音楽をめぐって思い浮かんだ雑感、音楽研究活動のご案内、震災復興支援に関する情報などを掲載します。
http://mariyama.jimdo.com/

『キーワードで読む オペラ/音楽劇 研究ハンドブック』発売!

(アルテスパブリッシング)
キーワーズ ハンドブック

この本は、早稲田大学オペラ/音楽劇研究所の外郭組織で、オペラ研究の成果を広く共有し情報交換するオペラ研究会の場で、長い時間をかけて様々なメンバーが発表や議論を重ねてきた成果としてまとめられたです。

丸本隆、荻野静男、佐藤英、佐和田敬司、添田里子、長谷川悦朗、東晴美、森佳子の各氏は、オペラ/音楽劇研究所の所員あるいは招聘研究員であり、本書の編集委員として多岐にわたる内容と多くの執筆者を取りまとめ、目下音楽出版界ではもっとも勢いのあるアルテスパブリッシングからの刊行に尽力してくださいました。

早稲田大学演劇博物館21世紀COE~GCOEの一角を占めていたオペラ研究の学術研究会は、2011年に総合研究機構プロジェクト研究所の一つとして現在のオペラ/音楽劇研究所へと発展。スタートの時点から本書の出版を目標としてきました。研究会では執筆者と他のメンバーが「相互査読」を繰り返し、議論を重ねることによってオペラ/音楽劇を巡る多種多様の側面について理解を深め問題点を浮き彫りにしてきました。 その意味では、単なる事典の域をはるかに超えた知の結集と言えます。

各項目はもちろん、「オペラ年表」は他に類を見ないものであり、また文献表の充実も誇れるところです。

私は、ヘンデルに関する2項目「ヘンデル① 人と作品」「ヘンデル② 作品と受容」を執筆しました。ぜひお手に取ってお求めください!

4/22聖徳大学オープン・アカデミー:ミニコンサート「つながるハーモニー」へのお誘い

4月22日、恒例となりました「聖徳大学オープン・アカデミー(SOA=ソア)」の平成29年度オープニングセレモニーが開催されますので、お知らせします。すでに1500名が定員の川並香順記念講堂がほぼ満席になるほどのお申込みがあるとの情報をもらいましたので、急いでご紹介する次第です。

聖徳大学オープン・アカデミー 平成29年度オープニングセレモニー
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▽日時:2017年4月228日(土)13:00~15:30(予定)
▽会場:聖徳大学川並香順記念講堂
▽入場無料。要事前申込(電話)
*お申込み・お問合せ:聖徳大学生涯学習課 Tel. 047-365-3601 


前半は、「リンボウ先生」こと、作家で国文学者の林望(ハヤシ ノゾム)先生の講演。
演題:「古典文学の活き活きとした世界」

後半の音楽学部ミニコンサートでは、宮本益光先生がご自身で作曲された林先生の詩による作品も披露されます。ミニコンサートという名前でお届けしますが、中身の充実度は間違いないものです!

 
コンサートプログラム

コンサート出演者

私は例によってコンサートのご案内役として解説もいたします。 

どなたでも無料でご入場いただけます。お早めにお電話でお申し込みください。
皆様のご来場をお待ち申し上げております。
*お申込み・お問合せ:聖徳大学生涯学習課 Tel. 047-365-3601 
 

震災復興企画:あの日を忘れない 東日本大震災(2017年3月4日、聖徳大学香順メディアホール)

今年も聖徳大学の生涯学習機関であるオープン・アカデミーの震災復興企画を開催しました。

第1部 講演 和合亮一氏「福島から言葉の橋をかけたい ~震災からの日々をめぐって」

和合さんが震災発生後に「インターネットだったら誰か見てくれるのではないか」と思ってつぶやくようになった経緯、避難所等で出会った人たちからもらった“芯のある言葉”・・・。そして力強い朗読。

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第2部 音楽学部ミニコンサート「チカラコトバ ~鎮魂の祈り、復興への希望~」
     出演:聖徳女声アンサンブル、ご案内:山本まり子


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和合さんの詩による《つぶてソング》を中心に据えたプログラム構成となりました。

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募金


チャリティ募金は110,605円となりました。皆様のご協力に感謝申し上げます。

3月17日(金)福島県東京事務所に、私と長江曜子SOA校長がお訪ねし、直接募金をお届けしてまいりました。

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当日の様子は、聖徳大学SOA音楽研究センターFacebookページのアルバムにまとめてあります。

