日本経済の健全な成長のためには“革命的な経済成長戦略”への転換が必要だ!

今、民主党と自民党の間でお互いに「成長戦略」を持っていないとの非難合戦がおこなわれているが、「構造改革」や「新自由主義」、あるいは「トリクルダウン理論」という枠組みから抜け出すことのできない両党の「成長戦略」では、日本経済が直面する深刻な危機を打開していくための効果的な“処方箋”を示すことができない。

ごく一握りの大企業や大資産家が富を独り占めする現在の経済システムを切り替えて、莫大な企業の内部留保と利益を国民の暮らしに還元していくための新しい経済システム(ルールある経済社会)に転換する必要があり、日本経済を家計と内需主導の健全な成長の軌道に乗せていくための抜本的な処方箋が必要である。

いまや、財界系のシンクタンク(野村総研)からも「過剰な企業貯蓄」の社会的な還元を必要な成長戦略として求めるレポートが発表されるなど、立場を超えて大企業の内部留保を庶民の生活に還元する経済システムへの転換が注目され始めており、“革命的な経済成長戦略”への転換が待ったなしの状況である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/2556(過剰な企業貯蓄についての関連記事)

現在の異常事態から見た消費税の問題点!
ところで、現在の財政赤字は莫大であり、将来の借金を減らすためにも増税が不可避であることは何人も否定できないが、その際の判断の基準とすべきは何処から取るのかという問題であり、また、その影響や効果が現在の日本の抱えている貧困や格差の増大という問題の解決に役立つものであるかというところにある。

それでは何処から取るべきかと問われれば、「お金のあるところ」すなわち「大企業や大資産家のところ」から取るべきであり、「それが貧困の増大や格差の拡大を解決するために役立ちますか」と問われれば、「貧困層への再配分などの財源となり貧困や格差の解消に役立ちます」と答えることが可能だろう。

ゆえに、大企業や富裕層をめぐる現在の過度の優遇税制こそ見直されるべきなのであり、社会保障や財政再建などの財源の捻出のためには、これらの領域にメスを入れることがもっとも理にかなった「税制改革」となる。

昔、鼠小僧次郎吉と呼ばれた伝説的な義賊がおり、富めるものから金品を盗み貧しいものにばらまいたというが、今こそこの人物に倣って「構造改革」の下で拡がった貧困と格差の拡大を押しとどめ、富めるものから貧しいものへと富の再分配をおこなう「鼠小僧的税制」こそが必要とされるのである。
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だが、消費税の増税には道理がない。消費税は逆進的であり、すでに貧しくなっている庶民の懐に手を突っ込んでむしり取ろうとするものであり、くわえて現在の日本が直面している貧困の増大と格差の拡大という最大の問題の解決にまったく役立たない。
むしろ、消費税の増税は富の再配分と言う政策理念にもそぐわず、貧困と格差の増大という問題の解決に逆行しており、その解決を遅らせるだけだ。

また、消費税の増税は庶民の家計や中小企業の営業に大打撃を与え、ひいては日本経済に大打撃を与えることは避けられず、「成長が止まった国」および「国民が貧しくなる国」という異常事態からの出口を閉ざしてしまいかねない。

90年のバブル経済の崩壊を起点とした長い日本経済の低迷も出口が見え始め、ようやく景気回復の兆しが見え出した頃の97年に、橋本内閣が消費税の増税に踏み出したことでそれが挫かれてしまい、長期にわたる消費不況の引き金となった苦い教訓を忘れてはならないだろう。