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2009年09月16日

イタリアGP 5の結論

A Few Conclusions From Mental Monza

平凡なチャンピオンになるのは...
おそらくふたりになるだろう。残り4戦でワールドチャンピオンシップは、ブラウンチームのふたりのドライバーが争う一騎打ちになった。

おそらく我々は、春に予想されていたような大差をジェンソン・バトンがつけていないことを喜ぶべきだろう。しかし、今年が豊作の年ではないことは否定できない。ワールドチャンピオンがブラウンのドライバーのいずれかになるという必然性が、今年はマシンがすべてであったことを何よりも強調している。2009年、ブラウンに雇われたドライバーは誰でもタイトル争いをしただろう?

ルーベンス・バリチェロは最近素晴らしい走りをしているが、パドックで彼がエリートだと思っている者はひとりもいない。元気がよくて経験豊富で能力がある? もちろん。しかしトップクラスか? 全然。モンツァのノアの箱舟サーキットでチームメイトに完敗しても祝福と見なされるほど晩夏のスランプが大きかったバトンについては、ベテランより先にフィニッシュしたとしても、彼の名声はほとんど高まることはないようだ。

報道によると、ニコ・ロズベルグは、マクラーレンに移籍するかわりに、ブラウンのバリチェロとの交代を目指すようだが、これはパドックがドライバー序列の中でバトンをどこに位置づけているかについて多くを語っている。彼はルイス・ハミルトンとホイール・トゥ・ホイールで戦いたくないのかもしれないが、ワールドチャンピオンになるバトンに対してはそのような不安を抱いていない。

モンツァでは平凡さが最も重要だった
日曜日のブラウンの1-2フィニッシュの中心は平凡なドライビングだった。理論的に、ヘイキ・コバライネンは大量の燃料とKERSを搭載して4位だったので土曜夜の時点で優勝も狙えるはずだったが、日曜日の彼は、レーシングの履歴書にいつもと同じ結果を書き加えることになった。彼はスタート時に後退し、レースで後退した。マクラーレンの優秀なKERSシステムをもってしても、最初の周回のバトンの追い上げを防げなかったことが大きな理由だった。彼があと数周バトンを抑えていれば、ルイス・ハミルトンはバトンの前を維持し、バトンのタイトル・チャンスに有意義なダメージを与えることができただろう。

ハミルトンのチームメイトはスーティル、それともライコネン?
評価の低いコバライネンは解雇され、ロズベルグはハミルトンと比較されるのを嫌がっているようなので、マクラーレンの2010年のセカンドシートは全く予想がつかない。メルセデスがドイツ人ドライバーの起用を強く求めるのであれば、エイドリアン・スーティルが候補になるだろう。彼は優秀なドライバーでコバライネンよりも優れており、今シーズンはジャンカルロ・フィジケラと互角に戦っていた。フィジが理性よりも感情を優先してフェラーリに移籍するまで、フォース・インディアのふたりのドライバーの勝負は6対6だった。

さらにエキサイティングな予想としては、マクラーレンにキミ・ライコネンが復帰するというものがある。ライコネンはフェルナンド・アロンソとの直接的交換でルノーに移籍すると見られていたが、ネルソンゲートのせいで移籍先がなくなれば、ライコネンがウォーキングのチームに戻らないとも限らない。ロン・デニスは乗用車部門に集中しているので、ライコネンは離れたときとはかなり違うチームに加わることになる。そしてハミルトンは切望しているとされる競争力のあるチームメイトを手に入れるだろう。

最近のライコネンは素晴らしい。ベルギーでは見事だったし、モンツァでも非の打ち所がなかった。それでも彼の表情はフェラーリにはそぐわないし、フェラーリが契約のあるライコネンを解雇してフェルナンド・アロンソを起用するのに5,000万ポンド(75億134万円*)がかかっても、アロンソをほしがる理由は、ライコネンのレース・パフォーマンスではない。シューマッハの実現しなかったカムバックのとき、ふたつの暴露的なコメントがあった。フェラーリは、フェリペ・マッサに個人的に連絡をとらなかった理由として2度ライコネンの「性格」について言及した。そしてルカ・ディ・モンテツェモロ会長はわざわざ「フェラーリとファンを代表して、このような状況において彼がチームに示してくれた愛情について」シューマッハに感謝したのである。これをライコネンに対するメッセージと読み替えるのに想像力を飛躍させる必要はない。

