光をめざして

社会や身の回りにおこったこと、その他もろもろの出来事について折にふれて感じたことを投稿します。

2011年10月

千葉県産農産物の放射能汚染の現状から考える学校給食の安全性について(やはり徹底的な検査が必要)

福島第一原発の事故が発生したのは3月11日であり、その直後に放射能が大量に噴出しました。
特に放射性ヨウ素と放射性セシウムは揮発性が高く、両者は事故直後の10日間を中心に大気中に大量放出され、水に溶けやすい両者は雨に混じって地上に降り注ぎました。
そして、この直後に露地モノの野菜を中心に千葉県でも旭市のしゅんぎくやパセリ、ちんげんさい、多古町のほうれんそうなどで放射性ヨウ素の暫定基準値(1kgあたり2000ベクレル)を超える農産物が見つかりました。(出荷停止となったことはご存知のとおりです)

千葉県が測定した県産農産物の放射性物質検査結果(事故直後)3月25日発表
http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/press/h22/housyanou-kekka-0325.html

さて、原発の事故から半年以上経過した10月21日に、千葉県は県産農産物に関する放射性物質のあたらしい検査結果を県のHPで公表しています。
これによれば検査の対象となった農産物のすべてで「検出せず」との標記がされています。だが、これは放射性物質がゼロという意味ではけっしてありません。

千葉県が測定した県産農産物の放射性物質検査結果(10月28日現在の最新値)10月21日発表
http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/press/h23/housyanou-kekka-1021.html

検査器械には、これ以下では検出不可能となる限界値というものがあります。
例えば、人の体重を量る場合に通常の体重計ではどんな正確なものでも100グラム以下の数値の検出はできません。体重の変化も100グラム以下であれば体重計による測定はできないのです。
その意味で100グラムが体重計の検出限界で、これ以上の細かい数値は測定不能なのであり、100グラム以下は体重計では検出できないのです。
さて、県HPに掲載された10月21日付の検査結果の一覧表を見ると20未満という数値が「検出せず」という標記の下に書かれています。
これはこれらの農産物を測定した器械では検出限界が20ベクレルまでという意味であり、ここで使用した器械では1圓△燭蝪横哀戰レルより低いレベルの放射能は測れないのです。
それゆえ、「検出せず」という標記のついた農産物でも放射能がゼロということではなく、微量でも存在する可能性を示唆しているにすぎません。

また、原発の事故によって広島原爆の170発分の膨大な放射能が放出されており、日本列島どこにおいても汚染のまったくない農産物など存在する余地などありません。
そういう意味で安全な食べ物など日本中どこにもないのであり、問題はどのレベルで我慢するのかということになってきます。

学校給食に使われる食材の安全性についての筆者の考え方!
さて、千葉県産農産物の放射能汚染の現状ですが、放射能に対する感受性の低い大人であれば、この数値ならばぎりぎり我慢して受け入れることが可能な水準かもしれません。
だが、子どもの場合にはこのレベルであっても我慢を強いることは適切ではないと考えます。
モラルの点で考えても、原子力発電による電気の恩恵を享受してきた大人こそ、その責任をとって汚染された食品をすすんで食べるべきであり、責任のない子どもには汚染のない安全な食べ物を提供すべきです。
また、子どもの保護者のなかには自分の子どもにはたとえ1ベクレルであっても汚染された食べ物を食べさせたくないという人もいます。そして、この人たちの価値観を最大限に尊重せねばなりません。
それゆえ学校給食に使われる食材には徹底的な放射能の検査が必要であり、銚子市は学校給食の食材の放射能検査をできるだけ早く実施できるように準備すべきでしょう。
また、予算の制約などで給食の食材の検査がすぐに実行できないのであれば、給食を食べさせるか、弁当持参にするかの選択の自由を保護者に保障すべきであると思います。

銚子市における放射能汚染の実態について(放射性物質で汚染された焼却灰や汚泥の持ち込みの実態が判明)

銚子市には民間の産業廃棄物最終処分場が小浜町にあり、このゴミ処理施設では他市からの一般ゴミも受け入れて処理しています。
だが、この最終処分場にも基準値以下(1kgあたり8000ベクレル)の放射性物質を含んだゴミの焼却灰がもちこまれていることが判明しました。
このことが明らかになったきっかけは9月の銚子市議会での三浦議員の一般質問です。
銚子市が明らかにしたところによると、3月11日から8月2日までの間に放射性物質をふくんだゴミの焼却灰4369トンが搬入されていたというのです。
さらに、その後の追跡調査で8月から9月の二ヶ月間で新たに4582トンが搬入されていたことも明らかになっています。
これだけでも累積で数十億ベクレルにも達する大変な量ですが、最近になって今度は放射能汚染された下水道汚泥が持ち込まれていたこともわかりました。

