光をめざして

社会や身の回りにおこったこと、その他もろもろの出来事について折にふれて感じたことを投稿します。

2015年02月

命を救えなかった政府外交のまれに見る失敗劇!9条のなくなった近未来を描いたコミックが話題!ワイツゼッカー氏と安倍晋三氏!ほか

〇ヨルダンに人質解放交渉を任せた日本政府の外交の失敗劇!
今回の人質事件で日本はなぜトルコ政府に人質の解放交渉を依頼しなかったのか?トルコは米軍などに自国の基地を使わせず、対イスラム国「有志連合」とは一線を画していた。またトルコは「イスラム国」が”密輸”する原油の購入者でもあり、既に人質解放の点では実績もあった。そして安倍首相とエルドアン・トルコ大統領とは原発輸出の商談で連絡を密に取り合い、ホットラインが存在した。なのに「有志連合」の空爆に参加して「イスラム国」にとっては「敵国」のヨルダンに人質の開放交渉を任せてしまった。なぜだ?後藤さんは本来なら救えた命である。まれに見る外交の失敗劇だ。
(補足)
今回の日本人人質殺害事件に関わって安倍首相のイスラエル訪問は問題ありだ。イスラエルによる昨夏のパレスチナ・ガザ地区への武力攻撃は2000人以上の犠牲者を生みだした。これを機にEUは経済制裁を課し、オバマ政権でさえ距離を置き始めた。そこへ日本の首相がイスラエルに行って軍事協力を宣言し、「テロとたたかう」と述べたことは間違いなく拘束された日本人を危険にさらした。日本人人質ふたりの殺害という最悪の結果を招いた政府のこの間の対応についての検証の際には、重大なポイントだ。
〇憲法9条がなくなった近未来を描いたコミックが話題!
憲法9条が無くなったらどんな社会になるか。こんな近未来を描く雑誌ビックコミックの漫画「隊務スリップ」(新田たつお氏)が話題だ。軍が権力を持ち、徴兵制が復活、失業者は街にあふれるという描写は今の日本の危うい空気に警鐘をならしている。
さて9条といえば、ISISによる日本人人質殺害事件を利用した9条バッシングの風潮が一部のメディアで強まっている。「命の危険にさらされた日本人を救えない憲法なんていらない」という愚論を掲載する新聞(産経)まで登場した。正しくは「命の危険にさらされた日本人を救えない(最初から救う気のなかった)首相など要らない」だろう。葉っぱが沈み、石が浮きあがるような無理筋の論理がまかり通る昨今の風潮には黙っていられない。
〇故ワイツゼッカー氏と安倍晋三氏の決定的な相違点について!
「過去に目を閉ざすものは現在にも盲目となる」とは故ワイツゼッカー氏の言葉だ。ここにはナチスドイツの暴虐によって苦しめられた無数の犠牲者への視点があり、過去への反省と学びがある。それにくらべて安倍晋三首相の国会での施政方針演説は「戦後以来の大改革」とたんかを切るが、過去への反省や学びなどは微塵もない。過去を否定するものは過去を繰り返すものとなることは肝に銘じて欲しいものだ。
(補足)
安倍首相の施政方針演説で繰り返されたのが「戦後以来の大改革」だ。だがこの名のもとで断行されようとしているのは「農協つぶし」やTPP合意、国民皆保険つぶしを狙った「混合診療の解禁」など、これまで財界が実行を迫ってきたことばかりだ。さらにそれに続いて憲法9条を壊す「憲法改正」さえも唐突にぶち上げた。これはまさしく「大暴走宣言」である。
〇「建国記念日」と戦争準備への危機感!
2月11日は「建国記念日」。高天原の神々の子孫の神武天皇が2675年前(紀元前660年)のこの日に即位し、その子孫による統治は永遠に変わらないという神話がもとだ。日本は天皇中心の神の国という歴史観を植え付けるためのものである。戦前は紀元節と呼ばれ、偏狭な愛国心を人々の心に植え付けた。
ところで安倍自民党政府が戦争の準備を着々とすすめていることに筆者は危機感を感ずる。だが今日は昨日のつづき、明日は今日のつづきという「ごくありふれた普通の日」の連なりに生きているという群衆の幻想が、途方もない楽観と無関心を生むのだろう。 これは満州事変から日中戦争、そしてアジア太平洋戦争へとすすんだ1930年代も同等であっただろう。

