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2011年07月15日

F1イギリスGP 6の結論

PF1's Conclusions From The British GP

フェルナンド・アロンソ、優勝、F1イギリスGP

レッドブルが失敗してもしなくても、フェラーリは優勝するペースがあった
シルバーストンにおけるフェルナンド・アロンソの見事な優勝を受けたフェラーリの最大の感情は、喜びというよりは安堵であろう。なぜなら、イタリアのF1ナショナルチームといえるフェラーリは国内で大きなプレッシャーを受けているからだ。祝勝気分があったとしても、それは長く続かないだろう。なぜならフェラーリは勝つと思われているからだ。フェラーリのルカ・ディ・モンテツェモロ会長の反応を要約した見出し「やっと」は、ほとんどのイタリア人の気持ちを代弁したものだろう。大きな話題になるのは、フェラーリが勝っているときではなく、彼らが勝てないときである。

しかし、シャンペンとともにその安堵を飲み込めば、チームそのものさえ今後の優勝を期待し始めるようになるだろう。彼らはシルバーストンではとても速かった。マクラーレンよりもずっと速かった。そしてさらに重要なことにレッドブルよりも速かった。

イギリスの夏の雨のため、最初はそれほど明らかではなかったが、トラックが乾いて、すべての水分が蒸発するとフェラーリは無敵になった。

雨のおかげでアロンソの優勝までに長くかかったので観客は楽しんだ。レースの3分の1強までフェラーリの速さはトラック上で3番目で、レッドブルは水平線の彼方だった。そしてルイス・ハミルトンは15周目にアロンソのフェラーリを抜いた。

その段階ではトラックがまだ濡れていた。完全に乾いた状態になると、アロンソは無敵だった。セバスチャン・ベッテルのピットストップの災難のおかげで、アロンソは自ら首位を奪うのではなくプレゼントされたのは残念だったが、アロンソはハミルトンを抜き返し、ベッテルのホイールナットのトラブル前に5秒以内に迫っていたので、彼のスピード的アドバンテージは軽視されるべきではない。突然、フェラーリは別格になった。1周走るごとにアロンソはハミルトンやベッテルよりも1秒速かった。レッドブルがマクラーレンに抑えられたのは間違いないが、それほど大きなものではなかった。3回目のピットストップでハミルトンをアンダーカットしたベッテルは、アロンソのリードを侵略することができなかった。誰にも確実なことはわからないが、数字を見るとピットストップの失敗がなくても、アロンソのペースはベッテルを上回っていたことが示されている。

独自のアップグレードのおかげか、あるいはこの退屈なディフューザ問題のおかげか、とにかくフェラーリは報復を始めた。ベッテルは負けても、ドライバーズ・チャンピオンシップのリードを広げているので、両チャンピオンシップにはおそらく手が届かないかもしれない。しかし少なくとも追撃が始まった。そしてイタリアではF1界が正しい順序に戻った。

振り返ってみれば、レッドブルの高温の脆弱性は明らかである
もうひとつ興味深い、そしてシーズン残りの運命に大きな影響を持つかもしれない展開は、好奇心をそそるベッテルのタイヤのパフォーマンスだった。

レース解説でも言及されたが、セバスチャンは何度もドライラインを離れたが、これはサーキットに残る水溜りの上を意図的に走ってタイヤを冷やすためだった。今シーズン、これまで、ベッテルはそれなりの理由があってタイヤに優しいという評判を得ていた。しかし10日にわかったことは、先頭に立って前方が開けたクリーンなエアの中を走行していればタイヤを温存するのは簡単だということだ。ベッテルがハミルトンのアタックを防衛し始めると、ベッテルは苦戦しパフォーマンスが低下した。彼のタイヤはオーバーヒートし、10周で磨耗してしまったので、彼は長いスティントを摩耗したタイヤで走行しなければならなくなった。つまり、ワールドチャンピオンシップ争いでチームメイトに迫られつつあるのだ。簡単に言うと、彼はひどく弱くなった。

今シーズン、スタートからフィニッシュまで彼の圧勝が当然だったので、ベッテルは他のマシンの高温の空気を浴びるという不便に苦しんだことがほとんどなかった。そのため、これまではほぼ完璧だったベッテルのレッドブルが、これほど苦しむのを目にするのはちょっとしたショックだった。しかしそれでも、これは後知恵の手がかりだった。ベッテルが予選であれほど優勢で、レースのスタートであれほど速いのは、レッドブルがライバルに比べてタイヤに熱を加えるのが非常にうまいからである。つまり、他のマシンの高温の空気を浴びた場合、レッドブルは特にオーバーヒートしやすいのかどうか、これからずっと疑うべきかもしれない。

それにしても興味深い。

シルバーストンは依然として重要な要素に欠けている
もうひとつ、短い感想。ベッテルが相対的に遅いハミルトンに押さえられたとき、彼は1度たりともマクラーレンを追い越すようには見えなかった。これはルイスの守りがうまく、セバスチャンの攻めがあまりうまくないことを反映しており、彼のレース技術が依然としてほとんど実証されていないという不安を思い出させる。ベッテルがハミルトンを追い越すことができず、すぐにその仕事をあきらめたのに対し、トラックが乾いてフェラーリがレースで最速のパッケージになるやフェルナンドがわずか1周でマクラーレンを抜いたことに気づかずにはいられない。