千葉県が明らかにしたところによれば、6月ひと月だけで2972トンもの放射能で汚染された下水道汚泥が小浜町の最終処分場に運び込まれていたといいます。
仮にこのペースで汚染された汚泥が同処分場に持ち込まれているとすれば、6月から10月までの間に3000トン×5ヶ月で15000トンもの放射性汚泥が運び込まれた計算となります。
同処分場には以前から他市の大量の焼却灰が持ち込まれており、その中のダイオキシン総量だけでも膨大な量に達している可能性があります。
そこへあらたに放射性物資で汚染された数万トンもの焼却灰や汚泥が持ちこまれたのですから、周辺地域を中心に今後の深刻な環境汚染が懸念される事態となりました。

放射能への対応は「閉じ込めて、拡散を防ぐ」が大原則であること(逆行する日本の現実について)
さて、放射性物質への対処の原則は「閉じ込めて、拡散を防ぐ」を鉄則とせねばなりません。
だが、政府は福島第一原発事故由来の膨大な放射性物質による人々の被ばくを最小限に抑えるために、全国にばら撒かれた放射能のさらなる拡散を防ぐための努力をしていません。
むしろ政府は「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮ではないか」と誤った「愛国心」を強調し、食品や廃棄物における放射能の基準値を引き上げることで組織的かつ意図的に放射能を日本全国に拡散しています。

また、3月11日の震災によって東北3県の沿岸地域には推定で2380万トンもの瓦礫が生じました。
この瓦礫が復興に立ちはだかる大きな障害になっていることは事実ですが、その瓦礫の多くには放射能が付着しています。
ところが、東京都が岩手県からの瓦礫の受け入れを表明したことで、日本全国の自治体による放射性瓦礫受け入れが促進されかねない状況となりました。
もし、全国の自治体が東京都に引き続いて汚染瓦礫の受け入れを開始すると、放射能漏れの影響を受けていない地域にまで土壌や水の汚染を広げることになってしまいます。
これは放射性物質への対処の原則である「閉じ込めて、拡散を防ぐ」という鉄則に反するやり方であり、この計画を実行した場合、今後何百年にわたって日本列島全体さらには人類全体へと被害を及ぼす過ちを犯すこととなります。
銚子市の最終処分場への放射性汚泥や焼却灰の大量の持ち込みはこのような流れの一環であり、全国への放射能の拡散をストップさせる取り組みの一環としてもこれ以上、放置してはなりません。

汚染された瓦礫や汚泥、焼却灰などは東電に帰して福島原発を覆う「石棺」のコンクリートの材料にすべきです!
東北の放射性瓦礫にしろ、銚子市に持ち込まれる放射能で汚染された下水道汚泥や焼却灰にしろ、その汚染の根源は福島の原発の原子炉の中にあったものであり、東電の持ち物に他なりません。
事故による重過失でそれを日本全体にばら撒いたのですから、本来は勝手にばら撒いた東電が回収するのが筋であり、汚染された汚泥や焼却灰、放射性瓦礫は東電に返す、福島の原発の敷地に帰すのが正しいやり方です。
そして近い将来、福島第一原発を覆う「石棺」や地下水の汚染を防ぐための「地下ダム」を作らざるをえないのですから、これらを処理したものを「石棺」や「地下ダム」のコンクリートの材料に使用すればよいのです。
そうすれば原発内の膨大な放射能を閉じ込められるし、放射性物質の拡散の阻止にも役立ちます。一石二鳥とはこのことを言います。

追伸
これ以上、銚子市内の産業廃棄物処分場へ放射能汚染された廃棄物が持ち込まれないように銚子市長へ申し入れるべきです。
これは放射能を全国に拡散することを阻止するための行動の一環であり、「地域エゴ」でも何でもありません。むしろ立派な大義ある行動です。
また、これは放射能への対応原則である「閉じ込め、拡散を阻止する」ことにも適います。

また、環境省は8月に一般の最終処分場へ持ち込める焼却灰や汚泥における放射性物質の基準を1kgあたり8000ベクレル以下から10万ベクレル以下に引き上げました。
これで10万ベクレル以下であれば一般の最終処分場に埋め立て処分することが可能となり、今後は10万ベクレル以下であれば銚子市の産業廃棄物処分場にも持ち込めることになります。事態はさらに悪くなる一方です。
環境省はその名に反して人の健康を維持するために数値を決めてはいません。それは東電を擁護し、今の「体制」を死守するためのものにしか見えません

ウォール街行動のスローガン「私たちは99%だ」という合言葉が意味するもの(呼びかけられている社会的連帯の絆)

米国の「ウォール街行動」に端を発した貧困と格差をなくせという運動が世界中に広がっています。
「1%の大金持ちが支配し、99%が犠牲になっていいのか」、「私たちは99%だ」というのがこの運動のスローガンですが、これが世界中の合言葉となって広がりはじめました。
08年のリーマンショックをきっかけとした大銀行へのテコ入れなどで大金持ちたちは息を吹き返し、さらに巨額の富を積み増しましたが、その一方で若者や労働者の生活は困難になるばかりで貧困と失業が広がっており、それへの怒りが噴き出しています。

