光をめざして

社会や身の回りにおこったこと、その他もろもろの出来事について折にふれて感じたことを投稿します。

2011年11月

市立病院の赤字を放置し、住民投票に持ち込んで病院再閉鎖に持ち込もうとしているらしい野平市長の思惑について

このところ、ご無沙汰しているテーマに銚子市立病院の問題がありますが、このテーマの難点はともかくも情報源がきわめて少ないことです。
まず、筆者にとっては地元紙のT日報か、あるいは一般新聞の千葉版くらいしか、この問題に関しての信頼する情報源はありません。
知人に市会議員もいますが、市会議員ですら先の二紙によって発表されてはじめて市立病院情報を知るぐらいだといいますから、ましてや無名の市井人である筆者がアクセスできる情報源など事実上ありません。
また、ネット上では悪名高い2チャンネルだとか、地元ネタの掲示板などがありますが、これらは情報の出所がまったくわかりませんので、参照することは滅多にありません。
これらのミニコミ媒体には有ること無いことがあふれかえっていますが、裏の取れる話は何もないのです。

11月29日付朝日新聞に掲載された市立病院情報が抱える“きな臭さ”について!
それゆえ、この問題に関しては常に情報の不足に悩まされますが、久しぶりに11月29日付朝日新聞の千葉版に市立病院情報が掲載されました。
それも大きなインパクトのある内容だったのです。

=以下要約のうえで引用=
『銚子市は市立病院の赤字穴埋めに1億7千万円を増額する病院事業会計の補正予算を12月議会に提出する。これも含めると同病院への赤字穴埋めは今年度だけで総額5億2千万円に達する。
また、今回の補正額は経営主体の市立病院再生機構からの要望額に4375万円を上積みしたものであり、市側は「資金ショートしないように配慮した(思いやった)」と説明している。
同病院の赤字穴埋めを当初予算で1億3200万円と見込んでいたが、9月補正で2億4200万円、12月補正で1億7186万円を追加する財政逼迫状態に病院は追い込まれている。
度重なる赤字穴埋めを市側は「入院患者数の大幅な減少による収入減のため」と説明しており、年間入院患者見込み数を当初の1万7280人から今回、3720人へと大幅に下方修正することになった。今年4月に53床で入院患者の受け入れを開始したが、現在でも1日の平均入院患者数は10人にとどまっている。

市側によると赤字穴埋めを含め、今年度の同病院への繰り出しは総額で16億円に達しており、これは旧市立病院時代の年間9億円を大きく上回り、病院閉鎖に追い込まれ多大な清算費用の支出を余儀なくされた08年度の繰り出し金額とほぼ同額となる。
野平市長は「(10年度からの)3年間の経営状況をみて、あまりに経営改善がみられない場合には住民投票で市民の判断を仰ぎたい」と語った』
−引用これまで−

さて、なにやら“きな臭い匂い”が漂ってきました。
市立病院の経常収支の赤字が膨らみ続けており、すでに12月の段階で一般会計から病院への繰り出しが病院閉鎖に追い込まれた08年度のそれを上回ってしまったようなのです。
また、笠井氏や轟氏など常勤医が次々と去っていく中、入院患者の受け入れ体制が遅々として進まず、検査入院など命にかかわりのない入院患者しか受け入れることができません。
おまけに看護師が30人あまりしかおらず、これでは「二次救急」など程遠い夢物語に終わりかねません。
ゆえに市立病院の経常赤字が膨らんでいくのは避けられませんし、笠井氏や轟氏などの常勤医を次々と排除してきた市立病院再生機構のこれまでのやり方が際限のない赤字を生み出したのです。

野平市長が自身のブログでなにげなしに紹介する「市立病院不要論」の背後にあるもの!
また、野平市長は悪名高い自身のブログでしきりに市民世論の誘導をおこなっている節が見られます。
一部の市会議員が病院への赤字補填に議会で公然と反対した事実からはじまり、“西部地区の住民”は旭中央病院にお世話になれば市立病院は無くてもすむし、わざわざ住民の税金で不要な病院の赤字の補填をおこなうべきでないと考えているなどの“市立病院不要論”を自らのブログでなにげなしに紹介しています。
市長のブログには自らの任期が終わる前に住民投票をおこなって市立病院をたたんでしまうとの隠された思惑を感じます。
これは病院再閉鎖の責任を住民自身に負わせることで、自らの失政の責任を免れることにその狙いがあるのでしょう。
また、市立病院再生機構の背後の野平ファミリーが市民の病院再生の願いを逆手にとって銚子市のお金を散々“食いもの”にしたうえに、その悪事が露見する前に病院をたたんで食い逃げしてしまおうという邪まな思惑さえも感じます。

