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2008年10月05日

2009年オーバーテイクの可能性: オーバーテイク作業部会(OWG)

Analysis - top teams pass notes to improve overtaking

F1のトップ3チーム間のユニークな協力のおかげで2009年のF1シーズンでは多くのオーバーテイクが見られるかもしれない。FIAが後援し、フェラーリ、マクラーレン、ルノーのトップの設計エンジニアたちが、オーバーテイク増加を目指す空力学的規約の枠組み変更に協力したのである。

現在の規約のもとでは、ドライバーは前のマシンより2秒以上速くなければ実際に追い越す可能性はない。来年は、コックピットからドライバーが調整できるというF1初の幅の広いフロント・ウィングなど、一連のボディワーク変更によりこの差が約1秒に短縮されるはずである。

2007年の初めにFIAの推奨によって設立されたオーバーテイク作業部会(OWG)は、フェラーリのロリー・バーン、マクラーレンのパディ・ロウ、ルノーのパット・シモンズから構成されるが、マクラーレンの先進F1シミュレータを使って古いバルセロナ・サーキットのターン1におけるオーバーテイクを評価した。既存の「1周あたり2秒」の条件を確認し、空力学的変更により、これを半減することにした。

OWGは、オーバーテイクを増加するためにFIAがかつて提案した中心線洗流生成ウィング(CDG)リア・ウィングには欠点があることをすぐに見出した。OWGは、計算流体力学ではなく通常の風洞を利用して、求める効果を補償する新しい方法を考案した。

マシンの最も明確な変化は、高くて狭いリア・ウィング、短いリア・ディフューザ、そしてデフレクターやウィングレット、チムニーなどのボディワークの廃止である。しかし、最も興味深い変更はおそらく幅が広くなったフロント・ウィングだろう。またこれはF1レーシングで初めて(合法的)可動空力学的装置であり、ドライバーはコックピットからセッティングを微調整することができる。

OWGのパディ・ロウは「フラップは標準化ECUによって制御・監視される」と説明する。「ECU内のソフトウェアはFIAが管理するので、1周あたり2回しか調整できない。ドライバーが利用できるセッティングの数はチームに任されるが、フラップの最大角度は +/- 3°(つまり合計6°)なので、チームはおそらく1°ずつのセッティングを用意するだろう」

「1周あたり1秒」の条件という目標は達成されたが、この対策が実際のグランプリで有効かどうかは不明である。バランスは正しいのだろうか? 結局、世界最高峰のモータースポーツ・シリーズであるF1ではオーバーテイクは難しいという大方の意見は正しいのである。

ロウは「わたしの見解では、2秒から1秒への短縮は、非常に大きく重要なステップだ」と語る。「これで十分のはずだ。明らかに1周あたりゼロ秒というのは無意味なので、必要とされる開発の半分しか進まなかったわけではない! またマシンが速ければオーバーテイクが簡単になってしまうことも望んでいない。つまり、例えば1周あたり0.2秒にした場合、必ず速いマシンがすぐに遅いマシンをオーバーテイクできることになるが、これはとても退屈なことだ」

この変更によってレーシングはさらにエキサイティングになるはずであるが、ドライバーが楽になるわけれはない。彼らはすでにコックピットから多くのものをコントロールしており、来年はさらに調整可能なウィングだけでなく、やはりオーバーテイクを増やすはずの運動エネルギー回生システム(KERS)も追加されるのだ。

ロウはいみじくも「ハンドル上にあるスイッチの場所は、ボーイング747のコックピットと同じくらい見つけにくくなるだろうね!」と述べた。

-Source: The Official Formula 1 Website
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markzu at 13:32│Comments(0)FIA | F1全チーム
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