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2018年10月09日

トト・ヴォルフ「ルイス・ハミルトンはとても複雑な人間だ」

Toto Wolff: ‘Lewis Hamilton is such a complex individual’

トト・ヴォルフとルイス・ハミルトン:2018年F1日本GP

メルセデスのチーム代表、ハミルトンの傑出した2018年の走りを称賛するも、今シーズンが悪い方向に進む時間がまだあると警告

日本GPの前夜、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは並外れた立場にいる。彼は、チーム代表として、F1史上最多連勝記録に並びかけているのだ。オーストリア人のヴォルフは、この話題が出ると笑みを浮かべるが、そのリラックスした態度は、メルセデスをF1の強豪チームに育てあげた冷たい眼差しで相殺されている。

メルセデスとルイス・ハミルトンが、今年コンストラクターズとドライバーズのチャンピオンシップでダブル優勝すれば、フェラーリがミハエル・シューマッハで達成した5連覇(2000〜2004年)の記録に並ぶことになる。この記録は、上回ることはおろか、並ぶことさえ想像するのが難しかったが、今や、メルセデスの射程に入っている。

日曜朝、日本GPを前に、ハミルトンはドライバーズ・チャンピオンシップでセバスチャン・ベッテルに50ポイント差、メルセデスはコンストラクターズ・チャンピオンシップでフェラーリに53ポイント差をつけているが、残りレースはあと5戦である。彼らは両タイトルに片手をかけているが、レース前のヴォルフは、鈴鹿のレースの展開にかかわらず、何事も当然のこととは思わないようにしている。これは、彼がチームに植え付けた強烈さであり、彼らの際立った成功に間違いなく貢献した要因である。ハミルトンのポール・ポジションをもたらした鈴鹿での冷静で落ち着いた予選が、その一例である。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)2018年F1日本GP

ルイス・ハミルトンについて

トト・ヴォルフは「厳しい戦いで、我々のライバルたちも、一歩も譲らない」と語る。

「残り5戦だ。まだ多くのポイントがあるので、ペダルから足を離すことはできない。執拗かつ回復力を持たなければならない」

彼がフェラーリの記録について考えるとしたら、シーズンが終わった12月になるだろう。今がすべてなのだ。

「今でも、ワールドチャンピオンシップに負けることを恐れている」

「なぜなら、これはモーターレーシングであり、物事はあっという間に変わるからだ。少しでも楽観的になりすぎたら、2007年にルイスが1ポイント差でチャンピオンシップに負けたことを思い出すようにしている。彼は残り2戦の段階で45ポイント差でリードしていた。だから、負けるかもしれないという考えは常にある」

彼が、ハミルトンを例として選んだのは無理もない。ただし当時のハミルトンはマクラーレンに在籍していた。ヴォルフとハミルトンは2013年にメルセデスに加わり、経験とチームの比類ない成功を通じて、親しくなった。当時、疑問視されていたハミルトンの移籍は正しかったことが証明された。2014年にターボ・ハイブリッド時代が始まってから、メルセデスは71勝している。

このサクセス・ストーリーの中心にいるのがルイス・ハミルトンである。彼は、メルセデスのタイトル4冠のうち3冠を挙げており、2016年、チームメイトのニコ・ロズベルグに一度負けただけである。このシーズンは、2014年以来最も厳しいシーズンであり、イギリスGP以降はマシンがフェラーリよりも速くなり、シーズン中盤のフェラーリからの挑戦を退けた。

今季はモンツァとシンガポールでのハミルトンの予想外の優勝は決定的だったが、ヴォルフは彼に対する称賛を惜しまず、900人以上が働く大規模で複雑な組織のなかで、ハミルトンが最も表に出る人物であると強調する。彼らは、ハンドルを握るハミルトンと同じ高いレベルで働かなければならず、そういう彼らに対して、ヴォルフは誇りを持っている。

「シンガポールの週末全体は、これまでで最高のパフォーマンスのひとつだった」

「モンツァでも、彼は際立っていた。1周目は信じられないほどで、素晴らしい走りだった。しかし我々はチームとして、非常に強いパッケージをドライバーに提供している。我々は、夏の間は最速パッケージではないというプレッシャーの下でも押しつぶされなかったが、その後我々はペースを上げたし彼もペースを上げた」

フェラーリの脅威と同様、チームは作戦の失敗もいくつか経験している。オーストラリアとオーストリアではルイス・ハミルトンが優勝を逃し、ロシアでは順位を入れ替えた。しかし、彼らはホッケンハイム、ハンガリー、モンツァなどでは、ピットウォールが強いことも証明した。ハミルトンは、技術をトラック上で発揮するだけでなく、このような運・不運の変動にうまく対応できるよう、精神的にも成長した。

トト・ヴォルフは「これまでは、窮地から脱するのにもっと時間がかかっていた」と語る。

「経験を積めば積むほど、人格も成長している。素晴らしいのは、ネガティブなことを忘れる彼の能力だ。これはドライバーにとって、あるいはどんな人にとっても重要な技術だ」

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)2018年F1日本GP

セバスチャン・ベッテルについて

この称賛は、セバスチャン・ベッテルに対する彼の評価と対照的である。昨シーズン、ベッテルはバクーで意図的にハミルトンにぶつかり、今年は一連の手痛いミスを犯している。ハミルトンは公の場でも心の内を素直に表現するが、ハンドルを握ったときの冷静な判断が重要である。

ヴォルフは「セバスチャンは素晴らしい能力を持っており、その強い感情が彼を素晴らしいドライバーにしているし、4度のワールドチャンピオンシップで優勝した」と語る。

「あの感情がなければ、彼ではないし、これほど優勝していなかっただろう。しかし、その感情が彼の負担になっている」

ルイス・ハミルトン(メルセデス)2018年F1日本GP

メルセデスをこれほどの高みに引き上げたヴォルフの仕事の一部は、過去5シーズンでブラックリーから登場した印象的なマシンをドライバーが活用できるよう、最善の状況に置くことであった。

「ルイスはこれまでわたしが会った仕事能力の高い人と同じように、非常に複雑な人間で、多面的だ。そういった人の大半は繊細で、最高レベルで力を発揮するためには、正しい環境、正しい組織を必要とする」

ヴォルフは、メルセデスではドライバーとチームの間の信頼関係を強調することで、これを確保している。信頼関係を築くには、時間と「気まずい場面でも話し合い、傷口に指を突っ込む」ような透明性が必要とされるプロセスである。

そのアプローチの見返りは明らかだ。ルイス・ハミルトンは今まで以上に優れたドライビングをしており、メルセデスは歴史的な偉業を達成しようとしている。それでも、彼らがロシアGPでハミルトンを優勝させるためにチームオーダーを利用したことは、タイトル争いがまだ終わっていないという彼らの信念を示している。トト・ヴォルフがはっきりと示したように、両タイトルを手にするまでは、この研ぎ澄まされたマシンが止まることはない。

-Source: guardian co.uk

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