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2010年05月17日

F1モナコGP 7の結論

PF1's Conclusions From Monaco

シューミは依然として手強い相手
ミハエル・シューマッハは、最後のフェルナンド・アロンソに対する行為に対するコメントを求められるより、モナコの最初のコーナーに向かう走りについて話したがるのは当然なので、最初から始めよう。

この古典的かつ年代物のシューマッハ・パート1では、彼はチームメイトを抜き、そのときニコ・ロズベルグは外に膨らんで1mm間違えば障壁にぶつかっていた。メルセデスの内戦は今シーズンで最も人をひきつける話題として浮上しているが、24時間前の予選での出来事のあとでは、シューマッハのロズベルグに対するゴリ押しは特に満足がいくものだったに違いない。

アロンソに対する最終コーナーでのシューミのアタックは、彼の午後のハイライトだった。そして午後全体のハイライトでもあったが、これはロズベルグをオフラインに追いやった彼の残酷な行動があってのものだった。モナコが我々に何かを教えるとしたら、それは年齢により滑らかなペースとちょっとした競争力を失ったかもしれないが、かつてのトリックを覚えており、冷酷な闘争心は依然として強く燃えているということだろう。彼を称賛することはできないとしても、彼の消えることのない渇望には畏敬の念を抱かずにはいられない。

シューミは「疑わしきは罰せず」に値する
アロンソに対するシューマッハの技術的な正否についてはすでにいろいろ言われている、そしてここで何を言おうと、スチュワードが何を宣言しようと、関係なく何度も繰り返されるだろう。アロンソとシューマッハのサポーターたちは、F1の多くのファンの中でも最も非妥協的で、提示された反論が優れたものであっても、彼らの見解は修正できないだろう。

しかし、中立的意見では、技術的正否はシューマッハを支持するだろう(ただし、必ずしも彼のキャリアを通じて「疑わしきは罰せず」が適用されるわけではない)。F1は技術的優位の追求として維持されている一方で、特にオーバーテイクがほぼ不可能なモナコのようなサーキットでは、日和見主義が依然として役割を果たしているスポーツでもある。規約が混乱しており、紛らわしさや矛盾があるため、見事な日和見主義の先導者としてのシューマッハは、今回は「疑わしきは罰せず」に値した。スチュワードがしたようにシューマッハを処罰することは、視聴者の目的を完全に無視することでもある。F1は娯楽産業であると見なされているのだ。

また、これよりももっと明快であるべきだと見なされている。セイフティカー・ラインとチェッカーフラッグとの間に路面がある限り、シューマッハの行動は規約に大きな欠陥があることを証明したことに両陣営とも同意することができるだろう。特にセイフティ・カー出動によって必然的に車列がまとまることを考えれば、この路面はかなりの長さがある。

競技規約第40条13項は「セイフティ・カーが出動し、最終周回の終わりにピットレーンに入ってレースが終了する場合、マシンはオーバーテイクすることなしに通常通りチェッカー・フラッグを受けるものとする」としている。

メルセデスの指示を受けたシューマッハの行為は、異常事態を明らかにした。ではレース・リーダーが最後のコーナーでクラッシュしたらどうなるのか? 「通常」が不可能な場合はどうなるのか? 牛に対する赤い旗のようにグリーンフラッグが振られたどうなるのか? 規約の意図は、おそらくすべてのレースが、セイフティ・カーではなく、レースカーに先導されて華々しくフィニッシュすることを保証するものだろう。しかし、これは、大幅な書き換えが必要な、まずい発想とまずい書き方である。

アロンソは侮辱と破損に苦しむ
土曜日午前、マシンを破損したあと、最終コーナーでだまし討ちにあったことは、フェルナンドにとって不名誉な週末の最後の侮辱だった。予選不参加のアロンソを珍しく批判したイタリアのマスコミは、デイモン・ヒルの裁定で彼をこれ以上非難することはないだろう。

セイフティ・カーの序盤の出動がなければ、アロンソはポイント圏外でフィニッシュした可能性もある。したがってシューミのだまし討ちが有効と認められた場合でもすべてが失われたわけではない。いずれにしろ、彼は日曜朝に予想していたよりも多くのポイントを獲得して日曜夜にモナコを発ったのだから。

しかしフェラーリ-フェルナンドの組み合わせはすべてが順調ではない。彼のマシンは木曜フリー走行を通じて操縦が難しそうで、土曜日のクラッシュは意外ではなかった。シューマッハのために注意散漫になったことは、6戦中4つ目の大きなミスだった。一貫性について自信を持っているドライバーにとって(昨年の彼は自らを最速のドライバーではないがミスが最も少ないドライバーを表現した)、このミスの多さは懸念するべきだろう。彼はプレッシャーを感じているのだろうか? 頑張りすぎているのだろうか? あるいはその両方から少しずつ蝕まれているのだろうか?
バリチェロ、クラッシュ後にハンドルを後車の通るトラック上に放り出す
バリチェロは再び本性を現わす
シューマッハはグリーンフラッグ中のオーバーテイクで処罰を受けたが、ルーベンス・バリチェロは子供じみた基準からしても不機嫌ぶりを発揮した。信じられないことに、いつも公平な発言をするステファノ・ドメニカリさえ、シューマッハの行為を「本当に危険」であると非難した。いや、危険だったのは、クラッシュしてレースをリタイヤして、近づいてくるHRTの通り道にハンドルを放り出したバリチェロの行為だった。

