2009年04月10日

F1マシン・カラーリングの科学 - 2

The Science Of Liveries - Part 2

参照: F1全チーム走行写真: 2009年オーストラリアGP予選

マクラーレンMP4-24
マクラーレン
マクラーレンは数十年間カラーリング・デザインのリーダーであり、現在もIRLでペンスキーが使っているマルボロの山形模様のロゴの確立を1970年代に助けた。

マルボロのカラーリングが非常に人気が高かったので、多くの人がマシンを単に「マルボロ」として覚えていた。わたしは子供の頃テレビのクイズ番組を見ていると、アラン・プロストの乗っているマシンを質問された人が「マルボロ」と間違った回答をするのを見た覚えがある。これはスポンサーシップの力を示している!

1997年、ウェスト・タバコがマクラーレンのタイトル・スポンサーになり、マシンは銀、黒、白のエアブラシ・デザインに変わった。これは、メルセデスのカラーリングだという多くのコメントが寄せられていたが、スポンサーは来ては去っていくので古くならないようデザイン事務所の協力を得てマクラーレン内部で設計されたものだった。12年後の今も基本的コンセプトは変わっていない。

その後ウェストが去ってボーダフォンに交代した。マクラーレンの「ロケット・レッド」色はボーダフォンのコーポレート・アイデンティティと連携しており、密着したデザインをもたらすので、さらに広範囲に使用されている。クロム効果のある銀色が採用され、エアブラシは単純化された。クロムは鏡面仕上げではなく反射を抑えてあるのでうまく溶け込んでいる。これによってスポンサーのロゴが読みやすくなる。

今やこのカラーリングはどのスポンサーよりも「マクラーレン・デザイン」と見なされている。すべてのロゴが黒か赤であるとこに注目。メインスポンサーの色使いを利用することにより、他のマシンのように多色使いのロゴの寄せ集めよりも専門的な高級感が出ている。その最初の例のひとつは、1972年ジョン・プレイヤー・スペシャルが初めてロータスのスポンサーになったときである。他のスポンサーロゴもJPSと同じ金色(その後ベージュに変更)だった。

今年のマシンは大きくかさばって見える。サイドポッドの赤が大きな存在感を示しているように見え、ボーダフォンのロゴの比率を考えると赤色が少し多すぎる。それでも、グリッドで最もプロらしいデザインのひとつである。

フェラーリF60
フェラーリ
皆さんはこれがフェラーリのカラーリングだと思っていることだろう。専門的には、これはマシンにブランドを掲載していないマルボロのカラーリングである。彼らはスペースを他のスポンサーに販売しているのだ。研究により、赤色とバーコード・グラフィックの白い四角は、依然として多くの人々にとってマルボロを想起させることが証明されている。赤いベースカラーはマルボロに敬意を表して過去10年間何度も変更されているが、今回の深い色合いは進歩である。

個人的には、フロント・ウィングとリア・ウィングは、アルヌー、タンベイ、ヨハンソンなどが乗った1980年代のフェラーリのように黒い方がよいと思う。そうすれば巨大なフロント・ウィングをごまかせるだろう!

退屈ではあるが比較的すっきりしたカラーリングである。場所によっては緑、赤、白、黄色を使って手の込んだデザインにしてあるが、ほとんどの人にとってはマシンが赤くて側面に跳ね馬が描かれていれば十分なのだ!

BMWザウバーF1.09
BMW
クリーンだが単純なカラーリング。BMWの「ハウスカラー」は白と青である。ワールドツーリングカー・チャンピオンシップやアメリカン・ル・マン・シリーズでは、白のフォントを効果的に使っている。残念ながらそのカラーリング・スタイルはF1マシンには採用されていない。というのも同社はペトロナス、インテル、T-モバイルのスポンサーシップに頼らざるを得ないからである。

ペトロナスの企業カラーは緑がかった青なので、BMWがメインスポンサーに企業カラーをあきらめさせることができたのは印象深い。2次スポンサーは青。マクラーレンと同様のプロ意識である。

サイドポッドの青色の端に赤いラインが追加されている。これがBMWが乗用車で使用している「M」パワーのロゴ以外の意味があるのかどうかはわからない。

ノーズにはBMW乗用車の「腎臓型」グリルをベースにした小さいグラフィックが描かれている。これはBMWがウィリアムズにエンジンを提供し始めた2001年から使われている。アイデンティティを示すしゃれたアイテムである。

ルノーR29
ルノー
このカラーリングについて前向きなことを言うのはとても難しいが、チームが異なるスポンサーのカラーパレットに対応するときに問題があったことを示している。

メイン・スポンサーであるINGは、白、明るいオレンジ、青が企業カラーである。一方ルノーの企業カラーは黄色。ノーズを取り巻き、シャシーに沿ってエンジンカバーのストライプになる黄色いバンドは、マイルドセブンがタイトル・スポンサーだった2002年にまでさかのぼる。

オレンジと黄色は色合いが似ているため喧嘩をしている。エンジンカバーに沿ったストライプは非常に鮮やかであるがあまり魅力的ではない。エンジンカバーのグラフィックも大胆すぎるため、繊細なINGのロゴに目が行かない。

またマシンは、ほとんどが黒字の小さなスポンサー・ロゴで覆われている。フロント・ウィングとリア・ウィングのエンドプレートには赤色もある。全体的な効果としては、時速200マイル以上で走るレースカーに掲載するにしてはわかりにくい広告である。これは、企業カラーが調和しないとき、多くのデザイナーが遭遇するジレンマだ。わたしも最近、青と白のツーリングカーに土壇場になってスポンサーが企業カラーである海老茶色を使いたがったときに同じ経験をした。

個人的には、オレンジと黄色を混ぜてグラデーションにすればよいと思う。INGはレースカーの白地の部分に描かれているが、わたしの地元のINGはオレンジをベースカラーに使っている。そうすれば鮮やかなカラーリングであるが、さほど派手には見えないだろう。

INGは今季末にF1から撤退するので、2010年のマシンがどうなるのか楽しみである。1980年代ルノー・スポーツの黄色と黒に戻ってほしいと思う。

トヨタTF109
トヨタ
トヨタF1のカラーリングは2002年に日本の自動車メーカーがF1に参戦して以来代わっていない。トヨタがブラシ・ストロークのアプローチを最初に採用したのは、F1より前のル・マンからだった。珍しくこのデザインは左右非対称である。トヨタは「この大胆な赤いスプラッシュパターンは、ファイティングスピリットとひとつのチームという精神性を強調するものである。ブラッシュストロークによる、鋭く、不規則な、素晴らしいディテールは、日本の書道に刺激を受けた」としている。

赤くて丸いヘッドセット・パッドは日の丸を模倣している。パナソニックのコーポレートカラーは青であり理論的には調和しないが、ロゴは赤い部分にあまり近くない場所に描かれている。赤と白の2次スポンサーシップがデザインの仕上げになっている。

このカラーリングは7年間ほとんど変更されないまま使われているので、2009年には少し古めかしい感じを与える。

-Source: SPEEDtv.com
-Mobile: Amazonモバイル

F1マシン・カラーリングの科学 - 1

トラックバックURL

 誤字脱字誤訳誤変換その他間違いご指摘お願いします
名前:
 
 


Amazon -F1