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2018年05月17日

メルセデスF1 W09:ユニークなエアロブースト・リア・サスペンション

Mercedes’ unique, aero-boosting rear suspension

メルセデスのデザイナー、ジョン・オーウェンは、新しいワイドトラック規約の初年度だった昨年のW08を「90%のマシン」と評した。今年、シルバー・アローは特にマシンの後部にW08に導入されたコンセプトを採用した。マーク・ヒューズとジョルジオ・ピオラが説明するように、これは一歩前進となる可能性がある...

空力学が幅を利かせるF1では、サスペンション・システムは必要悪として見なされることがある。しかしそれでも、サスペンションの機械的側面とその空力学的影響の究極のトレードオフに、膨大な思考とリソースが投入されている。

メルセデスF1 W08:フロント・サスペンション

メルセデスは2017年、ラジエーターやバージボードに向かう気流の上にくるよう、フロントの上部ウィッシュボーンを、ホイールハブの延長部に取りつけて注目を集めた(上図参照)。それ以来、この特徴はトロ・ロッソも利用し、ザウバーとウィリアムズが組み込んでいる。しかし、今年のW09マシンでは、メルセデスはリア・サスペンションにもこのアイデアを組み込むことで、さらに一歩進んだ。
2017年03月26日
メルセデスとトロ・ロッソに共通するサスペンション・トリック:F1技術解説

下図右の円内図は、リア・ホイールハブから出る長いチタン製の延長部分が、上部ウィッシュボーンの外側と合流し、ホイールハブの上部よりも高く持ち上げている様子を示している。これによって、サイドポッドから、リア・タイヤとディフューザーの重要な隙間に流れる気流に、従来のシステムよりもかなりすっきりした通り道ができる。

下の中央図では、ホイールハブの延長が、事実上カーボンファイバー製の空力学的輪郭を持つ覆いでカモフラージュされているのがわかる。左の円内図は、後方から見た同じ部品を示している。

メルセデスF1 W09:リア・サスペンション

確かに、リア・タイヤの内縁とディフューザーの外壁との間の隙間は、空力学的に極めて強力である。この隙間を流れる空気が速くなれば、この気流とアンダーフロアの気流はディフューザーの後ろで合流するので、アンダーフロアの気流が強く引き寄せられる。メルセデスのように、上部ウィッシュボーンをできるだけ高く設置すれば、気流がこの重要な隙間に向かう通り道を空けることになる。つまり、ダウンフォースが増加するのだ。

空力学的に、このサスペンションのレイアウトは、すぐ前にあるサイドポッド配置と連携して機能する。メルセデスのサイドポッド形状は、例えば、レッドブルほどリアに向けて急角度で下がっていない。その結果、上部ウィッシュボーンを移動することでスペースをつくったときのメリットがレッドブルRB14よりも大きくなる。レッドブルRB14では、サイドポッドが急角度で下がる斜面をもつため、通常の位置にある上部ウィッシュボーンが、重大な障害にはならないのだ。これは、個々の細かい設計が、常に全体の理念の一部であることを示している。

次のビデオは、すべてがどのように統合されているかを示している。



この方程式には、パワーユニットのアーキテクチャと冷却要求が追加される。メルセデスのパワーユニットは、ターボを分割しているので、エンジンの前にコンプレッサーがあり、フェラーリやルノーのエンジンのような「タービン/コンプレッサーを後ろに搭載」する従来のレイアウトに比べ、V6エンジンはマシンのやや後ろ寄りに搭載される。これは、後車軸とサイドポッドの最適な位置関係を変化させ、高いウィッシュボーン・レイアウトがメルセデスにおいて大きなパフォーマンスをもたらす要因になるだろう。

機械的には、ウィッシュボーンの角度を(外側の高い位置に取りつけることで)内側から外側に小さくすると、リア・サスペンションのロール中心高さが低くなる。これもメリットにつながる可能性があるが、フロント・サスペンション、マシンの重心、空力学的圧力中心などと結びつく、複雑な方程式である。ほかのすべてが同じだとすれば、スプリングを柔らかくすることができるので、トラクションとタイヤ劣化の助けになるだろう。

メルセデスは気が利いている。しかし問題は、この設計がシルバー・アローが2018年に有利になるのに役立つかどうかである。

メルセデスF1 W09 技術解説

-Source: The Official Formula 1 Website


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