現在、自治基本条例制定の名目で住民投票条例の準備がすすんでいますが、この元締めが「赤字垂れ流し」発言で市立病院休止のきっかけをつくった元市議のA氏なのですから、何をかいわんやです。
巨額な市民の税金を加計学園に献上した大学誘致の際には、市民から住民投票の要望が出ましたが、住民投票だったらこの時点でおこなうべきでした。
いまさら取ってつけたように病院の問題で住民投票などおこなう必要があるのでしょうか。
野平市長を選挙で更迭し、新しい市長のもとで病院再生を継続していくためには、何がなんでも病院の現状を守り抜くことが必要です。
市立病院を再閉鎖するあらゆる試みに断固として反対していかなくてはなりません。

年金はもらいすぎなのか?そもそも低すぎる年金の現実と「年金債」・消費税引き上げについて

年金は物価の変動に準じて支給額が増減する物価スライドを採用しており、物価が上がれば年金額も上がるが、物価が下がれば年金額も下がるという仕組みになっています。
さて、1999年(平成11年)から2001年(平成13年)にかけての物価下落(99年0.3%、00年0.7%、01年0.7%の合計1.7%)に対しては、不況を背景とした政治判断によりこの間の年金額が据え置かれました。
さらに02年以降の年金額も本来なら現状よりも1.7%低い年金額になるべきところ、実際には減額はおこなわれておらず、年金受給者は“かさ上げ”された年金をもらい続けています。

さて、この過去の物価下落分の年金過払いを口実に2.5%の年金引き下げを政府が検討しており、今回の引き下げを若い世代が年金制度を公平だと思えるように高齢者には我慢してもらうための措置だと合理化しています。
また、過去10年間に実際の物価水準よりも7兆円高い支給額があったとし、今後の支給を物価水準に合わせて減らすための措置と説明しています。
だが、現実の年金受給者が年金をもらいすぎていると実感することなどありえず、国民年金の場合、40年間欠かさずに保険料を払い続けても月額6万5700円しかもらえません。
また、実際の国民年金の支給額も平均で5万円台にしかならず、女性の場合には平均月額4万円台でしかありません。

さらに、消費者物価の計算もパソコンや薄型テレビなどの項目を含んでおり、年金を受給している高齢者が多く支払っている医療費や介護保険料などはこの計算には入っていません。
このように算定された消費者物価指数だけで機械的に年金の引き下げをおこなうことは高齢者の生活実態とかけ離れたものであり、国民の批判は免れないでしょう。

「年金債」や消費税引き上げは年金財源のため?(自公政権時の国民だましについて)
話は変わって、基礎年金(国民年金)の国庫負担分(2分の1)のうち不足分2.5兆円を賄うための国債発行が検討されています。
この国債は「年金債」と名づけられ、借金を将来の消費税増税(約1%分)で返済するアイデアだといいます。
公明党が2003年に発表した「年金100年安心プラン」には基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げる財源として、所得税の定率減税廃止(2兆5千億円)と年金課税強化(2000億円)があがっていました。
そして、自公政権はこのうちの増税の公約だけはきっちりと実行して2兆8千億円を超える増税をおこないましたが、肝心の年金への国庫負担にはその4分の1ほどしか回しませんでした。

こうして自公政権は国民を欺いて増税だけを食い逃げしましたが、それを引き継いだ民主党政権は「年金債」で調達したお金を年金財源に回すというのです。
さらに同政権は基礎年金財源を口実に現行5%の消費税率を段階的に10%へと引き上げようとしており、これを基礎年金の財源にするといいます。
だが、自公政権の“だまし”を体験した国民は民主党政権の年金財源を口実とした増税にも国債発行にも強い胡散臭さを感じており、彼らの言い分をそのまま素直に受け入れることはできません。

そもそも消費税は高齢化社会を支えるための社会保障財源づくりを口実として導入されましたが、その後の社会保障は自己負担の引き上げと給付の切り下げの連続です。
そして、この間の消費税の税収は富裕層と大企業むけの減税分にほぼ等しく、消費税収はそのほとんどがそのために使われたとささやかれています。
増税勢力も今後はダマシの手口が通用しないことを自覚すべきでしょう。

国王夫妻の来日により惹き起こされた“ブータンフィーバー”と「幸せの国」の実像について(あまりに馬鹿馬鹿しい国王一族のウソ)

四国の倍ほどの土地に70万人ほどが住み、アジアでもっとも貧しい国の一つといわれながら医療や教育はほぼ無料であり、食糧はほぼ自給に近い。
これは先日、国王夫婦が来日して話題になったブータンという国の概要だそうですが、国王夫婦が揃ってビジュアル系でマスメディアが飛びついたことも手伝ってか、日本中の耳目をひきました。

ブータンといえば「GNPよりもGNH」と唱える国で知られており、経済の大きさを測る「GNP(国民総生産)」より、人の幸せ度をはかる「GNH(国民総幸福)」が大切であると提唱しているというのです。
「GNH」をはじめに考え出したのが今の王の祖父であり、これがブータン政府によりアピールされだしたのが90年代です。当初は日本国内でもこれを「この世界についての非常に痛烈な批評だ」と捉える有識者が多かったことも事実です。
また、ブータンは新しい憲法にも「GNH」を書き込んで四つの基準を掲げました。
それは「生態系の豊かさ」、「伝統文化や精神文化の豊かさ」、「経済的な豊かさ、経済は公平で公正でなくてはならない」、「良い政治」であるとされ、一人ひとりが抱く幸福感とは別に、社会に共通する幸せの大きさにものさしをあてようとするものと紹介されています。