さて、これらのスローガンのバックグラウンドとなっているのはこのような現実に他なりませんが、これは日本でも例外ではありません。
リーマンショック前は日本の大企業の内部留保は255兆円であったのが、最近では257兆円(2011年4〜6月期)へと史上最高水準にまで積み増しました。
また、株取り引きにかかる証券優遇税制はわずか10%であり、米国も驚くような金持ち優遇が続いています。
だが、労働者の賃金はこの間、一貫して下がり続けており、若者たちの間では依然として非正規雇用労働者の割合が50%前後という高いレベルにあります。
また、今年の大企業の役員報酬のトップは9億8200万円の日産のカルロス・ゴーン氏ですが、これは昨年よりも9100万もの「賃上げ」でした。
さらに二位のソニーのワード・ストリンガー氏も8億6300万円であり、これも昨年より3850万円の「賃上げ」となりました。
若者と労働者には賃下げや雇い止め、リストラを押し付けておきながら、自分たちは巨額な役員報酬をたっぷりといただいて空前の富を独り占めする。
「1%の大金持ちが支配する社会でいいのか」という合言葉がふさわしいのは日本の社会をおいて他にありません。

自己責任から社会的な連帯への転換を呼びかける「私たちは99%」!
これまでは「自己責任」という持てるものにだけ一方的に都合のよい“魔法の言葉”でバラバラにされてきた人々にとって、今こそ、社会的な連帯の輪が必要です。
「自己責任」という呪文で今までいがみ合ってきた正社員と非正規社員は連帯すべきであり、不当な公務員への「人件費攻撃」によって今まで反目しあってきた民間労働者と公務労働者とは今こそ連帯すべきです。
また、TPPは農業だけではなく、労働や医療、雇用など日本の国のカタチを変えてしまうものであり、ほんの一握りの輸出大企業のために99%の国民を犠牲にするものです。
だからこそ労働者と農林水産業従事者とが連帯するしかありません。
「私たちは99%だ」というのがウォール街行動のスローガンですが、この言葉のなかには99%の間での社会的な連帯の呼びかけがあります。
私たち99%が連帯して使い捨て労働をやめさせ、正社員が当たり前の世の中を作り出すしかありません。
そして、99%が連帯して大富豪たちの巨額の富を再配分し、大企業の溜め込み金を雇用や社会保障、震災の復興のためにこそ用いねばなりません。
1%の大金持ちが支配する社会を99%の連帯の力で変え、未来を切り開かねばなりません。

追記
(「100年安心」,「月額7万円以上の年金」とあいついで年金をもてあそんだ自公と民主)

小泉旋風が吹き荒れた2005年の総選挙で自公は「100年安心」の年金改革を公約しました。
だが、この「改革」プランも保険料が上がるのみで「安心」とはほど遠く、「消えた年金」問題が炸裂したことをきっかけに消え去る運命となりました。
さて、そこへ登場した民主党は「月額7万円以上の年金」を掲げ、年金問題をめぐる自公への有権者の不信感を追い風に09年の総選挙で政権につきました。
だが今回、民主党政権から出された年金「改革」案は受け取れる年齢を先延ばしするものでしかなく、記録ではなく、お金を消し去るものとなりました。
自公も民主も年金をダシにして有権者の心をもてあそびました。
もう、こんな大掛かりな国家的な詐欺の繰り返しは許されません。



NHKの番組(あさイチ)でおこなわれた悪質な印象操作とTPPをめぐるNHK報道に見る偏向報道と世論操作について

先日、NHKで大変悪質な番組が放送されました。10月17日に放送された「あさイチ」という番組です。
番組は福島と福島以外のいくつかの家庭を選び、そこで一週間にわたって食べた食材の汚染度(ベクレル表示)を測定して放送するものでしたが、福島の家庭がもっとも食材の汚染がすくなく、気にすると被ばくし、気にしてなければ被ばくしないという結論に視聴者の印象を導いているのです。

この手法は平均値が高いAグループと平均値が低いBグループの中から、それぞれ作為的に個別のものを選び出し、AグループとBグループの関係を覆すものです。
たとえば、平均体重の重いAグループのなかからもっとも痩せた人を選び出し、平均体重の軽いBグループからはもっとも肥満気味の人を選び出して、AグループはBグループより痩せているといったのと同じ論法を用いたことになります。
これは平均値と個別の関係を故意に混同させる手法であり、事物のなかから自分の結論に都合の良い断面を切り取ることで事実と違った印象を与えるやり方です。
汚染された農地からとれた農作物は汚染されており、汚染されていない農地からとれた農作物は汚染されていないというのが通常の因果関係であり、この因果関係を覆す結論をNHKが導き出すとすれば、もっと厳密な検証が必要なはずです。
だが、NHKは「あさイチ」という番組の中でそのような手間のかかる作業をやった形跡はありません。

これで福島の食品は汚染されておらず「安全」だという印象を与えたNHKですが、もし福島の子供たちに10年たって健康障害が出てきたらNHKはどのようにしてその責任を取るつもりなのでしょうか。
この番組の中身のひどさは公共放送としてのNHKにあるまじきものであり、悪質な世論操作にも等しく、その存在価値そのものが問われます。

