〇年寄りは早く死ね?「マクロ経済スライド」!
長生きすればするほど年金は減っていく。これでは高齢者は早く死ねということなのか。物価が上がっても年金水準は切り下げる「マクロ経済スライド」によって年金が大幅に目減りしていく問題のことである。
国民年金法第1条には憲法25条2項(生存権)にもとづくとあり、国民年金は本来は最低限度の生活を保障すべきものだ。高齢者の6割が年金だけで生活をまかなっている現実があるのに、唯一の老後の支えとなる年金をさらに削減することはやめるべきだろう。「マクロ経済スライド」では90歳まで長生きすれば基礎年金が3割減ってしまうことになるからだ。
〇「東京裁判」における侵略の事実認定を拒絶する自民党女性幹部
日本は戦後、サンフランシスコ平和条約で東京裁判の判決を受け入れることで国際社会に復帰した。そして同裁判は侵略戦争をはじめとする大日本帝国の戦争犯罪を裁いたものだった。だが自民党の稲田政調会長がBSの番組に出演し、同裁判の判決主文は受け入れるが、その前提となる事実認定は否定するという発言をした。これは戦争指導者への刑は認めるが、侵略という事実は認めないということだ。
だがそもそも、裁判で宣告された刑は受け入れるが、犯罪の事実認定は認めないというメチャクチャな議論は全く成り立たない。重大な歴史偽造の宣言である。
〇安倍首相の「日教組」ヤジは日本の議会政治史上最大級の不祥事!
1953(昭和28)年2月28日、時の吉田茂首相は衆議院予算委員会で質問者の社会党議員に「バカヤロー」と暴言を吐いた。これは答弁後に首相席に戻った吉田首相の「独り言」をマイクが拾ったものだった。ところがこれが大騒動になり、吉田内閣不信任案が可決された。そして直後の総選挙では吉田自由党は過半数を割り、翌年には内閣総辞職へと追い込まれた。
ところで現在は安倍首相が野党の追及に敵意むき出しで自席から「日教組はどうなんだ」という事実無根のヤジを飛ばしている。これは吉田茂首相の「「バカヤロ−発言」とならぶ議会政治における最大の不祥事だろう。これは国会が首相を懲罰すべき問題だ。
〇高齢者への虐待を助長しかねない介護報酬の引き下げについて!
東京北区のマンションで発覚した高齢入居者の虐待事件。認知症の高齢者を日常的にベッドに縛りつけるなどして拘束していたというものだ。この背景には特別養護老人ホームの不足があり、東京だけで4万人以上、全国では52万人もの高齢者が入所待機をしているという現実がある。また介護報酬が低く、低賃金であるため、介護の職場は慢性的な人手不足だ。入所者の「管理」のためにはベットにくくりつけるなどの身体拘束などがおきやすい環境である。こんな現実の中で介護報酬を引き下げれば、今回のような問題は解決するどころか問題はさらに深刻となり、介護難民の増大にもつながるだろう。
(補足)
全国で過去5年間に介護や看病疲れによる「殺人」「自殺」が1741件、年平均に換算したら348件にものぼっている。こんな異常な現実の中で政府は介護報酬を引き下げるというが、引き下げはこれにいっそう拍車をかけるものとなるだろう。必要なのは必要とするすべての人が安心して介護を受けられる体制の整備であり、そのための介護職員の待遇の改善だ。介護報酬の引き下げはこれに反する。
〇普天間基地の辺野古「移設」の本質について!
辺野古の新基地はたんなる普天間の「移設」などという生易しいものではない。新基地には4万トンを越える海兵隊の強襲揚陸艦が接岸可能となる巨大岸壁や大規模な弾薬庫などが新たに設置される。基地機能が格段に強化された最新鋭の半永久的な巨大基地の建設。これが今すすめられていることの正体だ。新基地建設は断念し、普天間基地の無条件撤去を目指すべきである。