銚子市立病院再生機構(以下再生機構)が指定管理者となって運営している銚子市立病院の赤字が止まりません。
銚子市立病院への赤字補填は4月の当初予算の1億3200万円にはじまり、9月補正で2億4069万円、さらには今回の12月補正では1億7186万円の増額が提案されるなど際限なく膨らんでいます。
この他にも広告宣伝費・東京事務所維持費・理事報酬などの「指定管理料」に2億5000万円、修繕費に1億5000万円などが計上されており、これらを合計すると今年度だけで9億2千万円を超えます。

筆者は病院再開からしばらくの間は「揺籃期」の困難もあり、ある程度の赤字もやむを得ず、不透明な部分を批判しながらも赤字補填を容認してきましたが、今回の1億7186万円の赤字補填案ばかりは賛同するわけにはいかなくなりました。
再生機構は銚子市と合意した市立病院再生計画によると今年度末(来年3月末)には15名の常勤医の確保と100床の病床を実現すべき義務を負っているのです。
だが、再生機構は9月に轟前院長をお払い箱にしたうえに常勤の眼科医も解雇し、また、その前の副院長の辞職の際にも拱手傍観をしていただけでした。
こうして、再生機構はあっというまに3人の常勤医を失うという病院経営上の大失態を演じたのです。

この事実から明らかなことは、今回の予算案で想定されている経常収支の赤字は再生機構の病院経営の失敗にその最大の原因があり、銚子市側に落ち度はないということです。

銚子市と再生機構が指定管理契約を締結する際に交わした文書(仕様書)には無条件の赤字補填の規定はありません!
そもそも、銚子市と再生機構が市立病院の指定管理契約を結んだ際に、お互いが確認しあった文書(仕様書)には経費が増大した場合のお互いのリスク分担の規定があるのです。
それによると指定管理者の側の落ち度による経費の増大については指定管理者がそのリスクを負い、銚子市側の落ち度のよるものは銚子市がそのリスクを負うことになっています。
今回の場合は立て続けに常勤医を失うといった指定管理者側の落ち度によって見込まれる経費の増大であり、この取り決めに従えば指定管理者側、すなわち再生機構側がそのリスクを負担すべきケースにあたります。
それゆえ、12月補正で1億7千万円を超える赤字補填を銚子市側に要求する道理は指定管理者すなわち再生機構の側にはありません。今回見込まれる経費の増大により発生する経常収支の赤字は再生機構が自身の責任でその穴埋めをすべきでしょう。
再生機構は赤字補填を要求する前に、真剣に経営改善の努力をおこなったうえで市立病院の再生目標に責任を負うべきであり、真摯な自助努力を尽くすことがまず求められます。

それゆえに今回の12月銚子市議会に出された1億7186万円の赤字穴埋め予算案は否決とすべきですし、実際にも市議会の総務企画委員会は12月15日にこの市立病院関連の補正予算案を4対2の反対多数で否決しています。
あとは22日の市議会本会議でこの補正予算案を否決すればよいのですが、きわどい攻防戦が予想される模様です。
だが、議会で否決されたとしても野平市長は例の専決処分によってこの補正予算案を通してしまうことでしょう。
また、この専決処分なるものは「独裁的な市政運営」を理由に阿久根市民からリコールされた竹原前阿久根市長が乱用した悪名高い手法としても知られています。

ところで野平市長が“経営のプロ集団”と持ち上げていた再生機構は今回、銚子労働基準局から36協定の不締結などいくつもの労働法令違反で是正勧告を受けました。
このような労務管理のイロハもできないような人間集団が経営のプロとはよく言ったものであり、平気で法令違反を犯すような組織に地域医療の中核となるべき銚子市立病院の経営をこれ以上委ねるわけにはいきません。