文科省がもちこむ放射線副読本の問題点について!
問題点
放射線副読本は放射線が医療の役に立っていることなどを押し出している半面で、福島事故による放射能汚染の深刻さや、その拡大についてはいっさい書かれていません。また、放射線は身の回りにもともと存在するものであり、怖がる必要はないという印象を与える記述になっています。
事実上、この副読本は放射線は怖くないという内容になっており、フクシマ原発事故後の経過についての記述もいっさいありません。(文科省の発表した汚染地図なども伏せています)

問題点
○100ミリシーベルト以下の放射線を受けた場合、放射線だけを原因としてガンなどの病気になったという明確な証拠はないという記述があることです。
1.現実は原子力発電所で働いた作業員が被ばくし、健康障害を起こして労災認定された場合の積算線量は多くの場合で100ミリシーベルト以下でした。(累積線量が5.2ミリシーベルトで骨髄性白血病をおこし、労災認定された作業員のケースもあります)
2.ヒロシマの爆心地から3.5キロ離れた地点(推定直爆線量は1ミリシーベルトと推定されている)で被ばくした住民にも口内炎、脱毛、紫斑、下痢、発熱、倦怠感などの急性症状が15%前後の高い確率で発生しました。
これらの事例は100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでも、一度に被ばくすると急性症状(脱毛や皮膚出血斑など)が現れ、少しづつ被ばくした場合にも10年後、ないし20年後には白血病やガンなどの晩発性障害がおこりうることを示唆しています。

問題点
1年1ミリシーベルト以上は被ばくしてはいけないし、被ばくさせてもいけないこと、3ヶ月で1,3ミリシーベルト以上の被ばくをする場所は放射線管理区域とすべきことなど、放射線被ばくから人を守るための法律的な規制のことがいっさい書かれていません。

問題点
事故をおこした東電をはじめ、電力会社とつながりが深く、原発推進の一翼を担ってきた「日本原子力文化振興財団」が今回の副読本を作成しています。
ところが、同財団は福島原発事故以前には原発「安全神話」を盛り込んだ「わくわく原子力ランド」という名の副読本を作成し、それを学校現場に配布した“実績”がありますが、それにたいする反省が新しい放射線副読本にはいっさいありません。
(過去の副読本には「原発は地震・津波にも耐えられる」という記述もあり、さすがに事故後に急遽回収されました)

問題点
副読本の本文では放射能を撒き散らしているフクシマ事故についてはいっさいふれておらず、日常生活の場が放射能で汚染されている場合に、そこで身を守るためにはいかにすべきかの記述もありません。子どもを守ることに責任を負っている文科省がこのことに触れないことは大きな問題です。

問題点
総じて、被ばくを減らすためにも、子どもたちに科学的で正しい放射線被ばくの知識を教え、子どもたち自らが被ばくから身を守れることができるように教えるという観点が皆無です。

こうして、原発「安全神話」に代わる放射線「安全神話」を盛り込んだ新しい放射線副読本がこの4月から学校現場に持ち込まれました。
問題はこの教材を使って、学校現場の先生方がその中身を“忠実”に子どもたちに教えるのかというところにあります。
銚子市の学校現場の先生方にかぎっては、そのようなことはないと思うのはあまりに楽観的すぎるでしょうか。

下記は崎山比早子氏と山本太郎氏による放射線副読本のUSTREAM検証動画です。
前半の崎山氏による副読本の問題点の指摘部分だけでもご覧ください。(原子力資料情報室作成)