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2009年02月02日

ディフューザ論争: 技術分析

Technical analysis: Diffuser debacle

ウィリアムズFW31、2009年1月テスト走行ウィリアムズとトヨタが、これまで発表されたマシンとは根本的に異なるディフューザ設計を披露し、2チームのディフューザの設計に関する論争が沸き起こった。

ウィリアムズは「二層」ディフューザ・デザインを考案し、トヨタは当初、中心部を延長したディフューザをテストし、その後独自の二層部分を追加した。これらの設計はいずれも新規約の表現を拡大解釈しているように見えるため、ピットレーンに驚きをもたらした。

ポルティマンのテストで両チームのテクニカル・ディレクターに話を聞いたが、いずれもチームの設計がライバルの設計と違っているとは感じておらず、規約に違反していないことに自信をもっていた。

ダウンフォースを低下させオーバーテイクを増加させるよう考案された2009年の空力学的規約の変更包括案の一環として、FIAは小型のディフューザを後方に設置することを義務づけた。

これら変更によってダンフォースが50%低下したため、チームは失われたダウンフォースを取り戻すために、新規約に従うボディワーク設計を熱心に追求した。

マクラーレンMP4-24改造マシン、2009年1月テスト走行ディフューザを機能させるために重要な要素のひとつは、内部容量である。したがって新規約は、ディフューザの中心部品の幅を、マクラーレンの画像のように、1,000mm、長さ350mm、高さ175mmに制限している。

しかし、ディフューザ規約はボディワーク規約の一部であり、ボディワーク規約には、ディフューザ用として意図されていない部分も含まれている。ウィリアムズとトヨタは、新マシンについてこの部分につけこんだのである。他チームも当然この抜け穴に気づいたはずだが、実際には使用していない。

規約について、ディフューザは次のふたつの解釈がなされている。

1) 両マシンは、ディフューザ上部の余分な流路の使用が認められるという以前の規約の同じ抜け穴を利用しているように見える。

新しい規約はディフューザの高さを基準面の上175mmと規定しているが、規約の「地面に面したボディワーク」条項を利用して、基準面から下に測定されている。したがって、車軸線で平坦なフロアとつながる連続線を求める第3条12項7の第二パラグラフを回避することができれば、実際のディフューザは高くすることができる。

ウィリアムズFW31この部分にひとつ以上の表面が存在することを認めているので、これはあいまいな規約である。したがって、両チームは二層ディフューザを作ることが可能になった。メインのディフューザ(黄色で強調)は、規約の指定するように(赤い線)長く、広く、高いが、フロアを上部のディフューザまで延長するかわりに、平坦なフロアとつながる部分で中央部を短くしている(緑色)。

これは、以下に示すF1の技術規約の創造的な解釈である:

第3条5項2:リア・ホイールの中心線より後部、および基準面の上200mmを越えるボディワーク幅は、750mmを越えてはならない。

第3条12項7:マシン下方から見え、リア・ホイール中心線からその後方350mmの位置の間に位置するボディワークは、基準面から上175mmを越えてはならない。この部分の横方向あるいは縦方向の垂直面を有する表面の交差は、マシン下方から見える連続線を構成しなければならない。

昨年、大半のチームが同じことをしていたので、ウィリアムズとトヨタの解釈には前例がある。下部ディフューザより上の部分は、基準面の上200mmまで(下部ディフューザから25mm上)、幅750mmまでのボディワークを認める第3条5項2によってカバーされている。

これによって、ディフューサの出口領域が約10%増加し、ディフューザを通過する気流が高い位置で拡散されるので、ダウンフォースが増加する。2、3のチームが、この解釈が現行の規約でも認められるのかどうか疑問視していたが、FIAに正式な質問は提出されていないと見られている。

トヨタTF1092) トヨタはメイン・ディフューザの後ろにディフューザを追加している(青色)。これは後部衝突構造およびリア・ウィング取りつけのために意図された150mm幅の部分に設置されている。この部分は最近活用されており、後部衝突構造の上に小型のウィングレットが取りつけられていた。

規約は175mmより上のボディワークを認めていないが、これは後車軸線とその後方350mmまでの部分にのみ適用される。第3条10項4は、車軸より後方350mmから500mmの間に空白をつくっている。

この150mm x 150mmの部分は400mmの高さまで認められるので、意図されたディフューザより225mmほど高くなる。そしてトヨタはこの部分につけこんたのである。繰り返すが、気流の高い出口は、ダウンフォースを増加させる可能性がある。

さらに、規約はこの部分が、後部衝突構造に沿う限り(車軸線の後方)500mmを越えて延長することを認めている(規準面の上200mmから400mmまで)。これはどのチームのディフューザも活用していない:

第3条10項5:中心線から75mm未満、およびリア・ホイールの中心線から500mmを越えるマシンのいかなる部分も、基準面の上200mmから400mmまでに位置しなければならない。

チームはしばしば、あいまいな解釈が規約の範囲内にあるかどうかを明確にするため、設計過程中にFIAに連絡をとる。ただし今回の場合、情報筋によるとウィリアムズのトヨタもFIAに設計図を提出していないという。しかしトヨタはディフューザに関してFIAとやりとりしていたと見られている。

興味深いことに、FIAの情報筋は、現在問題になっているディフューザの設計は承認済みであることを明らかにした。ただし、それがウィリアムズのものかトヨタのものかは確認されていない。

テストは技術規約の適応を受けないので、この問題は開幕戦まで論争が続く可能性がある。マシンが初めて正式な車検を受けるのはメルボルンであり、正式な異議申し立てが提出できる最初のチャンスである。しかし、FIAがメルボルンまでに問題の規約に対する見解を説明する可能性もある。

-Source: autosport.com
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