう。第二章が今回の発表箇所ですね。現代の触手についてはだいぶ詳しくなりましたが、作例がもっとあってもよかったですね。絵と書入れ詞の視点が違うという考察はgoodでした。

14JL042 「映画『エバー・アフター』について クラスの視点から」
レオナルド・ダ・ヴィンチの略称は、ダ・ヴィンチではなくレオナルドです。先行研究と問題点は、夏休みの宿題です。第3章の考察が短いですね。ここはもっと増やしましょう。考察の手順は悪くないので、あとはかける時間とやる気の問題ですね。

14JL058 「『あさきゆめみし』における浮舟の人物造形─『源氏物語』浮舟巻から見る浮舟像─」
第一章はOKです。第二章が今回の発表箇所ですね。ん〜またケアレスミス多子さんに逆戻りしてしまいましたねぇ。時間がないのはわかりますが、漫画の分析の部分は、もう一度見直しをしてください。浮舟の造形はOKですが、今回は薫と匂宮の造形はないの?

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2017年08月19日

3年ゼミレポート講評

講評というか感想。

15JL005 「「源氏物語絵巻」を読み解く─夕霧段の情景選択と反モデル性─」
絵について語る順番は、まず最初が画面構成、次が主要な登場人物、そのあとが脇役、調度ですね。註がずれてしまいましたね。雲居雁が手紙を奪い取ったあとの場面は、光則のバーク本と光起の田丸家本だけですよ。

15JL007 「徳川・五島本「源氏物語絵巻」について─橋姫段の垣間見を考察する─」
細かなミスがあるものの、詞書について、絵について、情景選択について、よく書けていました。透垣の蔦と薫の直衣についての解釈がgoodでした。

15JL009 「「源氏物語絵巻」を読み解く─御法段の情景選択と徳川・五島本の場面の選択について─」
本稿ではと書いたら、詠み交わす場面を選んだと書くべきでしょう。しかも読み交わすになっていたという(>_<)。詩じゃなくて歌ですよ。

15JL011 「徳川・五島本「源氏物語絵巻」柏木第三段について」
橋姫さんと同じく、どれもよく書けていました。情景選択の考察がgoodでした。

15JL014 「徳川・五島本「源氏物語絵巻」鈴虫第一段について」
詞書の分析が少なかったですね。私の論文に書いてあるのに。傍線と二重傍線は?書き入れの文字については秋山論文参照。註が足りない。「源氏絵帖別場面一覧」は?

15JL032 「「源氏物語絵巻」を読み解く─東屋段の情景選択をめぐって─」
御法さんと同じ間違いを犯してしまいましたね。東屋の場面を描いた挿図が欲しかったです。

15JL033 「「源氏物語絵巻」を読み解く─鈴虫第二段の情景選択について─」
橋姫さんと同じく、どれもよく書けていました。最後の一文がgoodでした。

15JL039 「「源氏物語絵巻」を読み解く─柏木第一段の主人公たちの心情について─」
『源氏物語図典』は装束や調度の名前を調べる図典であって、絵の解釈はどこからかの引用なので、註にしないでって言ったのに(−−;)。「源氏絵帖別場面一覧」は?

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2017年08月18日

イメージ文化史特講機.譽檗璽蛤療牲覯

3年講義科目の優秀レポートは、以下の3人でした。

15JL011 「土佐光吉筆「源氏物語手鑑」胡蝶について─土佐光信筆「源氏物語画帖」胡蝶と比較して─」
久保惣本の概要、胡蝶の絵のディスクリプション、『源氏物語』胡蝶巻との比較、ハーヴァード本の胡蝶との比較、どれも大変よくできました。庭の童について言及すればなおよよかったです。 

15JL033 「土佐光吉・長次郎筆「源氏物語画帖」末摘花について─光吉と長次郎の末摘花を比較して─」
同じく、どれも大変よくできました。最後の一文がgoodでした。

