経営力

2008年09月23日

井野朋也氏「新宿駅最後の小さなお店ベルク」

お店を繁盛させるもさせないのも、経営者の想いひとつである。

新宿ベルクの経営者兼店長、井野朋也氏が書いた
「新宿駅最後の小さなお店ベルク〜個人店が生き残るには?」を読んで
あらためて思う。

新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?

新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?


ベルクは15坪の個人店であるが、新宿駅改札徒歩15秒という抜群の
好立地にあることが最大のメリット。
しかしその場所ゆえ、通りすがてしまう人が多く、
また偶然入ったお客も固定客化が難しい宿命にある。
期待を裏切るサプライズがない限り固定客を増やすことは至難の業だろう。

タイトルに新宿駅最後の、とあるのは苦労の道を経て繁盛店となったにも
かかわらず、大手ブランド志向の駅ビル側からは退店迫られているという事実に
暗黙の抗議を表すものである。

それほど新宿と言う一等地にあって、個人店が成り立つこと自体が
難しいとわかる。

ベルクが成り立っている理由は、井野氏をはじめスタッフの
本物へのあくなきこだわりとそれを徹底的に低価格で提供したいとの
強い想い。

資本力もブランド力も大きなスペースもない個人店が、
こう考えこう行動すれば大手チェーンにも負けず勝ち残れる、
赤本的参考書だ。

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2008年09月09日

安田佳生氏「採用の超プロが教える 伸ばす社長つぶす社長」

新刊ではないがベーシックに売れているようで
時期によっては平積みされている。

集客・採用コンサルティング会社ワイキューブの安田社長がこれまでの
コンサルティング歴で見てきたいろいろな会社の社長の話だ。

一見成長中の何も問題がないような会社が、実は些細な事も
社長にいちいち伺いを立てないと話がすすまない会社、などなど
興味深いエピソードも多々載っている。

さらに本の中でこんな記述を見つけた。

よく中小企業の社長の中に「大手だからよい人材が採れるんだ」という
人がいるが、そうした考えは順番を取り違えていると指摘し、
「大手だからよい人材が採れるのではなく、よい人材を採っていったから
大手になったのだ」という話があった。

ごもっともである。

まだ40代であるが、達観した感のある安田社長。
こんな社長だから会社が成長してきた理由もよくわかる。



出版:サンマーク出版(文庫もあり)
著者:ワイキューブ代表取締役・安田佳生
定価:1500円+税

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2008年09月06日

壁を突破できる社長できない社長〜ベンチャー通信編集部

副題に、起業家が必ずぶつかる3つの壁の乗り越え方、とある。

3つの壁とは、
経営者それぞれに異なるが、会社が成長していく過程において
必ず立ち塞がるものとしている。

テンプスタッフの篠原氏、
ワイキューブの安田氏
ネクストの井上氏など、

この本には、今をときめく13人の経営者が登場する。

この本を編集したベンチャー通信編集部によると、
3つの心構えがなければ壁は乗り越えられないとして、

(1)冷静に現実を直視する
(2)すべてを自分の責任であると考える
(3)自分を“生かし切る”つもりで全力を出し切る

を挙げている。

前述の社長たちはこの3つの心構えをまさに実践してきた人たちと
いうことだ。

社長業は一度やったらやめられない、と言われたりするが、
この本を読んで何となくその理由がわかった気がした。



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2008年08月24日

五十棲剛史「営業引力の法則」

今から5年前、2003年に出版された本であるが、
今読んでも全然色あせていない、逆に今日の混迷を予言し新鮮に映るくらいだ。

船井総研のエースコンサルタント、五十棲剛史が書いた
「営業引力の法則」

彼が追及している「アトラクティブセールス」をわかりやすく解説している。
アトラクティブセールスの基本は、一点突破・全面展開。

まず狭い世界でもとにかく誰にも負けないオンリーワンをつくること。
そしてオンリーワンをつくった後にそれを徹底的に展開する。
その順番も重要だ。

オンリーワンは、強みと言い換えてもいいだろう。

今だ強みを創ろうとせず根性論で営業の尻を叩こうとする経営者もいるが、
時代錯誤もはなはだしい。しかも売上が上がらないのは
社員が怠慢だと言わんばかり。(実際に口にする経営者もいる)
それでは言われるままに努力している社員がかわいそうではないか。
責任は売れる仕組みを創れない経営者の能力不足にあるはずだ。

この本を読むと、自分の無能力・無責任さがよくわかる。
今こそ肝に銘じなければならない。



著者:五十棲剛史
発行:徳間書店
定価:1,500円+税

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2008年08月03日

船井幸雄「幸せの基本」

おん歳73歳になられる船井総合研究所の創設者であり会長でもある
船井幸雄氏が書いた「幸せの基本」。
すでにコンサルティングの世界では神様ともいうべき存在だ。

人のためになるために健康であることに人一倍気を使い、
今でも年に10冊程度の本をコンスタントに上梓しているとの事である。

時に彼の研究テーマであるスピリチュアルに寄りすぎて、
多少読みにくい本もあったりするが、
この新書は、幸せを呼ぶ生き方の基本が書かれていて参考にできるところが多い。