かって世界の秘境とされたヒマラヤの山奥から豊かさや幸せとは何かを世界の人々に問いかけ、考えさせる存在・・・・これが日本のメディアや多くの日本人が抱いているブータンについてのイメージに他なりません。
そして、国王夫妻が来日して日本中を歴訪している間に、このイメージも手伝ってか、メディアの集中報道が「幸せの国」ブータンへの憧れを私たちの間に掻き立てました。

「幸せの国」ブータン王国の実態は言論の自由のない警察国家であり、「GNH」は国王の種族を守るための隠れ蓑であること!
以上が今回の国王夫妻来日によって日本国内に惹き起こされた“ブータンフィーバー”のあらましですが、はたして本当にブータン王国は「幸せの国」であり、はたしてブータンに対して私たちが一般に抱くこのようなイメージはこの国の現実を正しく反映したものなのでしょうか。
さて、これに答える人が現れました、それは大阪産業大学教授のリングホーファー氏(オーストラリア生まれのブータン人)です。

氏によればブータンの人口の20%にあたる13万人強が難民であり、1988年の同化政策により民主主義を要求する人々が追放されて、王様の民族衣装を着ないと逮捕・追放になったといいます。国の方針に従わないと学校にも行けず、医者にもかかれず、はては追放となり難民とされてしまうのです。
難民のうち9割を占めるのがネパール系の人々で、残りの1割が王様の民族であり、ブータンでは王様の民族が国を作り、それ以外の民族は追放の憂き目にあっているといいます。
ブータン政府が「GNH(国民総幸福)」をアピールしだしたのが90年代の後半ですが、これは「国民は皆幸せ」と言うことで、難民問題の存在を隠す「隠れ蓑」として使われました。
ブータンの実態は警察国家であり、言論の自由がなく、国王批判はご法度とされており、テレビもなく、インターネットは庶民が使うことができません。

また、ブータンでは自分が幸せと言わないと学校にも行かせてもらえず、自分が幸せでないと言うと逮捕されるといいます。
くわえてブータン国内ではキリスト教の映画を上映したり、煙草を持ったりしても逮捕され、隣国のネパールにいる難民のうち5万人もの人々が米国への移住を余儀なくされました。
ネパールの難民キャンプでは国連からの食糧は野菜が欠乏しており、衣服も足りずに子どもたちには教材(英語の本)が足りません。
これが「幸せの国」ブータンの現実であり、国民はみな幸せと言っているのも、幸せと言わせているのも、すべて難民問題を隠蔽して国の支配者である国王の種族を守るためだといいます。

これが「幸せの国」ブータンの現実であれば、どうして日本の報道機関はあげてブータン国王一族のウソを簡単に鵜呑みにしてしまうのでしょうか。
これは「しんぶん赤旗」も例外ではなく、見え透いたウソをかくも安易に受け入れてしまう日本の報道環境の脆弱さとその怖さを痛感します。

追記
何を隠そう、実は記事の前半は「しんぶん赤旗」の引用です

「議会クーデター」によって強行採決された“韓国版TPP”といわれる米韓FTA批准同意案について

米国資本が韓国内で丸儲けするために関税をほぼ完全に撤廃させられたうえに、韓国の法や制度まで米国資本の利益と保護のために訴えることのできる米韓FTAの批准同意案をめぐり、11月22日の韓国国会で強行採決がおこなわれました。

この批准案の強行採決は米韓FTAに強く反対する野党陣営の不意をつく形で「奇襲作戦」によっておこなわれたといいます。
もともと22日には本会議は予定されていませんでしたが、韓国の与党・ハンナラ党が同日に議員総会を招集し、総会の最中に同党の院内代表のファン・ウヨ氏が国会議長に電話で本会議の召集を要求しました。
また、驚くべきことには議員総会に集まった与党議員らにも直前まで22日採決の方針が伝えられておらず、この日初めて採決の方針が伝えられた与党議員たちは議員総会終了後に一斉に本会議場へとなだれこんだのです。
そこへ国会議長が本会議の開会に先だち、国会の出入り口すべての封鎖を命令したので、取材記者も立ち入りができなくなってしまいました。
また、この動きを聞きつけた野党議員の多くも国会へと駆けつけましたが、開会には間に合わなかったといいます。

こうして本会議の開会が迫る中で野党・民主労働党の議員が議長席に催涙液を散布したのでした。
この出来事で議場は騒然となり与党・ハンナラ党の議員たちは一時退席しましたが、国会議長は本会議の開会を宣言したのです。
そして、即座に本会議を非公開にするとともに、国会中継をも打ち切ってしまいました。
本会議を非公開としたのはハンナラ党の前身の新韓国党が1966年に労働法改定案を強行採決して以来のことといいます。
こうして米韓FTA批准同意案は関連法案と合わせて採決が強行され、わずか8分で本会議は終了してしまいました。