日本ヘンデル協会:オペラ《デイダミーア》(2017年2月25日、東京文化会館 小ホール)

日本ヘンデル協会は、日本におけるヘンデル研究の草分けにして権威であった故・渡部惠一郎先生が中心になって1998年に立ち上げられた団体である。渡部先生はかつて桐朋学園大、東京藝大、お茶の水女子大の3つの大学で教鞭をとっておられた。音楽学プロパーでなかった私は研究に関して渡部先生に基礎から鍛えていただいたといっても過言ではない。3大学で演奏家・研究者をめざす人たちは渡部先生が主宰された「ヘンデル研究会」に参集し、春や夏の合宿で演奏や議論を重ねたものだった。その発展形が日本ヘンデル協会であり、現在の会長は金澤正剛先生である。普段は貢献できていないが、私も会員の一人。

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ヘンデル:オペラ《デイダミーア》 HWV 42

デイダミーア・・・藤井 あや
ネレーア・・・加藤 千春
アキッレ・・・民秋 理
ウリッセ・・・佐藤 志保
フェニーチェ・・・春日 保人
リコメーデ・・・ 藪内 俊弥 
音楽監督・演出・・・原 雅巳
演奏:ヘンデル・インスティテュート・ジャパン・オーケストラ 

・‥…━━━☆・‥…━━━☆

日本ヘンデル協会では、当時の上演形態・様式、演奏習慣等を日頃から学術的に研究し、積極的に研究成果を発表・実践している。
今回は《デイダミーア》は成果発表の一つとして上演されたというわけだ。たとえば、歌手が歌唱中に特定のポーズで動作をストップするのは、イタリア・ロマン派のいわゆるベル・カント・オペラを見慣れた人には不思議に感じられるかもしれない。いや、歌手の側も研究と慣れが必要だ。日本ヘンデル協会のオペラ公演ではこれも歴史研究に基づいて再現している。

このシリーズでは《デイダミーア》までの過去のオペラ公演において、ヘンデルのオペラの様式美を体現して来た。歌手の皆さんのほとんどが普段からバロック・オペラに取り組んでおられるので、演奏法も振付も違和感はない。ダ・カーポ・アリアにおいて冒頭に戻った後の装飾法も、そこでの速いパッセージであるアジリタも適切である。同僚の先生方を含め、皆さんの演唱が光っていた。

古代史を劇的に描く《デイダミーア》。入り組んだ物語も、舞台の両サイドに用意されたスクリーンに字幕が映し出されたおかげで、分かりにくさが解消される。この公演のために特別編成されたヘンデル・インスティテュート・ジャパン・オーケストラ(コンサート・ミストレスは大西律子)も健闘。指揮は音楽監督と演出を兼ねる原雅巳さん。原さんご自身も歌手である。

将来的には、さらに研究を積み重ねた成果を充実した舞台装置で上演できる環境が望まれる。財政的な充実が不可欠であるため、これがなかなか難しい。

パーヴォ・ヤルヴィ&N響:マーラー交響曲第6番「悲劇的」(2017年2月22日・23日、横浜みなとみらいホール)

IMG_5626パーヴォ・ヤルヴィが指揮するN響横浜スペシャルは、直後に控えたヨーロッパ公演で披露するマーラー第6番を柱に、武満徹の《弦楽のためのレクイエム》を加えたプログラム。ツアー最初の2月28日ベルリンにおいてマーラーが演奏されるものの、まったく同じ組み合わせは3月6日のロンドン公演のみである。横浜へは当初初日だけに出かけるつもりであったが、2日目マチネの当日券が出るというので、都合をつけて両日とも聴いた。

2015年9月にベルリン音楽祭で聴いたアンドリス・ネルソンス&ボストン響の6番があらゆる点で衝撃的で忘れ難い演奏だったため、 それ以降他の演奏でそれを上書きするのには勇気が必要だった。しかし、今回はパーヴォ・ヤルヴィがN響とともにこの作品に新しい光を当てようとしていると思われたため、期待と緊張のないまぜになった心地で出かけることにした。