しかしベッテルの苦戦は、シルバーストンがその素晴らしいレイアウトにもかかわらず、オーバーテイクが非常に難しいサーキットであることを浮き彫りにした。前述したように、アロンソはベッテルのピットストップでの失敗がなくても、ベッテルと直接対決して勝てるだけのペースがあった。しかし直接対決で勝つためには、どこかの段階で、アロンソはオーバーテイクをしなければならなかった。それは書くのは簡単だが実行するのは難しい。そしてそのようなオーバーテイクをするためには「抜くためにピットに戻れ」という指示が必要となる可能性が高い。

訪れた人々の意見を聞くと、シルバーストンは素晴らしい会場になるために改善されつつある。しかしトラックではいつもの欠点が残ったままで、オーバーテイクができる場所が生まれるまでは、本当に偉大なトラックにはなれないままだろう。

マクラーレンはどうかしている
NASAを感心させるほど細部に注意を向け、NHS(英国国民健康保険)を恥じ入らせるほど清潔に運営されている企業にしては、愚行に対するマクラーレンの好みは現代スポーツにおける不思議な現象である。基本的に、2台のレーシング車両を年間20回走らせるために存在しているこの会社が、それでも多くの失敗を犯し続けていることは信じがたいことである。唯一の慰めは、少なくとも彼らがその仕事を実際よりもかなり難しく見せていることだろう。

先週末の具体的な愚行は、雨が激しくなり始めた予選序盤に始まった。チームは両ドライバーをソフトタイヤで送り出し、貴重なトレッドを無駄遣いした。なぜなのかわからない。そしてレース日も愚行は続き、かなり大きな誤差で燃料搭載量の計算を間違え、ハミルトンが最初に減速するように言われたのは残り21周目だったと主張している。これほど燃料予測を間違えたチームはいなかった。

明らかに、チームはグリッド10番スタートのハミルトンが序盤渋滞のなかで過ごすと予想していたため、燃料を減らしていた。おそらく彼らはウェットにおけるハミルトンの腕前を知らなかったのか、チームのへまで彼が10番になったことに気づかなかったのだろう。

そして、最も明白な愚行はバトンの修羅場、恥ずかしいのひとことだった。マクラーレンは昨年のモナコでバトンのマシンから冷却カバーを取り忘れるという失敗をしているので、それほど恥ずかしくないのかもしれない。

ちょっとしたお笑いは見ていても楽しいが、マクラーレンはもはや笑えないジョークになってしまった。

セバスチャン・ベッテル、マーク・ウェバー、F1イギリスGP

ウェバーは無視するのではなく反論するべきだった
セブ・ベッテルを抜かないようにというマーク・ウェバーに対するレッドブルの要請(ピットからマシンへの無線で「4、5回」繰り返されたが、テレビ視聴者はどういうわけか、最後からふたつ目のコーナーまで、その遅延通信を聞くことがなかった)の公平さを認識するためには、クリスチャン・ホーナーが避けようとしたシナリオ、つまりレッドブルの1台あるいは2台がリタイヤする衝突を思い浮かべるだけでよい。言い換えれば、昨年のイスタンブール、あるいは終盤のコーナーでフェリペ・マッサがルイス・ハミルトンと絡んで、フロント・ウィングの大半を失ったことを思い出せばよい。

理想的な世界では、ホーナーはウェバーにレースを続けさせただろう。しかしF1は理想を追求するには複雑すぎる。まず第一に、F1は大きなビジネスとして運営されているチームスポーツである。また、自制を求めるホーナーの命令は、スポーツ界全体から見ても不合理ではなかった。ウェバーはそれまでの45周ベッテルとレースをしていた。そしてレースのいよいよ終盤、フェラーリが首位に立ち、レッドブルが優勝は逃したものの大量ポイントを確実にした時点で初めて、ホーナーは現実主義を訴えた。十分フェアだった。ふたりが争えば、得るものはなく、失うものは多かった。

また、ウェバーがレースを認められるべきだと反論すれば、十分フェアだっただろう。レーサーはそうするべきである。このややこしい問題の核心は、彼が無視したことが正しかったかどうかである。ウェバーは自分の名前でレースをしているかもしれないが、有給の従業員として、レッドブル・レーシングのチームメンバーとして出走している。問題は、彼がレースを要求することの可否ではない。問題は、チーム代表の口頭の指示を無視することは言うまでもなく、彼が自分の意見を述べる権利があるかどうかである。

彼はレース後も「僕は順位を上げたかったので、もちろんチームを無視した」と主張した。けれども、一連の命令を守ることは、結局彼が達成できなかった順位よりも重要だった。

彼の契約に関する今後の交渉は活発なものになるだろう。

英国人はイギリスGPについて大騒ぎをする
イギリスGPに関して最も奇妙なことは、英国のメディアがこれほど大騒ぎすることである。おおざっぱな推測では、イギリスGPを扱う放送時間と新聞・雑誌のページは、モナコを除いてどのレースよりも75%多い。「それはイギリスGPだから」という反論はばかげている。実際イギリスGPはそれほど英国的ではない。あなたが入場料を払った17万5,000人(これは英国の人口の1%未満である)の観客のひとりではない限り、シルバーストンがモンゴルにあったとしても何の違いもなかっただろう。

正直なところ、シルバーストンの包括的な報道はメディアのご都合主義である。取材は、このイベントへの1日招待旅行を得る方法に過ぎず、ほとんどの場合、彼らはF1にほとんど興味を持っていないのである。平均的な英国人F1ファンにとって、イギリスGPは、単なるひとつのレース、お気に入りアームチェアからのんびり楽しむスペクタクルに過ぎない。

-Source: Planet-F1
-Amazon: レッドブルRB6 解説書


markzu at 06:32│Comments(0)F1GPの結論 
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