この採決について、最大野党の民主党などは「議会によるクーデター」だと猛烈に批判しており、今後はいっさいの国会審議に応じない方針だといいます。
また、ソウル市中心部では22日の夜、強行採決に抗議する市民ら2500人余りが集まって「批准は無効」、「李明博(イミョンバク)政権は退陣を」と唱和しながらの示威行進を展開したといいます。

米韓FTA強行採決の場に催涙液(弾)が登場したことについて!
こうして「韓国版TPP」とよばれる米韓FTAは強行採決されてしまいましたが、日本の報道では国会の議場に催涙液が登場したことのみが取り上げられています。
だが、日本でも最大野党の自民党は野党としての存在感を出すためにだけに野田政権を攻撃しており、政策的には本質的な違いはなく本気で与党民主党に反対することはありません。
自民党の国会戦術はもっぱら駆け引きのみであり、体を張って悪政を阻止しようとする気持ちはさらさらないのです。
日本の国会の状況はこのようにひどいものですが、韓国の国会の様子もきわめて似ているといいます。
最大野党の民主党が駆け引きに終始し、体を張って批准同意案を阻止しようとしないなかで、少数野党の議員が強行採決をくいとめるために催涙液を放った気持ちは痛いほどわかるような気がします。

韓流ドラマやKARAなどの芸能人情報などは山ほど流れていますが、韓国の本当の内情はほとんど知られることがありません。
正確な情報が必要であり、TPP批准同意案の日本の国会での成立を阻止するためにも米韓FTAをめぐる韓国国民のたたかいをもっと学ぶべきでしょう。

民主党政権が派遣労働への規制を放棄したことの背景にはTPP推進と米国資本の要求があること(派遣法案「禁止」削除をめぐって)

民主党が自民党・公明両党との「三党協議」を通じて、労働者派遣法改定案から、製造業派遣・登録型派遣の禁止条項を削除することに合意したといいます。
労働法制の規制緩和により1999年には労働者派遣法が成立して労働者派遣が原則自由化され、さらに続く2003年には同法の改悪により製造業派遣が認められました。
こうして非正規雇用が拡大していくなかで2008年秋のリーマンショックの直後には「派遣切り」という社会的な災害が起こり、同年の年末に取り組まれた「年越し派遣村」はそれを象徴する最大の出来事となりました。
さらにその後、大規模な派遣切りは大きな社会問題となり、これに対する怒りが2009年の総選挙で“構造改革ノー”の審判となって政権交代をもたらしたのです。
この根底には自公政権の「構造改革」路線が貧困と格差の拡大をもたらしたことにたいする国民の大きな怒りがあったことは言うまでもありません。

さて当初、民主党は派遣労働の自由化に賛成していましたが、国民のなかに派遣切りへの怒りが広がるなかで、態度を転換します。
菅直人民主党代表代行(当時)が派遣村を訪れ、派遣法の見直しに言及したことから始まり、小沢一郎代表も「政権をとったらもう一度見直す」と述べるなど、この問題を政権戦略の中心に押し上げました。
そして、09年の総選挙マニフェストには「常用雇用を拡大し、製造現場への派遣を原則禁止します」と明記して政権交代が実現したのでした。

さて、成立した民主党政権は派遣法改定案を提出しますが、製造業派遣の問題でも登録型派遣の問題でも「例外」規定をたくさん設けることで大きな“抜け穴”を持ち込みます。
そして今回、その抜け穴をふさぐことが大きな課題であったにもかかわらず、民自公の合意により民主党政権は製造業派遣や登録型派遣の原則容認へと逆戻りしてしまいました。
これで民主党政権は「構造改革」路線への完全な逆戻りの道へと後退し、政権交代に託した国民の願いを裏切ったことが誰の目にも明らかになったのです。
普天間基地問題や消費税問題、子ども手当問題などに続く国民への裏切りは許されるものではありません。

民主党の「構造改革」、「新自由主義」路線への逆戻りとTPPの強硬な推進について!
さて、今回の民主党政権の派遣労働容認への大きな転換はTPP参加方針とも深くかかわっています。
米国は今回の野田首相のTPP交渉参加表明に先立って、いくつもの対日要求を突きつけていますが、そのなかの焦点の一つが派遣労働のいっそうの規制緩和であったといいます。
TPPでは労働市場の開放が最重要のテーマの一つとなっており、米国は日本の金融や保険、医療の分野への米国資本の自由な参入を求めています。
そして、自由な参入を認めさせたうえで日本の労働者を安い賃金で安価に使おうというのが米国資本の要求なのです。
労働の分野も含む国民の生活のあらゆる分野で米国型のルールが押し付けられれば、大きなゆがみと破綻がもたらされることは避けられません。
派遣労働への規制の放棄にはTPPの強硬な推進という背景があり、米国の市場開放要求がその大元にあります。

さらにサラリーマンにたいする労働時間の規制を緩和するホワイトカラーエグゼンプション制度の導入も米国側からの要求に含まれており、この問題も見過ごすことはできません。

