2009年11月25日

BMW、F1から撤退してハリウッドに向かう

BMW pulls back into Hollywood

BMWは6年前エンターテインメント・ビジネスに背を向けハリウッドを驚かせた。

しかしBMWは、世界的エンターテインメント・マーケティングの指定代理店として「プロパガンダGEM」社と契約し、ハリウッドへのカムバックを望んでいる。

今回の動きは、BMWが不在の間アウディやメルセデス-ベンツなどのライバルはエンターテインメントを活用して高級自動車市場での名声を高め、BMWは悪役向けの自動車になっていたことを受けたもの。

バング&オルフセン、ブルガリ、カシオ、ランボルギーニ、ノキア、パナソニックなどの代理を務めるプロパガンダ社は、映画、テレビ番組、音楽ビデオ、ビデオゲーム、新メディアなどにおける抱き合わせ広告などを含めた各種のプロジェクトを通じて、BMWのイメージを再びコントロールするために協力する。この契約は、ミニ、ロールスロイス、BMWバイクなどBMWグループの他のブランドもカバーしている。

プロパガンダ社がBMWと契約を結んだことは皮肉でもある。というのも同社は13年間に及んだアウディとの契約を年末に終了させなければならないからである。プロパガンダ社は数年間「アイ,ロボット」や「アイアンマン」などの映画とアウディの抱き合わせ広告によって、かつては低迷していたブランドを米国消費者にとってクールな商品に仕立て上げ、多くの利益を上げた。アウディはこれから公開される「デート・ナイト」、"It's Complicated"、「ザ・ジョーンジズ」などの映画にも登場する。アウディは契約終了を認めたが、コメントは拒否した。

プロパガンダGEMの設立パートナーで共同社長、ルーベン・イエルコ-ハーリックは、アウディとの契約終了について「我が社にとって、これは新しいチャレンジであり、物事に対して違う見方をすることだ」と語った。「BMWは空間をよく理解している。彼らには経験があるが、リーダーであるためには革新を続け、新境地を開き続けなければならないということだ。そうしなければリーダーとしての立場を失うだろう」

BMWとプロパガンダ社は、特定の車両や「ドライビングの喜び」あるいは「燃料効率」などのブランドテーマを宣伝すると言うほかは、具体的なプロジェクトについては語ろうとしなかった。BMWのスポーツ・マーケティングおよび企業スポンサーシップの責任者ラルフ・ハスマンは「我々はすべてに対してオープンだ」と語った。「もちろん、プロダクト・プレイスメントを次のレベルに引き上げることを楽しみにしている。我が社は自動車メーカーであるが、それ以外の話題もある」

ハスマンは、BMWが存在感を高めたい分野のひとつとしてビデオゲームを挙げているが、プロダクト・プレイスメントや映画への登場を宣伝するための余分な広告費が必要な伝統的な抱き合わせ広告には反対しないという。

「意義があるのなら関心がある。しかし、BMWが登場するのであれば、映画などや自動車の役割次第だ」

いずれにしても、BMWはエンターテインメントを通じてイメージを創造するために多額の資金を投じるブランドがどうなるかについて、重要なケーススタディをマーケティング担当者に提供するだろう。彼らが去れば、別の会社がその場所を奪ってスポットライトを浴びることができる。

BMWは1995年、Z3ロードスターの発表に007映画「ゴールデンアイ」を利用したことで話題を呼んだ。007は次の2作「トゥモロー・ネバー・ダイ」と「ワールド・ノット・イナフ」でいつものアストンマーチンではなくBMWに乗った。2001年には、ジョン・ウー、アン・リー、ジョン・フランケンハイマー、デイヴィッド・フィンチャー、トニー・スコット、ジョー・カーナハン、ウォン・カーウァイなどが監督しクライヴ・オーウェンが主演するアクション満載のBMWのショートフィルムシリーズ "The Hire" がオンライン・ヒットとなった。最近では、2005年の「エイリアス」のいくつかのエピソードにBMWが登場し、今年はマーケティング企業「ミーティア・ワールドワイド」社がマイケル・ダグラス主演の“Solitary Man”にもBMWが何台か登場する。

それでもスクリーン上では、BMWはもはやヒーローが乗る車ではなく、悪役が乗る黒いセダンで、最終的には激しいクラッシュで終わる。

BMWはハリウッドからの撤退は、経営陣の再編成と、マーケティング戦略の再検討という決定によるものだとしている。これは、フォルクスワーゲンやホーム・デポーがエンターテインメントから撤退したときと同じ理由である。

最近では、不況と自動車全体の売上げ低下のため財政的リソースが打撃を受けている。BMWは以前として高額なマーケティング予算を準備していないが、F1レーシングから撤退したことで何百万ドルもの節約を行なった。これにより2012年ロンドン五輪におけるスポンサーシップ後、エンターテインメントに予算が流れることになるだろう。

ハスマンは「我が社は数年、違う方向に向かうべきだと考えた」と説明した。「しかし過去10年間を評価したとき、過去には非常に説得力のある結果を出したと結論し、またこの分野で活動するのが賢明だと考えた」

マーケティング資金が増えるということは、映画の宣伝パートナーを探しているスタジオにとってはよいニュースである。特に映画の世界同時公開が非常に高価になっている現在では。

そしてBMWはプロパガンダ社を通しているので、危険な賭けにでる必要はない。アウディのイメージを改善させたのと同じマーケティング企業をBMWが選んだのは偶然ではないと両社に近い関係筋は言う。

プロパガンダのこれまでの実績に加え、ロサンゼルス、ジュネーヴ、香港を主要な本部として世界12ヶ所に支社店を有していることもBMWの契約につながった。これら支社は世界的取組みになるとされるBMWの新しいエンターテインメント戦略にとって重要な役割を果たすだろう。プロパガンダ社は、東京、北京、モスクワ、ロンドン、ローマ、マドリッド、コペンハーゲンにもオフィスがあり、来年はムンバイにもオフィスが開設される。

イエルコ-ハーリックは「不況のため、企業はコミュニケーション方法を再検討せざるを得なくなっている」と語った。「最終的には観客のところまで行かなくてはならない。それをどうやって達成するか? コンテンツの一部になったり、物語の一部にならなくてはならない」

-Source: Variety
-Amazon: 007 ゴールデンアイ アルティメット・エディション [DVD]










+参照
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2004年8月31日
Webマーケティングの近未来 第3回〜BMWフィルムズ「The Hire」第2シリーズ

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