TPP参加へと世論を誘導するNHKの報道番組に見るその手法について!
さて、日本の農業に壊滅的な打撃を与え、国民生活のあらゆる分野で「規制緩和」を推し進め、国民生活をズダズダにした「構造改革」をさらに推し進めるものがTPPです。
また、TPP交渉への参加には多くの農林水産業の団体や地方議会などから強い反対の声が上がっており、国民の間での慎重な議論が求められています。
だが、TPP慎重論や反対論が巷に溢れているときにNHKの報道番組はこれらの声は一顧だにせず、米国議会が韓国との自由貿易協定法案(FTA)を可決したことだけを鳴り物入りで報じました。
このままでは関税フリーになった韓国製の自動車や家電製品によって米国の市場を奪われる、だから日本政府はTPP参加を急がねばならないというメッセージをここから読みとることは容易です。
TPP参加にともなう問題点の報道はいっさいおこなわずに米韓FTAのみを引き合いにだし、このままでは日本は韓国企業に米国マーケットを奪われる、米韓同盟が日米同盟よりも堅固なものになるといった偏向報道によってTPP参加へと世論を誘導しようというのです。

福島のひとつの家庭だけを恣意的にとりだして、それがあたかも福島県全体を代表する事例のように放送して誤った「安心感」をふりまいたNHKの「あさイチ」といい、米韓FTAのみに焦点を当て、このままでは韓国企業に米国市場を奪われるといった印象のみを与えることでTPP参加へと国民の世論を誘導しようとしたNHKの報道番組といい、これではNHKにたいして受信料を払うべき道理はなくなっていくばかりです。
参照 武田邦彦氏ブログ(NHKの報道2011年10月17日あさイチ)

支給は先送りし、年金額も削減する民主党政権の年金大改悪プランについて

「消えた年金」問題への国民の怒りを背景に09年の総選挙で「消えない年金」や「月額7万円の最低保障年金」などの年金充実策をかかげて選挙に勝利。そして成立したはずの民主党政権ですが、今度は有権者との約束を骨抜きにしたうえに、あろうことか年金の大改悪に踏み出すといいます。
それは支給開始年齢の先延ばしと給付額の削減の両面から現行年金制度を改悪しようとするものであり、現在、年金を支給している人の受給額を大幅に減らし、支給開始年齢も68歳ないし70歳まで引き上げるものです。
この改悪プランが実現すれば全世代に影響が及ぶことは避けられません。

さて、現在は60歳から65歳への支給開始年齢の引き上げが段階的におこなわれており、そこへさらに68歳への引き上げとなれば、現在の40〜30歳代では60歳から65歳までの5年分と65歳から68歳までの3年分の年金が消えかねません。
「消えた年金問題」の解決や「月額7万円の最低保障年金」などをかかげた民主党政権でしたが、今回、公約を裏切って旧自公政権を上回る年金削減をおこなうことで、こんどは国民の年金を消してしまおうとしています。
また、今回の年金改悪プランで深刻な影響を受けるのは女性です。
女性は現在、男性から5年遅れで支給開始年齢の引き上げがおこなわれることになっていましたが、今回それを男性と同じに前倒ししようとするため、場合によっては一度に5年以上の先送りとなる人も出てきます。
とりわけ女性単身者への打撃は計り知れないものとなるでしょう。

改悪は支給先送りにとどまらず年金額の大幅削減も狙われています!
さらに改悪は支給先送りにとどまりません。
すでに年金を受けている人にも給付額の大幅な削減がおこなわれます。
まず、3年かけて2・5%削減(過去の物価下落にともなうスライド凍結分)が実施され、その後は物価下落分に加えて、マクロ経済スライドと称して毎年0.9%の削減がおこなわれます。
マクロ経済スライドとは労働力人口の減少率と平均余命の伸び率を合計したものであり、早い話が年金額を抑制する仕組みです。
こうして、物価下落分とマクロスライド分とを合わせて受給額が10年間で1割前後減ってしまうこととなります。
高齢者の方にとっても年金が減らされていくことでこれからの生活の見通しが立たなくなり、将来への不安は計り知れません。

年金支給の先送りについて民主党政権はその理由や年金財政悪化の裏づけさえ示そうとしませんが、大改悪方針を知り「70歳まで支給開始が延ばされるならばもう保険料の支払いはやめる」という声もあがっており、今回の年金改悪プランは年金制度への信頼を壊し、制度の存立自体を揺るがしかねません。
年金制度存立のための財源は富裕層へ所得や資産に応じた負担を求めることや、年金の積立金を計画的に取り崩し、高齢化がピークを迎える2050年ごろまでは給付に振り向けることで賄うことができるはずです。
また、賃金の大幅な引き上げや不安定雇用などをなくし、年金の安定した支え手を増やすことがどうしても必要です。
公約を投げ捨て、旧自公政権のやってきた年金改悪をさらに加速しようとする民主党政権のやり方は許せません。