参考:「しんぶん赤旗」

原発事故による被ばくを過小評価、低線量被ばくも切り捨てる小中高生向けの放射線副読本について

福島第一原発の事故の後に、文部科学省は全国の小中学校に3万部配布していたパンフレットを回収しました。
このパンフレットとは文部科学省や経済産業省が作成した原子力発電に関する小中学生向けの副読本であり、原子力発電所は「大きな地震や津波にも耐えられる」、「五重の壁に守られ放射性物質が漏れないようにしっかり守られている」などの記載を含んでいました。
副読本は小学生用が「わくわく原子力ランド」、中学生用が「チャレンジ!原子力ワールド」とそれぞれに名づけられ、2008年に改定された新しい学習指導要領が原子力を重視したことから作られましたが、文科省は「事実に反した記載がある」として内容を見直す考えを明らかにしていました。
この文科省の判断は津波と地震で壊れ、膨大な量の放射性物資が放出された福島第一原発事故の事実を踏まえたものであったことは疑いの余地がありません。

さて、この10月に文科省は福島第一原発の事故を受けてという触れ込みで放射線の基礎知識について内容を刷新した小中高生向けの副読本を公表しました。
回収された元の副読本が原発の安全性を強調していたのに対し、新しい副読本は放射線関連の基礎知識に特化した内容となっており、本文には原発関連の記述はなくなっています。
そして代わりに放射線への人体の影響を示す「シーベルト」などの単位の説明や、自然界にある「自然放射線」などの説明に置き換わっています。
また、医療の世界では放射線が幅広く病気の発見や治療に使われていることを強調し、自然界では放射線は身近にあって、いかにありふれた存在であるかをことさら強調する内容となっています。
こうして新しい副読本は福島の事故の前から普通の人々がいかに「被ばく」しているかを強調することにより、原発事故による被ばくの影響を著しく過小評価する内容となっています。

さらに新しい副読本では原子力なら原子炉規制法、放射線なら電離放射線障害防止規則など人々を被ばくから守る法律があることには触れず、一般の人は1年1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはならないし、させてはならないという記述もありません。

最新の科学の結論を無視して文科省が教育現場をコントロールしていること!
さて、この副読本が抱える最大の問題は以下の記述が含まれていることにあります。
「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因として癌などの病気になったという明確な証拠はありません」
この文章の意味は「100ミリ以下の被ばくの場合、経験上は数の上で癌は増えるが、一人一人の癌が被ばくによって引き起こされたということを医学的に証明することはまだできない」ということですが、これは最新の科学の知見を無視した暴論に他なりません。

ちなみに米国の科学アカデミーの放射線の影響を検討する委員会(BEIR)は2005年に以下のように結論付けています。
「被ばくのリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被ばくであっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある・・・・」
「しきい値」とは症状が出始める最低限の被ばく量のことであり、この量以下なら安心ですよという値のことですが、ここではそんなものの存在を否定しています。
そして、低線量の放射線でも必ず何らかの影響はあるし、どんなに少ない被ばく量であってもそれに比例した影響があると結論づけています。

ところが、文科省の副読本は100ミリ以下の被ばくの影響を証明できないものと事実上切り捨てる内容となっており、最新の科学の結論を故意に無視しています。
各地で教育委員会や学校の校長先生がたが「被ばくは安全、被ばく限度を決めた法律はない」と訴えて、児童生徒を1年1ミリ以上の環境で教育していると聞きますが、その根拠にこの副読本の内容が使われているとすればきわめて悪質であると思います。
この副読本は新しい「安全神話」を振りまくものと言ってさしつかえないでしょう。
(ちなみに銚子市の教育界も現在、同様のことをおこなっています)



「二枚舌作戦」でTPPをめぐる党内の攻防をかわした野田首相と「連合」などの「自分さえ良ければいい」姿勢について

今回のAPEC首脳会議でのTPP交渉への参加表明をめぐり、事前に民主党内では推進派と反対派に分かれての緊迫した議論が交わされました。
だが、それに区切りをつけたのがAPEC首脳会議出発を目前にした野田首相による「交渉参加へ向けて関係国と協議に入ることにした」との玉虫色の表明です。
文面上は「TPPへの参加」ではなく「協議に入る」ということであり、それが即TPPへの参加を意味しないというわけです。

ところが、これにより野田首相はAPEC首脳会議でオバマ大統領らTPP関係国首脳に参加の意思表示を伝える一方で、民主党内のTPP反対派にも「参加自体は先送りされた」との言い訳をする口実ができたのです。
いわば究極の二枚舌の使い分けであり、ゴマカシの手法にほかならず、これほどの重大問題をこんな“たぶらかしもどき”の手法で決着させられることに納得がいきません。