この本の中で、人に好かれるために、四つのクセづけを心がけるよう
言っている。

1.自慢しない。
2.「私が私が」と過剰な自己主張をしない。
3.他人を認め、褒め、受け入れる。
4.他人を否定したり、けなしたりしない。

そして、この四つを実践すると、ストレスが貯まらず健康な暮らしができると言う。

大切なのは人と競うことではなく、誰かのためになることをとことん考えることだ。
そのためには謙虚に学び続けなければならない。
この本を読んであらためてそんな事を感じた。



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2008年07月24日

売れる仕組み〜小さなサービスで大きく売り上げる

売れる仕組みとは、イコール、マーケティングのことだ。

営業力がなくても、カリスマ営業マンがいなくても、
営業を仕組み化することにより、経営の基盤をつくること。
それこそが、経営者の最大の役割である。

特に混沌とした時代となると、なかなか答えが見つけられず、
短期の追い込み型の数字づくりに陥りがちだ。

強い経営者とは?強い会社づくりとはその答えがここに載っている。
道に迷っている経営者、幹部こそ、ここらで一度立ち止まり、
ぜひ読んでもらいたい。



著者:三宅慶彦
発行:パル出版
定価:1,400円+税

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2008年07月15日

がつん!力〜会社を救う5つの超原則

まず、タイトルにガツンとやられた。
最近の鉄則である、タイトル力である。

著者の百年コンサルティング代表、鈴木氏曰く。
今の時代は、大埋没時代である。

大埋没時代の原因は、加速度的な新商品の増加にある。
昔であれば、そこそこアテンションを引き起こせば目にとまったのであるが、
今この時代は当たり前にやっていてはすべからく埋没してしまって、
世の中からフェイドアウトしていく運命にある。

だからこそ、人一倍アテンションに神経を配らなければならないのだ。
ここで言うアテンション、=ガツン!力と言うわけだ。

おわりに、出過ぎた杭でなければ生き残れない、と締めくくるように
意識的に目立つことを考えなければならない時代。
どう目立つかに知恵を使わなければならないし、ある意味知恵を持った人には
チャンスの時代とも言える。



著者:鈴木貴博
発行:講談社
定価:1,500円+税

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2008年06月22日

小さな会社“大繁栄”のノウハウ

またまた船井総研。
気にしているからその出版が目立つのか、
こういう厳しい時代だからこそ光って見えるのか。

今度は、執行役員 上席コンサルタントの唐土新市郎氏。

会社の業績は100%社長で決まる、と断言する彼。
過去のコンサルティングの豊富な実績をもとに、なぜ100%社長なのか、
非常にわかりやすく解説する。

特に彼は、衰退産業のコンサルティングを得意とし、
衰退産業のすべてが負け組ではなく、負け組になるだけの理由があり、
その中で成長を続けている会社には社会や社員のせいにしない
前向きな社長の存在があると言う。

結局、当たり前のことが大事なのだ。
それを顧客のために真剣にとことん考え抜いた人が勝つ。

ついつい景気や政治や部下のせいにしてしまう自分自身に
鉄槌をくらわしてくれる影響力の大きい本。



著者:唐土新市郎
発行:三笠書房
定価:1,300円+税

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2008年06月11日

バカ社長論

タイトルからしてカラッと痛快。
中身もシンプルでわかりやすい。

今の時代、社長の器で会社の将来も決まってくる。
時は金なりが分からない社長の章は、そんなダメ社長を一刀両断だ。

会社の中で最も金食い虫は人件費。それを忘れて経費削減に走っても
真の削減にはつながらない。
たとえば経営幹部の時給はどうだろう?
時給5000円と見れば、5人集まって1時間無駄な会議をしたら、費やすお金は
25000円にも及ぶ。
コピーの裏紙を使っている場合ではないのだ。

以降もそんな話がてんこ盛りで、時に笑ってしまう。

はたしてそんな事がわからない社長や役員っているのだろうか?とも思うが、
現実私の近くにもいる。
そんな役員の机の上にそっと置いておきたい一冊だ。



著者:山田咲道
発行:日本経済新聞出版社
定価:850円+税

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2008年06月09日

小が大に勝つための会計学

広告会社の幹部は数字に弱い者が意外と多い。
そんな幹部に読ませたいこの本は、会計学の入門編だ。
目先の損得ではなくキャッシュフローで会計を考えることが大切であることを教えてくれる。

例えば腐ったミカンのたとえ。
得だと思って買った山ほどのミカンであっても、食べなければ結局残って、まとめて腐ってしまう。在庫と言うのはまさにこの腐ったミカンのようだと著者は言う。

必要なものを必要なだけ仕入れるのがベストだと思うが、それだとトヨタくらいしか実現できないだろう。要は計画的な仕入れが肝要だと言うことだ。

いずれにしてもこれからの広告会社の幹部は数字に強くなくてはこの苦境を乗り切れないだろうと思う。



著者:笠原清明
発行:中央公論新社「中公新書クラレ」
定価:740円+税

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プロフィール

markebon

コピーライターとして出発、すでに20数年のキャリアを持つ。
制作企画部署の責任者としてマネージメントに携わりつつもネット制作・TVCM制作の現場にこだわり転換期にある広告会社で奮闘中です。

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