5月8日付け野平まさくに後援会報(第2号)では「大学補助金の投資効果は着実に上がっています」という見出しで、千葉科学大学誘致にともなう投資効果について有権者むけのPRをおこなっている。

それによると、2008年度(平成20年度)の決算見込みで、千葉科学大学への寄付金にともなう借入金の返済額が5億1300万円(年あたり)に達している半面で、大学誘致にともなう銚子市財政の経済効果を11億1550万円(年あたり)と算定し、大学誘致による投資効果が11億−5億=6億の黒字効果を生んでいるという。

また、上記の後援会報には11億1550万円におよぶ大学誘致による市の財政効果の内訳が記載されており、それは次の五つであるという。

1.大学誘致をきっかけに大学生むけのアパートがたくさん建ったことによる固定資産税収の増加による税収効果
 5億円
2.行革による税収効果
(市税務課による徴収努力の成果であり大学誘致とは直接関係はない!)
 3億円(税収納率3%アップ分)
3.水道加入金増額(5年間平均)
 2150万円
4.水道基本料金
 4300万円
5.学生等人口(国勢調査分)による地方交付税の増加
 2億5100万円

以上の五つのなかで2は市の税務課職員の徴収努力によるものであり、大学誘致との直接的関連性はないだろうし、税の徴収率は年々の経済事情で変動するものであって、一律に3億円を計上して経済効果の算定に組み入れるのはおかしい。

また、3と4については水道事業会計に属する収入であって市の一般会計とは無関係であり、大学誘致にともなう借入金返済の場合、水道事業会計からの支出はいっさいない
ゆえに、これらを市の一般会計からの借入金返済額との対比で計上する項目に含めるには少々無理があろう。

また、5の交付税収入についても、2004年度から3年間の間のいわゆる三位一体改革により、全国規模で5兆円以上の地方交付税が削減され、これにともなって銚子市の地方交付税収も大幅に減っているはずだ。
ゆえに、三位一体改革にともなう大幅な交付税減収の影響を捨象して、この数字のみを掲げることは有権者に誤った印象を与えるだろう。

そして、いちばん首をかしげる項目が1の固定資産税収の増額を5億円と算定していることだ。(会報には算定資料の提示はない)

まず、5億円の固定資産税増収の実現には徴収率を100%としても、固定資産税率が都市計画税率を含め1.6%であるため、固定資産税評価額の総体が約300億円にものぼるアパート群が大学誘致を前後して新増築されたことが前提条件となる。

そして、固定資産税評価額にして300億円のアパート群ともなれば、時価にしておよそ500億円相当のアパート群に匹敵するはずである。
仮に1平方メートルあたりの建築単価を15万円と高めに設定した場合、500億円÷15万円(1平方メートルあたり建築単価)≒33万3千3百平方メートルとなり、ほぼ延べ床面積10万坪のアパート群が大学誘致に前後して新たに新増築されたこととなる。

そして、この床面積を学生2400人と教職員200人の合計2600人で割り返してみると一人あたり35坪強の床面積になる。
だが、学生・教職員が大学周辺に居住するのに、一人あたり35坪強の住居面積が必要になるのか!
これは、非現実的な設定であり、現実的には学生・教職員一人あたり大目に見積もっても、その5分の1の住居面積があれば十分な居住スペースと言えるのではないだろうか。

それゆえ、大学誘致にともなう固定資産税収の増加が5億円にのぼるという算定数字は過大見積りという他はなく、実際にはその5分の1の1億円前後の税収増にとどまると推定するほうが実態に近いはずである。
(ちなみに大学本体は地方税法で学校法人の非課税規定の適用を受け固定資産税はかからない)

市役所の税務資料などはないので、すべて数字は私の推計であるが当たらずといえども遠からずだと思う。
そして、私の“試算”では大学誘致にともなう借入金の毎年の返済額を賄うのに十分な収入増が市財政にもたらされたとは言いがたく、むしろ赤字が毎年累積していく結果となるのだ。

野平まさくに後援会報での大学誘致の経済効果に関する算定は根拠があやふやで、過大見積りの感が強いと言わざるをえない。