五十嵐仁先生のブログ「五十嵐仁の転成仁語」によれば、野田首相の二枚舌とそれにだまされて矛を収めてしまった民主党内の反対派の姿からは、管前政権時の内閣不信任案騒動の際の鳩山氏と菅氏の姿を思い出すといいます。
あの時も民主党内の造反の動きを抑えるために、菅氏はすぐに辞任するかのようなそぶりを見せて不信任案賛成を明言していた鳩山氏をたぶらかしました。
そして、菅氏の二枚舌を真に受けた鳩山氏は不信任案賛成を取り下げて矛を収めましたが、これで絶体絶命の窮地をしのいだ菅氏はその後ものらりくらりと言い逃れを続け、結局3ヵ月もの延命に成功したのです。
そして、だまされた鳩山氏はこの菅氏の二枚舌に激怒し、菅氏を「ペテン師」呼ばわりしましたが、すべては“後の祭り”でした。
五十嵐先生によれば、今回もこの時と同じような「たぶらかしの手法」が繰り返されたというのです。
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-11-12
(五十嵐仁の転成仁語)

さて、今回の「たぶらし」も野田首相がハワイでオバマ大統領とあって参加を表明したことで直ぐに底が割れてしまいましたが、それでは直前まであれだけ強硬に反対していた山田正彦前農水省を筆頭とする民主党内のTPP反対派議員たちは今後どう対応するのでしょう。
このまま、だまされたフリを続けるのでしょうか。今後は民主党内のTPP反対派議員たちの本気度が試されることになりそうです。

一部農業者や「連合」などに見られる「自分さえ良ければいい」主義について!
さて、今回のTPP参加表明をめぐるメディア報道には「TPPに参加しても競争に勝てる」という農業者が頻繁に登場しますが、この人たちにとってはTPPもビジネスチャンスなのかもしれません。
だが、ごく一部にTPPによる関税の完全撤廃に対抗できる農業者がいたとしても、それはほんの一握りの人たちであり、99%以上の農業者は米国や豪州の安い農産物との価格競争には勝てません。
日本の農家の平均耕地面積は2ヘクタールにすぎず、米国の農家の同200ヘクタール、豪州の農家の同3000ヘクタールにはとても太刀打ちできないのです。
ゆえに自分のことだけではなく、地域や日本農業全体のことを考えればTPPが良いとはけっして言えないのです。

また、労働組合の「連合」もTPP参加に積極的であると聞きますが、これも誤った考え方です。TPPはデフレを長びかせ、グローバル企業にはメリットはあるものの、それは経営者と株主に限定されたものにすぎません。
「連合」傘下の労働組合には輸出大企業に属する組合が多いことを割り引いても、自分たちの雇用を守るために農業やその関連産業が犠牲になってもしかたがないと考えるならば、それは労働組合の存在意義さえ否定しかねません。
さて、この「連合」や先の一部の農業者の姿勢には共通したものを感じます。
それは「自分さえ良ければいい」という自己中心主義であり、このような姿勢はやがては廻り巡って自分たちの身に降りかかってこざるをえないでしょう。

今、デフレの脱却に本当に必要なのはTPPなどではなく、大幅な賃上げで家計を温めることであり、最低賃金や下請け業者の単価の抜本的な引き上げです。
また、グローバル化を支持する労働組合は日本の「連合」のみであり、これは自らの首を絞めることにつながっていくことでしょう。


経団連の「あなたおやりなさい」との“お墨付き”で誕生した野田政権(財界戦略に完全に取り込まれた民主党政権)

現在開催中の臨時国会で野田首相が所信表明をおこなった日の朝、首相官邸で開かれた「国家戦略会議」の初会合の席で「すでに出揃っている政策を一つでも実行に移せ」との要求を財界首脳陣が首相におこなったといいます。

さて、野田首相が管政権の財務大臣だったときに、次の首相に誰がふさわしいか“品定め”をおこなうための会合が丸の内の日本工業倶楽部で開催されました。
ここに財界側から出席した経団連会長経験者3人が事務次官や財務官僚を引き連れて顔を出した野田財務大臣にたいして「あなたはすわりがいいから首相をおやりなさい」と促したというのです。
こうして財界から“お墨付き”をもらった野田氏が民主党代表選挙で選出され、民主党代表となった氏は管政権でこじれきった財界との関係を修復するかのように積極的に動き始めました。
そして、野田氏は首相に選出された直後に経団連をはじめとする財界3団体をあいついで訪れて財界首脳たちと懇談し、「間断なくしっかり経済対策をやっていきたい」と決意を披瀝することで、財界からの全面的な協力を取り付けたのです。

さて、この流れのなかから冒頭にご紹介した逸話が生まれましたが、この一連の流れは野田政権の性格を財界直結の「使い走り」政権として強く刻印しました。
今、財界側は野田政権が本当に実行力のある政権であるかどうか、TPP参加および消費税増税に確たる道筋をつけることができるかどうかを試金石として見定めようとしています。
だが、これらの課題は同時に国民との矛盾を激化させるものでもあり、政権基盤を大きく揺るがせるものでもあります。

