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2019年04月18日

メルセデスにフロント・ウィング交換を余儀なくさせた小さな違反、レッドブルは前戦で使用 - 中国GP:F1技術解説

The tiny infraction that forced Mercedes’ front wing change in China

メルセデスW10 - フロント・ウィング

中国でフリー走行が始まる前に、メルセデスが新しいフロント・ウィングを修正しなければならなくなった裏話は、規約の解釈におけるわずかなアドバンテージを見いだすことについて、チーム間の競争がいかに激しいかを完璧に示している。また、FIAが1チームに対して認めたほんのわずかな猶予であっても、そこにアドバンテージがあると信じれば他チームが飛びつくことを示していた。

中国のレース前の月曜日、FIAはチーム間で不明確さがなくなるよう、フロント・ウィングのエンドプレートの規約の詳細を定義する技術指令を発行した。関連する規約は、エンドプレートとウィング・エレメントの交差部分を詳述した詳細第3条3項5および第3条3項6である(関連する部分をこの記事の最後に掲載し、重要箇所は太字で示した)。

技術指令が発行された理由は、オーストラリアでウィリアムズが最初の2戦について免除されたものを、レッドブルがバーレーンで利用したからである。一方、メルセデスは、中国でマシンに搭載する予定の新しいフロント・ウィングの設計に「猶予を与えられた」のと同じ解釈を取り入れていた。

メルセデスW10

技術指令は、基本的にエンドプレートがエレメントと合流する場所がエレメントの端を決めるとしている。つまり、エレメントはエンドプレートの反対側を越えて延長することはできないのだ(ただし、これらエレメントは、フロント・ウィングとそのエレメントの幅を定義する領域内に含まれるかもしれない)。

規約は、おそらくエレメントが規約の最大幅まで延長できると解釈することができる。ウィリアムズは、FW42の当初のフロント・ウィングを設計するときに規約をそのように解釈し、エレメントを「仮想エンドプレート・ゾーン」より5mm延長した。しかしチームがメルボルンに到着すると、FIAは、それは正しい解釈ではないと発表した。だがウィリアムズはマシンの完成が遅れており、ファクトリーは必死に必要なスペアパーツを全力で製造していたので、FIAはウィリアムズに2戦の猶予を与えた。

レッドブル・ホンダRB15のフロント・ウィング:2019年F1バーレーンGP

この猶予は公表されず、ウィリアムズの解釈に気づいたレッドブルは、その解釈の独自バージョンを製造し、バーレーンのレースで使用した。それが上図である。矢印はエンドプレートを越えたウィング・エレメントのわずかな部分を示している。

一方メルセデスは、この解釈を中国に持ち込んだ新ウィングに取り入れた。しかしチームが中国に到着すると、技術指令が発行された。したがってメルセデスは下図のように、違反したウィング・エレメント部分を削らなくてはならなかった。

ウィリアムズとレッドブルは、技術指令に従い、すでに中国用ウィングを修正していた。

メルセデスW10 - フロント・ウィング

メルセデスのフロント・ウィングは、メルボルンやバーレーンで使用されたウィングとは、エレメントのわずかに余分な隅だけが異なっていたわけではない。エンドプレート自体、後ろの外側隅が広範囲に再形成されており、バルセロナ・テストの2週目に導入された、四角形の切欠きに代わり、新しい斜めの曲線に置き換わった。

メルセデスW10 - フロント・ウィング

これはあまり極端ではない持ち上がり方をするボトム・エレメントと協調していた。中国とバーレーン・テストで走行したマシンのわずかに増えた傾斜角を活用するために設計されたのかもしれない。より高い傾斜角によって大きくなったウィングの迎角は、ウィングのそのセクション周囲の気流パターンを大きく変えるはずだからである。

ウィング・エレメントの追加部分のアドバンテージは、わずかであっただろう。しかしいかなるアドバンテージもF1では必ず最大限化されるものだ。

規約の内容は...

第3条3項5:エンドプレートを定義するために、数学的表面(「仮想エンドプレート表面」と称する)を構築しなければならない。

フロント・ウィングのエンドプレートは、ふたつの体積の結合によって生じたボディワークと定義される。最初の体積は:e)仮想エンドプレート表面の少なくとも95%を完全に包囲しなければならない。

第3条3項6.f:車内側および車外側の輪郭表面が定義されると、輪郭を結合するために混合表面を定義しなくてはならない。これら表面は、単一の車内側輪郭表面の体積内にあり、完全に移行体積内になければならない。この最低限の移行表面が定義されると、車内側および車外側輪郭の当初の重複する表面を適切に削減しなければならない。

フロント・ウィングの輪郭が定義されると、第3条3項5で定義された仮想エンドプレート表面によって削減されなければならない。そして、その表面の車外側のフロント・ウィング輪郭部分を切り捨てなければならない。フロント・ウィング輪郭がフロント・ウィング・エンドプレートと交差する場合、最大10mmのフィレット半径が適用される。

メルセデスW10 技術解説
レッドブル・ホンダRB15 技術解説

-Source: The Official Formula 1 Website



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