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2009年12月25日

トヨタの超リアル・ドライビング・シミュレータ

Toyota's £30 million driving simulator review

最新のビデオゲームなんて目じゃない。これは普通のお金では買えない最もリアルなドライビング・レクリエーションである。

トヨタのドライビング・シミュレータ

トヨタの東富士テストセンターにあるドライビング・シミュレータのマネージャーは「NASAは同じようなものを1基持っていますが、かなり小さいですよ」と言う。

彼は白い猫を連れていないし、人民服を着ているわけでもない。しかし彼の制御室には、またたくランプやトグルスイッチがちりばめられたインダストリアル・グレイの調整卓がある。どこか向こうの方から日本語の声が聞こえてくる。「開始まで30秒。カウントダウン...」 少なくともそんな風に聞こえる。

強化ガラスの窓を通じて、わたしたちはジェイムズ・ボンド映画を撮影するパインウッド・スタジオのように見える飛行機の格納庫を見ている。あとはダニエル・クレイグとビキニを来た女の子がいれば完璧だ。フロアの上では、巨大なアルミ合金のトラックが正しい角度で突き出し、24,100馬力の電気モーターが構台をどんな方向にも移動させる。

その上には、最高速度22km/hで移動できる真っ白な球体(直径7.1m)がある。これは0.5Gを生み出し、横に25m、縦に35m移動する。また25°傾斜し、360°回転できる。これが動き始めると、地元の電力網から7,000kWを引き出すことになる。

「ミスター・ボンド、街を選んで...」 ボスさん(boss-san)がわたしに運転するよう声をかけたので空想から引き戻された。ふたりの日本人エンジニアがわたしを手招きしている... 白い球体はホールの横に滑ってくる。すると狭い通路が自動的に球体の横にあるスライディングドアまで延びる。まさにSF的仕掛け。

穴あきアルミ製タラップを歩いて、身をかがめて球体に入る。すると中にはフルサイズのレクサスLSサルーンがある。車は(反射を防ぐために)艶消しの赤にペイントされており、道路の振動を再現する4つの油圧ラムの上に乗せられている。

レクサスはスタンダードなものである、ただしホイールやエンジンがなく、あらゆる開口部からスパゲティのように流れ出している電子装置満載の車をそう呼べるとしたらだが。ボンドの敵役の武器とはほど遠いこの奇妙な設備は、命を救うために存在している。トヨタは、事故をゼロにすることを最終目標にしており、このシミュレータは、日常的な危険に対するドライバーの反応をテストするのだ。アーケードでの「ドライビング」ゲームは忘れた方がよい。これは実世界を再現する3,000万ポンド(43億6,597万円*)のコンピュータゲームである。

わたしが運転席につくと、装置が起動する。球体が自動的に閉じ、格納庫の中心部に向かって少しずつ動くと、手の平が汗ばんでくるのがわかる。ここの仕掛けは、感じるはずの運動と、感じるはずのない運動の違いである。

実物そっくりなドライビング体験をつくりだすために、球体は横加重、加速、ブレーキング、斜面、路面の凹凸などを模倣するために、劇的に動いたり傾斜したりする。そうでないときは静かに格納庫の中央に戻るので、どんな運転をしてもそれを再現する十分な余地がある。球体に閉じ込められると、こういった調整を感知することができない。

実際、ピクサーが設計した世界を運転しているという最初の印象を克服すれば、すべてが気味悪いほど現実的になる。その感覚の一部は、バックミラーも含めすべての角度で一致する全方位の視野のわかりやすい都市景観のおかげである。コンピュータは直径24kmの小都市と周辺の高速道路の複雑な詳細を保存している。風景には各種の都市環境が含まれているが、汚い田舎道、切り立ったアルプスの山道、狭くて曲がりくねった道路などは含まれていない。

わたしは交差点を離れるとアクセルを踏み込む。エンジンが回り始め、加速するにつれ車は沈み込む。前方の車をオーバーテイクするためにホイールを動かすと、ハンドルは振動し、フロントエンドが向きを変える。違法なUターンをすると、バーチャルな縁石がステアリングを通じてあまりにリアルな衝撃を伝える。強く加速すれば連なる店はあっという間に過ぎ去り、赤いレクサスは板ガラスに反射する。

とても奇妙だ。女の子が大型トラックの陰から車道に足を踏み出す。彼女を避けるためにハンドルを切ると、車は全く本物のように反応する。

同僚が外側から、球体が格納庫の中をあちこち動き回って激しく傾いた後、静かに中央部に戻ってくると報告する。わたしは運転に忙しくて、そんな動きには気づかない。

ここは開設されてわずか1年で、アメリカのある科学論文が、いくつかの米国特許でカバーされるこの設備を解説している。運転席に座って2分もすれば、レクサスのステアリングのわずかに人工的な感触さえ、本当にリアルに感じられる。

首から下の反応は完全に本物だ。ただ頭がクラクラして、あとでかなり船酔い状態になってしまった。エンジニアが、視線の較正が適切に行なわれなかったのでそうなったと教えてくれた。

トヨタは、この装置によって、エンジニアは公道は言うまでもなくテスト・トラックで試すには危険すぎる状況を分析することができるので、この投資は最終的に命を救うとしている。

特に、同社のエンジニアは、運転中の居眠り、眠気、危険の無視、アルコールあるいは薬剤の影響下における運転などを研究している。命を危険にさらすことなく、条件を限界まで広げることができる。

それを証明するかのように、わたしは道路の反対車線を走っている。巨大なトラックが迫り、わたしの車のフロントを突き破る。ハンドルが少し震えて360°の視界がまたたき、再び目の前に道路が現れる。

わたしは目をパチバチさせて頭を振る。もちろんこれがビデオだとわかっている。しかし人工の道路を静かに運転していると、ビデオとは思えなくなるのだ。

-Source: Telegraph.co.uk
-Mobile: F1携帯日記
-Amazon: F1 2009 Wii | F1 2009 PSP

+参考
ドライビングシミュレーター: トヨタ自動車 <動画>
トヨタ自動車、ドライビングシミュレーターの学会発表資料 - pdf <写真・イラスト>
TOYOTA-FUTURE.COM

Toyota's Driving Simulator


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*日本時間2009年12月25日22:29 の為替レート: 1ポンド=145.532398円


markzu at 23:21│Comments(0)トヨタ | F1技術系記事
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