未来のF1マシンはコックピットとホイールが覆われるかもしれない
F1マシンは何十年も、開放コックピットとカバーのないホイールだった。これはF1マシンの設計を決定づける特長になっている。
しかし、安全性の改善が求められ、より効率的なパフォーマンスが追及されれば、コックピットとホイールにはカバーという流れになるのではないだろうか?
コックピット・カバー
FIAは2009年以降、F1や他のシングルシーター・チャンピオンシップへのコックピット・カバー導入の可能性を調査している。
2009年には、F2のドライバー、ヘンリー・サーティースが宙を飛ぶホイールに当たって死亡するという事故があった。そしてその6日後、ルーベンス・バリチェロのマシンから脱落したスプリントに当たってフェリペ・マッサが重傷を負った。
FIAが検討した解決策の中には、完全閉鎖のキャノピーや、ドライバーの前に取りつけられたロール・フープなどがあるが、これらはそれぞれ利点と欠点がある。
インディカーでも、昨年10月のダン・ウェルドンの死亡事故を受けて、同様の議論が行われている。
ウェルドンは、ラスベガスでマシンが宙を跳んで障壁にぶつかったあと、フェンスの支柱に当たって死亡した。このクラッシュのあと、ライアン・ブリスコーなど一部のインディカー・ドライバーは、コックピット・カバー導入の可能性を示した。
耐久レースでは、技術規約によって、閉鎖コックピットと開放コックピット、いずれの設計も認められている。世界耐久チャンピオンシップのマニュファクチャラー・チームのアウディやトヨタは、閉鎖コックピットの設計を選んでいる。
アウディR18ウルトラ(2012年ル・マン)

アウディR18 e-トロン クアトロ(2012年ル・マン)

トヨタTS030ハイブリッド(2012年ル・マン)

ホイール・ガード
安全性向上の取り組みとして、インディカーは、2012年のシャシーのリア・ホイールをカバーして、白熱した議論の的となった。その結果、F1とスポーツカーの交雑種のように見えるマシンが誕生した。
このカバーは、オープンホイール・レーシングの最大の危険のひとつを回避するよう設計されている。つまり、高速でホイールとホイールが接触して、マシンが宙を跳ぶことである。これが、ラスベガスでの死亡事故を回避あるいは少なくとも軽減することは容易にわかるだろう。
F1マシンが宙を跳んでクラッシュした例は、1992年のリカルド・パトレーゼ、1993年のクリスチャン・フィッティパルディ、2010年のマーク・ウェバーなどである。
このような事故は、F1ではインディカーほど頻繁に起きない。インディカーは、オーバルでの「集団レーシング」という特殊な問題を抱えているからだ。しかし、この種の事故がF1でも増える可能性がある。
F1は、チーム間のパフォーマンスが接近しつつあり、DRSやKERSなどのイノベーションやタイヤ性能の変動のおかげで、速いマシンが遅いマシンに追突して宙を跳ぶ可能性が高まるかもしれない。
グラハム・レイホール(2012年バーバー・モータースポーツ・パーク)

チャーリー・キンボール(2012年トロント)

佐藤琢磨とサイモン・パジェノ(2012年アイオワ)

安全性か性能か?
今後の規約は、F1マシン設計において効率改善にますます配慮するようになっており、安全性と性能を理由に、閉鎖コックピットやカバーつきホイールのメリットの再評価につながるであろうことは容易にわかる。
しかし、開放コックピットとオープンホイールは、何十年もF1マシン設計の決定的特徴だった。これらを廃止することはF1の歴史的ルールの冒涜にならないだろうか?
必ずしもそうではない。カバーつきホイールやコックピットは、以前もF1に登場しており、現在の規約*で禁止されなければ、おそらく採用されていただろう。
* 技術規約の第3条8項、第3条9項、第3条10項、第3条11項は、フロント・ホイールとリア・ホイールまわりのボディワークに関する制限を規定している。技術規約第13条1項3は「ドライバーは、ドアを開ける、あるいはハンドル以外のマシンのパーツを外すことなく、コックピットに出入りできなくてはならない」と規定している。
1954年と1955年、圧倒的に強かったF1マシン、メルセデスW196は、開放ホイールと閉鎖ホイールの両方でレースに出走した。チームは、モンツァなど空力学的効率が特に重要なトラックでは、閉鎖ホイールを選んだ。
メルセデスW196: ミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグ - 2011年F1ドイツGP

メルセデスの成功は、フェラーリやマセラティを含む他のチームを刺激し、「流線型」のマシンが誕生した。その後、規約によって閉鎖ホイールが禁止され、現在見慣れたオープン・ホイールが定着した。
チームはまた、1950年代コックピット・キャノピーをテストし、ジャック・ブラバムが1967年モンツァのフリー走行中に試した。これも最終的に禁止された。
ブラバムBT-19: ジャック・ブラバムがコックピット・キャノピーをテスト


規約によって禁止されていなければ、今のF1マシンはホイールとコックピットにカバーをつけていただろうか? F1のトップデザイナー、エイドリアン・ニューウィは、規約を無視したF1マシンを想像してほしいという要請に応えて、レッドブルX2010を設計した。このマシンはコックピットとホイールがカバーされている。
レッドブルX2010: エイドリアン・ニューウィのデザイン




また彼のマシンは、設計が大幅に変更されても、F1マシンの美的魅力は必ずしもなくならないことを証明している。
ホイール・ガードと閉鎖コックピットのF1マシンを見る日がいつか来るのだろうか?