「罪を償わせる」発言の問題点について!大日本帝国と「イスラム国」との共通点について!「テロに屈する」とはなにか!ほか

〇首相の「罪を償わせる」発言は暴力の連鎖を呼ぶ!
「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせる」…これは後藤さん殺害にたいする声明で安倍首相が表明した言葉だ。特に「罪を償わせる」という言葉が国際社会では首相が「イスラム国」に復讐を誓ったものと受け止められている。昨年の空爆以降、「イスラム国」による欧米人の拘束と殺害が続いており、暴力による報復の連鎖が止まらない。こんな流れを増幅させる今回の安倍発言は思慮を全く欠いた発言だ。
血の報復の連鎖という流れを断ち切る言動が9条を持つ日本の首相には求められるだろう。
〇中東における日本人観の大きな変化について!
イラクへの自衛隊派兵時に自衛隊員はわざと目立つような迷彩服を着用した。緑の迷彩服に日の丸という出で立ちであった。「復興支援」のための派兵という名目だったから「自分たちは戦争に来たのではない」ことをアピールしたのである。
だがこの派兵を機に、武装勢力の間では日本が英米と同様の敵にみなされるようになった。民間の日本人がテロや戦闘に巻き込まれ命を落とすようになったのはそれ以降の話である。そして今回の「イスラム国」による犯行はその延長線上にある。今や中東の日本人はイラク派兵時の自衛隊員と違い、自分が日本人であることを皮肉にも隠さざるをえなくなってしまった。中東政策の見直しが必要だ。
〇大日本帝国と「イスラム国」の共通点について!
「イスラム国」が捕虜を斬首した映像をネットに流している。だが我が国はたった78年前には帝国軍人の野田少尉と向井少尉が南京陥落までに、どちらが先に中国人の首を百人切るかの競争を行っていた。(いわゆる百人斬り競争)そしてそれを当時の大新聞が美談として報道し、人々はそれを読んで前線勇士の武勇談として歓喜した。この史実と現在の「イスラム国」の蛮行とで、どこにどんな違いがあるだろうか!?
また「イスラム国」はヤジディー教徒の女性たちを戦利品として扱い、彼らの「奴隷」にした。これなど旧日本軍がオランダ領東インド(インドネシア)を軍事占領した際におこなったオランダ人女性の奴隷化と本質的に変わらないことだと思う。「従軍慰安婦」制度を実施した大日本帝国と「イスラム国」は似たもの同士である。また占領地の人々を大勢虐殺したことも共通点だ。
〇イラク戦争が「地獄の門」を開いた!「イスラム国」という魑魅魍魎の出現!
米国によるイラク侵略が「地獄の門」を開き、イラクを血で血を洗う宗派間紛争の泥沼にした。ここから「イスラム国」というモンスターが出現した。日本政府は米国のこの戦争にいち早く支持を表明し、自衛隊をイラクにまで派遣した。テロリスト集団を一掃するためにはイラク侵略戦争の歴史的検証が欠かせない。
〇「テロに屈する」?その1
カイロで首相は「ISILと戦う周辺国に2億ドルの支援を約束します」と明言した。ところが「この発言がISILを刺激し、日本人人質の命に危険を及ぼすとの認識があったか」との質問には「そういう質問をすること自体がテロに屈することだ」として答えを拒否している。安倍首相はカイロでの発言が過激集団への言いがかりとなって、日本人ふたりの命が奪われた事実関係を認めたくないのだろう。
だから発言と事件との関係について質問をすること自体に「テロに屈する」のレッテルを貼りつけて「言論封じ」にかかるのである。冷静な検証を「テロに屈する」の一言で拒絶することを許してはならない。
〇「テロに屈する」?その2
白鵬は審判のジャッジを批判しただけで謝罪に追い込まれたが、安倍首相は「イスラム国」日本人人質事件で二人が殺害され、最悪の結果を招いても謝罪をしていない。それどころか批判の声には「テロには屈しない」と高飛車に開き直り、意義の申し立ての封殺をしている。謝罪どころか辞任しても足らないくらいの問題を引き起こしているのに!

