総選挙マニフェストを反故にし、軍核と大企業減税にふみだそうとする菅政権!
報道によればドイツ政府は来年の7月からの徴兵制の凍結を核とする軍縮案を閣議決定したという。
軍縮案では兵力を現在の25万人規模から18万5千人に削減することになっており、西ドイツ時代の1955年に連邦軍が創設されて以来、最大規模の改革となる模様だ。

冷戦終結や欧州統合などによりドイツをめぐる安全保障環境が大きく変化し、国防軍の主な任務が国防から海外派遣にシフトしたため、短期間しか務めない徴兵制の必要が薄れてきたことがこの改革の最大の理由とされている。
このドイツの事例は国際社会での軍事力の比重が低下しつつある時代の流れを反映したものだが、日本政府の場合は事情が違うようだ。

12月17日に閣議決定された新しい「防衛計画の大綱」は“動的な防衛力”という名目のもと、中国やロシアや北朝鮮などを「仮想敵国」として「軍事には軍事」という発想で周辺諸国に対峙しようとしており、今まで軍事基地のなかった宮古島や八重山などの先島諸島には自衛隊を配備して新たな軍事拠点を確保するものとなっている。
また、この計画には米軍の普天間基地を名護市の辺野古に移設し、最新鋭の米軍基地を建設することが当然の前提となっており、先島諸島の軍事拠点化とともに沖縄県民への新たな軍事負担の押し付けが組み込まれている。
「普天間基地は国外移設、最低でも県外に移設をする」という民主党の政権公約はもはや完全に踏みにじられ、自民党政権でさえできなかった軍拡計画を大手をふってやろうという管政権にたいしては、何のための政権交代であったのか、その存在意義すら疑われる現状だ。

また、菅政権は法人税の税率の5%引き下げを決定したが、経団連は減税と引き換えに新たな雇用と国内投資をおこなうべきとする政府要請すら「資本主義的ではない考え方を導入されては困る」として拒絶している。
こうして菅政権は財界が大喜びする大企業減税を表明してはみたものの、はしごを外された格好となった。

小沢問題をめぐる民主党内の“内紛”をどう見るか(ただの党内問題にすぎないか)!
image12182こうして、民主党の総選挙マニフェストの真髄である「国民の生活が第一」からますます遠ざかりつつある菅政権の現状は、政権交代に託した国民の期待を完全に裏切っており、もはや信頼の回復は不可能な地点にまで入りこんでしまったようである。
だが、昨年の総選挙時におけるマニフェストを実行し、国民との約束を守ることは民主党の生命線であり、それを反故にしようとする菅政権には政権交代に期待を託した国民の間からは広範な抗議の声が沸き上げっている。

そして、その声の当面の受け皿となっているのが現状では「小沢立つべし」という根強い小沢待望論であり、小沢一郎をめぐる民主党内の“内紛”は、実は「民主党は総選挙マニフェストを守り国民との約束を実行せよ」との国民多数の声と、旧政権勢力やマスメディアに支援されながら対米追随と財界奉仕に狂奔する菅政権一派との対決なのである。
また、この党内闘争の真の背景には菅政権やマスコミが「正論」とする政策路線と、「小沢立つべし」に象徴される「国民の生活が第一」の政策路線をめぐる政策対立があり、国政の革新を願う国民にとっては、ここは腰をすえて小沢支持派議員を支援すべき正念場だ。

消滅しかかっている西松裁判といまだに小沢の「政治とカネ」に固執する某革新政党!
さて、某革新政党は相変わらずに小沢一郎をめぐる「政治とカネ」の問題の真相究明を国政の焦点にすべしとの立場に固執し続けているが、小沢一郎の「政治とカネ」をめぐる問題の起点となった西松建設事件をめぐる局面は今や大きな転換を遂げている。
西松事件では同社が実体のないダミー会社を使って迂回献金をおこなった疑惑が問題だったが、法廷で西松の元部長が証言した結果、迂回献金のダミー会社とされた企業はダミーではなく実体があった事実が明らかになり、検察は訴因変更にまで追い込まれ、西松裁判そのものがもはや消滅しかかっている。

また、水谷建設から小沢サイドに渡ったとされる「一億円のヤミ献金疑惑」も小沢捜査の終焉とともにうやむやになっており、もともと別次元、別ルートの話を検察が無理やりに小沢事件と結びつけ、そこに獄中の水谷元会長が検察のシナリオに話を合わせたという構図がある。
ちなみに水谷建設の元会長は佐藤栄佐久福島県知事収賄事件で検察の取引に応じてウソの証言をした人物であり、佐藤氏はウソの証言により収賄容疑で逮捕されて知事の座を追われたが、水谷証言の信憑性が疑われて現在は実質無罪になっている。(ただ、現在も裁判は進行中であり佐藤氏の名誉回復は実現していない)

小沢一郎の「政治とカネ」の問題は多くが政権交代阻止をねらった旧政権勢力とマスメディアが作り上げたストーリーであり、現在は「国民の生活が第一」とする小沢を政界からどうしても排除したい菅政権によって政治的なカードとして使われているというのが筆者の見方だ。
にもかかわらず、小沢一郎の証人喚問をあくまで要求して、自民党や公明党などに同調し続けている某革新政党は今度こそ有権者から見放されてしまうだろう。
筆者にとってはまことに遺憾の念に堪えないところである。