かって野党時代には年金の支給開始年齢の60歳から65歳への引き上げ(2000年の年金改悪)に反対し、さらに年金のマクロスライド制の導入にも反対した民主党ですが、その当時の面影が今はなく国民に敵対しています。
「国民の生活が第一」との民主党のスローガンは何だったのでしょうか。

参考 しんぶん赤旗10月20日付け「全世代襲う年金改悪」

閑話休題(原発停止でもなかった電力危機)
東電が発表したところによれば、東電管内における今夏の「電力最大発生日」のピーク需要は4922万キロワットで、この時点での供給力は5460万キロワットもあり、余力が538万キロワットあったといいます。
また、この時点で稼動していた東電管内の原発は新潟県の柏崎刈羽原発の3基だけで、合計出力も381.2万キロワットにすぎませんでした。
この3基分の電力を差し引いてもなお5078.8キロワットもの供給が可能だったのであり、原発なしでも最大電力需要量を156.8万キロワット上回っていたことになります。
「大停電」などはなく、東電は東北電力に余った電気を融通さえしていました。
福島原発事故直後には「計画停電」まで強行し、原発なければ電気が足りなくなるキャンペーンを展開して利用者を脅した東電ですが、あの“空騒ぎ”は何だったのでしょう。

TPPへの日本の加入は日本の宝である国民皆保険制度と地域医療の崩壊をもたらします。

国民すべてが何らかの医療保険にはいって病気やケガをした場合に医療給付を受けられる制度のことを国民皆保険制度といいます。
日本の場合、1955年(昭和30年)ごろまでは農業や自営業者、零細企業の従業員などを中心として国民の3分の1に当たる約3000万人が無保険者でした。
これが社会問題になり、58年には国民健康保険法が制定され、61年には全国の市町村で国民健康保険事業が始まったことで「誰もが」、「いつでも」、「どこでも」医療保険を受けられる国民皆保険制度が始まりました。
今では、この「国民皆保険制度」を水や空気のように当たり前にように私たちは感じていますが、米国などは先進国でありながらも国民の6人に1人が医療保険に加入できず、まともな医療を受けられない国もあるのです。
健康保険証1枚あればいつでも、どこでも、誰でもが医療機関にかかれる国民皆保険制度は日本が世界に誇れる宝といってよいと思います。

「非関税障壁」と看做される国民皆保険制度、および混合診療解禁のもたらすもの!
さて、「自由貿易の促進」を名目に野田内閣はTPP交渉への参加を急いで決定しようとしていますが、TPPにはいると、すべての関税の撤廃が求められると同時に「非関税障壁」の撤廃が求められることはあまり知られていません。
関税があると値段が高くなって品物が売れませんが、これが日本に品物を売り込みたい人にとっては「障壁」つまり邪魔とみなされます。
そして、商売の邪魔になるものとして、この「関税障壁」以外に「非関税障壁」と呼ばれるものがあるのです。
例えば、米国の保険会社が「健康保険」という商品を日本に売り込みたい場合、日本には国民皆保険制度があって会社員とその家族は「社会保険」に、自営業や農業者は「国民健康保険」に加入しています。
それゆえ、これ以上健康保険など必要ないという人がほとんどです。
だから、これは米国の保険会社にとって商売の邪魔となり、国民皆保険制度が「非関税障壁」と看做される理由になります。
むしろ、TPPの狙いは農業分野よりも35兆円を超える日本の医療市場であり、医療保険の開放がその真の狙いであるといってよいでしょう。
そして、その具体的な第一歩が混合診療の解禁です。
これは保険診療と自由診療の併用を認めることであり、皆保険枠と自由診療枠の二本立て医療となることを意味しています。
これまでは、すぐれた治療法や薬が開発され、その有用性が認められれば保険診療の対象となってきましたが、混合診療が解禁になればそれはなくなります。
そんなことをしたら、保険会社が保険を組めなくなり、「非関税障壁」と指摘されるからです。

さて、医学の進歩は早く、新しい治療法や新薬はどんどん開発されていくでしょうが、それにともない混合診療枠が拡大していき、高度な医療を受けられるのは高い民間の医療保険に入れる金持ちだけとなり、庶民には保険の効く「古くてあまり効かない薬」だけが残されることになっていくでしょう。
そして、もうけ第一の資本主義の論理が医療界に入り込み、医師などのいわゆる「医療資源」は利益が出て、高い報酬が約束される分野に流れ込んでいきます。
その結果として、もうけの薄い農山村や救急医療などでは現在以上の医師不足がおこるでしょう。
行き着くところは地域医療の崩壊であり、国民皆保険制度の崩壊です。
医療分野の問題点から考えてもTPPへの加入は認められるものではありません。

追記
もし、混合診療が25年前に導入されていたら?