政府対応は「人命第一」だったか?首相の中東での資金支援表明は「人道支援」か?報道機関や野党はテロではなく安倍に屈するな!ほか

〇今回の「イスラム国」人質事件への政府の対応は「人命第一」だったか!
今回の事件で殺害された湯川さんが「イスラム国」に拘束されたことを政府が把握したのが昨年の8月のこと。この頃から米英による「イスラム国」への空爆が始まって、それへの報復として米国人や英国人の人質が次々と殺害された。にもかかわらず日本政府は米軍などの「有志連合」による空爆への支持を表明した。この政府の対応が「人命第一」だったとは言えないだろう。
人質の人命より「有志連合」の仲間に入って世界の列強と肩を並べたいという思惑が優先したとしか思えない。
〇「イスラム国」と闘う国々への2億ドル支援表明について!
首相は中東訪問時のカイロで「イスラム国」とたたかう周辺各国に2億ドルを支援すると表明した。だがインタ−ネットで「イスラム国」による人質殺害警告がでると2億ドルは「人道支援」だと言い繕った。しかし国際原則でも人道支援には公平的・中立的であるという要件が必要。だから「イスラム国」とたたかう諸国への支援が「人道支援」になるはずがない。本当の人道支援なら赤十字など国際人道支援団体を通じて行うのが筋だろう。
またイスラエルにおいても「軍事協力強化」を図ると首相が表明したが、これは余りにも不用意な発言であり、それが災いの種となった。
〇「邦人救出」に便乗した自衛隊海外派兵体制づくりについて!
先のアジア太平洋戦争も、最初は中国国内での「紛争」に巻き込まれた日本人を守る(居留民保護)との名目で軍隊を大陸に派兵したことが最初のきっかけだった。
そこから中国の問題に足を突っ込みだした大日本帝国は柳条湖や盧溝橋などの事件を引き起こして、引き返し不可能な流れを作ってしまった。これが泥沼の中国侵略や米国や英国との抜き差しならぬ対立へとエスカレートしたのである。
「邦人救出」のための自衛隊派兵などはこの歴史の教訓から考えても不可だ。
(補足)
海外での「邦人救出」とは軍事オペレーションに自衛隊が参加することであり、まさに憲法9条の禁ずる「武力行使」だ。そして軍隊を投入したら人質が救出される可能性は低下するだろう。そもそも在外邦人が人質とならないように外交政策の国際的信頼性を高めることが政府の第一の責務だ。危なくなったら軍隊の派遣では本末転倒だ
〇「テロリストに気配りする必要なし」との首相暴言について!
「(イスラム国)とたたかう周辺各国に2億ドル支援を約束する」と、日本人二人が拘束されていることを承知しながらエジプトで演説した安倍首相。国会質問で「演説で二人に危険が及ぶという認識がなかったのか」と質問を受け、「テロリストに過度に気配りをする必要はない」と言ってのけた。
おいおい「テロに屈しない」からといって「慎重に言葉を選ぶ」必要はないのか。さらに自分を批判する言説に逆上し、”テロには屈しない“との暴言を口にしたため、国会の議事が止まり、一時騒然となった。
安倍首相は「テロに屈しない」のスローガンを言論封じのために利用している。テロではなく安倍に屈してはならないのである。
〇安倍政権による日本人人質事件への対応には厳しい検証が必要!
「イスラム国」人質事件は日本人二人の殺害という最悪の結果に終わった。またヨルダンは人質のパイロットの残虐な殺害に対し、リシャウイ死刑囚の死刑執行で報復した。今後の血の報復連鎖が心配だ。これらの結末から考えても安倍政権の今回の事件への対応には厳しい検証が必要だろう。
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