BBCのレース後の質問のひとつはハンドルの値段だった。答えは2万ユーロ(226万円*)だった。しかしこの質問は、ハンドルの重量に関するものであるべきだった。答えはおそらく、昨年夏にフェリペ・マッサを直撃したバリチェロのマシンから脱落した部品よりも、かなり重かっただろう。

彼の行為は全くの非難もので、全くの無責任だった。そしてスチュワードは、誰よりもよく知っているはずのドライバーを処分することに尻込みするというひどい職務怠慢を犯したのだ。



ウェバーがナンバー1で、我々は屈辱を味わっている
ウェバーはこの週末、人生で絶好調を迎えている。スペインとモナコでの彼のパフォーマンスは彼を新しいレベルに引き上げた。そう、正直なところ、このコラムでは彼が到達できるとは思わなかったレベルである。

ヴェッテルは最初の小危機に見舞われている
セブ・ヴェッテルは先週打ちのめされた。1度ならず2度、いや3度でもない。過去1週間、彼は4回の計時セッションでチームメイトに負けたのだ。予選で2回、レースで2回負けたのだ。スペインで差をつけられたあとのモナコでの敗北は完敗だった。セイフティ・カーが4回出動したおかげで、30秒の差をつけられずにすんだのだ。レース中のミニGPすべてにおいて、ウェバーはヴェッテルを引き離し、ヴェッテルは対応することができなかった。彼は「正直なところ、ミラーを何度も見なくてはならなかった」と告白している

ヴェッテルの慰めとして、ウェバーは上述のように人生の絶頂期にある。そしてヴェッテルはおそらく不調なのだろう。このふたつを組み合わせれば、結果ははっきりしている。それにもかかわらず、この1週間は、ヴェッテルのキャリアにとって最初の小危機になり、彼の名声は初めて持続的かつ重いプレッシャーにさらされている。ヴェッテルはしばしばフェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンに匹敵するドライバーだと喧伝されているが、このふたりのドライバーが、ヴェッテルが今見舞われているような完敗をキャリア中に喫したことを思い出すのは難しい。

一騎打ちのチャンピオンシップ争いでレッドブルが逃げ切るおそれがある
他のチームにとって、今や悪い予兆は正式なものになった。バルセロナの高速コーナーでもモンテカルロの低速ツイストでも圧勝したレッドブルは、あらゆるコンディションで最高のマシンであることが証明された。唯一の弱点は信頼性不足である。

すぐにでも対応法を見出さない限り、チャピオンシップはあっという間に一騎打ちになるだろう。シーズン前は、バトン対ハミルトン、アロンソ対マッサ、メルセデス対マクラーレン、イングランド対ドイツなどが取り上げられたが、実際に最も重要になっているのは、ウェバー対ヴェッテルである。

マクラーレン、フェラーリ、メルセデスは、追いつくという課題に彼らの大きなリソースすべてを投入しているが、彼らがいかに遅れているかを示す記事がある。「彼らはエイドリアン・ニューウィの秘密を探り出すために協力している」 おそらくその秘密とは天才なのだ。

レッドブルの秘密とはおそらく過小評価されているリソースの備蓄かもしれない。彼らは自らを負け組と言うのが好きであるが、決して貧しいわけではない。シーズン5戦目にマシンの40%を作り直すことができるのは重量級のチームだけである。ニューウィの秘密は旧式の製図版の産物かもしれないが、重労働がなければ実現しないし、推測という尊敬すべき伝統が蓄積されなければならない。3年前、BMWは重大なミスを犯し、チームはそこから回復できなかった。これはロバート・クビサがチャンピオンシップ首位に立っているとき、翌年に集中してそのシーズンを「あきらめた」ことである。レッドブルは反対方向に進んでいるように見える。おそらくチームは自らとリソースを使い果たし、来シーズンにその高い代償を支払わなくてはならないだろう。しかし、レッドブルがコンストラクターズ・チャンピオンシップ首位で、ヴェッテルとウェバーがドライバーズ・チャンピオンシップ同点首位の現在、今の作戦に反対するのは難しい。将来に期待をかけるより、いま現在を謳歌する方がはるかに優れている。

-Source: Planet-F1
-Amazon: 考えよ! イビチャ・オシム

*日本時間2010年05月17日16:09 の為替レート: 1ユーロ=113.448960円





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