image2151しんぶん赤旗日曜版(2月13日付け)に小沢氏疑惑スクープ証言と題して、あの水谷建設元会長のインタビュー記事が掲載されている。
同記事が伝える水谷氏の「証言」なるものを要約すればこうだ。

『胆沢ダムの下請け工事を受注するためには元請のゼネコンの了解だけでなく、小沢事務所の推薦が必要だった。
そこで当時の社長に指示して小沢事務所の大久保秘書にお願いにいかせたところ、胆沢ダムの堤体盛立工事の入札に先立ち、大久保秘書と合意ができた。
そして、胆沢ダムの下請け業者に推薦してもらう“お礼”に1億円を支払うことで話がまとまり、当時の社長から報告を受けて「よかったやないか」とねぎらった。』

この「証言」内容は2009年に脱税の罪で服役中の水谷元会長を東京地検特捜部の捜査員が訪ねた際に、水谷氏が「04年の10月と05年の4月に小沢氏側に各5000万円、計1億円の裏献金を渡した」と供述した内容と変わっておらず、それを繰り返したものにすぎない。

「水谷事件」も「西松事件」も根も葉もない虚構であったことが判明していること!
さて、09年のこの水谷証言から特捜部は04年10月の5000万円が同月の陸山会による土地購入の原資になったとみて、小沢氏の地元岩手県で建設中の胆沢ダムの工事に参入したゼネコン各社を対象に一斉捜査をはじめたが、これまでに30億円の捜査費と1年以上にわたる時間をかけたにもかかわらず、なんらの裏づけ証拠を見いだせずに終わっている。
いわば、水谷建設をめぐる裏ガネ疑惑は「大山鳴動」して「ねずみ一匹」さえ出ずに終わったシロモノであり、小沢不起訴にいたる「水谷事件」の顛末はこの話が検察ストーリーにもとづく虚構であったことを証明しているのである。

しかも、この「裏献金」を供述した水谷氏は出所後の日刊ゲンダイなどの取材に対して「石川、大久保なんて会ったこともない。石川被告の顔は報道で知ったが、それまでは石川のイの字も知らなかった」と証言したというのであるから驚きである。
「石川秘書が全日空のホテルで水谷建設から現金5千万を受け取った」とあれだけ騒いだ「報道」も、今はウェブ上からはいっさい削除されており、マスコミには報道責任を取ろうという姿勢はいっさい見られない。

また、小沢一郎の「政治とカネ」をめぐるもう一つの西松建設事件も、大久保秘書が西松建設からの献金をダミーの政治団体からのものと虚偽記載をしたというのが事件の核心であったが、これも西松建設の元幹部が公判で「政治団体がダミーとはまったく思っていなかった」との証言をおこなったことで崩れてしまった。
今では公判を維持することさえも困難となり、西松建設事件をめぐる裁判は事実上終焉してしまっている。
ここでも事件発覚時の「大久保秘書が“請求書”を出して西松建設にヤミ献金を強要した」などの「報道」は今ではウェブ上からはいっさい削除されており、この事件をめぐってもマスメディアが報道責任をとる姿勢はさらさらない。

このように小沢一郎の「政治とカネ」の問題の核心であった「水谷事件」および「西松事件」の両者はいっさいの証拠が見つけられずに終わっており、根も葉もない虚構であったことが判明しているのである。
それを裏付けるように、あの正体不明の東京第五検察審査会による強制起訴を受けた小沢氏をめぐる起訴事実の中には「西松建設事件」や「水谷事件」は含まれておらず、たんに政治資金収支報告書への不記載に小沢氏が関与したことのみがさらっと述べられているにすぎない。
そして、政治資金収支報告書への不記載などは単なる形式犯にすぎず、自公政権の時代にはすべて総務省による行政指導によって訂正すれば済んでいたのである。

しんぶん赤旗は東京第五検査審査会をめぐる一連の問題にメスを入れるべきだ!
さて、ここまで事実が判明しているなかにあって、今回のしんぶん赤旗日曜版の「スクープ報道」は「あっちの事件には目をつむるから、こっちの事件は言うとおりにしろ」と言われたであろう服役中の水谷建設元会長が、検事の歓心をえるためにおこなった過去の偽りの証言の焼き直しでしかない。
今になっても、とうに陳腐化してしまったネタを持ち出して、「正義」の検察が検察情報をマスコミにリークしながら「世論」を味方につけて「巨悪」に立ち向うという図式にこだわり続けるしんぶん赤旗には“真実を報道するしんぶん”という称号を受ける資格がなくなってしまっている。

いまや小沢一郎の政治生命を抹殺するために検察、検察審査会、裁判所などの司法諸機関と巨大メディアなどが一体となっており、その上に管政権一派と国会の破壊的野党が後押しをするという危ない状況が現出している。
小沢一郎のすでに終わってしまった「政治とカネ」の問題を利用したこれらの勢力のくわだては、政権交代阻止と小沢排除を狙った議会民主政治に対する挑戦ですらある。
これでは民主党を自民党と同じ“穴のムジナ”と看做して政権交代の意義を否定し、政治革新を願う国民から見放されてしまった日本共産党が、その記憶も新しいうちに再度の誤りをおかすこととなる。
今からでも遅くはないから共産党には引き返す勇気を望むものである。

また、しんぶん赤旗には東京第五検察審査会に対する徹底した検証記事を望むものである。
陸山会の政治資金問題は特捜部の長期にわたる捜査によって、すでに犯罪事実がないことが判明しており、この問題は小沢不起訴で終わっているはずである。
しかし、特捜部の意を受けた東京第五検察審査会はその構成も、議決手続きも明らかにしないまま、二度の起訴議決を作り上げて、3名の指定弁護士が違法の疑いのある起訴をおこなったのである。
ここには検察審査会が検察のチェック機関ではなく、その別働隊であり、裁判所や弁護士会さえもその補完役を果たしたという疑いがある。
しんぶん赤旗はここにこそメスを入れるべきではなかろうか。