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2014年07月31日

ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の空力学的開発

Honda’s secret F1 car revealed

本記事のこのセクションは三栄書房の協力を得た。

ホンダは「第3期」の活動中、ひとつ以上の風洞プログラムを実施した。ブラックリーのホンダF1チームは、現場に2基の風洞があったが、日本の童夢には3基目の風洞があり、これも使用されていたと見られている。ブラックリーの施設がブラウンGPに変わったあとでも、ホンダR&Dのエンジニアは日本でRA109を開発していたと思われる。

ホンダRA109

RA109はノーズコーンの設計を見れば、BGP001とは違うことが即座にわかる。BGP001は比較的広くて低いノーズ(下図)であるが、RA109はかなり小さくて幅の狭いノーズをしている。

ブラウンBGP001

ノーズは、さまざまな形状や設計コンセプトを評価する必要があると感じていたホンダのエンジニアが注力していた部分だった。全体的なフロント・ウィング設計は、ブラウンに比べるとかなりベーシックに見えるが、製図板にはかなり進んだコンセプトが描かれていた。

ホンダRA109

上の画像は、ホンダR&Dが評価した一連のノーズ形状であり、ブラウンが使用したものとしているが、左上の図(P1-min)は、明らかにRA109の推奨選択肢だった。興味深いことに、RA109モデルのノーズ形状とBGP001マシンを比較すると、モノコックのフロントが違うことに気づくだろう。つまり、風洞モデルは最終的なホンダRA109よりも、実際は2008年後半に登場した暫定マシンRA1089(下図)であることが示唆される。

ホンダRA1089

よく調べると、ホンダRA1089はノーズ形状の評価に使用されたが、内部および外部のサスペンション位置など、いくつか注目すべき違いを持つ風洞モデルとしては使用されてはいない(シャシー上部の膨らみに注目)。しかし、フロント・ウィングとウィング支柱はRA1089に搭載され、2008年11月、トラックでテストされた。RA109のフロント形状にとってノーズが非常に重要な理由のひとつは、この記事の機械的開発(パート3)で明らかになるが、BGP001のリアだけでなく、フロントのバルクヘッドもRA109の設計から変更されたことも示唆される。

RA109の興味深い開発分野は、ウィングつきノーズのコンセプトである。これは「うさぎの耳」としてRA108に初めて搭載されたので、RA109にも同様の部品がとりつけられたかもしれない。

ホンダRA109

上記の設計は、日本のホンダR&Dでの風洞テスト後、支持された選択肢のひとつであり、さまざまなバリエーションがCFDと風洞で試されたことから、ホンダがこのコンセプトを合法と考えていたことがわかる。あるバージョン(下図)には、2枚のブレードの間に小さいターニング・ベーンが含まれている。

ホンダRA109

しかし、ブラックリーのホンダ・レーシングF1チームは、明らかに幅広の低いノーズが気に入り、モデルにとりつけた。チームはまた、ノーズに空力学的パーツとしていくつかのコンセプトも試した。

ホンダRA109

初期のコンセプトはウサギの耳の継続に過ぎなかったが、日本でテストされた部品に似ているが同じではないノーズフィン(下図)が代わりに選ばれたようだ。

ホンダRA109

この設計は、さまざまな前縁と後縁で微調整された。

ブラウンが引き継いだのはこのモデルであり、日本で使われた狭いフロントのモデルではなかった。下図では、BGP001の広いノーズの始まりを見ることができる。

ホンダRA109

RA109モデルはマシンのフロントばかりに専念したわけではなく、マシンの中央部分にも興味深い詳細があり、BGP001との違いを際立たせている。その一部は、エンジン・サプライヤーの変更によるものである。メルセデスとホンダのV8は、冷却用と燃焼用の空気について要求が異なっていたのだろう。RA109のロールフープ部分とBGP001の同部分を比較すると、それがわかる。

ホンダRA109

ホンダのエアボックス(上図)は、RA108から直接引き継いだように見える。エンジンは基本的に仕様が凍結されており、要求が変化していないので、これは意外ではない。しかしブラウンの吸気口は、メルセデスV8エンジンに対応するためかなり異なっている(下図)。その結果、ロールフープの形状は、RA108やRA109とは全く異なっている。

ブラウンBGP001

ふたつのエンジンの冷却要求も異なっているので、RA109は、水とオイルの冷却装置に空気を送り込むサイドポッドのダクトが比較的小さく、ほとんど四角形をしている(下図)シャシーの横にあるターニング・ベーンに注目(矢印)。

ホンダRA109

一方ブラウンは、かなり横に広がったダクト(下図)を搭載しており、おそらく、マシンがホンダからブラウンに急速に変化した結果、やや高く大きく見える。あるいはメルセデスのエンジンの要求が異なっていたからかもしれない。

ブラウンBGP001

2009年の話題のひとつは、空力学、特にマシンのリアの空力学だった。ブラウン、トヨタ、ウィリアムズの3チームは、規約の抜け穴をつき、規約策定者が予想していたより、ディフューザー領域を拡大した。これは、ブラウン・チームが2009年前半に圧勝した大きな理由のひとつだった。

ホンダRA109

ホンダも規約のこの抜け穴を知っていたことは周知の事実であり、BBP001が使用したのとは別に、独自の二層ディフューザーを開発していたが、見た目は大雑把だった。より高度で複雑なバージョンもホンダR&Dによって開発された。

ホンダRA109

マシンのリアは、日本のエンジニアたちが開発できると感じていた領域であり、彼らはマシンのリアにある、いわゆる「ダンベル」冷却排気口を含む、一連の細かいソリューションを考案した。

ホンダRA109

後ろから見ると、RA109の排気口がはっきり見えるが、この領域はメルセデス・エンジンを搭載したブラウンのマシンとは大きく違うことがわかる。

ホンダRA109

ホンダの設計(上図)では、排気口は、ブラウン(下図)よりかなり前寄りに位置している。興味深いことに、ブラウン・チームは、オーストラリアGPで優勝したあと、排気口の位置がやや規約から外れていることがわかったため、設計を変更せざるを得なかった。

ブラウンBGP001

では、空力学的開発はどこまで進んでいたのだろうか? よくわからないが、R&Dは2009年になっても作業を進め、おそらくその後も開発を続けたのだろう。ホンダは2011年、背後にある技術を理解するため吹きつけディフューザーを開発したと見られているが、その詳細や栃木におけるその他のプロジェクトは、依然として極秘にされている。

ホンダRA109

しかし、2009年の空力学的開発の一部の詳細が明らかになり、興味がかき立てられる。内部プレゼンテーションのスライドは、2009年オーストラリアGPのアップデート・キットの一部を詳述している。URW669と呼ばれる部品は、1.35〜1.25のドラッグ・レベルを達成するために開発され、15度回転することができる。全体的に、ウィングは、発表/テスト仕様のウィングより効率が上がり、ドラッグが6ポイント低下した。

マシンがトラックを走らなかったので、アップデート・キット、新ウィング、その他のパーツは搭載されなかった。しかし、そのマシンの内部には多くの興味深い機械的詳細があった。それらをパート3で紹介する。

ホンダの2009年F1マシンが明らかに
part 1: はじめに
part 2: ホンダRA109の空力学的開発
part 3: ホンダRA109の機械的開発
part 4: 過去と未来

-Source: Racecar Engineering


markzu at 21:50│Comments(0)ホンダ | F1技術系記事
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