-Source: f1fanatic.co.uk
-Amazon: グランツーリスモ5 Spec II
しかし、安全性の改善が求められ、より効率的なパフォーマンスが追及されれば、コックピットとホイールにはカバーという流れになるのではないだろうか?
コックピット・カバー
FIAは2009年以降、F1や他のシングルシーター・チャンピオンシップへのコックピット・カバー導入の可能性を調査している。
2009年には、F2のドライバー、ヘンリー・サーティースが宙を飛ぶホイールに当たって死亡するという事故があった。そしてその6日後、ルーベンス・バリチェロのマシンから脱落したスプリントに当たってフェリペ・マッサが重傷を負った。
2009年07月20日
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FIAが検討した解決策の中には、完全閉鎖のキャノピーや、ドライバーの前に取りつけられたロール・フープなどがあるが、これらはそれぞれ利点と欠点がある。
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インディカーでも、昨年10月のダン・ウェルドンの死亡事故を受けて、同様の議論が行われている。
ウェルドンは、ラスベガスでマシンが宙を跳んで障壁にぶつかったあと、フェンスの支柱に当たって死亡した。このクラッシュのあと、ライアン・ブリスコーなど一部のインディカー・ドライバーは、コックピット・カバー導入の可能性を示した。
2011年10月17日
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耐久レースでは、技術規約によって、閉鎖コックピットと開放コックピット、いずれの設計も認められている。世界耐久チャンピオンシップのマニュファクチャラー・チームのアウディやトヨタは、閉鎖コックピットの設計を選んでいる。
アウディR18ウルトラ(2012年ル・マン)

アウディR18 e-トロン クアトロ(2012年ル・マン)

トヨタTS030ハイブリッド(2012年ル・マン)

ホイール・ガード
安全性向上の取り組みとして、インディカーは、2012年のシャシーのリア・ホイールをカバーして、白熱した議論の的となった。その結果、F1とスポーツカーの交雑種のように見えるマシンが誕生した。
このカバーは、オープンホイール・レーシングの最大の危険のひとつを回避するよう設計されている。つまり、高速でホイールとホイールが接触して、マシンが宙を跳ぶことである。これが、ラスベガスでの死亡事故を回避あるいは少なくとも軽減することは容易にわかるだろう。
F1マシンが宙を跳んでクラッシュした例は、1992年のリカルド・パトレーゼ、1993年のクリスチャン・フィッティパルディ、2010年のマーク・ウェバーなどである。
2010年12月16日 <写真>
ウェバー 「ヨーロッパGPではブレーキ・ペダルをまっぷたつに折ってしまった」
このような事故は、F1ではインディカーほど頻繁に起きない。インディカーは、オーバルでの「集団レーシング」という特殊な問題を抱えているからだ。しかし、この種の事故がF1でも増える可能性がある。
F1は、チーム間のパフォーマンスが接近しつつあり、DRSやKERSなどのイノベーションやタイヤ性能の変動のおかげで、速いマシンが遅いマシンに追突して宙を跳ぶ可能性が高まるかもしれない。
グラハム・レイホール(2012年バーバー・モータースポーツ・パーク)

チャーリー・キンボール(2012年トロント)

佐藤琢磨とサイモン・パジェノ(2012年アイオワ)

安全性か性能か?
今後の規約は、F1マシン設計において効率改善にますます配慮するようになっており、安全性と性能を理由に、閉鎖コックピットやカバーつきホイールのメリットの再評価につながるであろうことは容易にわかる。
しかし、開放コックピットとオープンホイールは、何十年もF1マシン設計の決定的特徴だった。これらを廃止することはF1の歴史的ルールの冒涜にならないだろうか?
必ずしもそうではない。カバーつきホイールやコックピットは、以前もF1に登場しており、現在の規約*で禁止されなければ、おそらく採用されていただろう。
* 技術規約の第3条8項、第3条9項、第3条10項、第3条11項は、フロント・ホイールとリア・ホイールまわりのボディワークに関する制限を規定している。技術規約第13条1項3は「ドライバーは、ドアを開ける、あるいはハンドル以外のマシンのパーツを外すことなく、コックピットに出入りできなくてはならない」と規定している。
1954年と1955年、圧倒的に強かったF1マシン、メルセデスW196は、開放ホイールと閉鎖ホイールの両方でレースに出走した。チームは、モンツァなど空力学的効率が特に重要なトラックでは、閉鎖ホイールを選んだ。
メルセデスW196: ミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグ - 2011年F1ドイツGP

2010年09月24日
メルセデス・ベンツ W196: 写真動画
2011年10月09日
F1恋人奥様家族写真...etc.: ドイツGP 1 ドイツGP 6
メルセデスの成功は、フェラーリやマセラティを含む他のチームを刺激し、「流線型」のマシンが誕生した。その後、規約によって閉鎖ホイールが禁止され、現在見慣れたオープン・ホイールが定着した。
チームはまた、1950年代コックピット・キャノピーをテストし、ジャック・ブラバムが1967年モンツァのフリー走行中に試した。これも最終的に禁止された。
ブラバムBT-19: ジャック・ブラバムがコックピット・キャノピーをテスト


規約によって禁止されていなければ、今のF1マシンはホイールとコックピットにカバーをつけていただろうか? F1のトップデザイナー、エイドリアン・ニューウィは、規約を無視したF1マシンを想像してほしいという要請に応えて、レッドブルX2010を設計した。このマシンはコックピットとホイールがカバーされている。
レッドブルX2010: エイドリアン・ニューウィのデザイン




また彼のマシンは、設計が大幅に変更されても、F1マシンの美的魅力は必ずしもなくならないことを証明している。
ホイール・ガードと閉鎖コックピットのF1マシンを見る日がいつか来るのだろうか?
2010年10月28日
ソニー、ニューウィの「グランツーリスモ 5」マシンを正式発表

-Source: f1fanatic.co.uk
-Amazon: グランツーリスモ5 Spec II
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