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2015年10月03日

ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ: アイルトン・セナとアラン・プロストの残像

Lewis Hamilton and Nico Rosberg: Echoes of Alain Prost and Ayrton Senna

ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのF1成績比較表(2015年F1日本GP終了時)

ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ、このふたりの状況は、アイルトン・セナとアラン・プロストをうっすらと思い出させる。セナとプロストが1988年と1989年、マクラーレンのチームメイトだったとき、アランは何度も「わたしが減速しなければクラッシュしていた、マクラーレン2台がその場でリタイヤしていた」と言わざるを得ない立場に立った。もちろんアイルトンはいつも大笑いして「プロストがまた泣き言を言っている…」と評したが、チームの多くはひそかに、アランに感謝する理由があるとわかっていた。

ハミルトンは、子供の頃セナを崇拝しており、自身のドライビングをセナのドライビングに合わせようとしていることをしばしば語っている。だからといって、わたしはハミルトンが、1990年の鈴鹿のセナのように意図的にライバルを時速150マイル(241km)でコースアウトさせたと言おうとしているのではないが、彼は明らかにアイルトンが長年活用してきた非情なアプローチを採用している。ミカ・ハッキネンは、かすかな笑みを浮かべて一度わたしにこう言ったことがある。「セナがチーム・プレーヤーだったことはない…」

鈴鹿の第2ターン出口のトラックの幅を最大限活用し、ハミルトンはロズベルグにスペースを与えず、トラックを外れたニコは順位をふたつ落とした。ひと仕事終わり。わたしはルイスの行動を問題視していない。マシンがレーシングをするようになって以来、このような行動はありふれている。しかし、ニコが同じようにハミルトンに対して強引であれば、不満を言うことは決してないはずだ。

だが、問題はそのようなことが起きるかどうかである。ロズベルグには冷酷な面があるかもしれないが、彼のアプローチは間違いなくセナ的というよりプロスト的である。その上、彼の心の中には、スパでの昨年の出来事が居座っているに違いない。このレースでは、彼のフロント・ウィングがハミルトンのタイヤと接触し、ルイスのパンクとリタイヤをもたらしたのだ。

これはささいな判断ミスだったが、巨大な影響があった。表彰台に立ったロズベルグは、間抜けな観客からブーイングを受けたが、これは始まりに過ぎなかった。メルセデスの上層部は、世界に終わりが来たように反応し、ニコは、ひんしゅくをかった男子生徒のような気持ちにさせられた。それ以来、彼は以前と違うドライバーになったという人もいる。

マーティン・ブランドルは「昨年のスパがターニングポイントだった」と語る。

「ルイスはとても世慣れている。そしてレース後のチーム会議のあと『ニコは意図的にやったことを認めた』と言った」

「ニコは、もう無謀な走りはしないと強調しようとしていた。意図的に先行マシンに自分のマシンを突っ込むようなドライバーなどいない。相手をパンクさせるかもしれないが、自分のフロント・ウィングは確実に破損するから」

「ルイスが言っていたことは… 語呂合わせのようだが、彼はネガティブをポジティブに変えられることを理解したのだと思う。彼はアイルトンと同じように、犠牲者ぶるのが得意だ。彼はロズベルグが表彰台でブーイングされたのを見聞きした。たいていの人がそうなるように、ロズベルグはこれで打ちのめされた。ニコのその後数戦のふるまいは、ほとんど怯えているようだった」

「ルイスは、ニコが決して持つことがない闘争本能を持っていると思う。そして、スパのレース直後のトト(トト・ヴォルフ)とニキ(ニキ・ラウダ)の本能的反応は、アドレナリンが流れていたのでとてもわかりやすかった。状況を沈静化するような試みはなく、ポイント差を広げたニコを激しく非難するだけだった…」

「チャンピオンシップ決定戦のアブダビとニコのエンジン・トラブルを思い出していほしい。レース後、チーム幹部のひとりがわたしに『最悪の悪夢だった、でも少なくともルイスのマシンではなかった…』と言った。彼らは、トラブルがルイスに起きていたら、両ワールドチャンピオンシップが完全に否定的な雰囲気に埋もれることがわかっていた。彼らはルイスにチャンピオンシップで優勝してほしかったことは間違いない」

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最終的に、もちろん鈴鹿でロズベルグはもっと早くあのコーナーをあきらめ、ハミルトンの後ろでラインに戻ることもできたと反論できる。また、ニコがあの時点で首位を走っていれば、現代のF1スタイルで、最初のコーナーまでルイスを抑えることもできたと要約することもできるだろう。そうしていれば、おそらくロズベルグの有利に働いただろう。あるいはアラン・プロストの言葉を借りれば、2台のマシンが「その場でリタイヤ」したかもしれない。F1では、ほかのあらゆることと同じく、歴史は間違いなく繰り返す。

・・・・・・・
ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ
part 1: 鈴鹿の1周目
part 2: アイルトン・セナとアラン・プロストの残像

-Source: Motor Sport Magazine

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