TPP参加と消費税増税をめぐる現在の状況と今後の見通しについて!
さて、野田首相はフランスのカンヌで開かれたG20(20ヵ国地域首脳会議)で2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%にまで引き上げるとの方針を公言しました。
だが、これは「4年間は消費税増税の必要はまるでない」(鳩山元民主党代表の総選挙公約)、および「今回の選挙で負託された政権担当期間中において税率引き上げはおこなわない」(民主・社民・国民新3党による政権合意)との国民との約束を破るものであり、悪質な公約違反に他なりません。
また、首相は直前の国会での所信表明演説でも消費税増税については一言も触れておらず、国民には沈黙しながら、その頭ごなしに世界に向かって消費税の増税を公約したのです。

さて、リーマンショック後の政策によって一部の金融機関や富裕層だけが肥え太り、国民の間には貧困と格差が広がっています。
労働者の賃金は下がり続け、使い捨ての非正規労働者の割合は38%と過去最高の水準を記録しました。
このままの状態で消費税増税を強行すれば貧困と格差はいっそう拡大し、内需がいっそう冷え込んで国民経済がいっそう深刻化することは避けられません。
また、米国のオバマ政権は自国の長引く不況や金融危機のもとで、その出口を輸出拡大に求めており、TPP参加で日本を輸出倍増戦略のなかに取り込もうとしています。
そうなると大量の安い米国製品などが流れ込んでデフレはいっそう加速化し、つぎつぎと対日要求をつきつけられるなかで日本経済が米国に取り込まれて縮小し壊されていくことになります。

本来、今回のTPPはGDP比率でみると日米の二カ国が圧倒的に大きく、これは事実上の日米間のFTA(自由貿易協定)であり、日米二国間の話し合いになれば米国が旨みを全部吸い上げて、日本がカサカサに干からびるという実態が露にならざるをえません。
それゆえにTPPというオブラートにくるんで、これがあたかもグローバリズムであるかにように必然の流れとして演出しているのです。
だが、この演出も見破られつつあり、遠くない将来に野田民主党政権の命運は尽きることとなるでしょう。


橋下独裁政治阻止のために立候補を辞退した共産党推薦候補!知人を府の公共事業で優遇した疑惑の指摘を逆恨みし、トンデモな言いがかりをつけた橋下氏!

13日告示、27日投票の大阪市長選挙に出馬する橋下前大阪府知事ですが、橋下氏の狙いは「一人の指揮官」で何でもやり放題の「大阪都」を作り、憲法を蹂躙し、教育に政治介入し、子どもと教職員に強制を持ち込む「教育基本条例案」を最大の焦点にしながら橋下・「維新の会」による独裁政治をつくりあげることにあります。
こうした橋下・「維新の会」のファッショ的本性が心ある大阪市民によって見抜かれ始めており、「大阪は独裁・橋下知事に屈しない」の声の拡がりとともに、これまでの政治的な立場を超えた幅広い共同の動きが広がっています。

さて、こうした“ハシズムノー”の声が広がりつつある中にとてもよい朗報が大阪から届きました。
大阪市長選挙に「大阪市をよくする会」からの立候補を予定していた日本共産党推薦の渡司孝一候補が、橋下氏や「維新の会」によるファッショ的な独裁政治を許さないために立候補を辞退するというのです。
そのうえで「大阪は独裁・橋下知事に屈しない。恐怖政治から大阪市民を守る」と表明している現職の平松邦夫大阪市長の当選のために自主的な支援をおこなうといいます。
平松氏は橋下・「維新の会」のやり方を批判し、「大阪都構想」や教育基本条例案に反対の態度を明らかにしており、渡司孝一氏は平松氏がこうした立場を堅持することを願いながら「独自の立場から支援する」と立候補を辞退した経緯を説明しています。
先日、共産党は「しんぶん赤旗」紙上で『大阪を日本の民主主義を脅かす反動独裁政治の拠点にしようとする橋下・「維新の会」の企てを阻止するために大阪府民の広大な共同を党派の垣根を越えてつくろう』とのアピールを発表していますが、これが渡司候補の立候補辞退という形で実現しました。

この出来事は大阪の共産党によるグッドジョブであると筆者は思います。
そして、これが“ハシズムノー”の声をさらに結集して橋下大阪市長実現を阻止することに繋がることを期待したいと思います。

知人を府の公共事業で優遇した疑惑を指摘した「しんぶん赤旗」報道と、それにあわてた橋下氏が共産党の街頭宣伝につけた“言いがかり”について!
さて、橋下氏をめぐり氏の周辺には黒い疑惑が噴出しています。
それは橋下前知事の政治資金パーティー券を斡旋した橋下氏の中学時代の友人の建設会社が大阪府の発注する公共事業を次々と受注していたという問題です。
橋下氏の友人が代表取締役を務めていた建設会社は名を「喜捨建設」と言い、同社は政治資金パーティー開催後の2年間に5件、金額にして6億7千万を越える府発注の公共事業を次々と受注していました。
入札の経過をめぐっても不自然さや不透明さが目立っており、これらの事実について当時の大阪府知事としての橋下氏の政治的道義的責任がまず問われるべきところです。