15JL035 歌川広重「名所江戸百景」両国花火─葛飾北斎「江都両国橋夕涼大花火之図」と比較して」
資料がないなか(恵泉には絵巻の本はたくさんあるけど浮世絵はないのよ)、どれも大変よくできました。北斎画と比較しての「両国花火」の特徴がgoodでした。

惜しかったのは、以下の1人でした。
15JL007 「土佐光吉筆「源氏物語手鑑」橋姫(一)について─狩野氏信筆「源氏物語五十四帖屏風」橋姫と比較して─」
氏信の資料が少ないなか、どれもよく書けているのですが、ケアレスミスが多すぎ。早く提出するのも大事なことですが、よく見直しをしましょう。概要のところには註が欲しかったですね。

今年度は新しい授業をしなければならなくて、でも3年ゼミ生のためにディスクリプションの授業をしないわけにもいかなくて、苦肉の策で5つの課題とレポートというかつてないほど厳しい授業になってしまいました。最後まで諦めずにレポートまでたどり着いた人は偉かった。秋学期はどうしようかなぁ。

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2017年08月17日

日本語日本文化基礎演習機.譽檗璽蛤療牲覯

2年ゼミの優秀レポートは、以下の4人でした。

16JL001 「風病の男─「病草紙」における風病の男への高い暴力性─」
考察がgoodでした。体言止めが多かったですね。体言止めは、最後に一箇所もってくるのが効果的です。

16JL003 「「病草紙」について─「霍乱の女」─」
ディスクリプションが上手。考察もgoodでした。日本美術史のレポートも同じですが、タイトルのつけ方をもう一工夫してください。

16JL029 「口臭の女─詞書と絵の違いについて」
先行研究を上手に引用して、自説を展開しました。 

16ZA010 「眼病の治療─「病草紙」の詞書と絵からみる仏教思想の「苦」─」
詞書と絵の内容を時間と空間であらわした表がgoodでした。考察は、最初は苦?と思いましたが、読んでいるうちに説得させられちゃうから不思議。400字×20枚弱のレポートが書ける留学生ってみたことがない。素晴らしい!

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2017年08月16日

日本のヴィジュアル・イメージ機〆療牲覯

スライドテスト90点以上の上位11人/29人中は、以下のとおり。
15JL007  100点 
15JL011  100点
15JL044  100点
16JL001  100点
16JL002  96点
16JL003  100点
16JL008  96点
16JL013  96点
16JL014  100点
16JL015  90点
16JL029  90点
満点が6人!平均点は、2006年度が69.3点、2008年度が71.4点、2009年度が55.5点、2010年度が74.6点、2011年度が70.6点、2012年度が73.3点、2013年度は20問出してしまって57.9点、2014年度が75.7点、2015年度が61.8点、2016年度が82.1点、2017年度が80.3点。

課題がよかった人は、以下のとおり。
15JL011  相変わらず完璧な作品解説です。
16JL014  2年生だって負けてないぞと。

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2017年08月15日

日本美術史機親本美術史 採点結果

体調を崩してしまい、講評のアップが遅れました。
スライドテスト70点以上の上位13人/63人中は、以下のとおり。
13HC050  71点 
14JL028  70点
14JL050  72点
14JL051  74点
15HC016  88点
15HC022  71点
15HC034  72点
15HC044  84点
15JL006  78点
16JL003  81点
16JL031  71点
17PH036  71点
17PH041  99点
平均点は、2005年度が49.8点、2006年度が66.1点、2008年度が57.3点、2010年度が54.4点、2011年度が50.9点、2012年度が58.5点、2014年度が54.8点、2016年度が57.9点、2017年度が52.4点。今年度は高得点者が少なくて残念。そのなかで燦然と輝く99点。すごい!

