F1のさらなるコスト削減提案を解説
F1 discusses further cost cutting proposals

バーニー・エクレストン、FIA、F1チーム代表は、F1の出費を劇的に削減するいくつかの革新的提案を現在討議している。
ドイツ誌 "Auto Motor und Sport" は、レースに参戦するために必要なリソースを制限することが主眼になっていると報じている。通常、レースチームは60人で構成され、チームは独自のテレメトリ・サーバーを各イベントに配送している。この大量のデータはファクトリーにフィードバックされ、ファクトリーでは金曜フリー走行セッション以降、マシンのセットアップを改善するために一晩中、分析とシミュレーター作業が行われる。
それに加え、複数のトップチームは、ファクトリーでのパーツの開発と製造の時間を最大限にするため、通常、金曜と土曜の朝に新しいパーツをトラックに送っている。しかし、このような土壇場の空輸が非常に高くつくことは説明する必要がないだろう。

週末を通じたパルク・フェルメ
支出を抑制するため、現在ふたつの提案が出されているが、討議はまだ第一段階にある。まず第一に、レース週末全体を通じてパルク・フェルメのルールを実施するべきだという意見がある。これによって事実上、最初の輸送量がかなり小さくなると同時に、週末中の輸送が完全に不要になる。
多くのチームは現在、各レースにスペックが異なる多数のフロント・ウィングや、複数の排気ソリューション、リア・ウィング、フロアなどを輸送している。例えば、ウィリアムズはアブダビの金曜日にコアンダ排気管を使わないFW35の実験を行ったが、データが比較できるよう異なる構造のマシンを走らせた。
現時点での提案は、このような実験の可能性を排除するとともに、週末後半にマシンへの新パーツ搭載を不可能にする。唯一認められるのは、現在、予選と決勝の間で行われているように、セットアップの変更のみである。
これによって輸送コストが削減する可能性は高いが、チームがトラックに持ち込む前に新パーツのスペアを十分製造しなければならないことが問題である。これが支出を増加させる可能性もある。なぜなら、チームが新しいフロント・ウィングを4つ製造しても、最初のトラック・テストで効果がないとわかり、製造したウィングをすべて廃棄する場合が考えられるからだ。

テレメトリの禁止
ふたつめの、おそらくさらに大胆な提案は、テレメトリの全面禁止である。現在、チームは毎日マシンから数十ギガバイトのデータをライブ・テレメトリで収集し、各チームがレースに持ち込むサーバーに保存される。このデータはパドックのレース・エンジニアが分析し、ファクトリーにもフィードバックされ、どのパーツとウィングの角度の組み合わせが最高の空力学的パフォーマンスをもたらすのかを決定する作業が行われる。
これをすべて禁止すると、トラックにいるチームメンバー数人が不要になり、チームは各レースに送り込む人数を減らすことができる。チームは、FIAが提供する速度と計時データのみに依存するので、事実上F1は歴史を数十年さかのぼることになるため、エンジニアから多くの反対を受ける可能性が高い。
同誌はさらに、風洞での開発を完全に禁止し、容量を制限したサーバーの計算流体力学(CFD)ソフトウェアのみでマシンの開発を行う提案もあると報じた。風洞での徹底的な開発は、マシンを風と後流に対して過度に敏感にし、最近のF1では正確な相関を得るのが非常に高くつくことが証明されたと言われている。
これらアイデアが提案され討議されていることは強力なメッセージであるが、ここで説明した規約の実施は、最近開発されたシステムの多くをお払い箱にする可能性があるため、実現する可能性は低い。しかし、小規模なチームは、トップチームが全体的な予算制限に同意するつもりがないことを知っているため、このようなコスト削減を推進している。
-Source: F1 Technical
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