ヴァージン、1億7千万円の赤字
Virgin burns up £1.3m loss for Lloyds
F1の舞台裏で、チームの財政に関して最もよく尋ねられる質問のひとつは、リチャード・ブランソンがヴァージン・レーシングをどの程度所有しており、どの程度の資金を投資しているかである。"Pitpass" のビジネス記者クリス・シルトによる "Express" の記事のおかげで、我々はこのふたつの質問に対する答えに近づくことができるが、英国の納税者にとっては楽しい読み物にはならないだろう。
チームは、最初にF1参戦を申請したジョン・ブースのF3チームにちなんで命名されたマナー・グランプリ・レーシングが直接運営している。2009年8月1日時点で、マナー・グランプリ・レーシングの株式は、マナー・トップLLPという英国企業が46.1%を、もうひとつの英国企業WRエネルギアが48%を、マン島に本部を置くアストラ100が残る5.9%を所有している。
しかしこれら企業がその所有者を証明する書類を提出する前、マナー・グランプリ・レーシングは、別の英国企業マナー・ホルドコに買収されており、この企業が究極の親会社である。同社は所有者を証明する書類を提出していないが、少なくともいくつかのヒントが得られた。
マナー・ホルドコは、WRエネルギア、マナー・トップ、アストラ100、ロイズTSBディベロップメント・キャピタル、英国バージン諸島に本部を置くコルヴィナ・ホールディングス、そしてアレックス・タイ(ヴァージンの宇宙旅行部門の元社長)などと、同社への投資協定を結んでいることが正式書類で認めている。
同じ書類により、WRエネルギアは最終的にチームのデザイナー、ニック・ワース(おそらくWRはワース・リサーチの意味だと推測される)が所有していることが示されている。同様に、タイがアストラ100を所有している。マナー・トップはブースとヴァージン・レーシングのグライム・ロードンが、コルヴィナはチームのタイトル・スポンサーであるヴァージン・エンタープライズが所有している。つまりブランソンの事業がF1チームの株式を所有しているのだ。
つまり、ヴァージン・レーシングの株主は、少なくとも次のメンバーである。ジョン・ブース、ロイズ、グライム・ロードン、アレックス・タイ、ニック・ワース、そしてヴァージンそのもの。
これまでのところ惨めな成績であり、ポイントゼロでチャンピオンシップ最下位のチームが、このような複雑なオーナーシップ・システムを持っていることは極めて皮肉に見える。オーナーたちはこれから何を得ようとしているのだろうか?
書類にはさらに重要なふたつの情報を提供している。第一に、2009年の間ヴァージン・ホールディングスは、マナー・ホルドコに140万ポンド(1億8,976万円*)を貸し付けている。第二に、チームも英国の納税者が43%を所有しているロイズの未公開投資ユニット、ロイズ・ディベロップメント・キャピタル(LDC)から670万ポンド(9億814万円*)を借りている。このローンは、チームの立ち上げ時に組まれており、間違いなく多くの資金が燃やされた。
マナー・グランプリ・レーシングの会計報告書によると、チームは、2009年12月31日までの1年間に、マシンの設計料としてワースに890万ポンド(12億634万円*)を支払い、これにより税引き前損失が130万ポンド(1億7,620万円*)となった。この調子でいくと、ローンが返済されるまで英国納税者は長く待たなくてはならないだろう。
もちろんワースは、他のチームのように物理的モデルをテストする代わりに、完全にコンピュータ・シミュレーションを利用してマシンを作り出すという大きな賭けに出た。高額の報酬を得たにもかかわらず、彼は燃料タンクがあまりに小さいので、開幕5戦の大半で完走すらできないようなマシンを製造するという大失策をした。
チームはこの損失を修正するためには巨額の利益を得る必要があるだろう... 納税者が請求を払い続けてくれることを祈ろう。
-Source: Pitpass
-Amazon: ヴァージン―僕は世界を変えていく
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2010年03月26日
ヴァージン、レース完走できない燃料タンクの改善を認められる
*日本時間2010年06月16日13:00 の為替レート: 1ポンド=135.544612円
チームは、最初にF1参戦を申請したジョン・ブースのF3チームにちなんで命名されたマナー・グランプリ・レーシングが直接運営している。2009年8月1日時点で、マナー・グランプリ・レーシングの株式は、マナー・トップLLPという英国企業が46.1%を、もうひとつの英国企業WRエネルギアが48%を、マン島に本部を置くアストラ100が残る5.9%を所有している。
しかしこれら企業がその所有者を証明する書類を提出する前、マナー・グランプリ・レーシングは、別の英国企業マナー・ホルドコに買収されており、この企業が究極の親会社である。同社は所有者を証明する書類を提出していないが、少なくともいくつかのヒントが得られた。
マナー・ホルドコは、WRエネルギア、マナー・トップ、アストラ100、ロイズTSBディベロップメント・キャピタル、英国バージン諸島に本部を置くコルヴィナ・ホールディングス、そしてアレックス・タイ(ヴァージンの宇宙旅行部門の元社長)などと、同社への投資協定を結んでいることが正式書類で認めている。
同じ書類により、WRエネルギアは最終的にチームのデザイナー、ニック・ワース(おそらくWRはワース・リサーチの意味だと推測される)が所有していることが示されている。同様に、タイがアストラ100を所有している。マナー・トップはブースとヴァージン・レーシングのグライム・ロードンが、コルヴィナはチームのタイトル・スポンサーであるヴァージン・エンタープライズが所有している。つまりブランソンの事業がF1チームの株式を所有しているのだ。
つまり、ヴァージン・レーシングの株主は、少なくとも次のメンバーである。ジョン・ブース、ロイズ、グライム・ロードン、アレックス・タイ、ニック・ワース、そしてヴァージンそのもの。
これまでのところ惨めな成績であり、ポイントゼロでチャンピオンシップ最下位のチームが、このような複雑なオーナーシップ・システムを持っていることは極めて皮肉に見える。オーナーたちはこれから何を得ようとしているのだろうか?
書類にはさらに重要なふたつの情報を提供している。第一に、2009年の間ヴァージン・ホールディングスは、マナー・ホルドコに140万ポンド(1億8,976万円*)を貸し付けている。第二に、チームも英国の納税者が43%を所有しているロイズの未公開投資ユニット、ロイズ・ディベロップメント・キャピタル(LDC)から670万ポンド(9億814万円*)を借りている。このローンは、チームの立ち上げ時に組まれており、間違いなく多くの資金が燃やされた。
マナー・グランプリ・レーシングの会計報告書によると、チームは、2009年12月31日までの1年間に、マシンの設計料としてワースに890万ポンド(12億634万円*)を支払い、これにより税引き前損失が130万ポンド(1億7,620万円*)となった。この調子でいくと、ローンが返済されるまで英国納税者は長く待たなくてはならないだろう。
もちろんワースは、他のチームのように物理的モデルをテストする代わりに、完全にコンピュータ・シミュレーションを利用してマシンを作り出すという大きな賭けに出た。高額の報酬を得たにもかかわらず、彼は燃料タンクがあまりに小さいので、開幕5戦の大半で完走すらできないようなマシンを製造するという大失策をした。
チームはこの損失を修正するためには巨額の利益を得る必要があるだろう... 納税者が請求を払い続けてくれることを祈ろう。
-Source: Pitpass
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*日本時間2010年06月16日13:00 の為替レート: 1ポンド=135.544612円
markzu at 13:22│Comments(0)│マナー
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