25年前は今では一般的におこなわれているMRIやCTもなく、尿道結石を超音波で破壊する医療も保険の対象ではありませんでした。
また、心臓の冠動脈が詰まると、今はカテーテルで血栓を除去し、患者は次の日には退院していますが、この頃は開胸手術しかありませんでした。
さて、これらの治療法は今ではすべてが保険適用となっていますが、もし25年前に混合診療が導入されていたら、これらはすべて保険の効かない治療となっていたでしょう。
そして、お金のない庶民はMRIやCT、心臓カテーテルなどの治療方法の恩恵にあずかれず、所得によって受けられる医療の格差は大きなものになっていたに違いありません。
これからの医学の進歩を考えると混合診療の導入による医療格差の増大は想像以上に大きなものなっていくことが想定されます。




福島米の「安全宣言」に思う(放射能に安全はないというのが目下のサイエンスの結論ではなかったでしょうか)

福島県の佐藤知事が10月12日に福島県産の一般米について「安全宣言」を出しました。
福島県は1174ポイントを抽出して新米に含まれる放射性セシウムについての調査を実施しており、その結果、964ポイントで放射能が検出されておらず、203ポイントで100ベクレル未満との結果が出たことを受けて出された「安全宣言」でした。
しかし、農水省が伊達市で1キロ163ベクレル、福島市で1キロ139ベクレルという数値を発表したのみで、それ以外の具体的な数字を報道各社は明らかにしていません。

さて、この福島県知事の「安全宣言」の報道に接して思うことは、はたして放射能には安全というものが存在するのかという疑問です。
政府の「暫定基準値」500ベクレルを下回っているとはいえ、危険はあります。499ベクレルかもしれませんし、300かもしれません。また、100かもしれないし10かもわかりませんが、それぞれのレベルに応じて危険はあり、安全ではありません。
それはあくまでも程度やレベルの問題であって、放射能にはそれ以下であれば安全という「しきい値」は存在しないというのが現在のサイエンスの結論である以上、国の定めた「暫定基準値」を下回っているからと「安全宣言」をだすことは間違っています。
もともと、3月11日の福島第一原発の事故以前にはお米に含まれる放射性セシウムは1キロあたり1ベクレルあるかないかという水準でした。
だが、原発の事故がおこったことにより政府が500ベクレルとしたことで、通常値の500倍以上のものを許容すべしということが政府の見解になりました。
そもそも「暫定基準値」とは核戦争などで生き残った人々が汚染された食物を食べて生き延びねばならないケースなどに適用させるべき性質の値です。それはおそらく長くても2〜3ヶ月の期間を想定したものであり、事故後7ヵ月たった現時点での基準としてはふさわしいものではありません。
それを一律に「全部下回ったから安全だ」と宣伝し、生産農家の安堵の声を報道する政府やメディアの姿勢には受け入れがたい違和感を覚えます。

また、報道は「暫定基準値」という表現を使わずに「国の基準を下回る」という言い方をしており、これは暫定基準値の「暫定」を意識的に取り去って、市民に「暫定」を忘れさせようとしているとしか思えません。
こうして「暫定基準値」が事実上の正式の基準となっていき、緊急時のやむおえない値であった「暫定基準値」が大手を振ってのさばるようになりました。
そして、もともと一般市民の被ばく基準であった1ミリシーベルトは無視されるようになりつつあります。

風評被害を防ぐためには個別の食品の汚染についての正確な情報が必要です!
ところで、ここまで放射能汚染が広がってくると汚染されていない食べ物など存在しないと思います。
現実的にはどこまでのレベルまでなら我慢して受け入れることができるかであり、それは市民の一人ひとりの判断に委ねるしかありません。
そのためには個別にどの食べ物がどれだけ汚れているかということを正確に知る必要があると思います。
「暫定基準値」を下回っているから安全であり、通常の流通ルートにのせて出荷するという福島米をめぐる対応は、基準値を下回ってさえいればよく、後は何にもデータを示さないと言うやり方であり、かえって風評被害をあおります。
何よりも正確な情報を知らせるということでしか風評被害を食い止めることはできません。

福島県のある農家は「今年は産直米の8割が注文キャンセルになりました。価格面で風評被害が出ると思う」と話していますが、そうさせないためにも正確な情報が必要です。
自分であれば少なくても子どもには福島産の米は食べさせたくないというのが現状です。

子ども手当廃止や普天間基地の県内移設など公約違反を繰り返す民主党政権がくわだてる年金支給年齢の先延ばしとTPPへの参加!

厚生労働省は社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会に年金の支給開始年齢引き上げを提案しました。
現在、年金の支給開始年齢は段階的に60歳から65歳へと引き上げられている最中ですが、厚労省はこの引き上げスケジュールを前倒しすることと、支給開始年齢を68歳ないし70歳まで引き上げることの検討を始めました。
この狙いは言うまでもなく公費支出の削減であり、厚労省は基礎年金の支給開始年齢を1歳引き上げるごとに5千億円の公費削減ができると試算しています。