課題は、今年も展覧会レポートか展覧会チラシか、どちらかを選択。展覧会レポートは、決められた構成で、展覧会場のレポと問題点と改善策が書いてあればA、改善策が特に優れていればA+。展覧会チラシは、必要事項が書いてあればA、デザインやコンセプトが特に優れていればA+。

展覧会レポートがよかった人は、以下のとおり。
15HC026 「奈良西大寺展 叡尊と一門の名宝」
西大寺展を取りあげた人は多かったのですが、案内図つきで説明したので、問題点がクリアになりましたね。

15JL009 「MAKI-E 蒔絵・美の万華鏡展を見て─単眼鏡と題名の在り方─」
サブタイトルのとおりですね。問題点と改善策がわかりやすかった。

16JL031 「燕子花図屏風と夏秋渓流図展を見て─展示方法を中心に─」
展覧会の主旨を書いたパネルのところで渋滞してしまうので、動画にして流すというアイディアがよかったです。

惜しかった人は、以下のとおり。
16JL003 「サントリー美術館 企画展─絵巻マニア列伝─」
問題点の指摘も改善策もよかったのに書式がねぇ。

16JL009 「絵巻マニア列伝を見て─絵巻の展覧会とは─」
ケアレスミス多し。でもキャッチフレーズの指摘はgoodでした。

展覧会チラシがよかった人は、以下のとおり。
14HC003 「美術館で楽しむ初夏のお花見」
印刷が綺麗で初夏らしい色合い。鑑賞後に花見酒も用意しているの?(笑)
 
14HC011 「宇野亜喜良展」
趣味の世界ですね。デザインがいい。行ってみたくなる展覧会ですね。

14HC032 「東寺展〜現代美から観る仏〜」
3Dパノラマやトークショーに仏像グッズ。いろいろ考えましたね。

15HC005 「江戸料理展」
切り口が面白い。表の画像がもっとクリアだとよかった。

15JL022 「月岡芳年」
ありそうでなかった展覧会ですね。関連プログラムもあるのね。

15JL044 「江戸犬展」
表のデザインがよかった。来年は戌年だしね。

17JL018 「装幀〜BookCover Illustration〜」
コンセプトが面白いし、表のデザインは秀逸。

17PH037 「菱田春草〜猫は常盤なり〜」
猫ノ国博物館の電話はニャンダイヤルなのね。

17PH041 「刀と将軍」
模範的なチラシ。5振が揃う16日間の限定公開に行かなくちゃ(笑)

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2017年07月31日

法政大学 採点結果

法政大学の美術史(日本)Aの採点結果です。

今年は人数が少なくて、スライド問題の上位9人(16人中)は以下の通り。
100点満点で、平均点は2009年が60.2点、満点1人/77人中、2011年は74.1点、満点3人/58人中、2013年は78.5点、満点4人/33人中、2015年は74.1点、満点10人/51人中、2017年度が86.2点で一昨年よりも12.1点アップ、満点は4人/16人中でした。

文学部日本文学科3年I組15B1431  100点
文学部日本文学科4年E組14B1036  92点
文学部日本文学科4年E組14B1038  100点
文学部日本文学科4年F組13B1106  96点
文学部日本文学科4年H組14B1306  100点
国際文化学部国際文化学科3年F組15G0512  91点
人間環境学部人間環境学科3年I組15H0807  99点
キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科3年C組15M0211  100点
デザイン工学部システムデザイン学科3年13N3064  94点

満点、ほぼ毎回出席でA+です。

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2017年07月21日

卒論ゼミ秋学期発表日とテーマ

秋学期の発表日と発表テーマは、以下のとおりです。

09/25 漫画『あさきゆめみし』
10/02 土佐光信筆「源氏物語画帖」
10/09 葛飾北斎筆『喜能会之故真通』
10/16 「平治物語絵巻」
10/23 映画『エバー・アフター』
10/30 映画『スノーホワイト』
11/06 相談日
11/13 相談日
11/20 相談日
11/27 相談日
12/04 相談日
12/06 卒論提出日
12/07 卒論提出締切日
12/11 秘密の作業日
12/18 予備日
01/15 秘密の練習日
01/22 予備日
01/26 予備日
01/30 卒論口述試験、打ち上げ(幹事は3年生です)

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