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2008年02月24日

アイスマン キミ・ライコネン

Iceman Kimi Raikkonen

キミ・ライコネン、フェラーリ 612スカリエッティキミ&ジェニー・ライコネンフェラーリ 612スカリエッティ

冬のバーレーン、彼の望むフェラーリ・マシンと年俸2,500万ポンド(52億6,749万円*)のキミ・ライコネンにとっては厳しい生活である。バーレーンで彼にインタビューし、マシンについて、2007年いかにルイス・ハミルトンを倒してF1タイトルを手にしたか、そして今年も彼を再び倒す理由を聞いた。

キミ・ライコネンのヘルメットの片側には「アイスマン」という言葉が描かれている。

昨年10月のブラジルGPで結局1ポイント差でルイス・ハミルトンを破ったF1ワールドチャンピオンは、人生のほとんどの出来事に対して冷静な態度で有名である。

彼は無表情に「マシンに乗ると速いことを認めなかったら正直ではないよね」と語る。

「一般道路ではあんなに辛抱強くない。そう、罰金を科せられたよ。道路状況にしては制限がとても厳しいことがよくある」

「ラッキーなことに乗用車でクラッシュしたことはない。F1では何度かあるけどね」

「道路で出した最高速度については言わない方がいいだろう。でも、速度制限がない直線が多いドイツだったよ...まあ、車は時速190マイル(305km)出せるってことだけ言っておこう」

速すぎると思うかもしれないが、ライコネンにとってはたいしたことはない。

彼はバーレーンのサキール・サーキットで、昨年のポール・ポジション・タイムを2秒以上短縮する1分30秒595を記録したばかりである。

午前中のセッション後、彼がコックピットから出てくると、額に玉のような汗が浮かんでいるだけで何の感情も見せていなかった。ライコネンは簡単に心の内を明かさない。

短い昼食のあと、彼は別のフェラーリ612スカリエッティに乗りこんだが、今度はラップタイム記録の更新を狙っているわけではない。

そのかわり、彼は全長3.4マイル、1億ポンド(210億7千万円*)の最先端サーキットでのふさわしい場所を見つけ、この独占写真のためにタールマック舗装の上でポーズをとった。

ピットレーンの気温は24℃だがレーストラック上はさらに暑いので、ライコネンは黒いシャツと迷彩柄の短パン、スニーカーというドレスダウンした姿である。

キャップのひさしが、厳しい中東の太陽をさえぎり、彼の目に影をつくる。

フェラーリは広々と自分たちの場所を確保していた。

この小さな島国まで移動したF1チームはフェラーリとトヨタだけだった。その他のF1チームはバルセロナのシルクイート・デ・カタルーニャでスペインの冬と戦っている。

ワールドチャンピオンにはこの孤立感がふさわしい。

彼は群衆が好きではなく、孤独に仕事をすることを好む。

彼は、レース後の記者らの質問に一語で答えることで悪名高い。

今日の彼はもっとリラックスしているように見える。喜んで話をしてくれるのだ。おそらく子供の頃の夢(ワールドタイトルの獲得ではなく、フェラーリの所有)を達成してまるくなったのかもしれない。

「ずっと夢だったんだ」

「フィンランドにはあまりフェラーリはない。でも僕にとってフェラーリはスピードの象徴だった」

「スクーデリア(フェラーリF1チーム)と契約する前にも1台買っているんだ。今はラッキーなことにどんなフェラーリでも運転することができる。そう、この612スカリエッティのようにね。本物のグランドツアラーだよ」

ライコネンがこの車を無料で手に入れたのは間違いないが、彼なら簡単に買うことができる。

フェラーリは、2007年シーズン(伝説のドライバー、ミハエル・シューマッハの後任にするべく)マクラーレンからライコネンを奪うために2,500万ポンドの年俸をオファーしたため、彼はF1で最も高給取りのドライバーになった。しかしライコネンはプレッシャーを感じることなく、グランプリ・スタートの20分前まで昼寝をすることもある。

トラックを離れると、彼は全くの別人になる。

人口がサウス・ロンドン程度のフィンランドでは、彼と元ミス・スカンジナビアの美しい妻ジェニー・ダールマンは最も有名なカップルである。

クラブとウォッカを好むことで有名なライコネンは、スノーボードやアイスホッケーを楽しみ、一度などはスペインのバーの前で空気で膨らませるイルカを抱いて酔いつぶれているところを目撃されている。

昨年3月メルボルンでシーズンが開幕する数日前、彼はジェイムズ・ハントという偽名でゴリラの着ぐるみを着てふたりの友人とともにパワーボートのレースに参戦した。ハントは思う存分人生を楽しみ、心臓発作のため若くして亡くなった英国F1チャンピオンである。

何事においても勝つことが好きなライコネンは、そのレースで「ベストドレッサー賞」を獲得した。

多くの偉大なスポーツ選手と同様、ライコネンも貧しい育ちである。

彼の父親マッティはヘルシンキ近郊のエスポーで道路用の大型機械を操縦しており、母親のポーラは事務員として働いていた。

キミと兄のラミ(現役のラリー・ドライバー)は子供時代の大半を祖父と過ごし、祖父が運転の手ほどきをした。

「祖父の家は僕らの家と同じ敷地内にあったけど、僕らの家の方が小さかった」

「トイレは屋外にあった。父は母にトイレを屋内につくると毎年言っていたけど、いつも他のことにお金を使っていた」

他のことというのは、モーターレーシングだった。

ライコネンはバイクを経て10歳でカートに転向した。そしてすぐに優勝するようになった。

「レーシングを始めたとき、僕らのマシンは基本的なものだった」

「他の人がいらないスペアパーツを買ったり、壊れたパーツを修理していた」

「どんなエンジンであれ、エンジンを触っているのが好きだった。子供時代の僕は、友達が運営しているカートチームのメカニックだった。今でも友達のエンジンをチューニングするのが好きだよ」