また、厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢を2013年度から3年ごとに1歳ずつ引き上げる現行の引き上げスケジュールを2年に1歳ずつに早めようとしています。
これを最も早いケースで見ると、現在57歳(1954年生)の男性の支給開始年齢が61歳から62歳へと先延ばしになります。
そして、これを手始めに支給開始年齢の先延ばしが順次実施され、最終的には男女ともに1960年(昭和35年)生まれの人から基礎年金・厚生年金ともに68歳からの支給となります。
これはもらえる年齢になったと思ったら先に延びる「逃げ水」のようなやり方であり、国民に約束した支給条件を国側の一方的な都合によって途中で変更する“保険金詐欺”に他なりません。
このようなことを繰り返していれば年金制度に対する信頼感が失われ、年金制度の空洞化がいっそうすすむことは必至です。

また、旧自公政権が社会保障費を毎年2200億円削減してきたことにたいする怒りを受けて政権についた民主党ですが、ここにきて旧自公政権以上の社会保障削減路線へと踏み込んだ最大の象徴が「年金支給開始年齢先延ばし」です。
民主党は09年総選挙マニフェストで「年金・医療・介護の不安をなくし誰もが安心して暮らせるようにします」と公約していますが、この分野でも自民党政治への同化が顕在化しました。
また、支給開始年齢先延ばしによってもっとも被害を蒙るのが現役世代であり、青壮年世代は怒りとともにこのような試みを法案化のまえに摘み取るべきでしょう。

TPP参加への動きを加速している野田政権とTPP阻止大行動の必要性!
さて、野田政権が11月のAPEC首脳会議までの結論を目指して関係閣僚の会合を開くなど、ここにきて政府がTPP交渉参加への動きを強めています。
一握りの輸出大企業の利益のために日本農業のみならず、日本の国の形そのものを潰してしまうTPPへの参加を阻止するために全力をあげるべき時がきました。
財界・米国は日本の農産物の関税は高いと攻撃しますが、すでに日本の農産物の関税は平均で12%であり、欧州(EU)の20%などと比べても十二分に「開国」されています。
さらに農業は林業などもふくめると環境保全、洪水対策などの多面的な機能を持っており、世界の流れは自国の食糧は自国で賄うという「食糧主権」の確立が主流となっています。
また、TPPによって農林漁業のみならず、非関税障壁とされた医療・労働・金融・保険など国民生活のあらゆる分野に影響がおよび、その弊害は国民皆保険制度の崩壊や低賃金の移民労働の受け入れ自由化など限りがありません。

民主党の09年総選挙マニフェストの公約は「農業を再生し、食糧自給率を高める」であり、この分野でも民主党政権の公約蹂躙は目に余ります。
参加反対の世論を広げるため農林水産業・労働・消費者・医療・中小企業など広範な国民各層の共同行動のために幅広い人々と手をつなぎましょう。

「強欲な1%には我慢できない」と全米へ広がるウォール街行動と欧米で巻き起こる富裕層課税

米国金融界の中心地ニューヨークのウォール街で9月17日より始まった若者たちによる「ウォール街を占拠せよ」のデモや集会は3週間を経過した今も続いています。
「人口のわずか1%の富裕層の強欲」に抗議し、「腐敗の根絶」を求めて始まった運動ですが、その動きは全米各地に飛び火して、シカゴやロサンゼルス、ピッツバーグなど各地に波及しています。
当初数百人規模だった参加者は10月5日には1万人規模に拡大し、巨大金融機関優先社会のあり方に抗議する動きとなりました。
現代の米国社会では収入の増大によって上位1%の富裕層が富の40%を独占しています。
だが、その一方で失業率は9%を超え、特に若年層の失業率は15%にも達しており、長年にわたる世帯収入の落ち込みは米国の貧困人口を過去最大の4618万人へと押し上げました。
また、リーマンショックによる金融危機をひきおこした金融大手は税金による公的支援をうけて軒並み利益を伸ばし、富裕層は相変わらず高額な報酬を受け取っています。貧富の格差への怒りが若者をデモに駆り立てたのです。

自ら増税を申し出る欧米の富豪たちを高所得者たちの集まりである日本経団連は見習え!
さて、オバマ大統領は総額で34兆円を超える大規模な雇用対策法案の制定を呼びかけ、高速道路や橋の建設、学校の校舎改修などで雇用を生み出そうと提案しています。
そして、その財源の多くを富裕層や大企業向けの優遇税制の見直しで賄おうとしていますが、富裕層・大企業増税に反対する共和党は「階級闘争」として反対しており、法制化の見通しは立っていないといいます。
だが、投資の神様として知られるウォーレンバフェット氏をはじめとして、富裕層への増税を求める声は富裕層の間からも出はじめており、欧州でも企業の経営者が同様の主張をしています。欧米の富豪たちは国の財政悪化を憂い、自ら増税を申し出ているのです。
ここは日本の富豪たちも自らへの増税を申し出てしかるべきところですが、日頃から経済政策に様々な注文をつける日本経団連は高所得者の集まりであるにもかかわらず、そのような申し出はおこなっていません。

