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2018年10月24日

アイスマンはフェラーリの作戦が正しければ溶けない:F1アメリカGP ブランドルのコラム

F1 column - Martin Brundle: 2018 F1 United States GP

キミ・ライコネン(フェラーリ)優勝、2018年F1アメリカGP

スカイF1のマーティン・ブランドルが、アメリカGPにおけるキミ・ライコネンの優勝とフェラーリの作戦がすべて当たった様子を語る...

優勝したキミ・ライコネンにインタビューするマーティン・ブランドル:2018年F1アメリカGP

キミ・ライコネンが2013年の優勝から113戦ぶりにテキサスで優勝した。これは初優勝からなんと15年後のことで、彼の優勝回数は21回となった。

たいした持久力である。アイスマンは溶けることのない氷河のようだ。

見事なスタートを切ったキミは、レースの1周目に順位をひとつ上げた。ウルトラソフト・タイヤを最大限活用して、過去約2年間で初めてスタートからルイス・ハミルトンを抜き去ったのだ。

中段ではいつものようにカオスになり、ランス・ストロール、フェルナンド・アロンソ、ロマン・グロージャン、シャルル・ルクレールなどが衝突した。カルロス・サインツはターン1で膨らんでアドバンテージを得たとしてペナルティを受けたが、最初のコーナー、あるいは1周目に他のドライバーと違うことをしたようには見えなかった。

ところでマックス・フェルスタッペンは、成熟したことを示し、予選でのサスペンション故障とその後のギアボックス交換のため18番からスタートして、1周目の多重衝突を避け、9位まで順位を上げた。その後も素晴らしく慎重な走りで1位に迫る2位でフィニッシュした。彼が優勝するかと思ったが、キミは落ち着きを失わなかった。

そう、キミはチームメイトのセバスチャン・ベッテルとは違って冷静だった。セバスチャンがウェットの金曜フリー走行中、赤旗無視によってグリッド3番降格ペナルティを受けたのは厳しかったが、規約に従ったもので、今年の他の処罰と一致していた。雨の日、いや、どんな日でもインラップの赤旗で急いでも無意味だし、ひどく遅いように見えたに違いないが、トラック上にいた他の18人のドライバーはちゃんと情報を受け取っていた。

セバスチャン・ベッテル、スピン:2018年F1アメリカGP

並外れたフェラーリの直線スピードを利用して、ベッテルはターン12の手前でダニエル・リチャルドを抜いたが、あまりに熱くなりすぎてアペックスに到達し、膨らんでしまった。サイド・バイ・サイドでターン13に向かいながら接触し、そしてモンツァや鈴鹿と同様、ベッテルのフェラーリがスピンした。

彼は、今にも接触しそうだと理解すると、緩めたスロットルと慌てたブレーキングで何かしようとしていたのかもしれないが、そのために前車軸に荷重がかかり、リアが軽くなった。あるいは単にフェラーリのブレーキとエンジンブレーキ/ハーベスティングのパラメータが組み合わさって、事実上のハンドブレーキになっているのかもしれない。しかし、ライコネンがスピンするのは見たことがない。

ベッテルのペースを考えると、この不手際がなければレースで優勝することができただろう。フェラーリは、シンガポールでのマシン・アップデートで失敗し、チームの力とその総合的なツールやデータ、ふたり合わせて500戦以上のレースに出走したドライバーをもってしても、それを理解するのに時間がかかった。これは、何にもましてマシンの複雑性について教えてくれる。

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マーティン・ブランドルのF1コラム
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