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2009年03月31日

マーティン・ブランドルのコラム: オーストラリアGPバトン優勝 2009年

Martin Brundle column

オーストラリアでの2009年シーズン開幕戦におけるジェンソン・バトンの優勝は完璧に近かった。

改善すべき点は、セイフティ・カー先導中に冷えたタイヤでブレーキをロックさせたことと、間違ったギアでピットストップに戻ったことだけで、それがすべてを物語っている。

彼はアルバートパークの58周のレースにおいてプレッシャーにさらされており、リラックスすることができなかった。

ブラウンGPの輝く新マシンに乗ったバトンにとっては楽勝のように見えたかもしれないが、決してクルージングではなかった。

レッドブルのセバスチャン・ヴェッテルは、終盤ロバート・クビサのBMWザウバーと衝突するまでバトンを追撃していた。レース終盤には差をどんどん縮めてきたクビサは真の脅威だった。

またバトンはトラックに照りつける夕方の太陽と、セイフティ・カーによる2回のリスタートに対応しなければならなかった。

彼は、精神的な強さと、プレッシャーと期待に応えられることを証明した。

バトンは好漢だが、わたしは彼が何らかのフラストレーションや自信喪失を感じているのではないかと思う。彼はそのF1キャリアの中で大きな浮沈を経験している。

確かに彼はかなり自信を持った生意気な若者として見なされているが、その下には感情をうまく隠している真剣で決意の固いドライバーがいる。

彼のチームメイト、ルーベンス・バリチェロも2位でフィニッシュして、ブラウンの1-2を達成した。彼の次の言葉がふたりの気持ちを要約している。「生命の循環に備えなければならない。だから、その循環のトップにいて、すべてが自分の思うように進んでいるときは、それを最大限活用することができる」

バトンとバリチェロは、チームがブラウンに変わるまで、難しいホンダのマシンを2年間走らせ、生き延びるのに苦労してきた。

バトンとあまりに早いブラウンの優勝に関して心配な点は、マシンのパフォーマンスに対するドライバー能力の重要性について疑問が起きることである。

「ちょっと待てよ。ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンがペースに苦しんでいて、突然現れたバトンがレースでポール・トゥ・ウィンを果たすのなら、単にマシンが問題なのではないだろうか?」と思う人もあるだろう。

グリッドのドライバー全員は、1周あたり0.5秒ほどしか違わない。しかし最高のドライバーは常に最高のマシンを手に入れる。それでも、物理学の法則には逆らえない。マシンの馬力やグリップが欠けていれば、ドライバーはその差を埋めることはできない。

今年は特にこれほど広範囲の規約変更があったので、マシンは重要な要素である。

ブラウンは間違いなく強いマシンだ。フロント・ウィングとフロント・サスペンションがすべてを台無しにしたのに、バリチェロはメルボルンで他のドライバーを制するために最善を尽くした。

またブラウンは、難しい「スーパーソフト」タイヤを機能させる方法を見つけた。

スーパーソフトは最初の数周では「ミディアム」タイヤを上回るグリップをもたらすが、すぐにグリップはなくなる。

だからこそ、大半のドライバーと同じくバトンも、レース終盤の短いスティントにスーパーソフトを温存しておいたのである。この頃には多くのゴムが路面に付着しているので、弱点が限定されるのである。

特にクビサとBMWは異なる作戦をとり、スーパーソフトを序盤に使って、最初の数周で順位を上げ、終盤ではミディアムを使って速く走る予定だった。

そのため、終盤でクビサがあれほどの脅威になったのだ。

ニコ・ロズベルグのウィリアムズなどはスーパーソフトに交換すると後方に消えたにもかからず、バトンはラップタイムを短縮し続けていた。

ブラウンは、そのマシンの下に、物議をかもしているダブル・ディフューザのほかにも素晴らしい空力学的仕掛けを持っている。

トヨタやウィリアムズが導入した同様の設計とともに、このディフューザは、グランプリ・イベント中にフェラーリ、ルノー、レッドブルから抗議を受けた。

FIAはこの設計を承認したが、4月14日控訴の公聴会でその合法性が最終的に決定される。

ブラウンにとってオーストラリアでの最悪の出来事は、他のマシンに大差をつけて勝つことだったかもしれない。

そうなると、ディフューザが糾弾され、ブラウンのマシンを遅くしたいという気持ちによって控訴の公聴会が左右される可能性がある。

そうは言っても、バトンはハンドルを握ると非常にスムーズで、まるで糖蜜のなかでハンドルを切っていると言ってよいほど、とても優雅なドライビング・スタイルを持っている。

彼は正確かつ冷静で、マシンをあちこち動かさない。このスタイルは、もっと攻撃的なドライビングが要求されるときは批判される可能性があるが、彼の滑らかさがオーストラリアで実を結んだ。

バトンとブラウンはここからどこに向かうのだろうか? 来週の日曜日、マレーシアのレースをBBC1で観戦してその答えを見つけなければならない。

聞き手:サラ・ホルト

-Source: bbc.co.uk
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