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2013年09月19日

F1マシンは上下さかさまで走ることができるか?

Can a Formula 1 Car Drive Upside Down?


F1マシンは上下さかさまで走ることができるか?: キミ・ライコネン、2013年F1イタリアGP

公式F1ウェブサイトの「F1を理解する」というセクションには、単純かつ確信をもって以下のような文章がある。

「現代のF1マシンは、空力学的ダウンフォースのおかげで、コーナリング時に3.5G(自らの重量の3.5倍)の横力を発生することができる。つまり、理論的にはF1マシンは高速では上下さかさまに走行することができるのだ」

F1マシンであれ、どんな車であれ、天井を走る車という考えはかなりSF的である。映画「メン・イン・ブラック」で、エージェント・ケイが、MIBのフォードLTCクラウン・ビクトリアで、クイーンズ-ミッドタウン・トンネルで上下さかさまに走行したのを覚えている人もいるだろう。

メン・イン・ブラック


これは、F1の普通のファンも熱狂的な科学的ファンのいずれも魅了する疑問である。

特にF1マシンがわたしたちがいつも乗っている車よりもジェット戦闘機に似ているため、F1の先進技術はいろいろな点で刺激的である。

しかし、F1マシンの上下反転走行には、公式ウェブサイトの単純な記述よりもいろいろな理論がある。

科学的根拠

F1マシンが天井を走行!: シミュレーション動画


F1マシンが十分なダウンフォースを生み出すために、どのくらい速く走らなければならないかについては議論があるが、科学的な根拠はある。いずれにしろ、マシンがその重量に匹敵する力を生み出す限り、可能なのだ。

例えば、ある人はマシンのスピードが時速150マイル(241km)を越えれば、マシンを天井に張りつけるだけのエネルギーが生じると信じている。

カナダのディスカバリー・チャンネルがこの理論を検討したとき、アフザル・スールマン博士を頼った。ビクトリア大学の航空エンジニアである同博士は、必要なスピードは時速90マイル(145km)だと述べた。

しかし、元ジョーダンF1の技術責任者からメディア解説者に転身したゲイリー・アンダーソンは、BBCに次のように語った。

「F1マシンに作用する力は、マシンを地面につけ、タイヤをに負荷をかけるが、マシンは地面が下にあろうと上にあろうと気にしない。だから理論的には、マシンはおそらく時速約120マイル(193km)でトンネルの天井を上下さかさまで走行し、自身の重量を支えることができるだろう。これは飛行機に働く空力学だ」

トップ・ギア でも ...


エンジンは機能するか?

理論をけなす人々の重要な仮説のひとつは、マシンが上下さかさまになると燃料タンクとオイルタンクが機能しないだろうというものである。

これはひどい仮説ではない。燃料がタンクの上部に移動すれば、ピックアップ・ラインに届かず、エンジンが燃料切れになるだろう。

同様に、オイルもタンク上部に留まればエンジンが停止するだろうという仮説もある。

しかし、後者は適切ではない。なぜなら、F1マシンは「ドライサンプ」エンジンを使っているからだ。つまり、オイルタンクは外部にあり、タンクの底からのみオイルをピックアップしないのだ。
2008年04月17日
F1エンジンのドライサンプ潤滑

F1マシンが経験する横のGフォースのため、オイルはサンプの片側に移動するので、エンジンはオイル切れになるおそれがある。ドライサンプ・システムでは、オイルはエンジン前にある外部オイルタンクから「分配ネットワーク」にポンプで送られる。

これはシリンダー・ブロックとヘッド内にあるので、重要なエンジン部品に直接オイルがいきわたり、必要な部品が適切に潤滑化される。

したがって、F1マシンではこれは問題にならない。また上下さかさまに飛ぶ傾向がある飛行機の燃料およびオイル・システムは、そういうときに正しく機能するよう設計されている。

F1燃料システムを微調整すれば、同じようにすることができるだろう。

F1マシンは上下さかさまで走ることができるか?: セバスチャン・ベッテル、2013年F1イタリアGP

ドライバーに対する影響

ドライバーが上下さかさまで運転することに対応できるかどうかは当然の懸念である。つまり、ドライバーは、適切な操作をするには方向感覚を失いすぎるのではないか、肉体がその経験に対応できるかどうか。

乗り物酔いが大きな問題になるであろうことは、F1の歴史で多くの経験がある。例えば、山岳的なクレルモン-フェランは、激しい傾斜の山と谷のせいで、レース中ドライバーが乗り物酔いに苦しんだことで悪名高い。

しかし、同じような反論もある。戦闘機のパイロットやデモ飛行パイロットは、数秒間上下さかさまに飛行することができる。

しばし科学を忘れ、自身がそういう状態を作り出してほしい。ソファやベッドの側面で背中を支え、上下さかさまに座るのだ。

これで頭に血が上り、やや気分が悪くなるだろう。そしてサールマン博士が言うように時速90マイル(145km)で運転しているところを想像してほしい。

次にアンダーソンが言うように時速120マイル(193km)で運転しているところを想像する。

そして、上下さかさまの部分が組み込まれたトラックを想像し、その最後ではトップスピードが時速180マイル(290km)に達することを想像してほしい。

ドライバーは空間識失調に苦しむだろうか? 彼らはエアロトリムのようなジャイロスコープで練習する必要があるだろうか? ドライバーは、特定のトラックでは3.5倍の力を受けてることを知っている。しかしこれはマシンが上を向いている場合である。4Gを越える力がかかると問題が生じると言われている。

F1マシンは上下さかさまで走ることができるか?: フェルナンド・アロンソ、2013年F1イタリアGP

理にかなった理論

最終的に、何を達成したいかによるだろう。モナコのトンネルでのバレル・ロール? レーストラックに宙返りコースを設置する? 天井をしっかり走る?

この理論に疑問はない。F1マシンは、横向きでも上下さかさまでも、どんな表面にも吸いつくために必要なダウンフォースを生み出す。

さらに詳細な問題を整理する必要があるかもしれないが、実行すれば成功するだろう。

あとは、十分長い天井と、F1マシンと、F1コックピットの操作方法を知っている戦闘機パイロットを見つければよいだけである。

-Source: Bleacher Report

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