「当時、資金がないからあきらめた方がいいと思ったことが2〜3度あった」

彼の最初の自動車は資金不足の結果である。

彼は微笑みながら「ラダだったよ」

「あれからメルセデスDTMや白いアウディQ7など、もっとましな自動車を手に入れた。今移動に使っている車はアルファロメオ 159 3.2 JTS(フェラーリの親会社フィアットがアルファロメオも所有している)だけど、家に戻ると赤いフェラーリ・エンツォに乗るよ。ただし僕の好きな車の色は黒だけどね」

「正直なところ、車にはしゃれた装置があれこれついていない方がいいね。スポーティでベーシックな装備さえあればいい」

若い頃のライコネンは、ごく自然にモーターレーシングに慣れ親しんだ。

国際カート・チャンピオンになったあと、彼はフォーミュラ・ルノーUKチャンピオンシップで強い印象を与え、2001年20歳でグランプリに参戦するために必要な「スーパーライセンス」を取得する前にザウバーF1チームと契約を交わした。ライコネンはデビュー戦のオーストラリアGPでザウバーチームに1ポイントを獲得してお返しをした。

1年後、彼はマクラーレンに移籍しその後4年間タイトル争いに加わった。しかしその間、彼はフィンランドの兵役にも就かなければならなかった。

「いつもフィンランドを行ったり来たりしなければならなかったので、少し大変だったよ」

「レースのために70日間与えられていた。兵役を頑張れば余分の休みがもらえた」

あるとき、彼はAWOL(無許可離隊)で軍刑務所に短期間収監されたことがあった。彼がドニントン・パークのレースに出走できるよう、軍の幹部に釈放を説得しなければならなかったが、彼はそのレースで優勝した。

ワールドチャンピオンシップ優勝は彼にとっては始まりに過ぎない。彼はいずれ別のレーシング・シリーズにも挑戦したいと認めている。

「ラリーカーを一度試したことがあるけど、とても楽しかった」

「F1を引退したら本物のラリーに参戦したい」

「エンジンがついているものならなんでも運転したい。できるだけ車に乗るようにしているんだ。フィンランドに戻ったときは林の中をスノーモービルで走るのが好きだ」

フィンランドとドライビングの関係はどうなのだろう? ワールドラリーの一連のスターを別にしても、F1ワールドチャンピオンになったフィンランド人は3人もいる。ライコネン、ケケ・ロズベルグ、ミカ・ハッキネンである。

彼はフィンランドから遠く離れた中東の大地を見つめながら「これほどチャンピオンが多い理由は、母国での運転事情だと思うね」と説明する。

「最初から異常なコンディションに対応するよう自分自身で勉強しなければならないんだ。それに誰かが偉大なチャンピオンになれば、当然若者たちが彼らを見習おうとする」

そうは言っても、ライコネンは税金を逃れてスイスに居住しており、海外でほとんどの時間を過ごしている。最近まで彼は英国チグウェルを本拠地にしておりマネージャーとともに暮らしていた。

ラリー参戦の話が出たが、ライコネンのF1引退はまだまだ先である。彼は手に入れるまで非常に苦労したワールドタイトルを手放すつもりはない。彼は世界で最もチャレンジングなサーキットの2レースを特に楽しみにしている。

「ベルギーのスパ-フランコルシャンはカレンダーの中で最も美しいし、技術的観点から言っても最も要求が厳しい」

「モナコはとても特別だ。別世界のようで本当にスリリングだね。片側に海、反対側に王宮を見ながら公道をレースカーで走るのは素晴らしい」

例によって、新シーズン開幕前は、どのマシンが一番速いか、トラクション・コントロールの禁止は影響があるのか、などについていろいろな憶測がある。ライコネンは影響はないと考えている。

「ドライビングの観点からするとたいして変わらない。数日間テストをすると慣れるからだ」

「激しいタイトル争いにならない方が意外だ。フェラーリとマクラーレンがまた激しく戦うと思う。アロンソが戻ったルノー、去年好調だったBMW-ザウバーも絡むだろう」

「今のF1には優れたドライバーが多いので、表彰台に上がるドライバーが増えるかもしれない」

「昨シーズンは忘れられないね。初めてワールドタイトルを取ったからだけでなく、ある段階ではリーダーに大きく引き離されていたから。でも信じることをあきらめなかったんだ」

ライバルらにとって残念なことに、アイスマンは新マシンF2008に満足している。

「マシンは速くて信頼性が高い。でも来月のオーストラリアGPで初めて他のチームと比較することができるだろう」

ライコネンは昨年ライバルらを打ちのめして優勝した。今年、彼は新マシンと新規約で戦う。しかし、氷のように冷静なライコネンに勝つにはそれ以上のものが必要だろう。

-Source: Daily Mail
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*日本時間2008年02月24日07:56 の為替レート:Yahoo!ファイナンス 外国為替情報


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