◎橋下教育「改革」の実態(君が代で口元調査、不起立教師を”糾弾会”でつるしあげ)
大坂市と府が卒業式などでの「君が代」の起立斉唱を教職員に強制する条例を強行したことで、大阪の教育現場には異様な事態がおきています。
起立しない教員が出たある府立高校の卒業式でのこと。来賓の「維新の会」府議が祝辞そっちのけで「ルールを守れない教員がいることをお詫びします」と発言したのです。
これには卒業生などから「あんな失礼なあいさつをした人は初めて」「最後の思い出の卒業式がぶち壊された」と抗議の声が殺到したといいます。

また、橋下氏の友人で府立和泉高校の中原校長が卒業式で管理職に教員の口元の監視を命じ、実際に歌っているかどうかのチェックをおこなわせました。
そして、その結果をメールで橋下市長らに報告したというのです。
これに対し作家の赤川次郎氏は「生徒のためのものであるべき卒業式で管理職が教員の口元を監視するとはなんと醜悪な光景か!橋下氏は政治には独裁が必要と語っているそうだが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものだ」と「朝日」の投書欄で批判しています。

また、大阪市内の中学校でも不起立の教員を保護者説明会に引きずりだして、保護者の目の前で「混乱を招いた」とお詫びをさせました。
実際には卒業式の進行には何の混乱もなく、生徒たちも頑張っていたにもかかわらず、こんな糾弾会まがいの「保護者説明会」なるものが開催されたのです。
今回のケースでは憲法で保障された良心・思想・内心の自由への侵害こそが問題とされるべきですが、橋下氏は「いやなら公務員を辞めろ」とすり替え論法を駆使しています。

◎橋下教育「改革」の実態(高校つぶしと授業に大穴を開ける予算削減)
橋下大坂市長のめざす「教育改革」の方向の一つが学校現場への競争主義と選別主義の露骨な持ち込みです。
その典型が3月の府議会で可決された「府立学校条例」であり、3年連続で定員割れをおこした府立高校を廃校の対象とすることを明記しました。
今年度、大阪府では府立高校138校(全日制)のうち17校で定員割れがおきていますが、定員割れの高校の多くは「落ちこぼれ」の生徒たちの受け皿となっており、彼らに学ぶ場と「居場所」を提供しています。こうして地域の公立高校はそれぞれすべてが欠かせない役割をはたしています。
橋下流の「効率主義」持ち込みによる高校つぶしは教育とは相いれず、弱い立場の生徒たちと不利な地域の学校の切り捨てにつながるものです。

また、橋下府政の3年間に府の教育予算が7406億円から6464億円へと942億円も削減された結果、学校現場では小中学校で授業する先生が長期に配置できない”教育に穴が開く”事態が全国でも突出した形で広がりました。
”教育に穴が開く”とは必要な正規教員を採用しないために病休や産休による欠員を補充しきれなくなることを指しており、校長先生や教頭先生がその穴を埋めざるを得ないケースが多々おきています。
そして少人数学級の進展という点でも大阪府はもっとも条件の悪い府県の一つとなりました。
予算削減で子どもたちの教育条件をボロボロにしておいて、「既得権」攻撃の一環として教員攻撃をやっているのが橋下流の教育「改革」です。