ところが、これにあわてふためいたのか、橋下氏は「明るい大阪府政をつくる会」の街頭宣伝に対して言いがかりをつけました。同会は選挙期間中に住宅街などで街宣車を走らせ、所々で車を止めて演説していますが、これは普段でも政治活動としておこなっているものです。
ところが橋下氏はこの街宣にたいし以下のようにツイッターで言いがかりをつけたのです。
「政治活動というよりも完全に個人攻撃」、「駅前でやれ、自宅には来るな」、「うちの子は受験生なんだから勘弁してくれよ、受験生であろうが政敵の子どもであればいっさいお構いなし。恐ろしい」、「政敵を倒すためには一家皆殺し」・・・・・等々
住宅街などで街宣車を出して所々で車を止めて演説することは通常の政治活動でありますが、これが橋下氏には気にさわったようなのです。
橋下氏は高層マンションの上階に住んでいると聞きますが、そのために相当広い範囲で街宣車の声が聞こえてしまうのでしょう。
また、演説の内容も職員基本条例案など橋下氏や「維新の会」の施策にたいする批判が中心で、某週刊誌のような個人攻撃はありませんでした。

大阪府知事や大阪市長に限らず、政治家には自分にとって耳の痛いことでも聞かなければならない度量が要求されます。しかし、この橋下氏の言いがかりには政治家としての度量がこれっぽっちも感じられません。故に独裁者といわれるのです。
橋下氏にはパーティー券を斡旋・購入してくれた知人や親族を公共事業で優遇していた事実に対する説明責任を果たすことが、先ずは求められます。

TPPは21世紀の新しい“不平等条約”であること、および放射能汚染を割り引いてもまだ輸入食品のリスクは高いこと!

●投資家や企業が韓国の政策で損害を蒙ったら、米国政府が韓国政府を訴えることができるが、提訴できるのは米国のみであり、韓国側からの提訴は認められていない。
●米国企業が期待した利益を得られなかった場合には、韓国を訴えることができる。
例えば米国の保険会社が韓国の国民医療保険(公的制度)のせいで営業がうまくいかないときには提訴ができる。
●韓国では食用にできない牛肉の部位であっても米国の法律では加工用として認めているので輸入しなければならないなど、韓国の国内であっても国内法より米韓FTAの方が優先される。
これらは米韓FTA(自由貿易協定)に盛り込まれた“毒素条項”と呼ばれるものの一部であり、同FTAには“毒素条項”と呼ばれるものが10項目ほど盛り込まれているといいます。

米韓FTAという“不平等条約”の枠組みをTPPによって日本に広げたい米国の思惑!
さて、米韓FTAでは韓国の法と制度は米国の投資家と企業の利益の保護のために訴えられるのに、米国の法や制度にはまったく手をつけることができません。このため米韓FTAは史上例のない不公正で屈辱的なものだといわれています。
また、上記の各種条項がなぜ毒素条項とよばれるのか、その最大の理由は「片務的」というところにあります。
すなわち韓国は義務を負うが、米国は義務を負わない、あるいは韓国は米韓FTA優先だが米国は国内法優先であるなど、“不平等条約”そのものです。

ところで、米韓FTAはテストケースであり、米国は日本が参加しようとしている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)によって、この不平等条約の枠組みをアジア全体に広げようとしています。
その背景には米国内の長引く不況によって国民の不安が高まりオバマ不支持が過半数を超え、黄色信号が点ったという米国内のお家の事情があり、米国はTPPで輸出を2倍にし、200万人の雇用を増やすためにも、日本の大きな市場を必ずこの枠組みに取り込みたいのです。

さて、日本のマスメディアは米韓FTAをめぐり、肝心の約款の中身についてはいっさい口をつぐみながら「日本は取り残されるぞ!TPP参加を急げ」などと、国賓として破格の待遇を受ける李明博大統領とオバマ大統領の晩餐の様子を鳴り物入りの映像で伝えました。
だが、韓国の大統領が異例の待遇を受けるその背景には、このような米国側に一方的に有利となる不平等条約を彼が受け入れたという事実が隠されており、日本のマスメディアのTPPに関する報道にも似たような構図が秘められていることは想像に難くありません。

放射能汚染を割り引いてもまだ輸入食品のリスクが高い理由について!
ところで、一部に放射能汚染で「国産よりも輸入食品のほうが安全では」という声がありますが、TPPに参加することで食品の安全の面でも新しく大きなリスクを抱え込むことを忘れてはなりません。
それは米国の通商代表部による農産物・食品に関する対日要求を見ればすぐにわかります。
そこには食品添加物の認可のスピード化をはかること、米国農産物のためにポストハーベスト(収穫後の)農薬使用のルールを確立することなどの対日要求項目が並んでいます。
また、BSE(牛海綿状脳症)対策のための米国産牛肉の輸入規制の緩和、遺伝子組み換え食品の表示義務の廃止、およびクローン家畜由来食品の表示の禁止などがTPP交渉の議論のなかから判明しており、自国民の健康と安全を守るために独自にルールを作る国家の基本的な権利が踏みにじられます。
自国の農業や食糧を守ることは食の安全のためにも、食糧自給率向上のためにも大切なことです。

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西岡三郎
千葉県銚子市に在住
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