日本の発電所は過剰な状態にあり、原発を止めても何にも困らないこと!
原発には反対するけど、原発をなくしたら日本はやっていけなくなると考える人は少なくありません。その人たちが懸念するもっともポピュラーな問題は原発をとめたら電気が足りなくなるという問題だと思います。
実際、福島原発の事故以前に日本では全発電量の30%を原子力発電所が担っていました。そのため、原子力発電があたかも私たちにとって不可欠なもののように考えられてきました。
だが、火力、水力、原子力、すべてに言えることは発電所をフル稼働させた場合の発電量と実際の発電量とは、かなりの開きがあるということです。
というのも、発電所そのものが日本では余っており、実際の発電所設備の利用率は2008年度で水力発電所19%、火力発電所50%にしかすぎず、まだまだ発電能力には余力がたっぷりあるのです。
また、昨年の大地震と大津波で原発が止まって、それで電力不足が引きおこされたかのような印象が強く残っています。
特に「計画停電」などと称して、東京電力が電気の供給をストップしたことはこのことを強く人々のうちに印象付けました。

だが、実際には地震と津波で火力発電所が一時的に大きな被害を受けたことが電力不足の最大の原因でした。
実際には原子力発電を全部止めたとしても私たちは何も困らず、休ませていた火力発電所や水力発電所を稼動させればそれで充分に間に合ってしまうのです。
仮に火力発電によってそのすべてを賄ったとしても、稼働率を70%に上げれば充分それで間に合います。それだけ、日本には多くの発電所があるということなのです。
私たちが聞かされてきた原発が日本の電気の3割を担っているという情報は、原子力発電所をフルパワーで動かし、火力発電所を休ませていたという現実から生まれた誤解であり、実際には原発を止めても水力発電や火力発電で電気は充分に賄えるのです。

電力使用のピーク時のためにも原発が必要という誤った情報について!(真夏の昼間の電力の問題)
さて、原発が不可欠という主張にはもう一つの大きな理由があります。
それは、電気は貯めておくことができず、一番電気の需要の高いときに合わせて発電所設備を備える必要があるというものです。そのためには原子力発電が不可欠であるとされてきました。
しかし、過去50年間の電力使用のピーク時の推移を見てみると、1990年代の一時期をのぞいて、火力発電と水力発電でまかなうことができているということが政府の統計資料からも判明しています。
しかも、この電力使用のピーク時というのは、真夏の数日の、それも午後の数時間という特殊な時間帯のことにすぎません。
1年のうちのたったこれだけの時間帯に備えるために、危険な原子力発電所を抱えるというのはあまりにもリスクが高いのではないでしょうか。
電力の大口使用者を中心に節電を求めていく方法のほう、はるかに効率的で合理的なやり方だと思います。

原発は電力会社が儲かる仕組みであり、我々には経済的なメリットはないことについて!
さて、このように原発が必要とされてきた情報には誤りが含まれていたことが判明しましたが、それでもいまだに電力会社は原発にこだわり続けています。
それは原発が儲かるからです。電力会社が得る儲けは、電力会社が所有するすべての資産に一定の率をかけることで算出されます。
すなわち、かかえる資産が多ければ多いほど儲けが増えて、電力会社が儲かる仕組みとなっています。
特に原発は建設費が高く、大都市までの長距離の送電設備、膨大な核燃料の貯蔵施設、ウラン濃縮施設、再処理工場など数え切れないほどの原発関連施設が資産となり、電力会社の儲けを膨らませてきました。
すなわち、原発を増やせば増やすほど電力会社が儲かる仕組みがあり、それが電力会社が原発にこだわる最大の理由なのです。

また、政府発表の発電コストによれば原子力発電が一番安いとされてきましたが、民間の研究者が実際にかかったコストを算出した結果、原子力が火力や水力よりもコストが高いことが明らかになりました。
そして、この高いコストは原発の生み出す儲けと重なって電気料金を押し上げてきました。
そして、外国と比べて高額な日本の電気料金は日本の産業界の競争力を奪ってきてもいます。
このように原発には経済性という観点からもメリットはなく、安全性という観点にかんしては言うまでもないのです。
この先、原子力発電を続ける合理的な理由はもはやありません。

現実を踏まえれば、原発からの撤退を決断すべき時期に来ています。原発の再稼動を許さず、原発ゼロを実現しましょう。