最後にひとつ:"Winners&Losers" のコラムでアンドリュー・デイヴィスは「レース後の記者会見でキミ・ライコネンを観察していると、彼がロバート・クビサのダイエットを採用したら、どのくらい速くなるのだろうと思わざるを得ない。我々はF1マシンの1kgは重要だと聞かされているが、キミはドライバーズ・シートに個人的なバラストを追加することを決めたように見える」と書いている。

この点にさらに重きを置くと、フィジケラがクビサより先にマッサの代役として呼ばれた理由は、KERS搭載マシンのために体重の軽いドライバーが必要だったからだと噂されている。しかし金曜フリー走行中、BBCのレッドボタンの実況中継で明らかになったように、クビサは6フィート(182.8cm)の身長がありながら、5フィート9インチ( 175.2cm)のライコネンよりも体重は数ポンドしか重くないのだ。

文字通り、ライコネンはでこぼこした部分を少し削る必要がある。

フィジ、重いKERSの欠点に苦しむ
かなり評判の悪いKERSシステムも好印象をあたえる週末ではなかった。バトンがコバライネンをオーバーテイクするのを防げなかったし、ハミルトン自身もスタートが遅かった。またトニオ・リウッツィがほぼ2年ぶりにレースに復帰したのにすぐにフォース・インディアに慣れた一方で、好調のフィジケラがブレーキング中のフェラーリのバランスに苦労したことは興味深かった。

余分な重量が負担になるため、KERSの価値は疑問視されているが、おそらくこのシステムの最大の問題はハンドリングが難しくなることだろう。それ以外にフィジケラが苦労する理由はない。彼はマッサのエンジニアを引き継いだが、彼はジョーダン時代にロブ・スメドレーと一緒に仕事をしていたのだ。

危機ってどの危機?...
しかし、今シーズンの多くの場面と同じように、モンツァの話題の中心はレースではなかった。ルノーに対する非難がシーズンの残りに影を落とす可能性があり、有罪となった場合の影響は2010年開幕時にも残っているだろう。

もちろんルノーは、有罪が証明されるまでは無実である。しかし来週月曜日に厳罰が下された場合の影響を考えてみよう。それはF1のイメージと信用に大きな打撃を与え、何人かのキャリアを終わらせ、一流マニュファクチャラーがF1から撤退あるいは出走停止となり、2010年ドライバー・ラインアップに大きな穴が空き、グリッドの隅々まで波及する。ルノーが来年3月グリッドに並ばなければ、クビサとライコネンが最大の被害者となるが、間接的な被害者も多いはずである。

それでもF1はこれまでも悪評に耐えており、来週月曜日パリでどんな裁定が下されても生き延びるだろう。

例えば、最悪の場合ルノーが撤退しても、F1はこのチーム名を失うかもしれないが、来シーズンは1チームが3台走らせる(おそらくサードカーのドライバーの「獲得ポイント」はいずれのチャンピオンシップにも加算しないという条件で)。また現時点では全くの仮定であるが、ネルソンゲートのおかげでミハエル・シューマッハが復帰すれば、来年の3月にF1が危機に苦しめられていると言う人がいるだろうか?

他のことでも論争が続くだろう。しかし昔からF1は不正・陰謀と同義語である。スポーツであると同時に連続メロドラマでもある。ピケのクラッシュの詳細はぞっとするものだが、この騒動によって人々はF1を二度と見なくなるわけではなく、F1のベストセラー小説の最新の章に魅了された新たなファンを獲得するだろう。いつか公正取引委員会が、F1がスポーツの最高のストーリーを独占しているとして介入するだろう。しかしその日まで、迫り来る崩壊という報道は単純に誇張され続けるだろう。

-Source: Planet-F1
-Mobile: Amazonモバイル

*日本時間2009年09月16日23:39 の為替レート:Yahoo!ファイナンス 外国為替情報


markzu at 23:55│Comments(0)F1GPの結論 
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