焦点となっている「復興増税」も富裕層や大企業に減税する一方で、庶民には増税を押し付けるものとなっており、世界でも異常な日本の証券優遇税制の延長をも決めています。
これは株の配当にかかる税金の税率を本来の20%から10%へと軽減するものですが、野田内閣は「景気回復に万全を期すため」との理由で2年延長することにしました。
本来、株でもうけた人への課税と景気は何の関係もなく、復興財源を考えればこんな金持ち優遇は真っ先に中止すべきですが、野田内閣は「この間の税制の見直しでお金持ちの人にも負担していただいている」と証券優遇税制を存続させながら、金持ち優遇税制をごまかそうとしています。

政府・民主党の復興増税案は「庶民には増税、大企業には減税」と本末転倒であり、大金持ちの人たち自身が「私たちに課税してくれ」と次々に申し出ている欧米の動向に見習って、日本の億万長者たちも富裕層増税へと腹をくくるべきでしょう。
そして、法人税のバラマキ減税をやめるだけでも年間1.2兆円の財源の捻出が可能であり、さらに「復興国債」の大企業引き受けで大企業の莫大な内部留保を活用できれば庶民増税に頼る必要はまったくなくなるのです。
imagesCA35NL06
(「ウォール街を占拠せよ」の集会の模様)


強力な地検特捜部が二回も不起訴にしたにもかかわらず裁判となった小沢事件と小沢氏の国会への証人喚問について

自らの資金管理団体「陸山会」の巨額の土地購入に絡んで虚偽の政治資金収支報告書を提出した疑いで強制起訴された小沢一郎氏の裁判が始まりました。
すでに元秘書3人には一審で政治資金規正法違反の罪で「有罪判決」が出されており、今回の裁判は元秘書たちと小沢氏の「共謀関係」の有無をめぐって争われることになります。

さて、今回の小沢氏の裁判をめぐりマスメディアが強調するのが「市民目線」という言葉です。
これは検察が小沢氏の起訴を見送ったことにたいし、「市民」が参加する検察審査会が二度にわたって起訴相当の議決をし、強制起訴をおこなったことに着眼したものです。
形式としては「市民参加」で起訴されたことになり、小沢氏は「市民」が起訴したという重みを踏まえ、裁判だけでなく国会でも説明責任をはたせというのです。
だが、本当のところ、この「市民目線」や「市民参加」なるものの実態とはなんだったのでしょうか。
検察審査会による二度の起訴相当の議決によって小沢氏が強制起訴された当時、マスコミによって全面的に展開されていたのがいわゆる“小沢叩き”報道でした。
そして、このような報道環境のなかで小沢氏のマイナスイメージをすりこまれた検察審査会の11人の「市民」が検察や裁判所にリードされておこなったのが二度にわたる起訴相当の議決です。
それゆえ、あらかじめ小沢氏のマイナスイメージを刷り込まれた11人の「市民」が検察などの描くシナリオに誘導されて、「小沢は起訴すべき」の結論をだしたのは必然の結果にすぎませんでした。

また、二度の起訴相当の議決をおこなった東京第五検察審査会の構成員には謎が多く、いくらメンバーが入れ替わっても平均年齢が34.55歳と同じだったというのですから、かなりいい加減なものであった思われます。
そもそも、小沢氏の政治資金規正法事件をめぐっては東京地検特捜部が二度にわたって不起訴としています。
強力な東京地検特捜部による1年以上の長期間の捜査でも小沢氏有罪の証拠を見つけ出すことができず、ついに立件を断念したのがこの事件でした。
本来はこれでこの事件は終わっていたのであり、小沢氏は無罪でしたが、なんとしても小沢氏を有罪にしたいマスメディアと検察が検察審査会を利用して小沢氏を強制起訴し、刑事被告人としてしまったことが今回の小沢氏の裁判のきっかけとなったのです。
マスメディアなどのいう「市民が起訴したことの重さに応えよ」との言い分の背後には、このようなおどろおどろしい政治的な背景があることを忘れるべきではありません。

国会での小沢氏にたいする証人喚問要求と刑事被告人小沢氏の人権について!
また、疑惑を持たれた政治家は自ら国会で疑惑を晴らすべしという「政治倫理綱領」を作成したのが小沢氏本人であることを理由に、小沢氏は国会での証人喚問にすすんで応ずるべきだとする主張があります。
だが、刑事手続きでは被告人に対する質問はすべての証拠の吟味が終わった裁判の最終段階でおこなわれることとなっており、それまでは刑事被告人は任意のもの除き、自己の不利益となるいっさいの自白の強要から守られます。
そして、強制力のある国会の証人喚問でおこなった証言は刑事裁判ですべてが証拠として採用され、国会での証人喚問で不当な誘導尋問から身を守るすべはありません。
それゆえ小沢氏といえども刑事被告人の人権は保障されるべきであり、「政治倫理綱領」がそれよりも優先するという論理は成り立ちません。
また、裁判と国会での究明は事件の真相に迫る車の両輪という論理もなりたちません。
政治家が国会の証人喚問や参考人招致で説明責任を果たすべきは本人が刑事被告人でない場合に限定されるべきです。


最新記事
Profile
西岡三郎
千葉県銚子市に在住
QRコード
QRコード
Recent Comments
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
  • ライブドアブログ