それというのも、コンサートの半年前の段階で当日のプログラム解説を執筆することになったとき、第4楽章のハンマーを3回叩く可能性があるとのことで、ハンマーが自筆譜の5回から2回に減らされ定着してした経緯と、これまでに3回叩かせた指揮者に関する記述を増やしたからである。その後、当日配付の冊子体の校正の際もハンマーに関する変更指示はなかったため、いよいよ3回かとスリリングな緊張感をもって臨んだ。

実はみなとみらいホールに出かけたのは初めてであった。座席によるのだろうが、結果から言うと、適度な残響を保つ一方で各楽器の音が独立してクリアに聞こえる素晴らしい響きをもったホールだと感じた。武満作品では、弦楽器の繊細な息づかいが肌に伝わってきた。

初日(22日):1階14列目。
録音機材に囲まれた指揮台。パーヴォさんの振りおろしたタクトに対し、かなりの緊張感が感じられる音で開始した。パートごとの拍節の取り方、個々の音にいささかの疵もなかったとは言えず、こちらが息を飲む部分もあったが、次第に落ち着いていった。肩を大きく上下に動かして指揮するマエストロ。

第2楽章と第3楽章の順序はスケルツォーアンダンテ。2月20日にパーヴォさんは使用楽譜の写真をTweetしていた。それは2010年に出版された新全集の一歩手前の版であった。新全集版ではアンダンテ-スケルツォの順であるが、それ以前の全集版はスケルツォ-アンダンテであるから、今回は使用楽譜の配列に従ったということではないだろうか。

そして問題のハンマー。本当に3回叩くだろうかと固唾を飲んで見守ったのであるが、結果的には大半の演奏がそうであるように2回であった。直前変更だった可能性もある。

初日は総じて、6番でマーラーが描いたある種の古典的枠組みが浮き彫りにされた演奏だったと思った。そして、それはN響の得意とする音楽づくりでもある。

2日目(23日):1階24列目。
初日のわずかな歯車のずれを見事に調整したというより、もはや圧倒的な訴求力をもった作品に仕上げてきたと言えよう。初日は舞台上も客席も、何やら只ならぬ張りつめた空気に包まれていたように感じたが、この日は緊張感を保ちながらも、強ばった空気はどこへといった風に、紡ぎだされる音楽は伸縮自在に我々を包んだ。作品の内包する凝縮されたエネルギーは次第に熱を帯びて爆発したかと思うと、自然なプロセスでやがて鎮静化する。ヘルデングロッケン(舞台上手の袖)が唐突に描き出す異界は、均整のとれた楽曲構成の見取り図に見事に落とし込まれていた。

スケルツォとトリオは、それぞれの音楽的性格が非常に明確に際立って聞こえた。トリオでは、1小節ごとに交替する拍子がぎこちない拍節構造を生み出すが、それを逆手に取ったかのようなアゴーギクが実に絶妙。

第4楽章では、2回目のハンマー以降にパーヴォさんが創り上げた緊迫した流れは、我々聴く者を強く牽引する。しかし、そこに無理な強引さは感じられない。2日間計4回のハンマーは完璧なタイミングと破壊力であった。ラスト30小節余りの金管によるコラールも、決して散漫に陥ることなく深く沈潜しながら音楽の内奥へと向かう。

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2日間通して、首席福川さんをはじめとする9人のホルン奏者、そして首席菊本さんらのトランペット、トロンボーン、チューバの金管群の水準の高さには脱帽した。2日目に座った席では、偶然その場所がそうであったのだろう、木管・金管のベルアップが音色・音量をどう変化させ、どのような効果をもたらすのかを、これまでになく実感できた。

昔からたまにN響の同一プログラムを2日連続で聴く事があったが、弦の第1プルトに首席が並び、管もベストメンバーが勢ぞろいした公演は、大変貴重な経験であった。舞台上に置かれていた録音機材が、将来CD化されることを意味すると期待している。

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通常N響定期初日の演奏はFMで生放送されるが今回はなく、代わりに(?)、ベルリンのフィルハーモニーでのマーラーが3月27日午前0時(26日深夜)からのBS「プレミアム・シアター」で90周年記念の8番と一緒に放映されるとのこと。横浜からさらにバージョンアップされたであろうN響の演奏をベルリンの風景とともに観られるのが、今から楽しみである。 →放送予定 
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▼『アルファベットで引く 6か国語音楽用語辞典』
久保田慶一監修、音楽之友社編、山本まり子ほか編集協力

ご案内は 当ブログ2015年3月25日の記事へ

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