胆沢ダムをめぐる水谷建設からの1億円の闇献金疑惑、ゼネコンのダミー団体からの闇献金をめぐる西松建設献金疑惑など、小沢氏の政治とカネをめぐる騒動は仰々しい鳴り物入りで始まりました。
ところが、この騒動も最後には秘書による政治資金収支報告者の不記載(虚偽記載)を小沢氏が了承していたかどうかという問題に収斂し、小沢氏自身も一審で無罪となりました。
こういうのを”竜頭蛇尾”と言いますが、もう完全に過去の問題となっており、これを再び現在の政治の表舞台で蒸し返すのは詮なきことと思えます。

消費税増税阻止のために小沢氏と民主党執行部の間にある亀裂をえげつなく利用すべし!
さて、今回の小沢無罪に関する「しんぶん赤旗」の解説記事の末尾に次のような一説がありました。
「今度の無罪判決(小沢裁判)で、消費税増税法案の審議への影響ばかりが取りざたされています。国民生活破壊の消費税増税の強行が許されないのは当然ですが、小沢氏の政治とカネをめぐる疑惑に対しても明確なケジメをつけることが政権党の責務です。」
しんぶん赤旗のこの主張は消費税増税阻止と小沢氏の国会への証人喚問とを同じ比重の政治課題として位置づけているかのように読めます。

だが、共産党は小沢氏と民主党主流派(執行部)とを同じ政権党(民主党)という一括りで扱い、両者の間にある大きな亀裂にはけっして着目しません。この支配層内部にある誰の目にも明らかな亀裂を利用せずに、どうして少数政党の共産党が消費税の増税を阻止できるのでしょうか。
ましてや、共産党も小沢氏が消費税増税は総選挙公約に反するとして、これに反対していることを知らないはずはなく、政治は結果に対する責任が問われます。
国民の世論とたたかいで消費税増税を阻止するにとどまらず、支配層内部の亀裂と矛盾を最大限に利用しての増税阻止にも努めるべきなのです。

また、共産党はいまだに水谷建設から小沢氏サイドへ5000万円の裏金がわたったものと考えているようですが、これは地検特捜部が1年近くにわたって総力を挙げた捜査でも、それを立件できなかった与太話にすぎません。
当面は小沢氏の国会喚問は見送り、増税阻止の一点で共同とまでは言いませんが、少なくても消費税増税反対という共通点に着目して小沢問題は静観とすべきです。

3.11を契機として明瞭となった小沢氏の保守反動政治家としての実態について!
ところで、昨年の3.11の大震災とフクシマ第一原発事故を契機に小沢氏の政治的な本質が誰の目にも明らかになりました。
私の知る限り小沢氏は昨年の3・11直後に雲隠れしてしまい、原発事故と震災の被災者のための行動をまったくおこなっていません。さらに昨年、TPP交渉参加問題が大きな政治テーマになった際も「知らぬが半兵衛」を決め込んで沈黙を続けました。
だがその半面で、菅内閣の不信任決議騒動の際には震災で苦しむ国民を尻目に自公勢力と一体となって暗躍し、民主党の代表選挙ではあろうことか、原発の守護神である海江田氏を小沢グループとして担ぎあげたのです。

これらの事実は小沢氏の金看板である「国民の生活が第一」が政治権力を握るための単なる方便、単なる大道具・小道具の類でしかなかったことを証明しています。
小沢裁判が政権交代阻止のための国策捜査からはじまった可能性は極めて高いと思いますが、小沢一郎自身も単なる保守反動の政治家にすぎませんでした。
また、小沢幻想は筆者の中では完全に崩壊してしまいました。

閑話休題(脱原発首長会議の発足)
話は変わって、4月28日に「脱原発をめざす首長会議」の設立総会が開かれました。
同総会では大飯原発などの拙速な再稼働に反対する決議、および今年夏に政府が策定する予定の「新しいエネルギー基本計画」で原発ゼロを決定するよう政府に求める決議の両者が採択されました。
あいさつに立った南相馬氏の桜井市長は「被災地の報道が薄れていくなかで、再稼働の状況が大きく取り上げられている現実に、地域住民は不安を抱え、棄民にされているのではと思う現実がある」と述べ、再稼働を急ぐ政府を批判しました。
また、総会の会場には理事長が脱原発を表明した城南信用金庫の本店が使われました。

ところで、与党幹部の仙石何某(元全共闘と聞きますが)が原発の再稼働ができなければ電力不足で「集団自殺」だと国民を脅しています。
しかし、この脅しは電力需要の過大見積もりに固執したものにすぎず、そもそも再稼働と電力需給とは本来、切り離して判断すべきものですが、あえて両者を天秤にかけて再稼働を迫っているのです。
仙石氏の「集団自殺」論は電気のためには原発のリスクに目をつぶれというトンデモな暴論であり、再稼働を急ぐ財界の代弁者でしかありません。
「政治判断」と言うなら再稼働ではなく、「原発ゼロの日本」への政治決断こそ求められます。