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2010年08月31日

F1ベルギーGP 6の結論

A Few Conclusions From Spa

ハミルトン、2度目は幸運に恵まれる
ルイス・ハミルトンが2007年ワールドチャンピオンシップをどれほど僅差で逃したかについては忘れがちである。彼が10月の中国GP中、ピットレーン入口前にあるグラベル・トラップから抜け出ることができていれば、ルーキーがタイトルを獲得するために必要なポイントを上げていたことはほぼ間違いなかっただろう(ハミルトンは磨耗したドライ・タイヤでピットに入ろうとしたとき2位を走行中だった)。ルーキーシーズンにおけるワールドチャンピオンシップと、F1最大の失敗との差は、文字通りマシン1台分の長さだった。

29日は上海のその出来事を思い出させた。ハミルトンが余裕を持って広げつつあった差が雨のために突然なくなり、彼のマクラーレンはそのコンディションに不適切なほど磨耗したタイヤでコースアウトした。しかし似ているのはそこまでだった。中国とは異なり、ハミルトンは運よくリヴァージュでコースアウトしたため、バリアまで数ミリ残っていた。エンジンは動いていた。ホイールは回っていた。貴重なトラクションのおかげでタルマックの聖域にたどりつくことができた。破滅的状況は回避された。

このようなわずかな違いが大きな影響をもたらすのだ。F1がどれほど気まぐれなスポーツになりうるのか、忘れがちである。

ルイス・ハミルトン、ロン・デニス、F1ベルギーGP

アロンソ、中段ランナーの代償を支払う
ハミルトンは、雨の中で先頭を走ったことで幸運を授かる資格があった。新たなブレーキング・ポイントを最初に見つけることは、向かい風に向かってペダルをこぐ先頭の自転車選手に似ている。背後の選手は先頭の選手を風除けとして利用することができるのだ。リヴァージュでのコースアウトは、2007年の失敗がマクラーレンの精神に刷り込まれていることも原因のひとつだったが、この日の高速の綱渡りレースにおける彼の唯一のミスだった。たくさんあるスパの魅力のひとつは、依然として執念深い危険な誘惑である。

フェルナンド・アロンソ、F1ベルギーGP

フェルナンド・アロンソに聞いてみればよい。彼がミスをほとんど犯さないのを自慢にしていることを考えれば、ハミルトンの旧敵は2010年は驚くほどのミスを犯している。今回もまたひとつあった。アロンソは残り6周でバリアにクラッシュしてリタイヤしたのだ。この根本原因はフラストレーションだったのか? ルーベンス・バリチェロがフェラーリの側面にぶつかったとき、アロンソには全く責任がなかったので彼には同情するが、これはグリッド位置が低い場合によくある不利益である。昨年、ハミルトンとジェンソン・バトンはスパでそれぞれ10番と12番からスタートして苦戦したとき、ロマン・グロージャンがクラッシュしてふたりをリタイヤさせた。今年の8月、標準以下の予選ラップの結果、10番からスタートして、ひどい目にあったのはアロンソだった。

アロンソの不運は自業自得だった。ハミルトンの幸運は、予選における見事な最後の走りに対するフェアな見返りだった。ウェットでの0.4秒短縮は、今シーズンの1周分に相当する。ルイスは調子を取り戻し、ドライバーズ順位のトップに返り咲いた。

エイドリアンを忘れてはならない
エイドリアン・スーティルは非常に着実なドライバーに成長しつつある。スパでの5位は、今シーズン彼にとっての8度目のポイント獲得だった。スーティルは現在1ポイント差でミハエル・シューマッハを抑えており、今年のチャンピオンシップで先輩シューマッハに勝つ可能性がある。メルセデスがシーズン末に新しいドイツ人を獲得する必要があると感じたら...

ヴェッテルはゆっくり進歩しつつある
BBCのレース後のフォーラムは以前から見逃せない番組だったが、今週末はジェンソン・バトンが参加したおかげで特に説得力があった。

道端ジェシカ、ジェンソン・バトン、ルイス・ハミルトン、F1ベルギーGP

マシンとチャンピオンシップの望みにあれほどひどい打撃を受けたあと、1時間近くもジェイクらと気さくに話をしたということは、ジェンソンについて多くを語っている。しかし特にテレビにとって素晴らしかったのは、セブ・ヴェッテルに関する彼の発言だった。

バトンによると、ヴェッテルが彼のマクラーレンに体当たりしたバス・ストップのシケインは、衝突の時点で「100%完全にドライ」だったという。彼は「今まであんなのは見たことがない」と嘆いた。説明を求められたバトンの発言は容赦なかった。

「彼は狼狽して混乱したのだと思う」

痛い! これは痛すぎる。ヴェッテルはスチュワードに手加減してもらったかもしれないが、彼の名声は大きく失墜しつつある。

同じように手厳しいマーティン・ホイットマーシュは「セバスチャンは悪い癖が身につきつつある」と語った。「彼はちょっとしたクラッシュ小僧だ。F1で見かけるとは思いもしなかったものだ。ジュニア・フォーミュラを思い出したよ」

もちろん、これは未来のワールドチャンピオンのドライビングではなかった。ベルギーの出来事のレビューで際立っていた英国紙の一節は、タイムズ紙の「ヴェッテルはチャンピオンシップにふさわしくない」という厳しい結論である。これほど多くのミスを犯し、スキルが進歩しているという証拠がほとんどないのだから仕方がない。F1キャリアを始めたその日から、ヴェッテルは素晴らしく速かった。しかしレース技術、理性、オーバーテイクに関しては、彼はまだ危険な新米である。

依然として5人のバトル
だが、ヴェッテルは依然として優勝候補である。新しいポイントシステムは、タイトル争いに歪められ誇張された印象を与えているが、実際のところ、以前のシステムではヴェッテルは12ポイント差に過ぎない。これはかなりの差であるが、残り6戦で克服できない点差ではない。スパはポイントを獲得できなかった3人の優勝候補にとっては災難だったが、致命傷を受けたわけではない。これからまだまだ多くのひねりや話題が登場するだろう。

レッドブルは序盤の翼が足りない
レッドブルが好調なスタートをきることができた場合のみ、ヴェッテルあるいはウェバーに優勝の見込みがある。クラッチの誤作動によるウェバーのオフラインでの苦戦は初めてのことではない。動きがとれないレッドブルは、やけに見慣れた光景になりつつある。

FIAの厳しいテストに合格するためにフロント・ウィングを変えようが変えまいが、予選のパフォーマンスを最大限活用できないことが、ミルトン・キーンズの郊外に夜更かしをもたすだろう。彼らがこれを修正できなければ、レッドブルのシーズンは無駄になるかもしれない。

バトン、クビサ、ヴェッテル、F1ベルギーGP

-Source: Planet-F1
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